家の目印を集めてみた [ホールン 2022年 夏]
金色の薬缶(やかん)。
矢が当たって、カーンと鳴ったから「やかん」・・・とは、落語でのお話。
落語の「薬缶」は、フタ、持ち手、注ぐ用の口など、それらの使い道が、また面白く。
たまたま目にして読んで、ふふふと笑った。
たまたま目にして読んで、ふふふと笑った。
1年半前、2022年7月中旬、3泊4日の夏休みを過ごしたHoorn ホールンの旅の番外編。
ホールンはアムステルダムの北、約35kmあたりにある街。
ホールンはアムステルダムの北、約35kmあたりにある街。
建物の正面の壁にあるプレートは、オランダ語ではGevelsteen へーフェルステーンと言われている。
元は番地が無かった頃の家の目印。 新しいものもある。 ホールンでもよく見かけたので、撮ってみた。
元は番地が無かった頃の家の目印。 新しいものもある。 ホールンでもよく見かけたので、撮ってみた。
中央には海図用のディバイダー。 ビールを飲む2人。 左にアムステルダム、右にホールンの紋章。
ANNO MMXIVとあるから、2014年と割と新しい。
ANNO MMXIVとあるから、2014年と割と新しい。
この建物には、これを含めて3つのプレートがあり、あと2つは・・・
・・・3つの王冠のある盾を両側から支える2人。 その盾の下には女性の顔。
それと・・・
・・・ホールンの旧市庁舎と計量所を背景にしたチーズを運ぶ人たち。
ホールンでもチーズ・マーケットが開催されていたのだけれど、
新型コロナの流行以降は、開催されていないよう。
新型コロナの流行以降は、開催されていないよう。
Kolven コルフェンは、オランダ発祥のスポーツ。 氷上でも行われた遊び。
上の写真のプレートには、ボールとそれを打つ道具が表現されている。
上の写真のプレートには、ボールとそれを打つ道具が表現されている。
Int wapen van Ienuwe = in 't wapen van Jenuwe(Genua) となるらしい。
ジェノヴァの紋章で、2匹のドラゴンらしき生き物が両側から支えている。
ジェノヴァの紋章で、2匹のドラゴンらしき生き物が両側から支えている。
Genua ヘーヌアはというのは、イタリアのジェノヴァのこと。
これは、港に面した18世紀に建てられたという家の壁にあった。
これは、港に面した18世紀に建てられたという家の壁にあった。
ホールンはジェノヴァと交易があったということを示している。
他にヴェネツィア、リヴォルノもオランダにとっては重要な交易相手だったそうな。
他にヴェネツィア、リヴォルノもオランダにとっては重要な交易相手だったそうな。
帆船。 下の方には半分しか見えてないけど、IN DE PINAS 1618 とある。
Pinasはラテン語のpinacea navisから来ていて、松の木の船を意味するという説があるみたい。
Pinasはラテン語のpinacea navisから来ていて、松の木の船を意味するという説があるみたい。
ホーフト塔の付属の建物にあるウェストフリースラントの紋章を両側から支えるライオン2頭。
De Dageraad デ・ダーヘラート・・・夜明け。 海から太陽が登ってくる光景。 海には帆船。 カモメ。
右側の草の生えた岸では、立ってる人、起きあがろうとしてる人、まだ眠ってる人も。
右側の草の生えた岸では、立ってる人、起きあがろうとしてる人、まだ眠ってる人も。
葡萄の房をつけた木。 なんのお店かを示しているらしい。 ワイン販売業だったよう。
Ysermanは中期オランダ語で、鉄を加工する人。 なぜかローマ戦士のような格好をしてる。
手に持ってるのは、smidshamer スミッツハーマー。
意味は鍛冶屋のハンマー。 でも、柄が長すぎるとも言われてるそう。
意味は鍛冶屋のハンマー。 でも、柄が長すぎるとも言われてるそう。
馬が牽引する、人が乗った荷車のプレート。 馬が全速力で走ってそうな感じに表現されてる。
この建物の最初の所有者は、貨物・旅客運送業者だったそうな。 玄関の上には1612年と入っていた。
この建物の最初の所有者は、貨物・旅客運送業者だったそうな。 玄関の上には1612年と入っていた。
2人の人物と、梱(こり)。 梱とは、紐をかけて包装した荷物のこと。
上の数字は、1581年の年号の一部。 ホールンで一番古い年号が記された建物の正面らしい。
上の数字は、1581年の年号の一部。 ホールンで一番古い年号が記された建物の正面らしい。
Truydeman en zijn wijf トラウデマンと彼の妻。
ホールンでパン屋さんだった夫婦で、左が顧客らしい。
ホールンでパン屋さんだった夫婦で、左が顧客らしい。
Int zee peert と入ってる。 姿は人魚ならぬ、馬魚。
オランダ語で Zeepaard ゼーパールトは、タツノオトシゴなんだけれどね。
オランダ語で Zeepaard ゼーパールトは、タツノオトシゴなんだけれどね。
こういうプレートに入る文字って、Ind は、In de で、Int は、In 't = In hetと、
前置詞+定冠詞、それから名詞が来る形になるんだな。
前置詞+定冠詞、それから名詞が来る形になるんだな。
オランダ語には2種類の名詞がある。 定冠詞deを取るものと、定冠詞hetを取るもの。
het を取るもののほうが数が少ないらしい。
het を取るもののほうが数が少ないらしい。
ガチョウらしき白い鳥の首に、グリーンの服をまとった、とんがり帽子の小人がしがみついてる。
「ニルスのふしぎな旅」を思い出す。 スウェーデンの作家の児童文学。 新そうなプレート。
「ニルスのふしぎな旅」を思い出す。 スウェーデンの作家の児童文学。 新そうなプレート。
よく使われてる平均的な煉瓦1個の高さは50mm(5cm)ほど。
撮った写真を見ると、だいたいプレートの縦は、煉瓦を11個から12個分積んだほどのサイズ。
したがって、Gevelsteen へーフェルステーンの高さは55cm〜60cmになり、幅はさらに広い。
意外にも大きいものだと分かる。
意外にも大きいものだと分かる。
これで、2022年7月中旬、3泊4日の夏休みのHoorn ホールンの旅のお話は終了。
蒸気トラム機関車に乗ったり、お城、ミュージアム、昔は海だった湖、街の散歩とかなり楽しめた^^。
蒸気トラム機関車に乗ったり、お城、ミュージアム、昔は海だった湖、街の散歩とかなり楽しめた^^。
ヨーロッパの古い建物には玄関の上とか屋根とかに色々な飾りがありますね。
結構動物を使ったのが多いですね。
by ma2ma2 (2024-04-23 18:13)
ヨーロッパでは、よく見かけるこういう標識
日本にはないのですよね。
by 八犬伝 (2024-04-23 20:37)
お金を掛けていますね、シンボルですね。
by 斗夢 (2024-04-23 21:31)
いろいろなプレートがあるのですね
やかんが一番キュンとしました(^^♪
by SWEET (2024-04-23 22:21)
あ、ホント、ニルスとモルテンみたい!
あのアニメ、大好きでした。今でも雁を見ると思い出します。
新しいのはちゃんと今の服装ですね。
いつか300年後とかに見た人が、昔の服装だって思うんだろうなぁ。
by めぎ (2024-04-24 00:10)
やかんが可愛いですね。ディバイダーとはマニアックな飾り。
夜明けの太陽もいいな。
どれもカラフルで楽しいレリーフになってて凝っていますね。
本当にニルスみたいです。
by nachic (2024-04-24 02:18)
各家の目印になっている装飾のレリーフ。
お店を表すものや
その家の歴史にまつわるものなど
いろいろな趣きがあって面白いですね(*'▽')
金のやかんにはどんな由来があるのかなぁ?
金物屋さん?笑
チーズを運ぶ人たちや馬が牽く荷車は
一枚の絵にストーリー性を感じます(^^)
ワイン販売業だったお家の葡萄の絵も
素敵ですね(・∀・)
by あおたけ (2024-04-24 05:04)
冒頭の薬缶、よく気づきましたねぇ~(笑)!面白いです!!アムステルダムの紋章は、由来まではよく知らないのですが懐かしいです…
by トモミ (2024-04-24 09:15)
これらたくさんの壁を飾るモチーフひとつひとつにも
ちゃんとストーリーや意味があるんですね♪
馬魚(爆爆 日本にもあるかなぁ?
by marimo (2024-04-24 09:59)
家の目印、家はウサギの置物が目印なんです^^
by mitu (2024-04-24 10:08)
一枚目のお写真の、まさに薬缶でやすね!
遠い異国の地にも、薬缶があったとは、、、!
なんか嬉しい!
by ぼんぼちぼちぼち (2024-04-24 10:43)
こんにちは。
家の目印ですが「金色の薬缶」は面白く印象的です。
また「海図用のディバイダー」も個性的・ニッチで珍しい感じです。
ドラゴンやライオンの紋章見ると・・・
ロイヤル・王室の雰囲気・関係性がありそうに感じます?
ところで「馬魚」はインパクトあり、文字的には「タツノオトシゴ」みたいですが、馬とタツノオトシゴ、ちょい似てますね(爆)。
家の目印、色々あり見応えありです。
また、コレクションブックにしたら面白そうです!?(=^・ェ・^=)
by Boss365 (2024-04-24 11:37)
お金かかってそうな装飾ですよねぇ
こう言うの 今の日本には少なくなった気がする
by (。・_・。)2k (2024-04-24 12:34)
それぞれが個性豊かな へーフェルステーン。
歴史的価値のあるものばかりかと思ったら
2014年の新しいものもあったりと伝統として受け継がれている感じかのかしら^^
チーズを運ぶ人のがすごく可愛い!さすがチーズ王国オランダですね(≧∇≦)
あのまあるくて大きなチーズはそんなふうに運んでいたんだw
背中にゴールドのクロスがあるのはチーズマーケットの制服みたいなものなのかなーと色々想像したり^^
by ちぃ (2024-04-24 13:22)
ニルスの不思議な旅、小さい時に読みました。
まさにそんな感じのプレートですね。
幻の国?の話が好きでした。
by sheri (2024-04-24 14:36)
こんにちは^^
家の目印、初めて知りました。
「薬缶」金色で目立ちますね。何をご商売にしていたのでしょうね^^
色々とあって見て歩くのが楽しそうです。
葡萄の房をつけた木、これは分かりやすいですね。
by いろは (2024-04-24 17:29)
家の目印 凝ってますね
私も「ニルスのふしぎな旅」を思い出していました
by ヤッペママ (2024-04-24 17:30)
家の目印にストーリーがあって面白いですね。凝った意匠が楽しいです。
by JUNKO (2024-04-24 20:23)
家の目印って色々あって面白いですね。
ひとつひとつ丁寧に作られていて凄いなぁ。
ドイツのロマンティック街道のローテンブルグで見た
お店の看板のことを想い出しました。
by kuwachan (2024-04-24 21:20)
それぞれ深い物語がありそうで面白いですね。
写真を見ていたら、日光東照宮の三猿や眠り猫が思い浮かびました。
by みち (2024-04-24 22:25)
そうそう、僕も『眠り猫』を思い出しました(^^。
日本の焼き物の高浮き彫りみたいに立体的になってるけど、どういった材質で出来てるんでしょうねぇ?。陶板には見えないし、石版に彫ってる様でもなし。”馬魚”には1664なんて年号らしき数字も入ってるから、wikiでコンクリートや焼成レンガなんかの歴史を調べてみたけど、よく判んない(^^;。
by yk2 (2024-04-25 08:06)
いろいろな目印があるんですねえ。
同じ界隈の家とは被っちゃダメなのでしょうから、選ぶのも大変そう。
チーズの取引をやっているところって面白いですね。
とくに、二人でチーズをのせた橇?を運ぶ足取りが独特で、思い出に残ってます。
by ナツパパ (2024-04-25 10:36)
ニルスの不思議な旅は
背中に乗っていると思っていたから
首にしがみついている小人に
落っこちてしまいそうな感覚を覚えました笑
by ryang (2024-04-26 14:39)
すごい!どれもかわいいですね~^^
ニルスの不思議な旅に、ほんとに、そっくり♪
家の目印、楽しい~!
by おと (2024-04-26 22:57)
どのプレートも可愛らしいですね。
顔が大きかったり不自然に手や足が長かったりと不思議な感じもするけど(笑)
by miffy (2024-04-27 16:45)
→皆さま「家の目印を集めてみた」のお話にnice!やコメントをありがとうございました。昔の建物は直線だけじゃなく曲線もあって、装飾が凝っているので見所も多く^^。家の目印を番地ができてからも新たに作ったりする遊び心がいいでうしょね。
→ma2ma2さま
動物、確かに多いかも、それとは関係あるのかどうかは不明ですが、オランダ人の姓にも動物が多いですよ^^。
→八犬伝さま
日本は番地がなかった頃はどうしていたんでしょうね^^。ちゃんと郵便が届いたのかしら・・・飛脚とかあった時代。
→斗夢さま
お金をかけているのかどうかはわかりませんが・・・昔から続く物事を大事にしてるんでしょうね^^。
→SWEETさま
まだまだ他にもたくさんありましたよ^^。ヤカン、私も一番心掴まれました♪
→めぎさま
ニルスのふしぎな旅・・・・ちらっとしか知らなくて。子供の頃、私にはちチャンネル権がなかったので^^;。300年後・・・一体どんな服装をしてるんでしょうね。気になるなぁ。
→nachicさま
プレートにはその家の人のこだわりが見えてきますよね^^。何か知りたくて、撮って、後でその意味や状況を検索してかなり遊べました。
→あおたけさま
金のやかん、まさかオランダでやかんを見るとは、とびっくりでした^^。麦茶とか懐かしい感じが蘇りました。金物屋さんだったのかなぁ。それぞれのプレートにいろんなストーリーが見えてきて楽しいですよね。
→トモミさま
やかんは金色でかなり目立ってましたよ^^。アムステルダムの紋章、このデザインの足拭きマットを玄関に置いてる家があって、すごく驚きました。踏んでもいいのかな・・・って恐れ多くて^^;。
→marimoさま
気になるものを見つけたらとりあえず撮っておいて、後でネットで検索です^^。何かしらヒットするので調べるのも楽しく。馬魚、ギリシア神話には確かこんな生き物がいたような・・・。今ふと思い出しました。
→mituさま
ウサギの置物の目印もかわいいなぁ^^。私だったら何にしようかな。食べるのが好きだから、豊穣の角(コルヌコピア)もいいかも。
→ぼんぼちぼちぼちさま
やかん、オランダ語だとwaterketel ワーターケーテル。今は電気ポットでお湯を沸かすけど、それがなかった時代はやかんを使っていたみたいです^^。
→Boss365さま
海図用のディバイダー、この形はレトロっぽくってカッコいいですよね。ライオン、オランダの国章にも入ってます^^。オランダの国土、形が右を向いてるライオンの形に似てるしね。タツノオトシゴ、馬っぽい顔ですよね。ギリシア神話には、ヒッポカムポスという半馬半魚がいたはず。家の目印、どの街に行っても必ず一つは見かけるので楽しく。でも、そればかり追いかけるとなかなか散歩が進まなさそうです・・・。
→ (。・_・。)2kさま
お金よりも手間がかかってる装飾ですよね。作るのが大変そう。そして作ったものを飾るのも大変そう^^;。大きなものだし。
→ちぃさま
今も昔のものを受け継いで新しく作って飾ってるのはいいですよね。遊び心があるというのか^^。チーズ運び人形、持ってます。チーズ・マーケットで、実際に運んでいる人を見て、これは欲しいなと。背中にゴールドのクロス・・・これはチーズを運ぶための襷掛けみたいなもの。その先っぽの輪にチーズが載ってる運搬台の端っこを掛けて、運んでます^^。(チーズ・マーケットの記事:https://nl3inatimy.blog.ss-blog.jp/2016-03-09)
→sheriさま
ニルスのふしぎな旅、アニメでしか知らなかったんですが、そのアニメですら、ほとんど知らないという・・・子供の頃、私にはTVのチャンネル権はなくて^^;。見たかったなぁ・・・。
→いろはさま
金色のやかんの建物には、昔、銅細工職人が住んでいて、その人の姓が、オランダ語で「やかん」を示すKetelさんだったみたいです^^。葡萄の房のは、分かりやすいですよね。色も綺麗で、
→ヤッペママさま
ニルスのふしぎな旅、人気ですね^^。家の目印、今も新しく家の正面に飾ってるのも、遊び心いっぱいでいいですよね。
→JUNKOさま
調べるといろんな裏話があっったりして、面白く。単なる直線でできた家よりも、趣がありますよね。
→kuwachanさま
ドイツのロマンティック街道、昔々に行ったことがあります^^。ローテンブルクとかディンケルスビュールとか、街並みが美しく。そうそう、お店の看板も綺麗でしたよね。
→みちさま
日光東照宮、歴史の教科書でしか知らず、いまだに行ったことがなくて。いつかは見てみたいところ。ぜひ三猿や眠り猫、この目で見てみないと^^。
→yk2さま
へーフェルステーンの材質は、古くは石で、それを彫ってレリーフに。ミュージアムで着色してない古いのをみましたが、灰色の石のプレートでした。記事の中の「ウェストフリースラントの紋章」が近いかな。あれは中央だけ着色。割と厚みもあったので、重そう。今の時代だと木に彫ったり、レンガみたいに焼いたりもあり^^。
→ナツパパさま
チーズ・マーケットのやり取りは見てて飽きませんよね。我が家もゴーダ、アルクマールで見たことがあります^^。ソリみたいなのに詰んだチーズの数は8個。ソリの重さ込みで約160kgあるそうで、2人で運ぶのも大変ですよね。
→ryangさま
私も「ニルスのふしぎな旅」だと背中に乗ってるイメージだったので、首にしがみついてるのは、ふふふ^^でした。
→おとさま
可愛らしいから気に入ったものを次々と撮ってしまって、溜まってしまいました^^;。なかなか散歩も先へ進みません・・・。
→miffyさま
完璧じゃないところが手作りの良さですよね^^。作る人の個性も出てきてたりして。
by Inatimy (2024-04-29 20:48)