曇り空の下の星、鳥の声 [ミュージアム]
始まりは、明るくなるだけじゃない。
夏時間マジック。
段々と明るくなる朝に、春だ、春だと気分上々だったのに。
時計の針が1時間進んで、夜遅くまで明るくなったのと引き換えに、朝に暗さが逆戻り・・・。
もう4月も始まったと言うのに、まだ寒いオランダ。
さらに強風で体感温度がぐぐっと下がる。
冷たいビールをゴクリ、ゴクリと喉を鳴らし・・・なんて気分は遥かに遠く。
でも、暖かい部屋でのアイスクリームの美味しさは格別・・・なのは、どうしてだろうね。
間口の狭いオランダの家々が並ぶと、横からムギュッと押された感じに見える。
なんとなくムンクの叫び風。
出かける日は、低い曇り空が多かった。 さすがに運河や水路が凍てつく回数は減ったかな。
それでもコートに手袋、完全防備。
少しずつ新芽も出始めてきたとはいえ、まだまだ全体的には寂しい骨組みのような木々。
遠くに見えているのは・・・
・・・アムステルダムのRijksmuseum 国立ミュージアム。
長期の改装工事に入った2003年から、今年で早10年ほど。
当初は2008年再開だと聞いていたのに、2倍の月日を要し、
この4月13日にようやく全館オープン予定。
総面積が30,000平方メートルらしい。
パリのルーブル美術館が60,600平方メートルだそうだから、
約半分ほどの規模だけれど。
それでも、広い館内をゆったり歩きながら作品を見るのが楽しみ。
ちなみに、このすぐそばの Van Gogh Museumゴッホ美術館は改修工事で閉館中。
4月25日までエルミタージュ美術館アムステルダム別館で特別企画展を開催してるらしい。
こちらの工事は予定通り終わるんだろうか・・・。
Museumplein ミュージアム広場を挟んで国立ミュージアムの向かいにあるのが・・・
・・・Concertgebouw コンセルトヘボウ。 ← コンセルトヘバウの音の方が近いらしい。
2013年は、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の編成125周年。
様々なイベントが開催されるんだろうな。
近くにありながら、無料のランチ・コンサートに一度来たことがあるくらいだったりする。
そういえば、この建物にもペディメント(△部分)があるんだった。
と、妙なところで思い出すパリ。
マドレーヌ教会、パンテオン、ルーブル美術館東面などなど、△部分の彫刻撮ってたなぁ。
信号待ちの間に見ていた映画の宣伝は、『ジャックと天空の巨人』。
スルスルと上に向かって豆の木が生えているのが愛嬌があっていいね。
コンセルトヘバウの前からトラムに乗った。
窓の汚れや傷が気になるけれど、そこは目をつぶって。
アムステルダムの街並みは・・・
・・・パリよりこぢんまりしていて、それでいて細部の装飾が凝っている。
ボーっと次から次へ目に飛び込んでくる建物をキョロキョロと眺めていると、
ついつい降りる駅を忘れて乗り過ごしそうになるけれど・・・
・・・幸い、降りるのは終点の停車場。 アムステルダム郊外の街、アムステルフェーン。
ショッピングモールを抜けたところにあるCobra Museum コブラ・ミュージアム。
現代アートの美術館。
オランダの芸術家
Constant Nieuwenhuijs コンスタント・ニーウウェンハウス(1920-2005)の絵。
左は、"Twee Vogels" 1949 ・・・『2羽の鳥』
右は、"Fauna" 1949 ・・・『動物相』
昔、芸術祭で右の『動物相』を、粗大ごみで再現されたのを見たことがあった。
現代アートはよく分からないけれど、絵本の挿絵のような『2羽の鳥』は好き。
美術館の前にあるのは、オブジェのような噴水。
この時期、凍るから水は出てなかったけれど。
オランダの芸術家Karel Appel カレル・アペル(1921-2006)の作品。
なんとなく、この鳥も好きなのだった。
最近、フランスから転送されてきた1通の封筒。
ドイツからだ。
差出人の名前には覚えがないけど、姓と地名には心あたりがある。
一瞬にして浮かんだ不安と、打ち消そうとする気持ち。
でも、嫌な予感の方が的中した。 訃報だった。
クリスマスカードは直筆で来ていたのに。
美術館で見た作品の芸術家と同じ頃に生まれたんだな・・・なんて、
今、思い返すと妙な感じがする。
15年ほど前、小さな村のワイン祭で出会ったのが、つい先日のよう。
手紙の中の写真で、おばあちゃまは笑ってた。
春の朝。
鳥のさえずりが優しい。
『ジャックと天空の巨人』、DVD出たら買ってみようかな。
※ 写真はCASIO。
ジャックと天空の巨人のポスター、観たい~って気持ちになりますね♪
「2羽の鳥」、すごくかわいい~♪♪ そこからつながっているかのようなオブジェは迫力ありますね。
ドイツのおばあちゃまのすてきな笑顔がInatimyさんの心に刻まれているのでしょうね。 ご冥福をお祈りいたします。
by バニラ (2013-04-02 20:48)
街の中に様々な施設があって、それが素敵です。
もちろん東京にもあるのだけれど、東京は大きすぎて...
おばあちゃま、残念ですね。
ご冥福をお祈りします。
by ナツパパ (2013-04-03 00:48)
すごい、豆の木が飛び出す絵本張りですね!
二羽の鳥、私も好きです。色遣いもあたたかいですね~
おばあちゃま、ほんと残念です。
これ読んで、そういえばあのかたどうしてるかな、
と数人顔が浮かびました。
そうこうしているうちに月日が経ってしまったりするんですね。
by nicolas (2013-04-03 01:00)
本当にこの春はなんて寒いんでしょう・・・未だモヘアのセーターとか着てますわ。
アムステルダムに行ったのは2002年の11月頃で、そのときには国立ミュージアムもゴッホ美術館もやっていたのですが、そんなに長い間工事していたのですね。
この春はInatimyさんにとって寂しいことも多いようですね・・・
どうぞお身体とお心を大切にお過ごし下さい。
by めぎ (2013-04-03 04:48)
冬の寒い日の暖かなお部屋での冷たいアイスクリームおいしいですね^^
何てことのないことなのですが、そういった日常がとても幸せに感じます。
この冬は、一体いくつ食べただろう?しかし本当に寒い冬でした。
Inatimyさん、どうぞ暖かくして風邪を引かれませんように。
優しい時間、過ごしてくださいね^^
by baby_pink (2013-04-03 07:31)
ポスターにオブジェ付きとは素敵。
つい誘われてしまいそうですね。
by ami (2013-04-03 08:17)
オランダは、まだ寒いのですね。
夜が明るい代わりに、朝があけるのが遅いのですか。
体内時間のモードも変えないといけないですね。
ミュージアムの開館が楽しみですね^^
ペディメントの彫刻、そう言えば、パリの記事でも楽しませてもらいました。
手がこんでいますよね。
訃報、突然にきますね。
ご冥福をお祈りいたします。
by アールグレイ (2013-04-03 08:56)
国立ミュージアムやゴッホ美術館の辺りは、2003年と2008年に行ったので懐かしい風景です。
まだ改修工事してたんだ~。あんな大きな美術館なのにゆったり間近で作品を見られて良いですよね^^
ワイン祭りでの出会いから続いた小さな交流が絶たれてしまった事、とても残念でしたね。きっと素敵なおばあちゃまだったのだろうな、と想像しました。
by MOCOMOCO (2013-04-03 09:14)
桜が咲いてから肌寒い日が続いています。
春の足取りはゆっくりですね。
オブジェの鳥の表情がなんとも。いい感じです。
by luces (2013-04-03 11:51)
改修工事に2倍の月日を費やすって、すごいですね。
日本じゃ、考えられないかな。
by HIROMI (2013-04-03 21:19)
すごい、すごい、すごいです!!
RijksmuseumにConcertgebouwがご近所なんて!!!
これでもかってくらいに通いつめたい♪(^_^)
by りゅう (2013-04-03 22:49)
コタツでアイスは本当においしいですよね~♪ でもね、子供がいるときはできないので、専ら子供の寝た後のお楽しみです(^^)
by 母ちゃん (2013-04-04 05:49)
薪ストーブの傍らでのアイスもいいですよねっ☆
by 夢空 (2013-04-04 09:32)
ゴッホ美術館、20年以上前に行きました。細かいことは覚えていませんが、「ゴッホと同時代の画家たち」というテーマの展示だったような…。茶色い絵ばかりが並んだ中に、ゴッホの作品だけが黄色く輝いていて目を引きました。
ドイツのおばあちゃまと、ずっとカードを送り合っておつきあいなさっていたのでしょうか。Inatimyさんの素敵なカードを受け取られて、おばあちゃまも喜ばれていたことでしょうね。寂しくなりましたね。
by stellaria (2013-04-04 22:22)
国立ミュージアムやっと改装が終わったのですね。
新しいミュージアムのリポートお待ちしています♪
噴水のトリさん私もなんとなく好きです。
あの目つきがたまりません(笑)
笑顔の素敵なおばあちゃまのご冥福をお祈りいたします。
by miffy (2013-04-05 00:03)
停めてある自転車の写真、いいなぁ^^
そして無性に、アイスが食べたくなりました~(笑)。
おばあちゃまのご冥福を、お祈りいたします。
by hatsu (2013-04-07 08:00)
→皆さま
『曇り空の下の星、鳥の声』のお話に、たくさんのnice! & コメントありがとうございます。 明るい時間が長くなって、青い空も。 今週末ごろには、ようやく春らしく10℃を超えそう♪ 我が家の球根植物のプスキニア・レバノティカがやっと芽を出してきました。
→バニラさま
TVで予告見た時にすでに気になっていたけれど、このポスターを見てとどめを刺された感じです。 DVD早く出ないかなぁ。 展示の現代アートの多くは何だろう???の連続だったので、この「2羽の鳥」はずば抜けて印象的でした♪ 温かい言葉、ありがとうございます。 結婚式のお知らせから、子供の写真付きの年賀状、そして訃報・・・届く郵便物にも変化が。 私自身も年をとったんだなぁ・・・と感じますねぇ。
→ナツパパさま
途中、マルクト(青空市場)の通りもあったんですがうまく撮れなくて・・・。 アムステルダムでも私には大きいほどですが、パリに比べるとコンパクトになったかな。 その小さな中に面白いものが、ぎゅっと詰まった感じです。 街歩き、少しずつ紹介していきますね♪ おばあちゃまと交わした言葉は数えるほどしかないけれど一緒に食事した日のことが鮮やかに心に浮かびます。 笑顔が素敵でした。
→nicolasさま
この立体オブジェ付きには、心奪われました~。 映画観に行くのが手っ取り早いけれど、英語のセリフ+オランダ語字幕はキツイので、何度も見直しできるDVDで(笑)。 あちこち転々としてると、いくら転送届けの手続きしても、どうしてもすれ違うこともあって、段々と連絡を取り合う友達が減ってきたのも寂しくて。 私にも、どうしてるかな、と顔が浮かぶ方々が何人か。 私も歳とっちゃったなぁ。
→めぎさま
今週末からようやく平均的な春の気温になりそうです。 10℃を越える日、今年は遅いですよね。 国立ミュージアムの工事、『ようこそ、アムステルダム国立美術館へ』(2008)っていうドキュメンタリー映画まで公開されたようですよ。 ここ数年、身近な人たちや愛猫が次々と逝ってしまって、取り残された感じ・・・泣き虫なので、すぐ涙目に。 いつか自分の番が来るのは避けられないから、悔いのないように頑張らないといけないなぁ。
→baby_pinkさま
休日の朝の羽根布団のぬくもり、ベランダの植物の成長、天気がいい日の太陽の光・・・と、何気ない幸せが毎日の暮らしの中にあれこれありますよね。 冷たいアイスが口の中でゆっくりととけていくのは、心地いいです♪ お互い、優しい時間、過ごしましょうね♪
→amiさま
映画自体に3Dが多くなってきた最近では、ポスターも立体にが自然な流れなのかもしれませんね~。 インパクト大きいです♪
→アールグレイさま
ようやく最低気温が氷点下から脱しました。 やっとこの時期の平均的な春の気温に、といっても最高10℃ほどですが。 私自身は時差ボケも感じないほどゆるゆるなので夏時間で1時間進んでも影響ないのですが(笑)、中には睡眠に影響が出たりするひともいるそうです。 暖かくなってきたので街歩きで出会うイベントも楽しみ。 日々を大事に暮らしていかないといけないなぁ・・・としみじみ自分を省みたり。
→MOCOMOCOさま
国立ミュージアムの全館オープンは凄く楽しみです。 コレクション全部観るために、何度か通わないといけません♪ カフェやレストランもどんな風なのかしらね。 秋のワイン祭りの後に会いに行った時もまた町内の夏祭りみたいな日で一緒に楽しい時間を過ごしたのでおばあちゃまの笑顔がとても印象に残ってます。 いい思い出です♪
→lucesさま
日本はそろそろ葉桜の頃かしら。 こちらの桜もようやくふくらみかけていたかな、というところ。 チューリップも咲いてるかなぁ・・・と、例の場所に行くタイミングをはかってます♪ オブジェの鳥。目だし帽なのかしら・・・と思ったり。
→HIROMIさま
途中でいろいろ計画についてもめちゃったりしたようですよ。 あちこちの意見をまとめて実行に移すのも大変ですよね。 その様子、ドキュメンタリー映画にもなったそうです♪ 『ようこそ、アムステルダム国立美術館へ』(2008)って。
→りゅうさま
オランダには他にもミュージアムが1000館以上あるので、年間パスポート的存在のミュージアムカード、作りました♪ Concertgebouwにも何か聴きに行く機会があるかしら~。
→母ちゃんさま
コタツでアイス、この心地よさを知ったら、抜けられませんよね~。 バニラアイスに濃いめの珈琲を少しかけたり、ナッツのアイスにリキュールをかけたり、苺バニラに苺シャーベットも添えたり、おとなのリッチな味わいを楽しんでます♪
→夢空さま
薪ストーブの傍らでのアイス、なんて、贅沢な至福の時間間違いなしです♪ ゆらめく炎を見つてほてった顔をクールダウン☆
→stellariaさま
ゴッホ美術館での企画展も興味をそそられるものが多いですよね。 私が初めて行った時は今ほど美術館の知名度がなかったからか、まだガラ空きの状態で。 今回の改修工事でどんなふうに変わったのか楽しみです。 ドイツのおばあちゃまとはずーっとカードのやりとり続けてました。 ドイツに引っ越した時には会いに行ったことも。 ・・・ドイツ語での会話はほとんど無理ですが(笑)。 気持ちは不思議と伝わってきますね。
→miffyさま
国立ミュージアム、長い工事でした。 ゴッホミュージアムの工事は、きちんと終わるかしら・・・その隣の市立ミュージアムも随分と待たされたので心配。 そういえばマウリッツハイスも工事中だったかな。 国立ミュージアムで見る作品、楽しみです。 図録も変わったかしら。 おばあちゃま、きっと今も空の上で笑顔でいる気がします。
→hatsuさま
オランダで写真を撮ると、あちこちに自転車が止められてるので必ず入りこんじゃって(笑)。 パリの家では冷蔵庫と別電源だったので冷凍庫の電源落として使わなかったんですが、今の冷蔵庫はそれができずに使うことに・・・。 中には、ぽつんとアイスだけ(笑)。 もともと冷凍食品はあまりつかわないから・・・もったいない利用法。
by Inatimy (2013-04-09 16:00)
アムステルダム国立美術館のドキュメンタリー映画を思い出したよ。
いろいろもめたんだよね。建てるまでを追った作品だったから、こうして無事建っているのを見れて嬉しいな。
鳥のオブジェかわいいね。なぜか目付きが鋭いのよね。日本が可愛くデフォルメし過ぎてるのかな?
by カエル (2013-04-10 00:15)
→カエルさま
私はそのドキュメンタリーを見る機会がなかったのだけれど、それを見てから完成した美術館を見ると、倍楽しめそう♪ あ、あのシーンででてきたところだ、とか。 この美術館の裏にも彫刻などが点在してて、なんだろう?と思うものが多々。 思わず近くまで行って、作者の思うツボにハマった、という感じかも・・・。 まじまじ、見ちゃった。
by Inatimy (2013-04-10 17:16)