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至福のランチと天使の教会 [ウィーン 2014 冬]

食べることが幸せ。

ささやかなのに、満ち足りた気分は大きい。

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2014年12月に行ったオーストリア旅のお話。 ウィーンでの2日目の朝の続き。

小路のクリスマス・マーケットを通り抜け、フォルクス劇場の角を左に曲がってライムントの像
それから、ギリシャ風な国会議事堂ウィーン市庁舎公園広場クリスマスマーケットを見た後。

横断歩道を渡って、向かいに建つブルク劇場の裏側の道へ抜けていった。
どこか、お昼を食べるのに良さそうなところはないかしら、と。

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やがて左手に見えてきたのが、こんな石畳の坂道。 

写真右にあるレストランも気になり、入口脇のメニューをチェックしたものの、いまひとつピンとこず。

それよりもの上の・・・

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・・・飾りのついた建物が気になる。 上の丸窓も可愛く。

右の大きく開いた木の扉の上にある看板には、Ludwig Reiter とあった。 
ルートヴィヒ・ライターと読むのかな。 どうも靴屋さんみたい。

この建物ではなく、さらに後ろの方に見える大きな建物あたりには、
Beethoven Pasqualatihaus ベートーヴェン・パスクラティハウスがあったよう。

その建物の一室で、ベートーヴェンが1804~1815年の間暮らしたんだとか。
ピアノ曲「エリーゼのために」も、そこで生まれたらしい。

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ここを歩いてる時には、そんなことは全く知らず。

坂道をこのまま進むと夢中になって、お昼を食べるのも忘れそうだからと、
キレイな壁飾りを眺めただけで引き返した。

さて、どうしようかな。 せっかくだから・・・

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・・・と、エントランスを入ったところで、おじさまが迎えてくれるカフェにする。

この方は、Peter Altenberg ペーター・アルテンベル(1859-1919)というオーストリアの作家。
これはペンネームで本名はまた別にあるみたい。 このカフェによく来ていた常連さんだそうな。

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お昼を食べに来たのは、Café Central カフェ・ツェントラル

この前日、ウィーンに到着した日の夜にカフェの場所は確認してあった。 パッサージュを抜けた後にね。
 ※ ご参照:その時のお話は、コチラ

人気のカフェ。 並んでいたけど、待っていたのは少しの間だけで、まもなく席に案内された。

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飲み物は、Almdudler アルムドゥドラーに。 といっても最初から知ってたわけでなく。

メニューの飲み物のところで聞いたことがない名前があったので、好奇心をそそられての注文。
何だろう、何が出てくるんだろう・・・旅のこんなワクワク感も楽しい。 

結果はアタリ。 好みの味。 アルムドゥドラーは、微炭酸ハーブの清涼飲料水で飲みやすかった。 

で、お昼に頼んだ料理は・・・

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・・・Kamoさんは、Wiener Schnitzel ウィーン風シュニッツェル。 ウィーン風仔牛のカツレツ

パセリ和えの茹でたジャガイモ付き。 レモンも添えられて。
見た目は色が寂しいけど、シュニッツェル、美味しかったそうな。

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私は、ウィーン風Rindsgulasch 牛肉のグーラッシュ。 一種のビーフシチュー

この前日の昼に食べたターフェルシュピッツ同様、ウィーンに来たら食べてみたいと狙っていたもの。
肉がとっても柔らかい。 あぁ、幸せ。 

スライスパンのトーストのように見えるのは、クヌーデルを焼いたようなのも。 これも美味しかった。 
生地はジャガイモと小麦粉じゃなく、パンも入れてこねてあるのかもしれない。

添えられていたのは、パプリカと小さなピクルス。

こうしてまた、ふたりともオーストリア料理を堪能。
たっぷり食べた後、街の散策を再開。 カフェの前の道を歩いていく。

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左手に見えたのが、ギリシャイコン屋さん。 聖人の名前とともに、アルファベット順に並ぶ。

眩い黄金色。

最初の写真もこのお店のショーウィンドー
卵型ロケットペンダントがアートな白い木にかけられてたもの。 
今思うと、クリスマスツリー仕立てだったのかな。

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そして、出てきたのがMichaelerplatz ミヒャエル広場。 ここにもクリスマス・マーケットが。

広場に面して建っているのがHofburg ホフブルク。 王宮。 
王宮といっても広いので、正確に言うとその一部のミヒャエル翼

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中央部分の丸屋根。 てっぺんの飾り脇には二人の天使。 青銅に金、そして手前に石の彫刻像。

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向かってにある丸屋根。 向かってにも同様なのがあるが、それは撮ってなかった。

こういうのを見ると、日本お城シャチホコとか、
軒下などにいる鍾馗さまなどの像を、ふと思い出したりする。

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王宮同様、広場に面しているのが、Michaelerkirche ミヒャエル教会

13世紀にロマネスク様式で建てられたものらしいが、その後いろんな手が加わって、
ゴシック、バロック様式も見られるそうな。

ちょっと寄ってく?

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並んだ椅子の奥にあった主祭壇。 中央に光ってるのが、両脇から天使に支えられた聖母子像のイコン

教会の名にあるミヒャエルは、他の言語だとミカエル、ミシェル、ミゲル、ミゲーレなどと変化する天使
だいたい右手にを持っていて、足で悪魔を踏みつけてる姿が思い浮かぶが・・・

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上の写真をトリミング

・・・主祭壇をよく見ると、背景に、下半身は一つなのに、
上半身が3つに分かれて悪魔をやっつけているミヒャエルらしき天使が。

そして頭上の雲間から光が漏れていた。 ダイナミックだな。

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その左隣にあった礼拝堂の大理石の彫刻像。 キリストの降架かな。

不思議な構成。 天使が浮いてる?

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左にいた天使。 宙づりになっているのではなく、奥の祭壇に付いてるようにも見える。

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側廊を抜けて、ゆっくりと外へと向かった。 揺らめくキャンドルの光を見つめたりしてね。

街の雑踏から切り離された別空間。
教会の静けさは、ざわついた気持ちを落ち着かせてくれるから好き。

そして、教会の中は外よりも寒さがマシなので、ちょっと温まった。

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教会を出たところから見たミヒャエル広場。 左側に王宮

お昼を食べたCafé Central カフェ・ツェントラルから歩いてきたのは、
正面の建物の向かって左側の道。

写真右端にチラッと写ってる建物は、Looshaus ロースハウス
オーストリアの建築家 Adolf Loos アドルフ・ロース(1870-1933)の作品。

ミヒャエル教会の外観写真の左に写ったオレンジ色の街灯は、このロースハウスの。


・・・ロースってカタカナで書くと、どうもトンカツが頭にちらついてしまう。
あ、でも私が好きなのはヒレ



と、まだまだ午後散歩は始まったばかり。
地図なし街歩き、さて次はどこへ。


みなさんは、トンカツ好き?
ロース? それともヒレ

nice!(40)  コメント(19) 

nice! 40

コメント 19

ぴーすけ君

1枚目の写真のツリーかわいいですね~ハンドメイドっていう感じが
すごく素敵♪
by ぴーすけ君 (2015-07-10 21:08) 

けん

ボトルが洒落てますね。
このメニューでいくらするんだろ?

海外は彫像撮り甲斐あるよねー(^^
天使珍しい。こんなんはじめて観ました♪
by けん (2015-07-10 21:32) 

(。・_・。)2k

おじさんのヒゲ
食べずらそう(^^;

by (。・_・。)2k (2015-07-10 21:54) 

nicolas

とりあえず、ヒレ派でお願いします。
ゴールドと白の空間、厳か感がスゴイですねー
ミカエル・ミッシェル・ミヒャエル・どう名前が変化してもイメージ一緒ですね。
大天使ミカエル、モンサンミッシェルの逸話では脳天にぐりぐりしたりしてました。
ちょっとSっ気あるのかな。
by nicolas (2015-07-10 21:58) 

ネム

見ごたえありますね。
微炭酸なハーブの飲料水・・・いいですねぇ♪
グーラッシュもとっても美味しそう!!
トンカツ、私はヒレ派、夫はロース派です。
by ネム (2015-07-10 23:23) 

kanameのツマ。

帰省中につきログインできず失礼します♪
靴屋さんの建物、素敵ですー!!
ハーブティーが好きなので微炭酸の清涼飲料も気になります。
ミントでやってみてもおいしそうなイメージです^^
滋賀に帰ったらやってみようかしら・・・♪
by kanameのツマ。 (2015-07-10 23:25) 

めぎ

ウィーン料理って意外に美味しいですよね♪
その昔、一か月いても全く飽きませんでした。
カフェ・ツェントラル、私はマリア・テレジアを飲んだ記憶です。
トンカツは・・・豚のトンカツならいつもNackenkotelettを買ってます・・ええと、首かな?
牛は・・・ローストビーフステーキという部位のをいつもステーキ用に買いますねえ。シュニッツェルは作ったこと無いな。
by めぎ (2015-07-11 02:24) 

akko

おじさんが迎えてくれるカフェ、びっくりしませんでした?
私はこういうの、だいたいびっくりしてしまいます。
天使が浮いてる・・・すごい^^
私もヒレ派です(笑)
by akko (2015-07-11 07:37) 

ハリネズミ

聞いたことがない名前のドリンクをオーダーだなんて、
Inatimyさんったらチャレンジャー^m^。
浮いて見える天使、すてきだな。
ロースかヒレか・・・・悩ましい選択。基本、ヒレ派なんだけど、
大根おろしとポン酢でいただくおろしトンカツを知ってからは
ロースにも捨てがたい魅力、感じてます^^。
by ハリネズミ (2015-07-11 08:48) 

mitu

 あぁ、幸せ。の一言、素直でいいですね~
ヒレ肉で、シソの葉巻いてあるのが好きです!
かつ丼だったらロースかな・・・♪
by mitu (2015-07-11 12:41) 

アールグレイ

ウィーン、音楽の町
作曲家にまつわるお話が、いろいろあることでしょうね。
興味深いです。
たくさんの天使たちに聖母像、素敵ですね。
牛肉のお料理も美味しそうで、お店の雰囲気もいいですね^^
by アールグレイ (2015-07-11 20:01) 

ナツパパ

素敵な街並みと美味しい料理...申し分のない旅ですねえ。
ウィーンを訪れるなら冬、とわたし決めました。
いつかは、と願を掛けましたです。
by ナツパパ (2015-07-11 20:35) 

miffy

カフェ・ツェントラルの内装ステキですよね~
私はここではいつもアインシュペンナーとアップフェルシュトゥーデルです。
一度だけランチも食べたけど何食べったっけな~
ホフブルクの丸屋根って王冠みたいでステキですよね。

トンカツですが、豚肉大好きなのでヒレでもロースでもどちらも好きです♪
by miffy (2015-07-12 00:40) 

ふゆん

カツレツおいしそー!
きのーはちょーどトンカツを♪
トンカツはだんぜんロース(・∀・`)
by ふゆん (2015-07-12 05:17) 

母ちゃん

私も寒いだろうけど、冬のウィーンを訪れて見たくなりました。もちろんあのおじさんの所でお食事も♪
by 母ちゃん (2015-07-12 09:06) 

Bonheur

Almdudler、オーストリアではメジャーな飲み物みたいですね。次回行ったときの楽しみが増えました♪
by Bonheur (2015-07-12 09:22) 

engrid

食べる幸せ
美味しく食べれる幸せね
清涼飲料水のボトル、いいな、素敵よね
カツレツか、いいな、ホンマモノですね
付け合せが、じゃがいもになるのは、ドイツの食に似てかしら
by engrid (2015-07-13 18:04) 

カエル

カフェ・ツェントラルの天井観ていたら東京駅思い出した。
あのくねっとした道のある街、飢えてるかも~。
by カエル (2015-07-14 14:35) 

Inatimy

→皆さま「至福のランチと天使の教会」のお話にnice!やコメントをありがとうございました。旅の楽しみ=食の楽しみでもあるので、事前に名物料理らしきものはチェック^^。他の人が作ってくれるものを食べられる幸せ。食べたいもの選んで待ってるだけで目の前に出てくるなんて♪

→ぴーすけ君さま
見てる時は気づかなかったけど、あれはクリスマスツリーですよね^^。あんなにたくさん吊り下げられるほど・・・卵型トップが、キラキラ♪

→けんさま
シュニッツェルは19.80ユーロ、グーラッシュは14.20ユーロでした。今、1ユーロが135円くらいだから換算すると高くなるけれど、私の中では、それぞれ1,980円、1,420円かな^^。街の中の彫刻、彫像、たくさんあって、美術館みたいですよね〜。

→ (。・_・。)2kさま
おじさんのヒゲ、お手入れ大変でしょうね〜。カプチーノ飲んだら、いっぱい泡つきそう・・・・^^;。

→nicolasさま
あ、同じだ、ヒレ派♪ 大天使ミカエル、すごいですよね、祀る聖堂建てなきゃ、こうしてやる、みたいな^^;。額に穴あけちゃうくらいすごいことできるなら、自分で一瞬にして建てられるんじゃ・・・なんて思ったり。

→ネムさま
ハーブのリモネード、おいしかったです♪ さわやか。微炭酸なので私でも飲めるという。(コーラだとしばらく待たないと辛くて飲めない・・・。)それぞれ、ヒレ派とロース派なんですね〜。我が家は二人ともヒレ派。

→kanameさまのツマさま
自家製だと、レモンとミントと炭酸水で美味しくできそうな♪ 旅先で食べたり飲んだりは、普段の暮らしに取り入れられるヒントを与えてくれますよね〜。

→めぎさま
家庭料理がメインなオランダ料理に比べると、ウィーン料理はオシャレ♪ しかも美味しいし。日本にいた時、トンカツはチーズを挟んで自分で作って揚げてたんですが、なんせ小麦粉・卵・パン粉が面倒で^^;。欧州では作ってません〜。で、一時帰国の時にトンカツ屋さんに行きました♪

→akkoさま
一瞬びっくりすますよね、この座ったおじさま。以前、美術館でもあまりにリアルなおばさんが床に座ってたのがあって、怖くて近寄れませんでした^^;。浮いたように見える天使、すごい飾り方ですよね。どうなってるんだろう。あ、トンカツ、一緒ですね〜、ヒレ派♪

→ハリネズミさま
せっかく欧州にいるんだからと、あれこれ好奇心をそそられオーダーです^^。虫以外ならOKかも。あ、オランダのスーパー、最近、食用昆虫、売ってるようです。怖くて実物確認すらできないけど・・・・。大根おろしとポン酢でトンカツ、さっぱりしてていいな〜。子供の頃、私、牛肉が苦手で、焼肉は大根おろしと七味と醤油でした^^。

→mituさま
ヒレカツでシソの葉っぱ巻いてあるの、美味しそう♪ 青紫蘇の葉っぱ、大好き。カツ丼は、私、実は食べたことがなく^^;。どちらかといえば、衣がカリカリなほうが好みで。・・・というより、丼モノって、思えば、魚介類の海鮮丼くらいしか食べてないかも〜。親子丼も、学校の調理実習で初めて食べたくらい。

→アールグレイさま
音楽にもっと詳しければ、その分野でも楽しめるんでしょうね〜。ヨハン・シュトラウスもウィーン生れでしたっけ。カフェが多く存在するウィーンで、一番行ってみたかったのがこのカフェ・ツェントラルでした^^。天井が素敵で。

→ナツパパさま
最近の欧州は気温が高めで、ウィーンの夏も30℃越え・・・すっかり涼しめな気候に慣れた私には耐えられそうにもありません^^;。冬のウィーン、オススメです♪建物の中はすごく暖かいので^^。

→miffyさま
生クリームたっぷりのアインシュペナーに、アプフェルシュトゥルーデル・・・って、タルトのほうにも生クリームやらソースなどついてますよね・・・確か。ツワモノですね〜miffyさん^^;。丸屋根ってなぜか惹かれて撮ってしまいます^^。トンカツ、私はサッパリとヒレ。給食のトンカツが脂身だらけだったので、その反動かな^^;。

→ふゆんさま
ロースのトンカツ、すごいなぁ・・・私はどうも脂っこいのがダメで^^;。トンカツもKamoさんの影響で食べるようになったくらい。

→母ちゃんさま
寒いのは防寒具やカイロで対処できるし、建物の中はかなり暖かいので、大丈夫♪ 逆に夏は、ギリギリまで薄着しても暑いものは暑いし、エアコンあるところも限られてるし・・・で、私は冬が好き〜^^。

→Bonheurさま
そうですね〜、オーストリアではよく飲まれてるようです、Almdudler♪ 旅先のまだ知らない食べ物、飲み物、ワクワクしますよね^^。

→engridさま
付け合わせがジャガイモ、先に食べたレストランでも、ジャガイモの品が付いてましたね。オーストリアもドイツやオランダ同様、ジャガイモが主食なのかも^^。アルムドゥドラーのボトル、持ち帰りたかったくらいでした♪ 

→カエルさま
東京駅、私、いつも先を急いでて通り過ぎるだけだったから、あまり覚えてなくて^^;。気の向くままにぶらりと歩ける街、刺激がありますね〜。何に出会えるのか、ワクワク。
by Inatimy (2015-07-21 20:56) 

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