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アムステルダムのへそ [街並み]

私たちは、どこに向かって進んで行くんだろう。

向かい風を受けても。

amst6dmpn2cs.JPGCASIO

風見鶏ならぬ、風見船。 

オランダ語では、こういった風向きを示すものを
windwijzer ウィントワイザー とかwindvaan ウィントファーン という。

これがあるのは・・・ 

amst6dmpn1cs.JPGCASIO 6月

・・・Dam ダム広場にあるKoninklijk paleis 王宮。 写真で左に建ってるのがそう。 
あの丸屋根の上、一番高いところにあるのをCASIOでズームした。

正面奥に見えるのは、Nieuwe Kerk 新教会。 
2013年4月30日に現在の国王ウィレム=アレクサンダーの即位式があったところ。 

ダム広場なんて、以前はあまり近寄らなかった。 なんせ観光客が多く歩きづらい。

でも、パリで後悔した。 もっと見ておくんだったと。
というのも、ルーヴル美術館で2枚、この風景を描いた絵があったのだ。 
          ↑ クリックすると旧ブログの記事へ。

そして、Rijksmuseum アムステルダム国立ミュージアムでも見つけた。

rksmsmdmpn2.JPG

"Gezicht op de Dam in Amsterdam" 1895-1898頃  水彩
描いたのはオランダの画家、
George Hendrik Breitner ヘオルヘ・ヘンドリック・ブレイトネル(1857-1923)。 

19世紀終わり頃のダム広場。 絵の右端には記念像らしきものが見える。

その記念像は、De Eendracht ・・・直訳は、一致団結
一般にはNaatje van Dam ダムのナーチェの名で親しまれたみたい。
Wikipediaによると、1831年のベルギー独立革命に対する鎮圧の戦争の25年後、
追悼の意味と国民の精神のシンボルとして建てられたようで、1856-1914年の間に存在した。
  

この絵は、少し見下ろす感じだから広場に面した建物から見て描いたと思われる。

手前に見えているのはPaardentram ・・・直訳は、馬トラム。 日本語では、馬車鉄道かな。
レールの上の客車をが引くというもの。 1916年には街から姿を消したそうな。

amst7dmpn1sn.JPG7月

現在、ダム広場の中央は何もなく、がらんとしている。 
王宮は見学もできる。 

その王宮、元は市庁舎として1648~1665年の間に建てられた。
フランス占領時代の1808年には、皇帝ナポレオン
Louis Buonaparte ルイ・ボナパルト(1778-1846)>に宮殿として提供。

ナポレオン帝国が崩壊後、オランダの王室の宮殿に。

19世紀から少し遡ったになると・・・ 

rksmsmdmpn3.JPG

・・・"De Dam in Amsterdam" 1750-1781頃
オランダの画家 Jan Ekels ヤン・エーケルス(1724-1781) の作品。
            ↑ de Oude とか I(1世)とかつくみたい。 息子も画家だから。

18世紀の頃のダム広場。 

運河で運ばれた商品の取引の場でもあった広場の中央には、Waag 計量所があった。
しかし、ナポレオン弟の命令で1808年に取り壊されたそうな。

amst8dmpn1sn.JPG8月

計量所記念像もなくなった今の王宮の前。 

もし計量所が残っていたら、テラス席が人気のカフェになっていたかもしれないな。 

でも広い場所になったおかげで、Kermis ケルミス(移動式遊園地)も来たりする。
大きな観覧車だって設置OK。

更に遡って・・・

rksmsmdmpn1.JPG

・・・"Het Stadhuis op de Dam in Amsterdam" 1672
オランダの画家 Gerrit Adriaensz. Berckheyde ヘリット・ベルクヘイデ(1638-1698)。

ルーヴル美術館で観たのは、この画家の絵で、先にあったような横からの眺めだっだ。

17世紀の頃のダム広場王宮(当時は市庁舎)。

市庁舎が完成して7年後。
絵の右端に計量所らしき建物が少し描かれてる。 集まった荷物も。 

amst7dmpn2sn.JPG7月 

王宮正面が東に向いてるので、晴れた日の午後には逆光で見えづらくなる。 

で、8月ひとり散歩の時に王宮からスタートしたのは、
追加で写真を撮りたかったから。

amst8dmpn2sn.JPG8月

少し離れた広場の様子。 赤いのぼりの旗は、運河フェスティバルの。

現在、道路を挟んで王宮の向かいには、戦没者記念塔がある。 1956年に建てられた。 

分かりやすく重要な建造物を取り出すと・・・ 

amst7dmpn3sn.JPG

・・・こんな感じ。 本当は戦没者記念塔がもっと王宮新教会と離れているんだけれどね。 

王宮新教会の間から見えてる建物は、Magna Plaza マグナプラザ

現在は、多くの店舗が入るショッピングセンター。 
元は、Amsterdamse Hoofdpostkantoor アムステルダム中央郵便局。 

その王宮新教会の間の道を実際に歩くと・・・ 

amst8dmpn3sn.JPG

・・・こんな風に見えて、本物はさすがに迫力ある大きさ。  

先のミニチュアは、Madurodam マドローダムで。 
オランダ語の発音では、マドゥーロダム。 伸ばす部分が異なるのだった。

そのミニチュアパークの様子は、またいずれ、そのうちに。

すごく名の知れた画家でもないから、の前を素通りされることも多いかもしれない。
でも、ちょっと足を止めて観ると、ガイドブックにはない面白さを得ることも。

 

描かれた場所に行ってみたくなる・・・風景画の魅力の一つかな。

 

※ 写真はSONYとCASIO。 絵画は絵の部分をトリミング。


nice!(35)  コメント(11) 
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コメント 11

テリー

こういう風に、紹介されると、オランダに行ってみたくなりますね。
by テリー (2013-09-20 18:51) 

luces

17世紀と同じ景色が今も見られるなんてすごいことですね、
by luces (2013-09-20 19:11) 

ami

風見船、ズームでもバッチリ撮れていますね。凄いわ。
風景画と現在の建物が変わりなく保存されている
所が素晴らしいと思います。
by ami (2013-09-20 19:38) 

旅爺さん

オランダは旅行寸前に家内が病気でキャンセルしたままなので行って見たい国です。
by 旅爺さん (2013-09-20 20:13) 

baby_pink

今もなお、変わらぬ風景がそこに存在するなんて凄いなぁ。。
新しいものへ・・つい惹きつけられがちですが、この夏、飛騨へ
行ってから何か少し、古きよきものを大切に未来へ伝え、届ける
ことの素晴らしさを実感しました。
いつまでも、素晴らしいものは輝いていて欲しいですね。
それを見た、どの時代の人達もまた、同じ感動を持って欲しいです。
なんて。。ネ^^笑

by baby_pink (2013-09-21 09:55) 

母ちゃん

上を見上げると色々な物が発見できそうですね♪
by 母ちゃん (2013-09-21 10:41) 

カエル

絵画と照らし合わせる楽しみ方は、Inatimyさんから教えてもらったよ。
いつもいかないところで新発見があるよね。
by カエル (2013-09-22 01:07) 

めぎ

オランダと船という言葉を聞くと、ワーグナーを思い出してしまいます。
ずっと彷徨ってしまいそうな、高波に揺られているような、そんな気分・・・
こんな綺麗な金ぴかなのとずいぶんイメージ違うなあ♪
それにしてもずいぶん高いところを綺麗に大きくズームしましたねえ。
カシオ、やるなあ。

by めぎ (2013-09-22 07:27) 

moz

ミニチュアパークでしたね 笑
ちょっとびっくりしました。建物をどかしてしまったのかと?? ^^;
やっぱり混雑しているからにはそれだけの訳があるのだし、一度は? 行ってみるものってことですね。まして、そんなに有名なものがたくさんあるところなら。ルーブルの絵もこの広場そのものですよね。
いいなぁ~、オランダ、フェルメール、行きたいです。 ^^
by moz (2013-09-23 09:51) 

miffy

ヨーロッパは街の風景が変わってないから400年前の絵と同じ風景を見ることが出来るんですよね。
マドローダムと本物の風景を比べてみるのも面白いですね~
by miffy (2013-09-23 21:30) 

Inatimy

→皆さま 
『アムステルダムのへそ』のお話に、nice! & コメントありがとうございます。 ここ数日スゴイ霧。 もやがかっていて、風もあまり吹かないからたまったままの午前中。 曇り空で、空気がじっとり湿ってる。 肌にはいいけど、太陽が出てほしいなぁ。

→テリーさま 
オランダ、是非、いつかゆったりと旅なさってみてくださいね。 王宮も、国立ミュージアムも♪

→lucesさま 
日本にも五重の塔など古い建物はたくさんあるけれど、あまり意識したことがなかったので、どうなんでしょうね、風景、変わってるのかしら。 

→amiさま 
なかなかいい仕事してくれるんですよ、CASIOくん。 晴れた日のズームなら、まだまだいけます♪ 同じ場所を時代が変わっても描く人がいるというのが、面白くて。 それだけ魅力的なポイントなんだろうな~と。

→旅爺さんさま 
オランダは来ていただけるのをずっと待っていると思いますよ♪ いつか是非。

→baby_pinkさま 
単に古臭いと片付けてしまうのではなく、そこにある美を感じ取ることが大事なんでしょうね。 そんな繊細さに敏感な心、持っていたいものです♪ 壊すのは簡単だけど、築き上げていくのは容易くないですものね。 古き良きもの、見る目を養いたいです。

→母ちゃんさま 
でも上ばかり見てると、下にもあるいいものを見逃しちゃうので、きょろきょろ、私の散策は挙動不審ぽくなってるはず・・・。

→カエルさま 
ふふ、パリでもしてたなぁ。 そういえばドアノーさんが撮ったレ・アール、今頃どうなってるかしらね。 引っ越しで工事現場が撮れなくなってしまったのは心残り。

→めぎさま 
そうだ、船と言えば「さまよえるオランダ人」がありましたね。 私は金ぴかは納得でしたよ。 ちょうど市庁舎が建った17世紀と言えば、オランダの黄金時代(Gouden Eeuw)で、東インド会社ができたり、レンブラントなどの巨匠も登場したり、とても盛んな時期だったから。 CASIOくん、なかなかでしょ。 これでめいっぱいじゃないんですよ、まだまだ余裕。 EX-H30は、長寿命電池とプレミアムズーム18.8倍がうりでした♪ でも美術館で絵画を撮るには画質が悪いので、そこはSONYくんの出番。

→mozさま 
オランダはチューリップ、風車、チーズ、木靴だけじゃなく面白いものが山ほど。 ミニチュアパークも見どころ満載。 一通りオランダの見どころが押さえられるほど。 美術館にはフェルメール以外にも、日本では名前は知られていないけれど凄くいい絵を描くオランダの画家の絵があるので、ぜひ新たな発見を♪ 

→miffyさま 
昔からある街はあまり変わらないんですが、以前は何もない野原だったところに新しく家が建ったり、段々人口が増えるにつれ街も大きくなってきてるなぁ・・・とは感じます。 いいものはそのまま残って行ってほしいですよね~。 マドローダム、実際に行ったところのミニチュアもたくさんあったので、帰宅して昔とった写真と比べても楽しめました。
by Inatimy (2013-09-25 05:20) 

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