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床屋さんも職人さん [ミュージアム]

何かしら生み出すことができる手仕事って

いいなって思う。

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5月初旬、列車で北上して訪れた街、Enkhuizen エンクハウゼンにある、
Zuiderzeemuseum ザウダーゼーミュージアムでのお話。 仕事場編の第2弾。

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Mandenmakerij マンデンマーカライ・・・カゴ細工屋さん。

解説版によると、野菜、パン、泥炭、魚などを入れるのに使ったらしい。

特に魚用は、魚の形によってカゴの形も変えたよう。
ニシンには深くてまるいバケツみたいなので、ヒラメには浅くて楕円型のカゴというように。

Kubben クッベンという魚の罠も作っていた。 これは、ウナギを獲るためのカゴ
写真中央の背の高い茶色のカゴの左隣にある、白っぽい徳利型の2つが、それらしい。
 
樹皮をめくった細い柳の枝で作られ、返しがついてて一度中に入ったら外へは出られない仕組み。
(カゴの入り口には、先の細く開いた三角錐状に編んだものが付いている。)

日本でいう鰻筌(うなぎうけ)に当たるもののよう。 日本のは竹製だったみたいだけど。

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Smederij スメーデライ・・・鍛冶屋さん。 昔は各村に一つは鍛冶屋さんがあったよう。

馬の蹄鉄作りが専門だったり、ストーブの製作や修理、ヤカンフライパンの継ぎ当て修理、
漁村だと船の鍛冶屋さんがいて、釣り針、錨、漁網の錘(おもり)なども作ったそうな。

写ってないけど、ちゃんと皮の前掛けをした職人さんがいて、作業していた。

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Zeilmakerij ザイルマーカライ・・・製帆屋さん。 船のを作る職人さんのいるところ。

実演のおじさまが、何やら作業をしていた。

卓上に蜜蝋の塊が置いてあったので、何に使うのか聞くと、
帆布を縫う前にを擦り付けるのだという。 そうすると丈夫になるんだとか。

は、素材によって耐久年数がかなり違ってくるらしい。
長く使えるものは、それなりにいい値段もするみたいだけどね。

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船舶雑貨も取り扱っている。 他に、帆布ロープで作った甲板バケツを売っていた。

解説板によると、昔は手縫いだったも、1910年頃から機械縫製に移っていったとか。
船も帆船から原動機の船に変わっていったので、職人さんの多くも船舶雑貨販売に。

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こちらの写真、右端にちらっと写る民族衣裳。 
ミュージアムでは子供対象の貸し民族衣装もあり、記念写真も撮ってくれるみたい。

で、この黒い扉の建物はというと、表に並んでいるのからもわかるように・・・

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・・・Kuiperij カウパライ・・・桶屋さん。 樽(たる)も作ってるよう。

訪れた時は、職人さんはいなかったけれど、実演もあるようだった。

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こちらは、Kapper カッパー・・・散髪屋さんの家。 入り口にはおなじみ、サインポールがある。

何かを作って売ってる仕事ではないけれど、理容師さんも職人さん。 サービス業もちらっとね。

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かっこいい看板。

オランダ語では、職人さんが男性か女性かで単語が分かれるものも多い。
Kapper カッパー男性で、Kapster カプスター女性

現在は美容院理容店など、お店自体を言う単語は、Kapsalon カプサロン

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中に入ると、レトロな雰囲気。 天井からぶら下がるのは、ランプ電動バリカン

椅子は一応リクライニングシートで、ネジで固定して、背もたれの調節がきくもの。

カウンターには洗面台があるけど・・・ついてるのは普通の蛇口。 
ここで洗髪? はて、お湯、出たんだろうか。 ひょっとして冷水で洗ったのかなぁ。
いや、昔はそこまでサービスなかったのかも・・・

・・・と想像膨らむ。

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さて、こちらは入り口から中を覗いてみると、なんだか妙なものがいろいろ。 

お面などかぶり物がぶら下がっている。

建物自体はMonnickendam モニケンダムから移築された農家だけれど、
中の展示はアムステルダムに住んでいたHeitz ハイツさん一家が
1859〜1977年まで営んでいたお店のグッズ。

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パーティーのスピーチを印刷したり、グッズを作ったり、コスチュームを貸し出したりしていたそうな。

貼ってあった道化師のポスター・・・なんとなく不気味。

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表には、Bruilofts en Feestartikelen 披露宴(結婚記念日)やパーティー用品・・・と看板が。


いろんなお店があるけれど、製造販売が同じ場所っていうのもいいもんだな。

どんな人が、どんな風に作っているのか、
それを知ると大事に使おうって気がますます強くなる感じがする。


まだまだ続く仕事場編

この中から選ぶなら、桶屋さんになりたいな^^。
鉢植えにしたい。

みなさんなら、どんな職を選ぶ?

nice!(38)  コメント(14) 
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コメント 14

だいず

じゃ ワタシはかご細工屋さんで^^
黙々と編んでみたい…。w
by だいず (2016-09-20 19:34) 

よしころん

仮面屋さん?面白そう^^
でも真夜中に仕事場にいくのはちょっと怖そうね~(笑)
by よしころん (2016-09-20 20:49) 

ぴーすけ君

写真見ていて楽しいわぁ~♪ わくわくする。
カゴやさんは、なんか日本もこんな感じだから親しみ感じちゃいます。
by ぴーすけ君 (2016-09-20 20:57) 

mitu

散髪屋さんが好いなぁ・・・♪
散髪は経験ありなので・・・家族(男子3人)のですが
散髪屋さんの建物が、とてもいい感じですね^^v
by mitu (2016-09-21 08:44) 

ナツパパ

ここに入ったら先ず当分は出てこられないでしょう。
一軒一軒満足するまで動けないかも。
わたしは鋳鉄製のものが大好きなので、調理道具とか、
壁掛けのフックとか、それから門とか、鋳鉄で欲しいのだけれども。
ここに行けば素敵なものに出会えそうです。
by ナツパパ (2016-09-21 09:56) 

nicolas

意外と鍛冶屋さんに興味があったりします。
やっぱりオランダ語も、女性名詞と男性名詞があるんですね。
一語覚えるのも大変なのに、カタチが変わるのを覚えるのは大変ですよねー
昔からパーティーグッズのお店みたいなのがあったんですね。
そういえば、フェット(お祭り)とかは小さくても昔から欧州にはイッパイありますよね。

by nicolas (2016-09-21 13:40) 

(。・_・。)2k

お面屋さん ちょっと怖いっすね
夢見そう(笑)

by (。・_・。)2k (2016-09-21 14:51) 

めぎ

日本語には男性と女性の区別も単数と複数の区別もありません、動詞も変わりません、というと、生徒たちはみんな大喜びします。まあ見慣れぬ文字と全然意味の想像がつかない新しい単語を覚えるのが大変で、これ以上の負担が無くて良かった~というレベルですが♪
手仕事は私、どれも無理です・・・ありがたく使わせていただくので精一杯♪
by めぎ (2016-09-21 16:13) 

miffy

この中だったら製帆屋さんが良いかな~
面白そうな道具がたくさんあって楽しそう♪
パーティグッズのお面、ホラー映画に出てきそうなものが多いな・・・
お店の中にある螺旋階段が良い感じです~
by miffy (2016-09-21 21:57) 

ハリネズミ

床屋さんの内装、レトロ感いっぱいですね。
木製の温かみがいいなぁ。
この中から選ぶなら私は断然、かご屋さん♪。
大好きなかごを自分で編み上げられたらきっと最高の気分^^。
by ハリネズミ (2016-09-22 09:17) 

shino*

床屋さんのサインポールは世界共通かな?
私は不器用だからなぁ
どれも出来なさそう(笑)

by shino* (2016-09-22 11:25) 

engrid

床屋さんの内装、すてきよね
鏡とたくさんのひき出し、とってもいいわ
職人さん、手仕事の丁寧さと信頼、そして誇りを感じる
by engrid (2016-09-24 00:19) 

Inatimy

→皆さま「床屋さんも職人さん」のお話にnice!やコメントをありがとうございました。屋外展示ではいろんな仕事場が見られて、道具や作業の様子、楽しめました^^。ちょっと懐かしいような床屋さん、おしゃれな感じですよね〜。

→だいずさま
私も最初カゴ細工屋さんか桶屋さんかで迷って、結局は桶屋さん選びました^^。自分の好みの形に編めたら、いいですよね〜♪ まず作るなら、毛糸や編みかけのものを入れるカゴがいいなぁ。

→よしころんさま
面白そうだけど、仮面屋さんは、明るいうちならいいけど、暗くなってくると仕事場怖いですよね・・・冬場は遅めに出勤して、早めに帰ることになって、働く時間が少なくなりそう^^;。

→ぴーすけ君さま
写真で仕事場風景を楽しんでいただけて嬉しいです^^。カゴ屋さん、日本もこんな感じなんですね〜。体験してみたいなぁ♪ 

→mituさま
ふふ、私も散髪経験ありです・・・Kamoさんの髪、いつも私が担当^^。散髪屋さんは、自宅の一室が仕事場になってました〜。

→ナツパパさま
6時間見て回っても時間が足りないくらいでしたよ〜。屋外展示だけ見て、屋内展示まで到達できず・・・^^;。欧州のお祭りやクリスマスマーケットで、よく鍛冶屋さんの実演があるので、それだけ昔は一般的な職だったんでしょうね〜。鉄の細工、かっこいいもの、たくさんありそう♪

→nicolasさま
男性と女性で職人の名称が変わるの、面倒ですよね^^;。でもオランダ語では、職で男女が分かれてても定冠詞は同じなんですよ。名詞は、定冠詞deを取る通性名詞(男性・女性の名詞の統合)か定冠詞hetを取る中性名詞かの2種類なんですよ。なのでまだ楽ちんです^^。パーティーグッズ屋さん、サプライズ精神が旺盛なのかドッキリものも多いのでちょっと不気味・・・^^;。

→(。・_・。)2kさま
パーティーグッス屋さんのお面、怖いですよね、不気味・・・^^;。暗くなってからだと余計にそう見えるかも〜。夢に出てこないことを祈ってますね^^。

→めぎさま
日本語って、いちいち主語もつけなくてもいいので、最初、学校で英語を習った時に、かなり主語がうるさく感じました^^;。文頭にIって、すっごく自己主張してるみたいで・・・。しかも目上の人に対してもYouなので、使うのに度胸がいるし^^;。欧州の言語のように敬称がある方がまだ安心しますよねぇ。私が日本語で苦手なのは助数詞。ドイツの学生さんも大変なのでは?

→miffyさま
パーティーグッズのお店、そうそう、ホラー映画を思わせるものがいろいろ・・・ピエロとかなんだか怖いんですよね^^;。赤くペイントした小さな螺旋階段は秘密基地っぽい感じで、いいですよね〜。

→ハリネズミさま
床屋さん、洗面台部分が大理石っぽく、ちょっとリッチな感じ^^。前かがみで洗髪だったのかしらねぇ。私は、後ろに倒れて洗ってもらうのしか体験したことはなく。でも目が合うのがなんだか気まずくって^^;。日本だとタオルかけてくれたりするけど・・・。カゴ屋さん、私も最初、迷いました〜。最終的には桶屋さんをチョイス♪

→shino*さま
サインポール、ほぼ世界共通みたいですね〜^^。わかりやす♪ 私もそんなに器用な方ではないんですが手を動かす作業は好きで、編み物、ボビンレース、クロスステッチと趣味ではいろいろ・・・すべて下手の横好きです^^。

→engridさま
レトロな床屋さんの内装、おしゃれですよね〜。入り口からしか覗けなかったけど、もっと近くで見てみたい気がします^^。業務用に作られたものって、合理的な機能美もあって魅力たっぷり♪
by Inatimy (2016-09-26 20:17) 

momo

カゴ屋さんかな~* 編むのも使うのも好きかも♡
素敵なミュージアムですね!!オランダ行ったら絶対ここ行きたい!
by momo (2016-09-29 10:07) 

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