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壁と水路と [街並み]

どんな願いを叶えてくれるんだろうな。

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魔法使いみたい。 の生えたカエルの像。 とってもお茶目。


6月中旬、1時間弱、列車に乗ってDen Bosch デン・ボスに行った日の続き、3話目
アムステルダムから見ると南南東約80kmほどのところにある街。

最低10℃、最高21℃の程よく晴れた日。
 ※ 前回の、聖母子像を見て、たっぷりなランチをした2話目は、こちら


食後の散歩。 建物正面の壁にカエルの像があったのは・・・

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・・・Hooge Steenweg ホーヘ・ステーンヴェフという通り。 写真の下部分にちらっとカエルの像

そんな中央右の建物は上部の石に1638年と入ってたけれど、19世紀に新しくされたよう。
昔はお肉屋さんだったそうな。

しばらく歩いて行くと・・・

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・・・円塔のある綺麗な煉瓦造りの建物。 De Moriaan デ・モリアーンというらしい。

Hendrik I van Brabant ブラバント公ヘンドリック(アンリ)1世(1165-1235)の命により、
友人のために13世紀に建てられたもので、オランダ最も古い煉瓦造りの家の1つだそう。

道路を挟んで、その隣には・・・

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・・・壁画がある建物。 古い家が取り壊され、1910年に新たに建てられた家。

今の建物が建つ前、昔はここにDe Roodenburg デ・ローデンブルフという家があったらしい。
それもさっきのデ・モリアーン同様、ブラバント公ヘンドリック(アンリ)1世の命によるもの。

その公爵はブラバント公国の創設者。 大雑把にいうと
オランダ南部からベルギー北部にかけての真ん中あたりに1183年から1795年まであった国。

現在のオランダスヘルトーヘンボス(デン・ボス)、ブレダ、ティルブルフなどや、
ベルギーアントウェルペン、ルーヴェン、ブリュッセルあたりも、ブラバント公国だった。


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現在の建物にあるタイル画、美しい。 描かれているのは、ブラバント公ヘンドリック(アンリ)1世

上部(クリーム色部分):
 Maatschappij van Brandverzekering voor het Koningrijk der Nederlanden 
 (オランダ王国の火災保険会社)
 Hoofdkantoor Choorstraat 16(本店 ホールストラート16)

火災保険会社の宣伝のタイル画のようだ。


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絵の部分(右上):
 Gaat weg van hier monster (ここから出ていけ、怪物)
 Dit Bosch behoort mij(このボスは私のものだ)

絵の部分(中央下): Dorus Hermsen inv
 Dorus Hermsen ドルス・ヘルムセン(1871-1931)は、この街、デン・ボス生まれの
 オランダの画家、グラフィックアーティスト、美術商。

Den Bosch デン・ボスの正式名称は、's-Hertogenbosch スヘルトーヘンボス。 意味は、公爵の森
ブラバント公ヘンドリック(アンリ)1世が怪物を追い出してるシーンなんだな。

そんな2つの建物の間の道を抜けて、途中で右に曲がって行くと・・・

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・・・またもや煉瓦造り。

右の方へ視線をずらして少しズームすると・・・

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・・・かなり古そうな煉瓦積み。 半円を描いて、ところどころ苔むして。 だった部分かな。

ここは最初に作られた市壁の一部だった13世紀のWaterpoort ヴァーターポールト(水門)で、
昔はその水門には円い塔が二つあったそうな。 こちら側が昔の街の内側。

その後、街を囲む2番目の市壁がぐるりと大きく築かれて、
最初の市壁の外側だった居住地は新たな市壁の内側へと取り込まれたよう。

その横を通って進み、振り返ると・・・

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・・・像のある噴水のある風景になる。 この時、水は出てなかった。

右側に見える階段を下りていく。


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少し歩いて、また振り返ると、こんな水路のある風景。 昔々の最初の市壁の外側だったところ。
写真の左上のあたりが、さっきの古そうな煉瓦積みだった部分。

水路は、街の中を流れてるBinnendieze ビンネンディーゼの一部。
左端に見える階段から桟橋風な道を歩いてきた。


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前方には、水路にかかる橋。 Gasthuisbrug ハストハウスブルッフ
の左側には、なにやら扉の両側にがあるのようなところ。 あそこに行ってみよう。

このまま進むと、桟橋は途切れ、その手前に右へと上がる階段がある。
そこからの横に出られるのだった。


この日の話、まだまだ続く。



寄り道が多くて、なかなかこの日のお目当ての場所に辿り着かない^^;。

nice!(46)  コメント(18) 
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コメント 18

ma2ma2

至るところに水路がある感じですね。
小さな水路に小さな橋が可愛いですね。
by ma2ma2 (2024-10-22 18:40) 

響

歩けば赤煉瓦に当たる
ステキな街ですね。
by (2024-10-22 20:38) 

八犬伝

タイル画や壁画
ヨーロッパの街は美しいですね。
by 八犬伝 (2024-10-22 21:32) 

mau

翼の生えたカエル、とんがり帽子がなんだか変身に失敗した魔法使いのよう
by mau (2024-10-23 00:30) 

kuwachan

カエルさんが振り上げた棒(?)、コメットさんを想い出してしまいました^^
煉瓦造りの街並みに趣がありますね。
水路に映り込みもいい感じです。
by kuwachan (2024-10-23 01:10) 

トモミ

13世紀のレンガ造りの家!スヘルトーヘンボスが、そんなに古い町だったとは!!まぁ「公爵の森」という位ですから歴史アル街なのは当然といえば当然なのでしょうが(笑)…

by トモミ (2024-10-23 09:59) 

YAP

レンガが印象的な建物が多いですね。
日本みたいに地震がないから、何百年も昔のものが今もしっかり残っているんでしょうね。
by YAP (2024-10-23 11:05) 

Boss365

こんにちは。
「翼の生えたカエルの像」は、意外に遭遇した事ない架空の生き物、興味深いです。壁にある「怪物を追い出してるシーン」のタイル画ですが、デザインが凝ってますね。ところで、水路に掛かる建物と一体感ある橋?水路中心に街が形成されている印象。また、ラスト写真を見ると、水路を利用する小舟が発着可能なスペースも沢山ありそうです!?(=^・ェ・^=)

by Boss365 (2024-10-23 11:34) 

めぎ

像のある噴水のところ、石畳ですね。
デン・ボス、お金持ちだったんだなぁ…
古い煉瓦積みもどっしり立派ですものね。
by めぎ (2024-10-23 14:55) 

JUNKO

レンガの建物や石畳の色合いが渋くて実にいい感じです。翼のあるカエルもかわいい。
by JUNKO (2024-10-23 16:18) 

いろは

こんばんは^^
カエルの像が可愛いですね♪
ピエロみたいですね^^
タイル画、見事ですね。イタリアもとても多く見られました。
レンガの建物が歴史を感じます。
by いろは (2024-10-23 18:12) 

ヤッペママ

タイル画素晴らしいですね
古いレンガの残る風景も素敵
by ヤッペママ (2024-10-23 20:17) 

みち

トップの像はカエルなのですね。カエル=帰るで日本では縁起物だけれど、
言葉が違うと意味も違うのかしら?
水のある風景素敵ですね。我が家の近くにも水路はあるけれど、、、
最後の写真みたいにお洒落だったら良いのになぁと思っちゃいました。
by みち (2024-10-23 23:17) 

marimo

壁で仕切られていた街があったのですね。
緒とした広告看板も手が込んでいてアートですね♪
水路と橋の光景は、滋賀の近江八幡の水路にも少し似てる(笑)
当たりの風景は全く違うけど(≧艸≦)
by marimo (2024-10-24 09:18) 

ナツパパ

こういう建物が残っていて水路も整っていて、街の雰囲気が素敵です。
作り物ではない魅力が詰まった街ですねえ。
by ナツパパ (2024-10-24 09:33) 

ぼんぼちぼちぼち

建物が、ドールハウスにしたいような、凝った輪郭で素敵でやすね!
by ぼんぼちぼちぼち (2024-10-24 10:31) 

TaekoLovesParis

<Dit Bosch behoort mij(このボスは私のものだ)>
ここを読んで、ボス?長崎にあるオランダふうのテーマパークは名前が「ハウス・テンボス」森の家という意味なのは、ボスがBosch 「この森は私のものだと」わかりました。
by TaekoLovesParis (2024-10-26 23:02) 

Inatimy

→皆さま「壁と水路と」のお話にnice!やコメントをありがとうございました。何気なく撮ったものを後から調べたら面白くって、ついつい検索に没頭^^;。なかなかメインに辿り着かないあぁ・・・。日帰りなのに話が長くなってしまう。

→ma2ma2さま
至る所に水路が巡ってます。そしてそれにかかる小さな橋も多くて^^。

→響さま
この街だけでなく歩けば煉瓦造りの建造物に当たるのがオランダです^^。石が取れる場所がほとんどないから煉瓦を焼いて使ったそうですよ。

→八犬伝さま
ヨーロッパといっても広くって、その国その国によって違いがあるのも面白く^^。

→mauさま
帰るに変身してしまった魔法使いですか^^。昔の童話みたいですね。

→kuwachanさま
コメットさん・・・懐かしいです^^。子供の頃は魔法モノの番組が多かったような気がします。煉瓦造り、オランダは本当に多くて、煉瓦の積み方もいろんな方法があるみたいなんですよ。そこまで私には十分理解できてなくて^^;。

→トモミさま
スヘルトーヘンボス、古い街みたいですよ^^。何かしらいろんなものがあって楽しめます^^。昔に比べると街を歩いてる人の数もかなり増えた感じ。

→YAPさま
結構しっかりした煉瓦造りも多いみたいです。日本は地震が多いけれどその分それに対応した木造建築があったりしますよね。法隆寺とか^^。その技術がすごいです。

→Boss365さま
タイルがのタイル、デルフトで焼かれたものらしいですよ。オランダの古い街は水路が重要なポイントのようです。どんなに内陸の街でも魚市場だったところがあるのも、これらの運河や水路を利用して海の方から運ばれてきたみたいで。この街も、その水路を観光の目玉に。ボートクルーズも人気みたいですよ^^。

→めぎさま
像のある噴水のところ、割と新しい道だから石畳にできたのかも^^。でもデン・ボスは昔はブラバント公国だったから、ちょっとリッチだったのかな。

→JUNKOさま
何でも煉瓦で作ってしまうオランダ人の技術もすごいですよね^^。翼のあるカエルもお茶目な像です♪

→いろはさま
イタリアへは行ったことがないので、憧れます^^。イタリアにもタイルがが多いんですね。本場のピザやパスタも食べたいし、旅を想像するだけでもあっという間に時間が過ぎていきそう。

→ヤッペママさま
タイル画、凝ってますよね。これが火災保険会社の高校だというのもすごくって^^。

→みちさま
オランダ語では、カエルはKikkers キーカース(複数形)。これといって縁起物でもないようです^^;。日本の水路のある風景といえば、千葉県佐原。いい雰囲気ですよね。昔映画「うなぎ」で知った街です。

→marimoさま
街を守るためにぐるりと市壁が作られてました。それが手狭になったのか、その周りにさらに大きな市壁を。近江八幡は水郷の町でしたよね^^。もっと自然が多くて長閑だったような。

→ナツパパさま
昔から少しずつ築き上げてきたものが残る街の様子っていいですよね^^。気になるものを取って後から調べるのも楽しくて。

→ぼんぼちぼちぼちさま
ミニチュアの家があっったら、欲しくなってしまいそうです^^。

→TaekoLovesParisさま
この街の名前はデン・ボス。正式には's-Hertogenbosch スヘルトーヘンボス。意味は公爵の森。森でもあり、この街のことでもあり。タイル画の解説の下にも書いて、以前の記事にも何度か文章に出してきたのですが、わかりにくかったかみたいですね^^;。すみません。
by Inatimy (2024-10-28 18:10) 

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