通り抜けて行こう [街並み・アムステルダム]
あっちにも、こっちにも、煉瓦造りの建物だらけ。

左側の家は、前回紹介したHuis aan de Drie Grachten ハウス・アーン・デ・ドリー・フラハテン。
意味は、3つの運河に面した家。 17世紀の建物で、オランダルネサンス様式。
意味は、3つの運河に面した家。 17世紀の建物で、オランダルネサンス様式。
家の正面には、Oudezijds Voorburgwal アウデザイツ・フォールブルフワルという運河。
南側(写真で言うと右)には、Grimburgwal フリムブルフワルと言う運河。
南側(写真で言うと右)には、Grimburgwal フリムブルフワルと言う運河。
そして、家の裏側にも運河がある。
6月上旬、お天気に恵まれた日にアムステルダムの街の中心へ、ふたりで散歩に出かけた日の続き。
気温は、最低12℃、最高16℃くらい。
気温は、最低12℃、最高16℃くらい。
※ 前回の、ダム広場から近いローキンの通りから1本入った裏道 Nes ネスを歩いた話は、こちら。

冒頭の写真の右奥にあったこの建物、昔々は、病院の待合室だったところ。
このあたりには昔、Binnengasthuis ビンネンハストハウスという病院があって、
複合施設だった建物の一部は、現在、大学として使用されてるようだ。
複合施設だった建物の一部は、現在、大学として使用されてるようだ。
写真左側の方を見ると・・・

・・・Oudezijds Achterburgwal アウデザイツ・アハターブルフワルという運河。
これが、冒頭の煉瓦の建物、3つの運河に面してる家の裏側に流れてる運河。
Achter アハターは英語のafterにあたる。 Burgwal ブルフワルは、土塁・市壁みたいなもの。
1300年頃、この辺りは完全にアムステルダムの市壁の外側、街の外だった。
1300年頃、この辺りは完全にアムステルダムの市壁の外側、街の外だった。
写真右側を見ると・・・

・・・古そうな門が口を開けていた。 行ってみようか。
Oudemanhuispoort アウデマンハウスポールト(直訳:老人家門)という通り。
ここに立つ建物は昔、高齢者のための住居、老人ホームみたいなところだったよう。
ここに立つ建物は昔、高齢者のための住居、老人ホームみたいなところだったよう。
入って右側の壁沿いには、備え付けの箱らしきものが並んでいた。
パリのセーヌ川沿いのブキニスト(露天古本屋)で見た緑の箱に似てる。 奥に見えてる建物に入ろう。
パリのセーヌ川沿いのブキニスト(露天古本屋)で見た緑の箱に似てる。 奥に見えてる建物に入ろう。

入って、しばらくしてから振り返ったところ。 ここには古本屋さんがあった。 ブックマーケットかな。
アーチの上に番号が振ってあり、ランプが。 一つ一つがキャビネットのような感じ。
調べてみたら、1757年には金、銀、本、趣味の細々としたものなどの店が入っていたよう。
調べてみたら、1757年には金、銀、本、趣味の細々としたものなどの店が入っていたよう。
まっすぐ通路を抜けて行こうかと思ったら、右手に緑いっぱいの中庭らしきところが。
通りに面した建物の裏側が大きな庭&抜け道になっていた。 日本だったらそこにも家が建ちそうなほど。
生活の場らしきとこころなので、写真を撮るのは控えた。
通りに面した建物の裏側が大きな庭&抜け道になっていた。 日本だったらそこにも家が建ちそうなほど。
生活の場らしきとこころなので、写真を撮るのは控えた。
緑の多い道を抜けたら、運河に出て・・・

・・・対岸の屋根の向こうに、塔が見えた。 知ってる場所だ。 こんなところに出てくるとは。
あの塔は、プロテスタント教会、Zuiderkerk ザウダーケルク(南教会)。
フランスの画家モネも描いたことがある教会だったかな。
フランスの画家モネも描いたことがある教会だったかな。
教会の塔の手前に見えてる古そうな階段状のファサードは、1883年に建てられた、とある協会の建物。
建物が面してる運河の名前は、Kloveniersburgwal クローフェニールスブルフワル。
建物が面してる運河の名前は、Kloveniersburgwal クローフェニールスブルフワル。

その運河にかかる跳ね橋。 何度か来たことがある場所。
橋の名は、Aluminiumbrug アルミニウムブルフ(Brug 222)。
橋の名は、Aluminiumbrug アルミニウムブルフ(Brug 222)。
その橋の上から写真左側(北)の方を見ると、
小さく煉瓦造りのWaag ワーフ(計量所)の建物が見えるのだった。
小さく煉瓦造りのWaag ワーフ(計量所)の建物が見えるのだった。
※ そんなアムステルダムの計量所のお話は、こちら。

橋から南側見た風景。 右側の建物、綺麗だな。
現在は、Tivoli Doelen Amsterdam Hotel チボリ・ドゥーレン・アムステルダム・ホテルだそうな。
現在は、Tivoli Doelen Amsterdam Hotel チボリ・ドゥーレン・アムステルダム・ホテルだそうな。
写真左側の岸を歩いていこう。

そのホテルは、元はDoelen Hotel ドゥーレン・ホテルで、この建物は1882〜83年に造られたもの。
昔々そこにはアムステルダムの市壁に1482年に建てられたSwych Utrechtという塔が建っていた。
1638年にその塔に翼棟が増築。 Kloveniersdoelen クローフェニールスドゥーレンと呼ばれた。
1638年にその塔に翼棟が増築。 Kloveniersdoelen クローフェニールスドゥーレンと呼ばれた。
それは、原始的なマスケット銃の銃手(Kloveniers クローフェニールス)の自警団の
集会所や練習場(doelen ドゥーレン)。
集会所や練習場(doelen ドゥーレン)。
そこのホールにかけられていたのが・・・

・・・・"De Nachtwacht"「夜警」1642年。
画家Rembrandt van Rijn レンブラント・ファン・ライン(1606-1669)の作品。
(2013年アムステルダム国立ミュージアムの再オープンで撮影。)
(2013年アムステルダム国立ミュージアムの再オープンで撮影。)
描かれたフランス・バニング・コック隊長とウィレム・ファン・ライテンブルフ副隊長の市民隊は、
そのKloveniersdoelen クローフェニールスドゥーレンに集まっていた自警団の1つ。
そのKloveniersdoelen クローフェニールスドゥーレンに集まっていた自警団の1つ。
その後、1882年にその塔を含む建物が取り壊され、このホテルができたという。
ちなみに、レンブラントの住居兼アトリエは、このホテルから徒歩7分(500m)ほど、
先のZuiderkerk ザウダーケルク(南教会)からは徒歩2分(130m)のところにある。。
先のZuiderkerk ザウダーケルク(南教会)からは徒歩2分(130m)のところにある。。
・・・と、単に綺麗だなと思って撮った建物の写真から、歴史の一部を知ることができた。
この日の話、まだ続く。
気になることを調べていると、そこからさらに枝葉が広がってて、
寄り道ばかりしてしまう^^;。
寄り道ばかりしてしまう^^;。
確かに
一つの事が気がかりで調べだしたら
また、調べださなければならないことが出てきてしまいますね。
by 八犬伝 (2024-08-06 20:37)
レンブラントの「夜景」ここにあったんですね。
歴史とリンクする瞬間を感じますね。
寄り道が楽しそうです。
by nachic (2024-08-06 23:25)
その「寄り道」こそが実はメインだったりします(笑)!夜警は流石に何度見たか分からない位見たなぁ〜!!好きだったんですよ、ライクスミュージアム…
by トモミ (2024-08-07 07:24)
こんなデザインの病院があれば、患者さんも元気になれそうです。
バルセロナでサンパウ病院という(当時は)現役の病院へ行ったのですが、ヨーロッパは病院まで美しいのですね。
この跳ね橋は今も現役でしょうか?
こういう機械モノを維持するのも、なかなかの努力だと思います。
by YAP (2024-08-07 07:43)
レンガの建物に囲まれた街、つくづく美しいでやすなあ。
日本のゴッチャゴチャ感が恥ずかしい、、、
by ぼんぼちぼちぼち (2024-08-07 09:00)
跳ね橋ってなんか良いですよね
日本じゃあんまり見ないですよね
撮ってみたいな
by (。・_・。)2k (2024-08-07 11:21)
調べ物を始めると際限なく興味の広がることありますね
肝心な事を忘れたりもして…
by ヤッペママ (2024-08-07 15:41)
こんにちは^^
病院の待合室だった所、趣がある建物ですね。
運河のある街、憧れます^^
跳ね橋がある風景も大好き♪
レンブラントの「夜警」どこかの展覧会で観た記憶が...
by いろは (2024-08-07 17:39)
夜警はレンブラントの絵ですね。
大塚国際美術館でレプリカを見たことがあります。
by ma2ma2 (2024-08-07 18:35)
跳ね橋が運河の町ならではですね。
今も橋が跳ね上がることがあるのでしょうか。
レンブラントの「夜警」、アムステルダムの国立美術館で観ましたが
最初はクロフェニールスドゥーレンのホールに飾られていたのですね。
レンブラントはこの題材でと依頼されたのかしら?
by kuwachan (2024-08-07 18:37)
コメント、重なりますが、私も、夜警をアムステルダム国立美術館で観ました^ ^ ^ここに飾られていたんですね♪
by おと (2024-08-08 00:30)
アムステルダム、もう随分しばらく行ってないなぁ…
色々調べて住んでいる街を深く知っていくのって、素敵ですね。
by めぎ (2024-08-08 07:11)
運河沿いの家並み、ハネ橋とオランダらしい風景、街歩きが楽しいですね。私もアムスでレンブラントの夜警を見ました、学生時代美術の本にでてきましたが、まさか本物を見れるとは思いもせず感動しました。
by Jetstream (2024-08-08 11:42)
煉瓦造りの建物が何だか、めちゃ可愛いですね。
オランダ・ルネサンスっていうんですか~。なるほど~よく写真で見る(行ったこともある)イタリアのより、色が濃い目の感じかな。それにたぶん、冬に暖かいのでしょうね。
病院の待合室、素敵ですねえ。日本だったら小石川養生所とか‥木造だと滅多に残りませんね。
運河沿いの建物を見ると、フェルメールを思い出します。
ヨーロッパは土地が広いですね。日本は山がちだし、人口密度が高いから。
おお~レンブラントの住居兼アトリエがこのすぐ近く!
レンブラントはいいですねえ~大好きです^^
by sana (2024-08-08 20:20)
レンガ造りの建物は魅力的です。
by JUNKO (2024-08-09 12:06)
古くからの建物をリノベーションして残していくのって素敵な事ですね。
地震などの災害もないから外観は昔のままで美しいし。
同じ建物でも見る角度や時間帯によって違ったように見えて街巡りは楽しいですね~
by miffy (2024-08-09 16:04)
→皆さま「通り抜けて行こう」のお話にnice!やコメントをありがとうございました。新型コロナの件があってから、休みの日はすっかり人の少ない森や野で過ごすようになって、観光客の多い中心地へ行ったのはかなり久しぶり。なので、用事を済ませた後に少し散歩してみました。距離的には大したことはないのだけれど撮りながらだから随分と歩いた気がします^^;。
→八犬伝さま
調べた時に見たものがまた気になってきて、どんどん枝分かれして、本来とはかけ離れたことを調べていたり^^;。ハット我に戻って、軌道修正です。
→nachicさま
レンブラントの「夜警」は、建物は違えど、場所的にはこのあたりに元々あったようです^^。寄り道はいろんなことを知るきっかけをもらえます。なので散歩がますます楽しくて。
→トモエさま
「夜警」初めて見たのはアムステルダム国立ミュージアムがまだ改修工事中だった頃。かなりの縮小展示だったにも関わらず、正規の入場料だったので一瞬怯みながらもせっかくだからと入って絵画を見ました^^;。
→YAPさま
バルセロナのサンパウ病院、世界遺産ですね^^。以前バルセロナに友人に会いに行った時には時間が無くて見られずだったので、いつかまた見に行きたいです。跳ね橋は現役ですよ。アムステルダムの街にはまだまだ跳ね橋がたくさんあります。狭い運河を大きな船が走っててヒヤヒヤものだったりも。
→ぼんぼちぼちぼちさま
日本は日本の美しさがありますよ。新宿とか海外の方に人気で、こっちのミュージックビデオにもよく登場します^^。
→(。・_・。)2kさま
跳ね橋、オランダにはかなりの数がありますよ。大きなものから小さいものまで。先日もちょうど跳ね上がる橋に出くわしたところ^^。跳ね上がる以外のタイプのもあります。
→ヤッペママさま
元々は何を調べていたんだっけ・・・ってなることもしばしばです^^;。
→いろはさま
病院の待合室、煉瓦造りというのもいいですよね^^。子供の頃に「さんびきのこぶた」の絵本を読んでから、煉瓦造りが好きです。レンブラントの「夜警」は、オランダから出てないので、オランダでご覧になったのかも。
→ma2ma2さま
大塚国際美術館・・・陶板名画で有名なところですね^^。いつか行ってみたいな。
→kuwachanさま
跳ね橋、今でもよく上がりますよ^^。跳ね橋の上で写真を撮っていたら信号がついて、慌てて退いたこともあります。レンブラントはこの自警団から集団肖像画の依頼を受けて。描いてもらうために一人一人がちゃんと料金を支払っていたよう。
→おとさま
アムステルダム国立ミュージアム、1日では観られない広さですよね。改修後の再オープンの際に2日に分けて行ったんですが、それでも割と駆け足状態^^;。でも改修中の規模縮小展示の際も正規の入館料だったのを考えると、かなりお得になったなと感じました。
→めぎさま
私もデュッセルドルフはかなりご無沙汰です^^;。クリスマスマーケットでお声がけした日以来・・・。オランダの歴史、まだまだ知らないことばかりです。
→Jetstreamさま
私はレンブラントの絵はあまり知らなくて、昔初めてみた時も、なんだか暗いところの絵だなとしか^^;。逆に、ゴッホは中学の美術の教科書でずっと気になってた絵「夜のカフェテラス」をみた時は、お〜♪と感動^^。気になってた絵、本物の前にすると気分が高まりますよね。
→sanaさま
フェルメールはデルフトですね^^。画家が住んでいた家の辺りなど見に行ったことがあります。人口密度の点からいくと、日本よりオランダの方がぎゅうぎゅう・・・。日本は、333.7人/km2、オランダは、508.2人/km2。意外ですよね^^。
→JUNKOさま
煉瓦造りの建物はいいですよね。子供の頃「さんびきのこぶた」の絵本を読んで依頼、ずっと煉瓦の建物が気に入ってました^^。
→miffyさま
地震はオランダの北東部くらいかな。オランダとしては地震より水害が多いので、それでもちゃんと今まで残ってきたのは国の保護、国民の努力もあるんでしょうね^^。
by Inatimy (2024-08-13 17:14)