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せっかくだからと運河を渡り [街並み]

オランダではなく、

こんなふうに、花越しに運河を撮ったことがあったな。

どこだったっけ・・・アミアン

・・・と、昔の写真を探してたら、遅くなってしまった。

※ ちなみに、アミアンを歩いたときの旧ブログ過去記事はコチラ

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話は6月上旬、IKEAの帰りにアムステルダム南西にあるLeiden ライデンの街に行った日の続き。

植物園を後にして、すぐそばの運河に架かる橋を渡る。 

まっすぐ行くと、まもなく小さな広場に出た。

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広場に面した煉瓦造りの家がいい感じだった。

家の前にはプライベートベンチ。
壁を這って、窓の上に伸びた赤いバラ。 

広場には教会が建つ。 Pieterskerk ピータース教会。 
横側から入ると、意外や、その部屋はカフェになってた。
入場料がいるけど教会内部を見学できるらしい。

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奥に進むと中は広かった。 高さのある教会。 

1390−1570年にかけて造られた後期ゴシック建築で、空から見ると十字架の形。
煉瓦と砂岩で建てられてるよう。

クロッシング(十字が交差する部分)のそばには、部分的に淡い緑のパイプオルガンが。

教会のサイトの紹介によると、
The Thomas Hill Organ といい、1900年に英国の教会、
ロンドンのSt.Johns Brownwood Park から購入したよう。
トーマス・ヒルは有名なオルガン・メーカーらしい。

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クロッシング辺りから身廊を見たところ。 天井は木造部分もあるみたい。

奥に別のパイプオルガン Het Van Hagerbeer Orgel がある。

パイプオルガンを見るといつも頭に浮かぶ曲、小学校で習ったバッハ「小フーガ ト短調」
ここので演奏されると、どんな音の響きになるんだろうなぁ。

左の柱には、1532年に作られた説教壇

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仕切りの隙間から内陣の方を見る。 ステンドグラスまで見通せる。

手前にクワイヤ(聖歌隊席)、そして本来なら、その奥に主祭壇があるところ。

この部分を囲む周歩廊を歩いてみよう。

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さっき見えてたステンドグラス

教会で唯一残ってるステンドグラスで、他のは宗教改革で破壊されたり、
1807年、運河に停泊中の火薬運搬船の爆発で壊れたんだそうな。
             ↑ 17,760kgの火薬を積んでたらしい・・・18トン近く?。

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たぶん・・・左が君主のオラニエ公ウィレム

右がFilips van Marnix van Sint-Aldegonde(1540-1598)
シント=アルデホンデ卿フィリップス・ファン・マルニックス

オラニェ公ウィレムの助手で、作家、外交官、学者でもあった人。

生誕400年の記念で、1940年に作られたというから、まだ新しい。

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そのステンドグラスの前から。 さっきは、あの仕切りの隙間から撮ってたのだ。

左に見えるのが聖歌隊席

ふと思い出して、じわじわと頭の中に流れてきたのがフォーレ「レクイエム」
高校生の頃、歌ったことがある。 ラテン語に一生懸命カナをふった・・・。

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柱にも何やら古そうな絵。

そういえば、グレゴリオ聖歌シタールを組み合わせた
"Meeting of Angels" というCDも持っていた。

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翼廊クロッシングの部分に戻ってきた。

淡い緑のパイプオルガンがあったのは、中央の光が当たってるところ。

毎日、私の中に音楽がある。 
ジャンルを問わず、今まで生きてきた中で耳にした曲や歌が。

朝目覚めてから、グルグルと頭から離れずリフレインするサビの部分とかね。
せっかく忘れたのに、TVやラジオでまたその曲が流れて、振り出しに戻ったり。

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何か紋章かな。 7匹のハチ(ハエではなく・・・)と3羽のカモ。

今朝のグルグルは、The Common Linnets の"Calm After the Storm" だった。
2014年のユーロビジョン・ソング・コンテストで惜しくも優勝を逃した曲。
男女のデュエット。

歌ってるザ・コモン・リネッツオランダ人の歌手2名から成る。
Ilse DeLange イルセ・デラングWaylon ウェイロン
どちらも元々個々で活躍する、なかなか人気のあるふたり。

いい曲なので、興味のある方は是非YouTubeで探して聴いてみてね。

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一番後ろからクロッシング内陣の方を見たところ。 ガラーンとしてる。 

というのも、ここはもう教会としての役目を終えたところ。
現在では観光客のために一般公開されたり、イベント会場となってるのだ。

オランダにはこうした教会堂が多い。

日本ではどうなんだろう。 
役目を終えたお寺にカフェを作ったり、イベント会場として活用すること、あるんだろうか。

ここで真上を見ると・・・

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・・・パイプオルガンのきらびやかな金細工。

なんとなく美味しそうに思えてくるのは、
チョコレートケーキ生クリームで飾った風だから?

重厚なパイプオルガン、落っこちてきたら怖いな・・・。

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南の側廊にはトリプティーク(三連画)

Lucas van Leyden ルーカス・ファン・ライデン(1494-1533)の
"Het Laatste Oordeel" 「最後の審判」 1526/1527年。

これは写真コピーで、オリジナルは同市内の
Museum De Lakenhal デ・ラーケンハル・ミュージアムにある。

ルーカス・ファン・ライデン・・・
その画家の姿は、アムステルダム国立ミュージアムでも見られる。
2階(日本で言う3階)の大ホールにステンドグラスがあるのだけれど、
  ↑ クリックすると、その記事へ

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南の翼廊には、顔がいっぱいついた壷のようなものが。

オランダの医者、解剖学者、植物学者、化学者、研究者の
Herman Boerhaave へルマン・ブールハーフェ(1668-1738)のモニュメントだそう。
このそばに眠っているらしい。

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教会堂の床を成す墓石

この下にたくさんの人が眠ってるんだろうな・・・なんて考えると、
上を歩くのがいつも申し訳なく感じる。

気分的になんとなく、石の境目を狙って歩いたり。


そろそろ行こうか・・・と教会を出た。

あと少し続く。


気がつくと頭で曲がグルグルしてること、ある?

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コメント 14

yuka★

運河のある街、素敵ですねーヾ(≧∇≦)
赤いバラの這うおうちもほんとに素敵!
こんな街に行ったらカメラのメモリがすぐいっぱいになってしまいそう(^-^;)
教会も雰囲気ありますね…いつか自分の目で見てみたいな…。

グルグル、めっちゃありますよー!
まぁ私の場合、お店で耳にした有線だったりテレビCMのBGMだったりですけどσ(^◇^;)
by yuka★ (2014-07-26 01:08) 

ナツパパ

教会の役目を終えてもお墓はそのままなんですね。
霊魂は天国に行ってしまっているからなのでしょうか。
素敵な建物、ステンドグラスも素晴らしいですね。
by ナツパパ (2014-07-26 08:15) 

ハリネズミ

レンガ造りのお家、本当にすてき♪。
住まう方の心意気を感じる佇まいですね。赤いバラもベンチもしっくりなじんで完璧なコーディネート。
ベンチ、私もお庭に置きたいなぁって思ってるもののひとつ。
小さなお庭のどこに?って自問自答をしてたけど、置こうと思えば置けないこともないなってこのお写真には励まされましたv。
でもそのためにはちょっと植栽を減らさなきゃいけないかな^^;。
教会の床下に眠る人たち、気になりますよね。イタリアのアッシジの修道院だったかな、壁の中に眠る人たちがいるって聞いたときも背筋がゾワッ^^;。
頭で曲がぐるぐる、私もしょっちゅう。あと、妄想も^^。
by ハリネズミ (2014-07-26 08:47) 

めぎ

暑い日本のビルの谷間からいつもすぐそばにある教会の写真を見ていると、どちらが日常でどちらが夢か、グルグルしてきます。
by めぎ (2014-07-26 09:14) 

krause

オランダの夏は穏やかそうですね。こちらは猛暑!です(T-T)。
by krause (2014-07-26 09:34) 

母ちゃん

静かな雰囲気の教会ですね♪ 役目を終えるって、そんなことがあるんですね。
by 母ちゃん (2014-07-26 19:32) 

ameya

透明感があるけどビビットな色彩も感じる素敵な教会ですね。
by ameya (2014-07-27 08:12) 

luces

石造りの建物は涼しそうです。
こちらは暑くて溶けちゃいそう。
by luces (2014-07-27 10:31) 

テリー

こんな立派な教会が役目を終えるというのは、どういうことなんでしょうね。新しい教会ができたということでしょうか?
歴史のある教会を、もっと、使い続けられなかったのでしょうか。
もったいない気がします。
by テリー (2014-07-27 10:48) 

moz

ぐるぐるは良くありますよ。もういいよって思ってもなかなか消えない曲。
のだめみたいに、突然ピアノソナタがキューピー3分クッキングになったり ^^;
小フーガ ト短調とか、フォーレのレクイエムとかなら教会でぐるぐるになっても大丈夫でしょうね。笑
教会でイベントがあるんですね。
お寺でも、ぼくが良く行く北鎌倉の東慶寺さんとかでは室内楽のコンサートをやったり、歴史の学習会をやったりしているようです。やはり、昔からお寺も一種のコミュニティーの場所なのでしょうね。
by moz (2014-07-28 05:55) 

ねこの手

私も毎日何かしらの曲が流れていますよ。
古い曲とアニソンが主ですけどね。
パイプオルガン、考えたことが同じで笑っちゃいました。
ほんと、チョコケーキみたいで美味しそう♪
ステンドグラスには見入っちゃいますね。
by ねこの手 (2014-07-28 18:41) 

miffy

煉瓦造りのお家ステキですね~
地震の多い日本では無理だろうけどこんな家に住みたいな~
役目を終えた教会ってなんとなく不思議な気がしますよね。
お墓はそのままでイベントに使うっていうのも不思議・・・
日本のお寺だと廃寺になって無くなっちゃうんでしょうけど。

曲のグルグル良くありますね~
時々何の曲だったかわからないのにグルグルしてたりして^^;
by miffy (2014-07-28 23:13) 

カエル

確かになくなった方の上を歩くのは申し訳ない気がするね。
この写真光があたってとても素敵です。
レクイレム、今聞いてみた。

by カエル (2014-07-29 15:09) 

Inatimy

→皆さま「せっかくだからと運河を渡り」のお話にnice!やコメントをありがとうございました。オランダは運河や水路が多い地。なので大雨や集中豪雨があると氾濫してしまったり。日本だと床下浸水、床上浸水があるけれど、オランダの家には地下室のある家はあっても床下がないのでした・・・。地上階だと冬は地面の冷気が伝わってきて寒いです^^;。

→yuka★さま
ちょっと出かけると撮る枚数が半端じゃなくなりますねぇ。バッテリーもメモリーも予備持参です^^;。オランダの大地は空から見ても水路だらけなので、いつかオランダへ旅されるときは飛行機からの眺めもお勧めです♪ 私もありますよ〜TVのCMとかのぐるぐる。しかもかな〜り昔のだったり^^;。

→ナツパパさま
役目を終えても、お墓も含めてすべてがそのままで。きっと貴重なものはミュージアムだとかに保管されてるのでしょうが。イベント会場となった今では、結婚式のお祝いの席や新製品発表会、展示会などに活用されてるみたいです♪

→ハリネズミさま
オランダのお家、ちょっとしたスペースにも植物が植えられていたり驚くことも多いです。農家風な家の玄関に木靴が壁にかけられていて、その靴には花が育てられてました^^。家の前のベンチ、日光浴にも使われてたり、本読まれてたり、編み物されてたりとこれまた活用様々。教会の下に眠る人々・・・ドイツのとある教会では、地下室でその様子が公開されてたのを見たことがあります。驚きですよねぇ。今日も朝から曲がグルグル^^。ハリネズミさんは今頃どんな妄想されてるのかしら♪

→めぎさま
たまに日本に一時帰国すると、ありますねぇ。朝目覚めると、どこにいるんだろう?とか。最初は風景や店、流行のものなど、いろんなものが変わってて戸惑うし。で、すぐにまた欧州に帰るから妙な感覚に陥ったりも。

→krauseさま
日本ほどではない暑さですが、もうすっかり慣れちゃって、30℃でも身体がついて行けません・・・。欧州にしては湿度も高い方じゃないかしら。

→母ちゃんさま
オランダもどんどん宗教離れが進んでるようです。日本では若い人たちでもパワースポットとして神社やお寺は人気だったりするみたいですね〜♪

→ameyaさま
日本の神社は銅屋根が緑青だったり鳥居が朱塗りだったり、お寺だと五色幕がかけられたりと、色彩が豊かですよね〜。それに比べると、ステンドグラスがない教会は案外、地味系なのかも。 

→lucesさま
石造りの教会、外よりは少し気温が低めかな。暮らしにエアコンが無いのが普通の欧州なので、たまに涼みに行ったことも。

→テリーさま
オランダでも段々と教会に通う人が少なくなってるようです。昔、宗教改革もあったし。教会としての役目は終わったけれど、きちんと管理されていて、公開されてるのはまだいい方かもしれませんねぇ。南部の街では本屋さんに生まれ変わった教会堂もあります。

→mozさま
のだめってスゴく人気があったドラマですよね・・・ごく一部だけ見たことが。すっかり日本のドラマに疎くって^^;。宗教離れの進んだオランダでは、すっかり引退してイベント会場になってる教会は多いです。現国王ウィレム=アレクサンダーの就任式が行われた教会も、普段は展示会場となってるところで^^。日本だと現役のお寺でコンサートが開催されたりして活気がありますよね♪

→ねこの手さま
パイプオルガンがチョコレートケーキに見えるの、私だけじゃなくてホッとしました^^。古いアニメソング、子供の頃に見たのとか、たまにぐるぐるしてます・・・。間違えて覚えたままの歌詞だったり^^;。

→miffyさま
日本にも銀行だったり官庁だったり煉瓦造りや石作りの建物がありますが、すごい耐震構造になってるんでしょうねぇ。教会の床の墓石板の上でイベントするの、妙な感じかも。この教会のサイトでイベントで中に車が置かれてるのもあったし・・・。 曲名が思い出せないぐるぐるもあります〜。歌ってる人やグループの名前が思い出せずに苦しかったり^^;。

→カエルさま
国が違えば暮らしの中にもいろんな違いが。墓石板の上もそうだし、広場に作られた国王の顔のモザイク画の上とか、恐れ多くて踏めません・・・^^;。オランダ人、皆平気で歩いてるけど。レクイエム、歌詞の意味もサッパリ分からず、カタカナの羅列だったので、当時覚えるのに苦労しました・・・。映画に使われることもある有名な曲だったんだ・・・と大人になってから気づいたという^^;。
by Inatimy (2014-07-31 18:37) 

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