昔の姿を見る [ズトフェン&デーフェンター 2022 冬]
市場の立つ広場の奥に、昔は計量所だった建物。

Waag ワーフ(計量所)は、今はミュージアムになっている。
Museum De Waag ムゼウム・デ・ワーフ。 デーフェンターの歴史博物館。 中に入ろう。
Museum De Waag ムゼウム・デ・ワーフ。 デーフェンターの歴史博物館。 中に入ろう。
2年ほど前、2022年12月下旬、列車で2泊3日の旅。 Zutphen ズトフェンを訪れ、
翌日にDeventer デーフェンターに移動して宿泊。 3日目最終日の続き、24話目。
翌日にDeventer デーフェンターに移動して宿泊。 3日目最終日の続き、24話目。
デーフェンターはアムステルダムの東の方、やや南寄りに、直線距離で約86kmほどのところにあり、
ズトフェンからは直線距離で約12km北に位置する。
ズトフェンからは直線距離で約12km北に位置する。
※ 前回の、宿での朝食、チェックイン後に建物見ながら広場に来た23話目は、こちら。
ミュージアムで気になった絵画が何枚か。

"Gezicht op de Waag te Deventer"「デーフェンターでの計量所の眺め」1665
アムステルダム出身の画家、Abraham Beerstraaten
アブラハム・ベーアストラーテン(1643洗礼-1666以降)の作品。
アブラハム・ベーアストラーテン(1643洗礼-1666以降)の作品。
計量所は、1528年から1531年にかけて造られたので、この時で既に、築130年以上。

広場には釣瓶(つるべ)式の井戸があったんだな。 絵画でいうと右下あたり。

3本の柱の上にあるバルコニーみたいな部分に人がいるのが分かる。 そこへは両側の階段を上がっていく。
中央の外壁、アーチのあるニッチには像らしきものが。
中央の外壁、アーチのあるニッチには像らしきものが。
計量所の左側に立ち並ぶ家々の切妻もさまざま。

"De Waag"「計量所」1869 先の絵画から200年余り後。
アムステルダム出身の画家、Cornelis Springer コルネーリス・スプリンガー(1817-1891)の作品。
アムステルダム出身の画家、Cornelis Springer コルネーリス・スプリンガー(1817-1891)の作品。
計量所の前には立派な馬車が止まって。

前に止まっているのは2頭立ての馬車。 周りにも幌馬車があったりする。
人も多く、ものすごく賑わっている。
人も多く、ものすごく賑わっている。
建物正面、バルコニーっぽいところの奥の外壁にあった像が、無くなったようだ。
周りの建物も階段状の切妻が増え、微妙に違ってきた。
周りの建物も階段状の切妻が増え、微妙に違ってきた。

"Gezicht op de Waag"「計量所の眺め」1870-1880
デン・ハーグ出身の画家、Carel Jacobus Behr カーレル・ヤコーブス・ベーア(1812-1892)の作品。
デン・ハーグ出身の画家、Carel Jacobus Behr カーレル・ヤコーブス・ベーア(1812-1892)の作品。
制作年からすると、さっきの絵から1年から11年くらい経った頃だけど、広場はなんだか寂しげ。
先に紹介した絵は何か特別な日の様子だったのかなとも思う。
先に紹介した絵は何か特別な日の様子だったのかなとも思う。
いつの間にか井戸は手動ポンプ式になってた。
・・・と、見比べるのは、間違い探しをしているようで楽しい。

"Latona en de Lycische Boeren"「ラトーナとリュキアの農民」1631
(ミュージアムのサイトでは"Boslandschap met Latona en de Lycische boeren"
「ラトーナとリュキアの農民のいる森の風景」となっていた。)
(ミュージアムのサイトでは"Boslandschap met Latona en de Lycische boeren"
「ラトーナとリュキアの農民のいる森の風景」となっていた。)
これを描いたBartholomeus Breenbergh バルトロメウス・ブレーンベルフ(1598-1657)は
この街、デーフェンター出身の画家。
この街、デーフェンター出身の画家。
左下部分をトリミングしてみると・・・

・・・カエル人間がいた。 中央の人は、なんだかバレーボールのレシーブの構えっぽく見える^^。
この絵画はローマ神話のお話を描いてる。
ブルーの衣服を纏っているのがラトーナ。 ディアーナとアポローの母親。 子供も絵画に描かれてる。
その二人の子の父親は最高神ジュピターで、その妻のジュノーの嫉妬にラトーナは追われたそうな。
その二人の子の父親は最高神ジュピターで、その妻のジュノーの嫉妬にラトーナは追われたそうな。
リュキアは、現在のトルコ南部、ちょっと西寄りなあたりにあった地のよう。
その地の農民は、ラトーナが喉の渇きを癒すために水溜まりの水を汲むことすら望まなかったようで、
ラトーナは怒りから農民たちをカエルに変えたらしい。
ラトーナは怒りから農民たちをカエルに変えたらしい。
絵画からもカエル人間が浅い水のあるところをじゃぶじゃぶと歩いているのが分かる。
人間サイズの大きなカエルっていうのも怖いな・・・。
人間サイズの大きなカエルっていうのも怖いな・・・。
それにしても、主題を表現してる部分のなんて小さいこと。
その部分よりも、木々や洞窟など自然豊かな環境を大きく描きすぎなような気もする。
その部分よりも、木々や洞窟など自然豊かな環境を大きく描きすぎなような気もする。

計量所の正面向かって右側にある階段塔の中。 ぐるぐる螺旋階段。 素朴で、丸みがあるのが美しい。

見上げたところ。 この煉瓦の積み方、複雑。 根気がいる作業だな。
この日の話、あと1回ほどで終わり。
土曜日は一日中ずっと氷点下だった。 その上、濃霧。
湿度97〜100%と、じっとりと寒く。
湿度97〜100%と、じっとりと寒く。
もう4日間くらい濃霧が続いてて真っ白。
太陽、一体どこに行ったんだろうって感じ・・・。
太陽、一体どこに行ったんだろうって感じ・・・。
寒いのでしょうね。
こうやって、絵を良く眺めると
色々な物を発見しますね。
by 八犬伝 (2025-01-19 21:07)
1日中氷点下、日本の気象庁がいうところの真冬日だったのですね。
昔の建物がほとんど同じ姿で今も存在すること自体が凄いですし
絵が残されていて、当時の様子が描かれているのも興味深いですね。
螺旋階段の煉瓦の積み方芸術的ですね。
by kuwachan (2025-01-19 23:48)
訪ねた場所や知っている場所の昔の絵や写真って面白いですよね。
当時のこれがあれになったんだなぁとか、このときはここに道路があったんだとかなかったんだとか。
冷えてますよね~
こちらも日曜日は濃霧で何も見えませんでした。日曜日の散歩、サボっちゃいました。
by めぎ (2025-01-20 05:31)
絵の見比べ、楽しいですね!それにしても1530年前後に建てられたとはすごいですね!!
by トモミ (2025-01-20 06:43)
絵画から当時の生活様式などを知ることができますね。
そういう意味では、今の記録写真みたいな
役割も人っていたのかしら?なんて思ったのでした。
by marimo (2025-01-20 08:59)
写真ではなく絵画で遺せているんですよね。
浮世絵より以前に日本は、タイムマシンに乗るしかないのかしら。
写実的な絵画は強い。
by tommy88 (2025-01-20 09:00)
こんにちは。
「デーフェンターでの計量所の眺め」と「計量所」と「計量所の眺め」ですが・・・
写真的な?いい記録・アーカイブになっいてますね。
比較すると建物形状や賑わい方も違い、色々な変化あり、興味深いです。
螺旋階段、目が回りそうな形状ですが、職人技ありですね。
ところで、登ったのですか!?(=^・ェ・^=)
by Boss365 (2025-01-20 11:01)
写実的な絵画は、色々な発見がありますね。
by テリー (2025-01-20 11:19)
計測所の螺旋階段面白いです。めまいがしそうですが。絵の見比べも楽しい発見がありますね。
by JUNKO (2025-01-20 11:52)
濃霧の写真も撮りたいと思ってしまいますが、毎日のように続くとお日様恋しくなりますね。
こちらは長く晴れの日が続いていましたが、久しぶり雨上がりの散歩できました。
by imarin (2025-01-20 12:57)
絵画で昔の様子がわかるのって面白いですね。
風俗画だけでなく風景画の中でも世相が知れるんですね。
螺旋階段のレンガ積み、凄いな~
同じ作業の繰り返し、根気のいる仕事ですね。
by miffy (2025-01-20 14:36)
井戸の進化を見るのも楽しみですね
螺旋階段のレンガにすげーと驚きました。
作るの大変だったろうね
by ゆうみ (2025-01-20 14:46)
釣瓶式の井戸
子供の頃 水を組み上げるのが大変でした
滑車がついていたならと…おかげで?腕相撲強かったですよ
by ヤッペママ (2025-01-20 15:44)
今年の東京の冬は温かいし、綺麗な青空が見える日が多くて、うれしいです。
今ミュージアム、昔、計量所のこの建物は、もうすぐ築500年になるということですね。すごい!行事の日は馬車や馬、人々の服装も立派ですね。オランダ繁栄の17世紀から時を経てもまだなお余裕ですね。
by TaekoLovesParis (2025-01-20 18:30)
明るい日差しが、恋しいですね
煉瓦の積み方 美しい、芸術的。職人技です
by engrid (2025-01-20 23:11)
螺旋階段、なんか好きです
ヨーロッパの建物って狭くてぐるぐるな回廊がたくさんあって冒険したくなります
by mau (2025-01-21 00:31)
カエル人間、まじまじと見ちゃいました。けっこう怖い^^。
昔の写真との見比べ、楽しいですね~♪
このレンガ、すごいなぁ、大変だったでしょうね。
by おと (2025-01-21 06:01)
螺旋階段を見上げたところ、おもしろいですね。
見下ろしたことは何度もあるけど、見上げたことはあまりないかも。
by YAP (2025-01-21 06:53)
→皆さま「昔の姿を見る」のお話にnice!やコメントをありがとうございました。自分が生まれる前の遥か昔、どんなふうな暮らしがそこに合ったのか、今との違いを見つけるのも楽しく^^。ましてや日本から離れた遠くのこの国で、と思うとワクワク。
→八犬伝さま
氷点下がないと冬って感じがしなくって^^。カメラがなかった時代の様子を知る貴重な資料ですよね、絵画って。
→kuwachanさま
氷点下がしばらく続いてくれないと、湖も凍らないので、物足りなく感じます^^;。有名な絵画じゃなくてもこの街を知る貴重な絵画ですよね。建物がそのまま残っているのがすごい。大事に後世へ受け継いでもらいたいです。
→めぎさま
変わっていないようで、変わってる、そんなポイントを見つけるのも面白くって^^。日々の暮らしの身近な場所でも建物や道路の変化があるから、違いを見逃さないよう楽しみたいです。濃霧、結局1週間続いて、うんざりでした・・・。
→トモミさま
煉瓦造りの建物、頑強ですよね^^。今も残ってる。周りの家々も古そうなのがいっぱいだし。
→marimoさま
カメラがない時代の貴重な資料となりますよね、日常を描いた絵画って^^。私が撮った並木の写真も、15年くらい前のと比べると、かなり気が成長してる尾がわかって面白いです。
→tommy88さま
浮世絵より以前の日本の様子は、絵巻物に描かれてるのではないかしら^^。平安時代の様子とか、教科書に載ってたような。
→Boss365さま
計量所を描いた絵画、当時の様子がわかって面白いですよね^^。周りの建物も変わって、いい記録になってました。螺旋階段は、下りました。上の階の展示室から下の階へ行くのに♪
→テリーさま
細部まで見ていくと面白いものがたくさん見つかりますね^^。
→JUNKOさま
螺旋階段、この煉瓦の積み方はアートですよね^^。絵画もこの街のいい記録となってました。
→imarinさま
濃霧の写真、何も見えなくて真っ白にしか写りません^^;。しかも湿度が高すぎて、カメラにも良くなくて・・・。
→miffyさま
同じ場所を描いてる絵画飲み比べは、間違い探しをしてるようで、面白く^^。描かれた街並み、人々の服装、見どころありますね。螺旋階段、一体誰が最初に考えたのか、この積み方はすごいアート♪
→ゆうみさま
→ヤッペママさま
釣瓶式の井戸、使用されたことがおありなんですね。滑車がないと本当に大変そう。子供の頃近所の友達の家の台所に井戸があって、そこのは滑車がついてました^^。
→TaekoLovesParisさま
この冬は本当に鼠色・・・濃霧・曇天・雨・霧雨・小雨・・・ほとんど太陽見ずです。年明けてから2日間くらいかも、しっかりと晴れだったの。オランダはミュージアムの数がすごいんですよ。小さな村や町にもあるので、その地域の様子がよくわかって楽しめます^^。
→engridさま
何度もブログにお伺いしてるのですが、海外IPは受け付けていただけないようで、コメントが残せずにいます・・・申し訳ないのですが、設定を変更してくださるとありがたいです。太陽、ほんと恋しく。ビタミンDが不足するのでサプリで補ってます。
→mauさま
欧州の建物って意外なものがあったりして面白いですよね。古いお城なんかへいくと台所やトイレなど、見どころ有りです^^。
→おとさま
カエル人間、びっくりですよね。神話を描いた絵画は楽しめますね。絵本の挿絵のようで^^。煉瓦の積み方でクルクルと螺旋を作る技、巧みですよね。
→YAPさま
煉瓦積みの螺旋階段、どうやったらこんなカーブができるのか、気になりますよね。中央の柱の円柱になった部分は後から表面を削ってあるのかしら、とか、知りたいこと色々でした^^。
by Inatimy (2025-01-28 18:43)