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昔の駅舎で懐古調気分 [ミュージアム]

新しいものがどんどん増えると、

ますます古風なものに愛着がわいてくる。 

逆に、古いものが新鮮に見えてきたり。

私が捨てられずにいるものも、いつかはそんな仲間に入るかな。

・・・断捨離って案外難しい。

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前回の続き。 8月の終わりにUtrecht ユトレヒトに行った日のお話。 

Domtoren ドム塔に上って、お昼を食べて、散策しながらやって来たのは、
Stadsbuitengracht 市外運河の外側にある ・・・

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・・・昔の鉄道の。  Maliebaanstation マリーバーン駅

1873年から建設が始まり、1874年にオープン。 1939年に閉鎖。
その後は一時的に使われたこともあったよう。

1873年というと、日本は明治6年。 徳川慶喜が大政奉還をして6年しか経ってない頃。

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現在、ここに何があるのかというと、Het Spoorwegmuseum 鉄道博物館。 

ユトレヒトに面白そうなミュージアムがあるから行ってみない?と
Kamoさんが誘ってくれたのが今回のお出かけだった。

駅舎には、1等&2等待合室、3等待合室、レストラン、そして・・・

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・・・王族の待合室。 これは、取り壊されたデン・ハーグSS駅からの移設のよう。  

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プラットホームには、いくつも機関車や車両が並んでいたりする。  

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行き先は、Zandvoort Bad 。 
ザントフォールトは北海に面したビーチがあり、夏はかなりにぎわう。

下には、ちゃんとNiet instappen 「乗り込まないでね」とある。 

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面白かったのは、駅の床屋さん。 列車を待つ間にカットしてもらってたんだなぁ。

たくさんの引き出し、こういうのは好き。

この床屋さん、元々はDordrecht Centraal ドルドレヒト中央駅 にあったものらしい。

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この機関車の大きな車輪には、
BEYER, PEACOCK & Co, MANCHESTER. 1881 と入ってた。
英国にあったベイヤー・ピーコックという鉄道車両メーカーのもののよう。 

鉄道にまったく詳しくないけれど、古い車両を見るとワクワクする。
デザインや色使いなど機能美としてみた場合、カッコいいなと思う。

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さらに特別な客車も展示されていた。  
Juliana's rijtuig とあったから、ユリアナ女王の列車

ユリアナ女王(1948-1980)は、現在のオランダ国王ウィレム=アレクサンダー祖母

で、通路の窓枠下にあるプレートには、
BINNEN DE RAMEN BLIJVEN とある。 窓の内側にとどまるようにの注意書き。
 ビンネン・デ・ラーメン・ブライフェン

オランダ語でraam ラームで、複数形がramen ラーメン
日本人としては、ついついあのを思い出してしまう・・・。

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王室に仕える人のコンパートメント。 洗面台があったり、窓辺に暖房器具もある。 

窓の下のハンドルは、もしかして回すと窓が開くとか?

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下に収納されてるのは・・・まさか、トイレ? 

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王女さまたちの寝室。 シャワー付きのコンパートメントだそう。 

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小さなキッチンもあった。 
他に、ベルンハルト王配(ユリアナ女王の夫)の執務室や寝室も。 

客車から出て、線路を渡り、さらに大きな建物の中に入ると・・・

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・・・車両の格納庫のような雰囲気。 映画のセットのような面白さ。

記事の最初の写真もそう。

トラックの向こうの部屋には、名盤、時計、デルフト焼きっぽい便器にランプ、
駅で使われてたありとあらゆるものが 展示されてるといった感じ。

当時の世の中の品々にレトロ感が漂う。 

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カフェ・レストランのテーブル席も雰囲気満点。 

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鉄道車両だけじゃなく、戦車も大小様々、展示されていた。

第二次世界大戦中、
このマリーバーン駅からユダヤ人が列車で移送されたりもしたそうな。 

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外に出ても、見どころ多し。 注意を促す看板も。 

ちゃんと歩行者通路を歩かないと轢かれちゃうよ、って意味かしら。 

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あの給水塔の下の部屋には、レール、ボルトやナット類がたくさんあった。  石炭も。

室内からしか見てないけれど転車台もあったし。

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右: 電気機関車 NS1000シリーズ。 貨物列車や石炭列車を引いていたそう。

左: 電気機関車 NS1300シリーズ。 1952~200年に使用されてた。 黄色と灰色。

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この鉄道ミュージアムには展示の他に、体験できる室内アトラクションもいくつかある。 
とっても迫力あった。  

自分で列車を運転するシミュレーションは難しそうだったな・・・。 

子供用トレインも敷地内を走ってるし、列車の走る風景画ばかりを集めた展示も面白く、
大人も子供も十分満足できる趣向を凝らしたミュージアム。  

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上: NS 386 で、1962年製。 この形は、Hondekop(直訳:犬の頭)と呼ばれたそうな。

下: NS 273 で、1952年製。

なんて、外のホームで車両を撮っていたら・・・

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・・・すっごく新しい電車が入ってきた。 

これって、乗っていいの? ・・・と他の人の様子を見ていたら、さっさと乗り込んで行く。 

出口に向かって、そろそろ帰ろうとしていたところ。 
乗ってみる?と、ホームの端にあったリーダーにOVチップカードをかざしてチェックインし、
ドキドキしながら座席に座る。 

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車内の電光掲示板に出た行き先に、安堵した。 ユトレヒト中央駅まで行くみたい。 

助かった・・・歩かなくて済む。 ここから駅まで徒歩だと30分ほどはかかるもの。 
シャトル列車サービスに感謝。 

ゆっくりのんびりの早さで街を走り、途中、高架下で止まったりして方向転換し、
ユトレヒト中央駅に到着。 楽々乗り換えて家路につけた。

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マリーバーン駅舎前にあったゴミ箱にも、こだわりのデザイン。 

12月7日からは、室内にスケートリンクも設置されるそうな。 

ユトレヒトというと、上ったドム塔や、古い運河のテラス席カフェ、
ミッフィーちゃんのディック・ブルーナー博物館や、オルゴール博物館が有名だけれど、
ここ、Het Spoorwegmuseum 鉄道博物館もお勧め。

 

昔のオランダを知ることで、その頃の日本って?と興味を抱く。
・・・不思議な効果。

 

※ 写真はSONY。


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コメント 11

ぴーすけ君

古いものは長く愛される理由があるんですよね~。
見てて和みます。
by ぴーすけ君 (2013-12-03 20:34) 

めぎ

ラーム(Rahm)はドイツ語では乳脂のことだけど、ラーメン(Rahmen)は枠や額縁のことなんです。これはきっとオランダ語の窓と語源が同じでしょうねえ。
私はラームと聞けば(Lahm)が浮かびます。ドイツチームの主将です。抽選、もうすぐですねえ。
by めぎ (2013-12-04 04:17) 

ハリネズミ

列車の中の小さなキッチン、かわいいなぁ♪。
コンロの上のアルミのケトルもレトロな雰囲気がすてきだし。
床屋さんの引き出しいーっぱいのチェストもいい感じ。
ほの暗いカフェレストランの天井の高さ、目を見張りますね。
by ハリネズミ (2013-12-04 06:40) 

baby_pink

どこをみても魅力的で楽しい♪
こんな素敵なところがあったらずっと居ちゃうだろうなぁ~って思いました^^
床屋さんの沢山の引き出し、私もこういうのすきです。
色んな、店主さんの大事なものや好きなもの、なんでも無い物が引出に
入っていて、あれはどこに入れたっけ・・・どこぉ~~?!なんて店主が
慌てて探している風景が目に浮かぶよう^m^
カフェもまるで当時のお客さん達が居るかのような、落ち着きある雰囲気で
はぁ~。こういう所私ホント大好き!!
inatimyさんとkamoさんと一緒に見て回りたかたたぁぁ。。苦笑
ゴミ箱のデザインも今見ると、このレトロさが新鮮で渋くてかっこいいですよね。
by baby_pink (2013-12-04 06:49) 

moz

おおーっ、オランダの鉄博ですねーー!!
すごーーい、初めて見ました。じぶんは別に鉄ではないのですが、ブログやっているとどうしても? 鉄道にも興味が出てしまいます。新しい新幹線E5 E6 にはどうしても乗りたくなるし、今度の北陸新幹線E7 にも是非乗ってみたい 笑
日本の鉄博もまだいったことないのですが、ご紹介いただいたオランダの、とってもレトロでいい感じの博物館ですよね。カメラもっていったら、ずーーっと閉館までいてしまいそうです ^^
ゴミ箱ほしーーい ^^;
by moz (2013-12-05 05:33) 

母ちゃん

美しい機関車たちですね~。中まで入れるっていいですよね! ワクワクします(^^)
by 母ちゃん (2013-12-05 22:55) 

luces

汽車もトラックも戦車もかっこいい!
見に行きたいです。
by luces (2013-12-05 23:01) 

miffy

棚の中に綺麗に整理されているトランクが良いな~
1個1個引き出して中を見てみたいです。
待合室の暖炉や床屋さんの床のタイルも気になりました。
おもちゃみたいな機関車も可愛いな♪
こんな所だったら1日中遊んでいられそうです。
by miffy (2013-12-05 23:04) 

MOCOMOCO

レトロ感満載でとっても楽しい博物館ですね~♪
保存されている状態もとっても綺麗。
今の無機質な列車にくらべると、昔の列車ってとても凝ったデザインで、当時の人たちのこだわりを感じられますね~。
by MOCOMOCO (2013-12-06 21:56) 

hatsu

すてきすてき~、 鉄道博物館いいですね~。
Inatimyさんのお話読んで、ワクワクしてます^^
床屋さんいいなぁ、美しい車両も魅力的。
こいつかオランダに行って、 鉄道博物館を満喫したいです。
by hatsu (2013-12-07 07:54) 

Inatimy

→皆さま 
『昔の駅舎で懐古調気分』のお話に、nice! & コメントありがとうございます。 オランダの列車と言えば黄色と青のボディ。 でも昔は違ったんだなぁ・・・と様々な色にワクワク。 1・2等、3等の待合室を見そびれてたので、今度はチェックしないとなぁ。

→ぴーすけ君さま 
新しいものが次々と登場する中でも、忘れられずに残っていくものもあるんですね~。 私の手元にも古き良きもの、愛着がわいて捨てられないことも多々・・・。 

→めぎさま 
Rahmって乳脂のことなんですね~。 Sahneと同じ意味かしら。 で、Rahmen は枠や額縁・・・これはまさにオランダ語のraam と同じですね~。 たまに似てる単語がありますね♪ 発音はものすごく違うのに。 サッカー、スペインとオランダ同じグループになっちゃって・・・困った・・・。 

→ハリネズミさま 
こんなに狭くてもキッチンの機能を果たすんですよねぇ・・・スゴイな。 引っ越すたびにキッチンも変わって動線も変わり、身体に一旦染みついた流れをリセットして慣れるまでが大変だけれど、これだけ小さいとある意味楽かもしれないな~。 床屋さんの引き出し、整理整頓にはピッタリ。 引っ越すたびに何かが無くなります・・・。 

→baby_pinkさま 
鉄道博物館だけど、車両の他に当時使われていたものも展示されているので暮らしも見えてきて楽しいです♪ ポスターの展示もレトロ感たっぷり。 ふふ、baby_pinkさんと一緒だったらもっと楽しかっただろうな~。 アトラクションできゃーきゃー騒いで、カフェでアップルケーキも食べて。 このゴミ箱もデザイン凝ってますよね~。 

→mozさま 
私も特に鉄ではないけれど、ついつい撮っちゃいますね。 パリの駅舎もかなり撮ってたし(笑)。 鉄道模型メーカーの建築物のプラモもふたりで作ってたり。 日本で知ってる鉄博は京都駅の近くにある梅小路蒸気機関車館。 なかなか、いいですよ。 

→母ちゃんさま 
入っちゃダメなのとOKなのとがありますが、女王の客車は楽しかったです。 あと病院列車も見学できたけど、こちらはちょっと怖かったなぁ・・・・。 

→lucesさま 
下からだけでなく、階段を上がると遊歩道みたいになってて、車両や戦車を見渡せるんですよ~。 スモークがたかれてたりして、幻想的な中、かなり迫力ありました♪  

→miffyさま 
棚のトランクの他に、レトロなコインロッカーもあって、木製なんですよ。 これもカッコ良かったです。 黒に赤の機関車もいくつかあって、機関車トーマスの世界でした♪ ほんと、一日中たっぷり遊んでいられますね~。 アトラクションも面白かったし。 

→MOCOMOCOさま 
今の列車は早く、そして燃費よく走るための設計だから、昔のデザインとは全く違いますよね。 小さな窓や銘板、プラットホームにあった公衆電話もとっても魅力的でした♪ デルフト焼きのような便器も美しかったです(笑)。 

→hatsuさま 
床屋さん、面白いですよ~。 鏡の前に洗面台があったり、椅子の背もたれの頭の部分に紙カバーがあったり。 当時の整髪剤とか並んでて、引き出しにも何が入ってるのか札が♪ いつか機会があれば是非、お孫ちゃまも一緒に。
by Inatimy (2013-12-09 07:50) 

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