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船酔いではなく・・・ [街並み]

月の横顔。

星がキラキラ。

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Halve Maen(アメリカ合衆国オランダ)。 

半月という名を持つ船のおしりが、とっても可愛かった。 オランダ東インド会社のレプリカ。

8月下旬に行った、SAIL AMSTERDAM 2015という帆船祭りのお話の続き。

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Stad Amsterdam(オランダ)。 クリッパーと呼ばれる速度重視大型帆船。 3本のマスト。

会場には、伝統的な帆装の大型帆船であるトールシップは44隻ほどが停泊。
他のも含めると60隻余りがマップに載っていた。

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Alexander von Humboldt II(ドイツ)

船名の下にBremerhaven とあったので、ブレーメンの港かと思ったら、
ブレーマーハフェンという地名だった。 ブレーメンの北50kmくらいのところにあるよう。

白が多いなか、帆布がとっても鮮やかで、美しく。

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Santa Maria Manuela(ポルトガル)。 

ロープに留まったカモメの目線で。

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このポルトガルの船は、4つマストを持つ。 なんかスッキリと思ったら、帆桁がほとんどない。

これが、不等辺四角形の帆を広げて走るラガーと呼ばれる帆船らしい。

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青い空に、スペイン国旗が軽やかに翻る。

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Nao Victoria(スペイン)。 船全体が入りきらないのがすごく残念。

1519〜1522年の間に地球一周の航海を成し遂げた唯一の、そのレプリカ。
歴史でも習った覚えがある名前、ポルトガル人のマゼランが率いたスペイン艦隊、5隻のなかの1つ。

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このレプリカ船も2004年10月にセビージャ(セビリア)を出港し、実際に地球一周したそう。
途中、2005年の愛知万博にも参加したらしい。 2006年5月に無事帰還。

で、我が家は橋を渡って対岸の会場へ。 何やら音楽が聞こえてきたと思ったら、特設ステージが。 
タイミングよく、オランダ人ラッパーYes-Rの歌も聴けてよかった。

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Etoire du Roy(フランス)。 色からすると、スウェーデン?と思ったけれど違うよう。

元は、英国TVシリーズ"Horatio Hornblower"『ホレイショ・ホーンブロワー』の撮影のために
トルコで作られた船、Grand Turk号だったけれど、フランスに売却されて名前も変わったんだとか。

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Young Endeavour(オーストラリア)

遠路はるばる・・・はるか南半球のオーストラリアからオランダまで。 それだけでも仰天。

2本のマストを持ち、前側にあるフォアマスト帆桁がついてて、それに横帆
後ろのメインマスト縦帆を張るブリガンティンというタイプの帆船だそうな。

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Statsraad Lehmkuhl(ノルウェー)。 

もともとは1914年にドイツで作られ、海軍の訓練船の役割をしていたそう。
第一次世界大戦で船は英国に捕らえられ、その後、ノルウェーの大臣だった人に売却された。
船名にもあるレームクールは、この大臣に因んだよう。
第二次世界大戦でノルウェーが占領され再びドイツの船名に戻ったけど、戦後またノルウェーの名に。

・・・と、歴史の荒波にもまれてきたような話が、帆船祭りのサイトに載ってた。

3本のマストを持ち、前2本には横帆、後ろ1本には縦帆のバークというタイプ。

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Sedov(ロシア)

もともとは1921年にドイツキールにある造船所でMagdalene Vinnen II号として作られた船。
やっぱりいろんな経緯があって、第二次世界大戦後に賠償としてソ連に引き渡され、今の名前に。

これもバークという帆船の種類だそう。 マストは4本で、前3本には横帆、一番後ろのマストに縦帆。

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Dar Mlodziezy(ポーランド)。 再び、ロープに留まったカモメ視線。

3本のマストを持ち、そのすべてに横帆が張られるフルリグド・シップ

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船のおしりもスッキリ。 1981年にできた訓練船なんだそうな。 白と赤のポーランドの国旗がなびいてた。

帆船といっても、マストの数や横帆縦帆の違いで様々な種類があるみたい。
足を突っ込んだら、深みにはまっていきそうな奥深さ・・・。

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Zr.Ms.Bruinvis(オランダ)。 観覧車の前には、潜水艦も。

そして、埠頭を歩くすごい人の数。 この日、約60万人の訪問者だったそうな・・・。

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De Europa(オランダ)。 これもバーク。 3本のマストで、後ろのに縦帆。

置いてあったパンフを見たら、全年齢対象、航海経験必要なし、で、共に船旅に出られるみたい。
南極大陸あたりを巡る旅まであるよう。 今後の様々な航海予定と参考価格が載ってた。

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その先にあった。 怖そうな。 海賊船なの? 

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船首像(フィギュアヘッド)も、おどろおどろしい感じ。 

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砲門には、ライオンの顔がついていた。 これは、可愛い。 

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そんなお茶目なは、La Grace(チェコ)。 あれ? チェコって海に面してないはず。

18世紀帆船のレプリカで、2008〜2010の間にチェコスロバキアのボランティアグループにより、
エジプトのスエズにある造船所で作られたんだそうな。

18世紀のオリジナルのを持ってたのが、
Augustin Heřman というプラハ生まれの探検家、商人、地図製作者。
オランダ東インド会社(西インド会社?)で仕事して、
ニューアムステルダム(現在のニューヨーク)に住んだりもしたんだそうな。

会社を離れた後、そのLa Graceという私掠船で、スペイン商人から積荷を奪ったとかなんとか。

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オランダPW809 というWachtschip(港で訓練のために使われる戦艦)。 帆船ではなく。
 
昔はHr.Ms. Naaldwijk(PW809)という名の掃海艇で、機雷を排除する軍艦だったそうな。

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帆布の作業の実演もあった。

Enkhuizen エンクハウゼンZuiderzeemuseum ザウダーゼーミュージアムのおじさま。 
8年ほど前に行ったけど、このミュージアムもかなり面白かった、ちょっとしたテーマパークのようで。
オランダの昔の暮らしがよく分かる。

橋を渡って戻った帰路・・・

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Guayas(エクアドル)帆船に人がいる。 3本マストのバーク。 前2本が横帆、後ろ1本が縦帆。

これも航海訓練のための船だったかな。

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乗り込んで見学したスウェーデンの船でも帆桁に人がいたけれど、ここでも。

どうやら、ロープを解いて帆を張る準備をしているみたい。

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手動だったんだな・・・。 見てるだけでドキドキした。

この日、帆船祭りの最終日だったから、夕方にパレードして、アムステルダムを離れ、
来た時と同じく北海運河アイマウデンへ抜けたそうな。

次は、また5年後。


楽しかった帆船祭り
には酔わなかったけど、人の数に酔いそうになった。
その日の夜は、目を瞑ると人・人・人・・・。


帆船祭りの写真、もう少し残ってたりして^^;。

nice!(41)  コメント(18) 
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コメント 18

nachic

砲門にも、遊び心があるんですね。
使ってたら、真っ黒なんでしょうけど。
by nachic (2015-09-01 19:05) 

mitu

帆桁に人、楽しそうですね(^・^)
観覧車、乗りたいです!
by mitu (2015-09-01 20:28) 

coco030705

こんばんは。
船というのも美しいものですね。そんなに気をつけて船を観たことがなかったので、観れてよかったです。 有難うございました。

by coco030705 (2015-09-01 20:57) 

だいず

うわわ。
帆を張る準備も命がけですね。
命綱してるのかなぁ?
by だいず (2015-09-01 21:51) 

ぴーすけ君

船は青い空にマッチして絵になりますね。
日本では 私 漫画「ワンピース」の船しか 乗ったことありません(笑)
by ぴーすけ君 (2015-09-01 21:52) 

kaname

「半月」可愛いです♪
船ってちょっと遠い存在なのですが
こういう可愛い装飾があると一気に親近感が湧いて来ます(^◇^)
それにしてもスゴイ人人人・・・ですね(^^ゞ
ツマ。
by kaname (2015-09-02 07:36) 

ハリネズミ

ヨーロッパの国々の帆船だけでなく、オーストラリアからも!
さすがに5年に1度のお祭りだけのこと、ありますね^^。
時折混じるカモメ目線のお写真も楽しく。
ときどきカモメやハチになっちゃうInatimyさん、お茶目w。
by ハリネズミ (2015-09-02 09:13) 

ナツパパ

素晴らしい船の数々、堪能しました。
歴史を大切にするヨーロッパのことだけはありますね。
60隻の帆船、見てみたかったなあ。
by ナツパパ (2015-09-02 09:16) 

めぎ

ブレーマーハーフェンはブレーメンと一緒にブレーメン州なので、飛び地だけどまあブレーメンの一部とも言えますねえ。確かに港で、地名になっているけど、ドイツ人たちの意識ではinatimyさんのお考えの通り「ブレーメンの港」と言っているつもりのようですよ♪ ブレーマーハーフェンのおかげでブレーメンがハンザ都市として発展したのだ・・・という話を、ハンブルクへ行くときのアウトバーンでブレーメンとブレーマーハーフェンの辺りを通過するときにうちのドイツ人からいつも聞かされています。もう分かったってば、と思うほど、毎回同じ話を繰り返し・・・歳ですねえ。

by めぎ (2015-09-02 16:15) 

engrid

こんなにも一同に帆船が揃うなんて
圧巻、美しい
それぞれ特徴があるのね、、ただ帆船とひとくくりにしか
知らなかったから、なるほどと興味深いです
海へのロマンね、大航海時代への追憶かな
by engrid (2015-09-02 17:59) 

(。・_・。)2k

やっぱり 外国の船だなぁって思わせる
装飾が良いですよねぇ
見とれちゃうなぁ〜

by (。・_・。)2k (2015-09-02 18:26) 

akko

ロープを解いて帆を張る人たち、見てるだけでこわいー(・・;
一番上も上るんですね。
すごすぎます~。
by akko (2015-09-02 18:50) 

shino*

ロープに止まった鳩目線!
面白いなぁ、こういうの好きです。
まるいお尻の船もかわいい♪
by shino* (2015-09-02 22:24) 

miffy

これだけたくさんの船が一斉に帆を張っていたら壮観でしょうね~
同じ帆船でも国によって形や色が違って見ているだけでも楽しそうですね。
帆船で巡るクルーズも面白そう♪
いつか行ってみたいな~
by miffy (2015-09-03 21:56) 

luces

レトロな船の中で潜水艦が存在感あります。
by luces (2015-09-03 22:14) 

Inatimy

→皆さま「船酔いではなく・・・」のお話にnice!やコメントをありがとうございました。ここ数年、船に酔ったことはなく。船に乗ることもなかったけど^^;。唯一確実に苦手なのは、船底がガラス張りで海中が見えるグラスボート。下向いて海の底見てる間に酔っちゃう・・・。

→nachicさま
チェコの帆船の砲門、ライオンの顔がいいですよね〜。黒くならないように、拭いてるのかも^^。

→mituさま
帆桁に人、はるか下にデッキや地面、想像しただけでも私は恐々^^;。観覧車、すっごい人気でかなりの行列でしたよ〜。

→coco030705さま
帆船の姿、とっても美しく。きっと帆を広げて海原を公開する姿ももっと勇壮なんでしょうね〜^^。ここまで大きな帆船祭りは初めてだったので私も見に行けてよかったです♪

→だいずさま
命綱、あるんだろうか・・・なさそうな気がする^^;。訓練も大変ですよねぇ。想像するだけでハラハラしましたよ。私は高い所、真下を見るの怖くって。遠くの風景ならいいけど^^;。

→ぴーすけ君さま
漫画「ワンピース」って人気なんですってね〜♪ 麦わら帽子のドクロのマークでしたっけ。どんな感じだったんだろう、その船。私は、長崎オランダ村で昔、展示されてた帆船を見学しました。でも、オランダに戻ったあと、火災で焼失したんだそうな・・・。

→kanameさまのツマさま
船、見ることはあっても乗ることはあまりなく^^;。子供の頃は学校からスケッチに行ったこともあったけど。帆船祭り、すごい人の数でした・・・さすが5年に1度のお祭り。胸焼けするほどたーっぷり観賞でした♪

→ハリネズミさま
遠くのオーストラリアの帆船も見られて感動♪ また船で戻るっていうのもすごいですよね・・・飛行機でも遠いのに。日本への12時間ですら、眠ってるか、食べてるかで過ごして、それでも、まだ着かない・・・と思っちゃう^^;。カモメ目線、何撮ってるんだろ?と怪しげに見られてたり・・・ふふ。

→ナツパパさま
様々な国から集まった帆船、すごく見応えがありました♪ その昔、江戸時代の日本へやってきてたオランダ、ポルトガル、スペインなど、当時のことを想像すると、すごい危険を乗り越えてたんだなぁ・・・と。台風の時期もあったでしょうしね。飛行機で楽々移動できる現在の世の中、ありがたく思わないといけませんねぇ。

→めぎさま
ブレーメンの港だと思ったら、ブレーメンはさらに内陸側だったのでびっくりでした^^。しかも飛び地だったとは。港と言えば海に面してると思ってた私は欧州に来て、ロッテルダムやハンブルクなど、そうじゃないのもあると知ったのでした。毎回繰り返されるお話、それほど歴史的にも重要なポイントなんでしょうね。私も同じ話、してないか気をつけよ^^;。

→engridさま
私もマストの数や帆の張りかたで、いろんな組み合わせがあるとは知らず、帆船の解説に、なんだろう?と検索かけてやっと知ったのでした^^;。今度帆船が出てくる映画を見たら、また違った楽しみ方ができそうです♪

→ (。・_・。)2kさま
日本では帆船って身近ではなくて気にしてなかったけれど、オランダって大小様々な船があちこちに。なので、自然と興味が向いたんですが、帆船祭りのサイトを読んでると知らないことばかりで奥深く^^。大きな帆船祭りに行けてよかったです♪

→akkoさま
私も帆桁にいる人を見て仰天しました〜。教会の塔とか高い所は登ったりするけれど、真下を見るのが怖いんですよ^^;。見下ろした風景を想像してゾクッときました。私なら絶対無理だわ。

→shino*さま
ロープに留まった鳩やカモメの目線を再現^^。周りの人は、何撮ってんだろう?と訝しげなんですけどね・・・。通る人の邪魔にならないように、遊んでます^^。

→miffyさま
現代風な帆船も美しく、また昔の大航海時代の帆船のレプリカもまた味わい深い趣が♪ 帆を張って進む姿、最終日のパレードで見られたんでしょうけれど、一足先に帰ったのでした。あ、でも、家でウェブカメラでチラッとだけ^^。

→lucesさま
潜水艦もすごいですよね、こんなに近くで本物、初めて見ました。ミュージアムでの展示では中を見学したこともあったけど。海で活躍する船も様々ですよね^^。
by Inatimy (2015-09-07 17:40) 

カエル

夏って行動するのは暑くて大変な時もあるんだけど、でも大体思い返すとまぶしい思い出だったりするんだよな。。。
舳先がかっこいいね。
by カエル (2015-09-09 14:40) 

Inatimy

→カエルさま
昔は暑くても平気だったけど今はダメ^^;。湿気のある蒸し暑さでは、ぐだぐだになってしまうなぁ。氷点下でもいいから冬が好き♪
でも、夏の夕方は好きだな。
by Inatimy (2015-09-11 18:43) 

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