バランス

長距離走は苦手だから、 

ところどころ、休んで行こう。 

11月中旬、野に出かけた。　南の方にある並木道あたりへ。　緑の中の白いふたつは、草を食む羊。

気温差のせいか、靄（もや）が出る日が多くなり、太陽の姿を見ることはほとんどなく。 

遠くに自転車が走るのが見えた。　あれは、野を突っ切ってさらに南の街へと続く、車の通らない一本道。 

我が家ふたりは並木道を東へと歩く。　水路沿いの木々の根元に、キノコを発見。　 

その並木の樹皮には、しっとりと濡れた苔。 

標識の集合。　枝が挟まってたりね、　向こうの野には羊がいるのも点々と見える。

上から、通りの名、自転車道、トラクター除く、風車ルート、犬はリードにつなぐこと、
最後のは、一般地方条例の項目No.かな・・・？ 

先に紹介した自転車の道が、このMiddenweg 。
オランダ語のG の音は日本語にないから微妙だけど、ミデンウェフという音が近い。

まだまだ東へ伸びる水路沿いの並木道。　 この先、突き当たったところに、アムステル川が流れる。

でも、ここまでにしておこう。　南へ続くMiddenweg を少し歩いてみたいから。

野をズームすると、お食事中の羊たちと、仲の良い白鳥。　 

奥の霞みの中の野には、雁かな。　目を凝らしてようやく見える黒っぽい点々。

他にも、茶色い羊と白い羊のそばに、アオサギも。 

脇には農作業車も停めてある。　青のFORD だった。 

南の街はすっかり霞んで見えない。　牛と、トラックと、人ふたり。　

時折、並木道を走り抜けていく車の音だけが響く、ゆるやかな時。

広い野に、世の中はこんなにも大きなものだったんだと思い出す。

うっかり、自分の目の前のことばかりに追われてたな。

 

その約1か月後に、またここを訪れたのは・・・

・・・夕陽が沈む頃。　 

クリスマスが近付き、街の中もざわざわと落ち着かず、
ラジオからもクリスマスソングが延々と流れる。

そんな雰囲気に煽られるように、私自身もなんとなく慌ただしくバタバタしてて。
一時期、足を引っ張っていた頭痛もやっとおさまって、遅れた分を取り戻したかったのもあり。

気がついたら、父からのメールも途絶えてて、慌てて実家に電話した。　
ひと月ぶりに聞く、のんびりした父の声。　元気そうでヨカッタ。

そうか、前回電話したのも、並木道に行った日だったんだ。

珍しく、ほとんど風がない。

鏡のような静かな水路に空が写ってた。　

飛行機の通っていった軌跡。 

ほんの少しだけ波打ってるのは、遠くで群れをなすオオバンたちが次々と陸に上がっていってたから。

並木道に来て、気分がちょっぴり落ち着いた。 

リセットして、自分の中を微調整。　

深く息を吸い込むことも忘れてたなんてね。

 

やっとクリスマスカードも投函できた。
ちゃんと届きますように。

 

 

しばらくパソコンが使えない状態になるので、
皆さまのブログにお伺いすることができなくなります。
スミマセン。

また後ほど、ゆっくりと遊びに伺いますね。

この金曜の分はなんとか予約投稿で。
来週は大丈夫かな・・・。

 

※ 写真はSONY。 

タグ：並木道

コメント 10

ねぇねぇ。
何枚か写真ほしいな♪
あまりにキレイで心が落ち着いちゃった。
このもやの中の景色見てみたいなぁ。そして写真とりたいな。いつか必ず案内してね。
by カエル (2013-12-17 21:56) 

絵になる風景です。
トラクターと犬の看板が可愛らしいですね
by luces (2013-12-17 22:59) 

本当に美しい写真ですね～。Inatimyさんの写真集が欲しいな♪
by 母ちゃん (2013-12-18 06:13) 

水彩画のような雰囲気で、素敵ですね。
by テリー (2013-12-18 07:10) 

写りこんでる人の大きさから推察すると、すっごく大きな木の
並木道なんですね。何百年も変わらずにここで根を張ってるんだ。
地平線を見渡せるような場所、近くにはありません・・・・。
こういう場所に佇むと、厳かで敬虔な気持ちに自然となれそうです。
どのお写真もすてきだけど、最後の１葉。
水面に写りこむ木のクリアさに、静謐な雰囲気を感じられていいなぁ♪。
by ハリネズミ (2013-12-18 08:39) 

最後から3枚目の夕陽が沈む並木道のお写真素敵です。
シーレとかを思い出してしまいました。とっても良い場所ですね。ゆっくりと自転車は知らせて、気に入ったところで休んで、写真撮って、それから、おにぎりかじりたいです　^^
お父様、のんびりとされた声だったんですね。お元気な証拠!!
PC 使えるようになったら、また楽しみにしています。
by moz (2013-12-19 05:53) 

靄の中の並木道も夕陽の並木道も素敵ですね。
水路沿いの散歩道のんびり歩いてみたいです。
こんな景色を見ながら歩いたら嫌なことなんて全部忘れてしまえるでしょうね。
by miffy (2013-12-19 20:17) 

すぐお隣の北ドイツとそっくりの風景で、義妹の家に遊びに行って写した写真のようです。
これから厳しい冬が続きますけど、寒くてもこういうところを歩くと心が解き放たれるような気がしますね。
日本のお父様がお元気でなによりです。
by めぎ (2013-12-20 04:46) 

モグモグお食事中の羊さん達のなかに、仲良し白鳥さんが♪
いいなぁ。。きっと私の人生において、こんな場面に
遭遇することは無いんだろうなぁ。。いいな♪いいな♪
私もいつか・・うん、いつかinatimyさん、一緒にここお散歩してください＾＾
夢の世界みたい。。✿*
by baby_pink (2013-12-21 09:14) 

→皆さま　
『バランス』のお話に、nice! ＆ コメントありがとうございます。　23日夜のオランダはものすごい突風で、外では風がゴーゴー唸ってます。　ベランダの植木鉢が無事だといいけど・・・外に出て確認するのも危ない。　この記事では穏やかな並木道も今頃は暴風の中で枝を揺さぶられてるんだろうなぁ・・・。　自然には厳しい面もあり。

→カエルさま　
この並木道をカエルちゃんが撮るとどんなふうに写るのかしら。　きっとカッコよく見えるんだろうな～。　いつか並木道、一緒に歩きましょ♪　アムステル川まで出るなら自転車がいいかな。

→lucesさま　
オランダ、本当に平らな土地で、ずーーーっとどこまでも横長の風景。　これがあるから、のんびり好きな私が暮らすにはピッタリなんですよねぇ。

→母ちゃんさま　
いえいえい、私の写真集より実際にオランダの風景をいつか体験してくださいね～。　飾らない、そのままのいいところがたくさんあります♪　

→テリーさま　
こんなにいい景色があるから、フランドル画もいいものがたくさんあるんでしょうね。　ロイスダールの風景画の雲、ウソでしょ、なんて最初は疑ってましたが本当にそのままでした・・・。

→ハリネズミさま　
ポプラの木でものすご～く背が高いです。　で、ポプラは成長が早い木で寿命も数十年～100年くらいと短いそうな。　私も最初は樹齢何百年かしらと思ったんですけど・・・。　オランダは山のない低地ゆえ、どこまでも平らな地が続く風景が堪能できます♪　坂道もあまりないから、たまに階段上がり降りすると筋力低下を実感・・・。

→mozさま
街から少し離れるとすぐにのどかな風景に。　水路のすぐそばで牛が見られたり、春には子羊がたくさんいたり。　太陽が昇るのも、日が沈むのも、なだらかにゆっくりと横移動です♪　昔は私が海外に行くなんて絶対に許さないなんて頑なだったんですが、一旦出てしまえば慣れちゃったのか、なかなか連絡くれなかったり（笑）。　私は写真付きでメールしてるんですけどねぇ。　
→miffyさま　
何もない静かな風景も、慌てる必要のない穏やかな時間も、たまには必要ですよね。　深く考えることなく、目の前のものをキレイだと感じて、ボーっとして。　気分もゆったり、のんびり。

→めぎさま　
私もめぎさんが撮られる北ドイツの義妹さんの家あたりの風景にはとっても親近感がわきます♪　似てますよね。　今年の冬は今のとこと寒さはかなりマシですが暴風の日が多くて・・・。　ベランダ小庭の植木たち、ことごとく葉っぱがやられてます・・・。　父、ますます筆不精に（笑）。　遊びに夢中な父、いつまでも元気でいてくれればいいな～。

→baby_pinkさま　
私もまさか自分がこんなに長くオランダに住む機会を得るなんて夢にも思ってませんでしたよ～。　私には大都会のパリより、のどかなオランダが向いてます♪　風が強い日が多いけど、その分、空気が新鮮。　ふふ、一緒に並木道歩きます？　子供みたいにいろんなもの見つけながら歩いちゃうから、なかなか進まないけど、いいかしら・・・（笑）。
by Inatimy (2013-12-24 08:40)