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自然光の中で [ミュージアム]

学術的な雰囲気に酔う。

・・・ちょっと、いい子になった気分だ。

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6月初めの休日に洗濯をしてから出かけたHaarlemハールレムの話。
 
広場肉市場市庁舎などの建物を眺めて、聖バフォ教会の横を通り、
Teylers Museum タイラー・ミュージアムでお昼のサンドを食べてから絵画を見た後の続き。
 
絵画のお隣の部屋は、楕円形だった。

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部屋の形に合わせた中央の楕円形陳列ケースには、鉱物標本が並ぶ。 
そう、ここは美術館だけではなく博物館でもあるミュージアム

ケース上、中央の一直線には写真手前から太陽、そして水星・金星・・・と惑星が配置されてた。
少し離れたところにある大きなのが木星。 次、輪っかのある土星

それを囲む壁の収納棚にも展示物

誰もいないけれど・・・


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・・・ほんの数分前には、たくさんの人がいた。 
ゆっくり見ていたら、気がついた時には誰もいなくなってた、というわけで。

ここも天井から外の光が差し込む。 前回の絵画でもそうだったように、自然光で見る展示室

だから、ミュージアム遊び雨の日が多い我が家でも、
このミュージアムに限っては、晴れた天気のいい日に訪れたのだった。

しかも、ゆっくりと見るなら、6月の日が長い時期がふさわしい。
は朝9時前日の出、夕方4時台日没だしね・・・室内暗いもの。


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を含む鉱物の中に、ひときわ目を引く美しい

Chalcanthiet 胆礬(たんばん)
硫酸塩鉱物で、硫酸銅の結晶らしい。 キレイだけど、素手で触ってはいけない、害のあるものみたい。

周りのの石は、Malachiet マラカイト孔雀石


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ガラスの杯の中にフィギュアを発見。 中にいるのは、ギリシア神話のタンタロス

オランダ語でTantalusbeker タンタルスベーカー・・・タンタロスの杯。 

タンタロスは悪さをして神々の怒りに触れ、沼の上の果樹に吊るされた。
沼の水は顎のあたりまで来るけど、飲もうとすると水が引いてしまって飲めない、という話にちなんで。

右にある杯の中には、底辺から上がってU字に曲がり、先端が底近くまで伸びたガラス管があり、
杯の中に水を徐々に入れた時、水がその先端から上がっていく。 

入れた水のレベルが最高位にある管の曲がった部分を超えると、
底から水が排出され、杯の中を空っぽにしてしまうらしい。

サイフォンの原理を使ったもので、ピタゴラスの杯とも呼ばれてる。

左側にある杯は、フィギュアがそのU字の管になっているようで、片足から水が入っていって、
タンタロスの口元を超えると、一気に水がもう一方の足を通り抜け、杯の底から排出されるよう。


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真ん中の棚の大きな2つは、1790年の風車のモデル。 干拓地排水用風車

風車を使う目的にもいろいろあり、
排水用の他に、穀物顔料を挽いたり、マスタードを作ったり、木材を切る製材用のもある。


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Powell & Lealand大顕微鏡(ロンドン、1843年)。 真鍮で出来ているみたい。 カッコイイ。

たくさんの付属品があって、その中には、
6つの対物レンズ、4つの接眼レンズ、そしてカメラ・ルシーダなどがあったらしい。

他、アクロマート対物レンズだの、非常に短い焦点距離(1.6mmまで)だの、
接眼レンズとの組み合わせで2500倍まで拡大できる、などなど書いてあったのだけれど・・・う〜ん。

私自身、顕微鏡についての知識もなく、その上オランダ語・・・
家で辞書を引きつつ撮ってきた解説を読んでみてもピンとこないのだった・・・。


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楕円の部屋から次の展示室への間に小部屋があり、
ついていた部屋の明かりが消えると、一気に暗闇に蛍光色が浮かび上がった。 光る鉱物だったとは。


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その部屋から出てきたところにある小階段から通路へ。 外はいい天気。


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次の展示室は、こんな感じ。 ここも天井には照明がなく、外からの光だけで見る。
両側に並んだ背の高い、古い陳列ケースがおしゃれでね。


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足元のモザイクや、溝蓋みたいなものの装飾がまた素敵。


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パリの番地がついてた1880年の電話。 その頃、日本は明治13年。


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音叉(おんさ)がある・・・と近づいてみたら、
それらの手前に太い滴というかニンニク玉ねぎみたいなのがあり。

解説によると、ヘルムホルツ共鳴器というものらしいが、はて・・・詳しいことは・・・ムムム。


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大小さまざまな形の白熱球。 
まんまるじゃなく、先にちょびっととんがり部分があるのも手作りガラスっぽくってよかった。

陳列ケースの上の棚って、高い位置にあるので、めいっぱい背伸びして撮っている・・・。


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牛乳缶みたいなのは、ライデン瓶。 電気を蓄えるコンデンサー蓄電器のようなの。

オランダライデン大学で発明されたから、この名が付いてるよう。


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床のモザイクがいいなぁ。 こういうの好き。


残る展示室は、あと2つくらい。
まだまだ知らないことがたくさんあるのは、ワクワクする。

でも、いざ目の前にすると、理解を超える分からない世界だったり・・・^^;。

ま、そんな「不思議だなぁ・・・」で終わることも、それはそれでいいのかもしれない。
分からない世界があるということを知っただけでも。


最近は、照明映像が凝っていたり、キャラクターもので飾っていたり、
タッチパネル式で解説してくれるPCが置いてあるミュージアムも多い。


でも、こんな昔ながらのシンプルな見せ方も
コレクションに集中できていいよね^^。

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(。・_・。)2k

カッコイイ〜! 光る石!
欲しいなぁ〜

by (。・_・。)2k (2017-06-30 19:32) 

DON

真鍮製の物って 重厚で良いな~
窓枠の飾りの影 良いね(^^ゞ
by DON (2017-06-30 19:49) 

ぴーすけ君

このミュージアム素敵ヽ(*゚∀゚*)ノ
私、ここにずっと居たくなります♪
by ぴーすけ君 (2017-06-30 20:05) 

yokotee

展示室自体が凝った作りしてるんですね
光る鉱物に電話に共鳴器に白熱球楽しそう(^^♪
by yokotee (2017-06-30 20:31) 

engrid

自然光で、いいですよね、柔らかな光で色も自然色でうもの
タンタルスベーカー面白いな、遊び心があるのね
博物館、へぇ〜〜?の連続でも面白いよね

by engrid (2017-07-01 00:38) 

snow

ガラスの模様が床に写った写真が好きです(^^)/
自分でもこれ撮ってみたい
by snow (2017-07-01 06:56) 

oko

大顕微鏡・・すごくどっしりした感じですね・・・
これで何を見ていたのでしょう?
by oko (2017-07-01 07:37) 

そら

素手で持っちゃいけない石ってあるんですね!!
その辺に落ちていたら拾っちゃいそうですが・・・
あっ、でもそんな身近に落ちてないですよね(^^;
by そら (2017-07-01 07:52) 

みち

素敵なミュージアムですね。
ホント、ワクワクドキドキがたくさん詰まっていそう♪
床のモザイクも素敵だし、自然光っていうのが

良いですね^ ^
by みち (2017-07-01 09:48) 

ふにゃいの

面白い、きれいなミュージアムですね。
床の装飾が好みです。
by ふにゃいの (2017-07-01 10:20) 

kabu

わ。わ!
光る石見ちゃうと ウキウキしちゃいますね♪
女のサガかしら(○´艸`)笑
by kabu (2017-07-01 21:46) 

sae

床のモザイクがいいなぁ。。
我が家にも欲しい^^
あとは・・銅を含む鉱物の青!とても美しい青。
あれも欲しいです^^ (笑)
by sae (2017-07-01 23:05) 

miffy

自然光の中で見学できる博物館良いですね~
展示物も興味深いけど建物自体も面白いですね。
ヘルツホルム共鳴って瓶を吹いた時になるあの音ですよね。
床のモザイクや溝蓋みたいな装飾、素敵ですね~
by miffy (2017-07-01 23:26) 

kyon

青い石、綺麗ですね。
美しいものには毒があるってことかしら。
by kyon (2017-07-02 02:01) 

めぎ

オシャレな空間に素敵な展示、見学が楽しそうですね~
鉱物の石、こういうの集めたくなりますね♪
うちにももう少し価値ある石があればいいんですけど、ただ拾ってきたものばかりで・・・
by めぎ (2017-07-02 05:11) 

Inatimy

→皆さま「自然光の中で」のお話にnice!やコメントをありがとうございました。普段の暮らしからかけ離れたものが並んでる様子は、とっても刺激的^^。いろんな石が陳列されているのも見応えありで、綺麗なものから、怪しげなもの、不思議な形、これを磨けばあの宝石に・・・と満喫。

→(。・_・。)2kさま
明かりがつくと普通の石が並んでるのとそう変わりはないんですよ、でも暗くなると見事に光る、光る^^。

→DONさま
真鍮製ってちょっと昔のいい時代、って感じがしてカッコイイですよね♪ 窓の飾りもオシャレで、モザイクの床に落ちた影も趣がありました^^。昔の装飾ものって曲線がきれいで好き。

→ぴーすけ君さま
お気に召してよかった〜、紹介した甲斐がありました^^。ワクワク感たっぷりで、きっとまる一日中遊べると思います♪

→yokoteeさま
かなり古くからあるミュージアムなので、建物、展示室も凝ってます♪ 東インド会社で航海したオランダが集めたもの、なかなか面白く^^。きっとyokoteeさんもお気に入りのものが見つかりますよ〜。

→engridさま
自然光で見るもの、チラチラしなくって、ライトの反射もなく、なんか放課後の理科室みたいな感じ^^。タンタルスベーカー、これを利用した杯、日本でも売ってるんですって。一定の域を越えて入れると、全部排出されてしまう、みたいな。教訓茶碗だったかな。

→snowさま
扉の装飾がきれいで、思わず撮った一枚です^^。結構日差しがまぶしく、きれいに模様が出なかったかな・・・階段部分も見えるようにしたかったし、欲張りな感じですねぇ。

→okoさま
真鍮製の大顕微鏡、重厚な感じがしますよね^^。何見てたんだろう・・・。昔、学校で習ったプレパラートとか思い出すなぁ・・・私はプランクトン見たんだったかな^^;。

→そらさま
その辺には落ちてないでしょうけれど、こんなに綺麗な色の石が目の前にあったら、危ないですよね、思わず手が伸びそう^^;。先日TVで学芸員さんが手袋はめて隕石を持っていたのを見たんですが、それもなるほどでした〜。

→みちさま
オランダでもかなり古い部類に入るミュージアムで、建物もおしゃれだし、展示方法もクラッシクな感じで、落ち着いて見ることができます^^。結構、子供たちも多いんですよ。ご両親から説明を受けてる顔、真剣でした。

→ふにゃいのさま
建物自体も楽しめるミュージアム、とっても貴重ですね^^。歴史が詰まった感じ。床の装飾も、階段も、壁も、修復されつつ今に至る古いミュージアムです♪

→kabuさま
光る石にはビックリでした、こんなにも蛍光色だなんてね〜。すごく不思議。ふふ、お部屋に一個どうですか^^。石の力、強力ですね♪

→saeさま
床のモザイク、いいですよね〜。私も欲しい、自分で作ってみたい^^。銅を含む青い鉱物、色がきれいですよね。素手で触れないという危なさもあるんですが、知らないと絶対触ってしまいそう。ケースの中に入ってるの正解ですね・・・。

→miffyさま
>ヘルツホルム共鳴って瓶を吹いた時になるあの音ですよね。
へ〜、そうなんだ、知らなかった。なんてわかりやすい一例、ありがとうございます^^。建物も古く、モザイクの床、溝蓋みたいなの、陳列ケース、どれも落ち着いた雰囲気で、雰囲気に酔えますね♪

→yonさま
美しいものには毒、まさにその通りですね〜^^;。バラにもトゲがあるし。見た目に惹かれても、すぐに手を伸ばしちゃいけない、と気をつけないといけないなぁ・・・。

→めぎさま
子供の頃、家に鉱物のミニ標本があったはずなのに、どこに行っちゃったんだろ・・・と思い出してたんですよ。硫黄とか、紫水晶とか。夏休みの自由研究で、拾った石が何か調べて発表したことがあります^^。花崗岩、緑泥岩、砂岩などあったっけな。
by Inatimy (2017-07-03 21:43) 

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