跳ね橋、通りゃんせ [街並み]
パリでは黒子が持ち上げて運び、
アムステルダムでは警官が頬ずりしてラブラブ。
車両進入禁止の標識に誰かがイタズラ。 その下は、自転車と原付は除く、の意味。
ちなみに、パリのイタズラ車両進入禁止の標識を含む旧ブログ記事は、こちら。
さて、8月中旬のひとり散歩の話の続き。
アムステル川に架かるBlauwbrug ブラウ橋から見た次の橋、
ボートでくぐる時にKissすると永遠の愛で結ばれる・・・という、その橋は、
Magere Brug マヘレの跳ね橋。
ブラウ橋のすぐそばには・・・
・・・他にも跳ね橋がある。 Nieuwe Keizersgracht 新カイゼル運河に架かるもの。
跳ね橋の向こうに見える建物は、
Hermitage Amsterdam エルミタージュ美術館アムステルダム別館。
その橋の上から新カイゼル運河を見ると・・・
・・・正面奥に、Hortusu Botanicus Amsterdam アムステルダム植物園の温室が。
今、並行して紹介してる花のお話は、あそこの植物園で撮ったもの。
あれ? むこうの跳ね橋が上がって、鉄の板のようなものがそそり立ってる。
船が通るんだな。
ということは、今いる跳ね橋も・・・と思った瞬間に、橋の信号が赤に変わった。
慌てて橋からのいて、脇で成り行きを見る。
係の人が操作すると、橋の中央が持ち上がってきた。
完全に橋が別れて壁のようになり、しばし待つと、船が。
長い長い船の先が続き・・・
・・・ようやく操縦席のある部分。
思ったより大きな船で、新カイゼル運河からアムステル川へ出て・・・
・・・左へ曲がろうとしてる。 こんなに長い船、対岸に当たっちゃうのでは・・・?
ちゃんと曲がり切れるのかしら・・・と、見ていたら・・・
・・・あらま、船の後部には自動車まで積んでいた。
スクリューで水面をバチャバチャと波立てて進路を変え・・・
・・・上手い具合に曲がり切ってみせた。 オランダは船も自動車と同じ右側通行。
左側にいるボートと比べると、その大きさが分かるかな。
そのまま船は南へと進んで行く・・・ということは、
ひょっとして、マヘレの跳ね橋も・・・と、そちらを見ると・・・
・・・橋の中央が持ち上げられて、船が通れる準備をしていた。
しかし、あの狭い幅を通り抜けていけるのかしら・・・と心配していたら・・・
・・・そそり立つ橋の壁の間を、するりと抜けるようにして出ていった。
なんて見事な操縦技術。
珍しいのか、観光クルーズ船もその場にとどまって、一連の船の進行を乗船客に見せていた。
その後は遮断機も上がって、分かれてた橋もすっかり元通りの状態に戻り、
人や自転車が賑やかに行き交っていた。
タイミング良く、思わぬ場面に出会えて得した気分を抱いたまま、私も先へ進む。
エルミタージュ美術館アムステルダム別館の前の桟橋では、並んで腰かける人たち。
新しい店が入ったり、改装されたり、細かな部分は変わっても、
街全体の姿は何年経っても、さほど変わらないんだろうな。
と、ピクチャー・エフェクトのレトロ・フォトで撮ってみる。
昔の古い絵葉書みたいな色合い。
この日のもう一つの目的は、マヘレの跳ね橋だったから、
その橋が上がって船の通行を見ることができた時は、本当に嬉しかった。
少しずつ近づきながらも橋を撮る。 自分の中にあるイメージの角度を探りながら。
ミニチュア効果で撮って遊んだりもして。
トイカメラ効果で撮ったから、少々暗くて見えづらいけれど、
街灯に並んで立ってる赤と白のバーが、遮断機。
あ、それと、マヘレの跳ね橋は、自動車は通れない。
渡れるのは、人と自転車と原付かな。
では、跳ね橋を渡っていこう。
南の方を見ると、Amstelsluizen アムステル閘門。
閘門というと、水位の異なる運河や水路へ船を通過させたり水を通したりする建造物だけれど、
ここのは一部を除き解放されてる様子。
昔は、通行料の徴収も兼ねていたんだとか。
北の方を見ると、先に歩いていたところ。
市庁舎・ミュージックシアターの大きな建物の向こうに、南教会の鐘楼。
ちょうどトラムがブラウ橋を渡ろうとしてる。
マヘレの跳ね橋に来たのは・・・
・・・この写真を撮りたかったから。 この角度からね。
というのも、ちょうどその数日前、
Kamoさんは、夜景のマヘレの跳ね橋のポストカードを額に入れてリビングに飾っていた。
橋に取り付けられてるいくつもの暖色の電球(・・・現在はLEDらしい)が灯り、
暗闇に浮かびあがる橋の姿は、とてもキレイで。
だから、昼間の様子も写真に撮って見せてあげたかったのだ。
目的達成。
アムステル閘門の向こう岸に見える建物は、Koninklijk Theater Carré 王立カレー劇場。
オランダのイリュージョニスト、Hans Klok ハンス・クロックが
6月16日から8月25日迄、新しいショー"The New Houdini"を上演していた。
脱出イリュージョンだそうな。 今はツアーで各地を回ってるみたい。
常に前から風を受けて髪をなびかせてるので印象的。
人の名を覚えるのが苦手な私でもオランダに来てすぐに覚えられた。
振り返ると、角の家に目がいった。 おやおや、いいもの発見。
こういう壁にあるエンブレムっぽいの、大好き。
オランダ語では、Gevelsteen ヘーフェルステーンという。
直訳すると家の正面石、ファサード石。
元々は、昔、番地がなかった頃の家の目印みたいなものだったよう。
運河に面した側の階段そばには、山羊もいた。
Prinsengracht プリンセン運河に架かる橋を渡る。
橋の名前にある、
Frans Hendricksz. Oetgens(1558-1625)は、煉瓦積み職人の匠らしい。
フランス・ヘンドリクスゾーン・ウトヘンスという読み方かしら・・・。
他に、町議会のリーダーやらアムステルダムの市長やら、かなりの有力者だったよう。
アムステルダムの運河ベルトの設計者のひとりでもあったとか・・・Wikipediaに。
腕の時計を見ると、いい時間。 そろそろ帰らないとな・・・
・・・と、そのプリンセン運河沿いを歩き、西へ。
この日、ダム広場からここまで歩いて来た距離は、約2.5km。
写真をとりながらのんびり散歩して1時間半ほどだった。
帰宅後、夕飯の支度を開始して、何事もなかったかのように振舞う。
驚かそうと、Kamoさんがパソコンに写真を取り込むまでの間、平静を装うのが大変だった。
楽しい散歩だったから、その話がしたくてうずうずだったもの。
今度は一緒に、ふたりで歩こう。
Kamoさんは自分で夜景のマヘレの跳ね橋を撮りたいそうな。
※ 写真はSONY。
橋は手動みたいですね~TVで見ました。
by ぴーすけ君 (2013-09-17 19:52)
パソコンをお二人で共有しているのですね。
一緒に写真を見ながらその日のお話が出来るのって、楽しそうですね~♪
うちはパソコンが仕事道具でもあるので別々です。
写真も私が一人で撮って一人で見てるだけ・・・たまに私の部屋に来たうちのドイツ人が、たまたまモニターに映していた写真を見て、ああここ行ったね~と見入ってます。
by めぎ (2013-09-18 04:11)
跳ね橋が動くのを見ているとワクワクしますよね~♪ でもこれだけあるとあっという間に時間が経ってしまいそうです(^^)
by 母ちゃん (2013-09-18 06:17)
正式な標識かと思ったらいたずらなんですね。可愛らしいです。
船が行き交う跳ね橋の様子はずっと見ていても飽きないくらい楽しそう。
by luces (2013-09-18 12:26)
進入禁止マークに微笑んでしまったよ。
パリのもかわいいけど、オランダの方がかわいい!
始めなんのことかわからなかった。
すごく堂々としたアートだったから。。。ぐふ。
Inatimyさん、かわいい奥さんだわ。
そわそわしている様子を想像しちゃった。
今度は一緒に出かけられたらいいね。
by カエル (2013-09-18 17:04)
パリの標識よりもアムスの標識の方が可愛いく感じるのはハートのせいかな~
跳ね橋が開くのってワクワクしますよね。
タイミング良く開く場面に遭遇出来てラッキーでしたね~
マヘレの跳ね橋の写真を見た時kamoさんの姿が目に浮かびました^^
夜のマヘレの跳ね橋の写真楽しみに待ってます♪
by miffy (2013-09-18 21:00)
おもしろい標識と思って見ていたら、いたずらなんですか^^
パリでもアムステルダムでも、そのままにしていてくれるのも粋な感じがしていいですね。
跳ね橋、面白い動きに見入ってしまいそうです。
長い船、操縦がお上手ですね。
すごく大きいトラックが右折や左折の時に、ぶつかりそうと思いながらも
上手に運転されるのを見て感心します。
船も操縦の技術がすごいのでしょうね^^
by アールグレイ (2013-09-20 15:38)
素敵な風景ですね。ツアー旅行では、忙しくて、こういう風景の写真は、なかなか、撮れません。進入禁止の悪戯書き、誰がしたのでしょうかね。
こういうのをそのままにしておくというのも、面白いですね。
日本なら、器物損壊で、捕まったら大変。
by テリー (2013-09-20 18:48)
→皆さま
『跳ね橋、通りゃんせ』のお話に、nice! & コメントありがとうございます。 なんだか肌寒い日曜日。 PC画面に向かってると手が冷たくなってくる。 湿度が高くて洗濯物も乾かない・・・。 外は黄色くなってきた葉っぱ。 今日は秋分。 オランダの暦上でも秋の始まり。
→ぴーすけ君さま
橋の脇に操作室みたいな小屋がありました。 手で引っ張って橋を上げる完全手動タイプも郊外に♪
→めぎさま
日本ではそれぞれが持ってたんですが欧州引越しの際に節約でプライベートPCは1台に。 (Kamoさんは会社提供のPCがありますが、あくまでも仕事用。) ふたりで1台でも、使う時間帯が異なるのでいいかな。 リビングにあるので、ちょっと来て、見て!なんて呼んだり。 写真もまとめて入れてありますが使ってるメーカーが異なるので区別はOK♪ あれ?いつの間に・・・って感じの写真があったり、お互い楽しんでます。
→母ちゃんさま
跳ね橋の動く様子は見ていて楽しいですね~。 街の中にもあるし、のどかな野原の中にもあるし、さらには高速道路にだって跳ね橋が・・・。
→lucesさま
よく考えますよね、発想がスゴイ。 本当はしちゃダメなんだろうけれど・・・。 面白いデザイン♪ あんなに大きな船が、細い運河をすり抜けて川に出て行く様子は、ドキドキしました~。
→カエルさま
標識に貼っちゃって、なんとも大胆なデザインアピールですよね。 パリのは黒一色だけど、オランダのは青とピンクで使い分けてるのも可愛い。 ふふ、私はポーカーフェイスができないタイプなので、バレないようにするのが一苦労でした(笑)。 冬になったら日没も早くなるので、夜景の橋も撮りやすくなるかな~。
→miffyさま
ハートが2個、可愛いですよね。 アイデアもの♪ 最近よく跳ね橋が上がるところの遭遇するので、本当によ良いタイミング続きです。 でもこういうところに運を使っちゃうのもなぁ・・・。 夜景の跳ね橋、Kamoさんなら三脚もってちゃんと撮りそうだなぁ。
→アールグレイさま
いたずら標識、あまりに普通に馴染んでいたから皆違和感ないのかも(笑)。 運河沿いを歩くと何かしら船が通ってるのですが、ここまで大きな船が通り抜けていくのを見るのも初めてで、思わずカメラを構えて待ってしまいました。 当たらないかドキドキしましたねぇ。 私なら、どこか擦ってるかも。
→テリーさま
ツアー旅行だと慌ただしいでしょうねぇ。 たまに欧州の旅行の日程などを目にする機会がありますが、1日2~3都市ペースでまわったり、美術館見学が1時間しかなかったりして、これは絶対無理、無理・・・と、ひとりツッコミいれてます。
by Inatimy (2013-09-23 00:17)
マヘレの跳ね橋のポストカードではじまったお散歩だったんですね。
Inatimyさん、優しいなぁ~ ^^ 今度はお二人で夜景の撮影ですね。
跳ね橋がこんなにたくさんかかる河、流石運河の国ですね。
それに、狭い一方通行の道を曲がっていくトラックのような大型船。操舵も見事なんですね。
どのお写真も素敵ですが、あの角度の一枚かなぁ~、素敵です。
by moz (2013-09-23 10:04)
追伸です。一方通行、おもしろい。なぜハート?? 笑
by moz (2013-09-23 10:06)
→mozさま
ずっと仕事で忙しそうなので、ちょっと楽しいサプライズを、と。 私も十分散歩で気分転換できたし、今度は夜景撮影ふたりで行きますね~。 アムステルダムの街の中、跳ね橋以外にも固定の橋がたくさん。 そのアーチもまた美しいんですよ。 いつか、ボートクルーズ乗って見てくださいね。 この大型船、アムステル川をどこまで行くんだろうなぁ・・・。 標識アートもなかなか面白いでしょ。 ダッチデザインの世界もお勧めです♪
by Inatimy (2013-09-25 05:26)