森は緑の風が吹く

これといった用がなくても、
歩きたくなる道がある。

1ヶ月前・・・5月上旬に行った森林公園のAmsterdamse Bos アムステルダムの森にて。

黄色い花が一面に。　多分、ミヤマキンポウゲ（深山金鳳花）。　キンポウゲ科 キンポウゲ属。　

　学名：Ranunculus acris ラヌンクルス・アクリス。
　オランダ語：Scherpe boterbloem スヒェルペ・ボーターブルム。　直訳：鋭いバター花。

手前のタンポポの綿毛も風にゆらゆらと。

両側に咲く白い花は、時期と葉の形からすると、シャク（杓）。　セリ科 シャク属。

　学名：Anthriscus sylvestris アンスリスクス シルベストリス。
　オランダ語：Fluitenkruid フラウテンクラウト。　直訳、フルート薬草。

この日は快晴、最高気温22℃。　ふと横を見ると・・・

・・・なにやら薄紫の花。　なんだろう・・・なんとなくヒヤシンソイデスに似てるかも・・・。

オランダ語では、Wilde hyacint ヴィルデ・ヒヤシントと呼ばれてるのだけれど、確信持てず。

白い花が一面に。　これは、ラムソン。　別名、クマニラ（熊韮）。　ヒガンバナ科 ネギ属。

　学名：Allium ursinum アリウム・ウルシヌム。
　オランダ語：Daslook ダスローク。　直訳は、穴熊ネギ。

ロマンチックさとは裏腹に、ニンニクに似た匂いが漂う・・・餃子が食べたい。

でも、食べたのは、パンケーキ。　
森の中にあるパンケーキ屋さんで一休みした後に見た馬。　しっぽがフッサフサ。

☆　☆　☆

そして、どんどん日が過ぎて、シャクも種になり、ラムソンも姿を消して・・・

・・・6月初め、再びアムステルダムの森へ。　湖の周りを歩く。
泥炭を採取した地に水が染み出てできたDe Poel デ・プール（直訳：みずたまり）という湖。　

目指すは、対岸にかすかに見えてる塔のある教会。　最高気温は23℃。　ジリジリと焼けそうな日差し。

ここに来るまでの遊歩道には・・・

・・・足元に、赤い実が。　ヤブヘビイチゴ（藪蛇苺）。　バラ科 キジムシロ属。

　学名：Potentilla indica ポテンティラ・インディカ。
　オランダ語：Schijnaardbei スハインアールドバイ。　直訳は、輝きイチゴか、見せかけイチゴか。

今までヘビイチゴだと思ってたけど、萼（ガク）よりも、副萼片の方が大きいのがヤブヘビイチゴらしい。

写真でいうと、赤い実に沿って上向いてるとがったのが萼（ガク）で、
下に垂れてるギザギザの緑が副萼片のよう。　左にある緑の花に見えてるものが分かりやすいかな。

この手の白い花も、かなりの種類がある・・・。　
葉っぱからすると、多分、イワミツバ。　セリ科 エゾボウフウ属。

　学名：Aegopodium podagraria エゴポディウム・ポダグラリア。
　オランダ語：Zevenblad ゼーフェンブラット。　直訳は、七葉。

花や葉っぱの形の他に、種になった姿も手がかりの一つ。

カフェの近くには、花が咲いて、カラフルに。　

青いのはヤグルマギク（矢車菊）。　キク科 ヤグルマギク属。
　学名：Centaurea cyanus センタウレア・シアヌス。
　オランダ語：Korenbloem コーレンブルーム。　直訳は、穀物花。　穀物畑に咲く花だったよう。

湖では何人かがスタンドアップパドルボードをしていた。　カフェで貸し出ししてるよう。

さらに進むと黄色い花が咲く草むらが。　花と葉っぱと、なにやら袋っぽいもの。

日本語では、オクエゾガラガラと言うそうな。　ハマウツボ科 オクエゾガラガラ属。

　学名：Rhinanthus angustifolius リナントゥス・アングスティフォリウス。
　オランダ語：Grote ratelaar フローテ・ラーテラール。　直訳：大きな騒々しい人。

ガラガラ・・・なんか、福引を思い出すなぁ。

Kersenbloesempark ケルセンブルーセムパーク・・・桜の花公園。

桜の時期が終わったら、すっかり静か。　ヒナゲシが咲いていた。　ケシ科 ケシ属。

　学名：Papaver rhoeas パパウェル・ロエアス。
　オランダ語：Grote klaproos フロート・クラップロース。　直訳：大きなケシ。

咲き終わった後の実はコロンとしてたので、ナガミヒナゲシではなさそう。

桜の木々の下には、白い花。　ヒナギク。　キク科 ヒナギク属。

　学名：永遠の美しさを意味するBellis perennis ベリス・ペレニス。
　オランダ語：Madeliefje マデリーフィェ。

桜の花の公園を抜けると、ブナの木のトンネル。　ちょっと薄暗く、しっとりした風が抜けていく。

道の中央には、水たまりができていて・・・

・・・ブナの木の緑が反射していた。

途中、脇道へ抜ける。　その道も緑・緑・緑。　風まで色がついてるかのように葉の匂い。

幾重にも重なる葉っぱが、強い日差しを遮っていた。

いつも秋に黄葉を見に来る水路では、枝を伸ばした木々の緑が水面に溶け込んだかのように。

ごく淡いピンク色の花。　なんか見たことがある・・・と思ったら、昨夏のノルウェーの旅で。

セイヨウカノコソウ（西洋鹿子草）。　オミナエシ科 カノコソウ属。

　学名：Valeriana officinalis ヴァレリアナ・オフィシナリス。
　オランダ語：Echte valeriaan エヒテ・ファレリアーン。　直訳：正真正銘のカノコソウ。

アザミっぽいのって、たくさん種類があるよね・・・。

　多分これは、学名：Cirsium palustre キルシウム・パルストレ。
　オランダ語：Kale jonker カーレ・ヨンカー。 直訳、ハゲた田舎貴族・・・ってねぇ、ふさふさなのに。

茎がトゲに覆われて、触ると痛そう。

そうして、湖の対岸遠くに見えていた尖塔のある教会へ到着。
Bovenkerk ボーフェンケルクにあるSint-Urbanuskerk シント＝ウルバヌスケルク。

歩いたのは2時間くらい。
日焼け止めを塗り忘れた日・・・また、手の甲が焼けたかも・・・。

撮ってきた写真と図鑑を見比べて、何の花か探していると、
あっという間に時間が過ぎる＾＾；。

タグ：植物

コメント 19

良いですねぇ、森の小道！！
うちの近所にもこんな小道があるといいなぁ
季節を感じられますものねぇ(^^)
by そら (2018-06-15 19:03) 

8枚目？ヤブイチゴの次の白い花。
イワミツバ、っていうのかぁ^_^
コッチでもね、そらもぅそこら中に咲いてるよ〜
似てるだけかもだけど、見た目
セリ科で人参の花みたいな？
森が…イイねぇ♪
森林浴、身体も想いもすっかり元気になれそぉ(*´ω`*)
by suzu* (2018-06-15 20:34) 

お馬さんも春を満喫してそう。
by KOME (2018-06-15 21:30) 

うわぁ～♪　なんて素敵な道！！
これは間違いなく1日中歩いていられます＼(^o^)／
なんでだろ、Inatimy さんの更新通知が届いてなかったような。
見逃しちゃったかな＾＾；

by よしころん (2018-06-15 22:19) 

初夏のお散歩堪能した気分です（＾＾）

by (。・_・。)２ｋ (2018-06-15 22:56) 

木漏れ日に照らし出されるお花いいですね。
こういう場所をつい探してしまいます＾＾
樹々のトンネル好みです＾＾
by kyon (2018-06-15 23:55) 

森を歩くのが好きです。
明日も行こうと思っています(^^;
花や虫の識別は大変ですが、楽しいですね。
私もいつも調べています(^^)
by riverwalk (2018-06-16 00:15) 

木漏れ日が素敵ですね
ここを歩くだけで幸せな気持ちになれそうだな(^^)/

by snow (2018-06-16 01:49) 

穴熊ネギ・・・ネーミングの可愛さがキラキラしてますっっ
涼しげな風が吹く様な画像が素敵です
こちらは本日、梅雨寒です。14度くらいの朝で
肌寒いを通り越してます・・・
by oko (2018-06-16 07:01) 

おっかの上ヒナゲシの花が～♪　　そこかよ(;´･ω･)
by dolphy (2018-06-16 12:17) 

あ、このイチゴ、先日近所で見つけました。
真っ赤で可愛いですよね～
いろんなお花が咲いていて素敵な季節。
お散歩楽しそうですね～
by めぎ (2018-06-16 21:42) 

新緑の美しいこと！それによくこれだけ野の花の名前を調べられましたね。ヘビイチゴが印象的です。

by coco030705 (2018-06-16 22:54) 

こんなお花見も良いですね～
ブナの木のトンネルも素敵ですね。
２２℃から２３℃くらいって一番過ごしやすいからいつまででも
歩いていたくなりそうです。
by miffy (2018-06-16 23:21) 

素敵な森の道、
昨日見た美術展の絵を思い出しました。
水たまりのブナの木の反射、
キレイな写真ですね♪
by ふにゃいの (2018-06-17 10:24) 

素敵な散歩道。たくさんの色んなお花と緑いっぱいの木々。
気持ちが開放されそうです。
水たまりに映ったブナの木も素敵。
inatimyさんの観察力でしっかり調べるから知識が増えるんですね！
by みち (2018-06-17 17:48) 

緑いっぱいの写真がどれもすてきです。
白に黄色に赤、木の下にはえてる草花がかわいいですね。そこに焦点を当ててうつしてる写真なので、印象に残ります。
日本は梅雨なので、最後の写真のような青空が続く夏、早く来てほしいです。
by TaekoLovesParis (2018-06-20 20:54) 

→皆さま「森は緑の風が吹く」のお話にnice!やコメントをありがとうございました。欧州では暦上、夏至から夏が始まるので、今日で春が最後。21日から夏。森ももっと青々で、空の青も濃くなるかしら。

→そらさま
四季それぞれの良さが森にはありますね＾＾。夏はよく涼みに来てます。街の中より気温が低い気がして・・・気分だけかもしれないけど＾＾；。

→suzu*さま
イワミツバやら、シャクやら、ノラニンジやら、この白い集合花、似たのがいっぱいあるんですよね＾＾。葉っぱの形やつき方、花後の姿、できた種の形でチェックしてますが、難しくって。この森、オランダ人が作ったんですよ♪

→KOMEさま
心地よい風が吹いて、ポカポカの日差し、お馬さんたちも気分良く過ごしてそうでしたよ＾＾。

→よしころんさま
歩いたのは森のごく一部。まだまだ広いので一日中遊べます＾＾。高低差がなく平坦な道だから、よしころんさんには物足りないかも・・・。更新通知、どうしてだろ・・あ、でも、気が向いたときにでも寄ってくださればそれだけで嬉しいです＾＾。

→ (。・_・。)２ｋさま
清々しい気分になれる森散歩でした＾＾。湖一周、涼む道、キノコを見る道、牛を見る道・・・と、よく行く道が何通りかあるんですが、他にも新たなルートを探してみたいと思います♪

→kyonさま
木漏れ日に照らされる花・・・なかなか難しいですよね。木漏れ日あっても、花がなかったり＾＾；。木々のトンネル、秋の落葉の時期は凄い量の葉っぱなんですよ〜。

→riverwalkさま
森歩きは楽しいですよね。私も気になるものを片っ端から撮って、後で図鑑とネットで探してます。で、忘れないように、ブログで記録＾＾。

→snowさま
木漏れ日の下の柔らかな光の道を歩いてるだけで、気持ちがスッキリしてきます＾＾。ボートにも乗れる池や水路もあるので、オススメ♪

→okoさま
植物の名前、面白いですよね〜＾＾。辞書で引いては、クスッと笑いが。日本は梅雨でムシ暑かったり肌寒かったりなんですね。こちらは今日は最高23℃ですが、週末、最低10℃、最高で16℃らしく、私には過ごしやすくなりそうです♪

→dolphinさま
懐かしい歌ですね〜＾＾。アグネス・チャンだ。オランダに来てからどんな花か認識したので、これがあのヒナゲシか・・・って、思いましたよ。

→めぎさま
私、この赤いイチゴって、全部ヘビイチゴかと思ってたら、ヤブヘビイチゴというのもあると初めて知ったのでした＾＾；。ヘビイチゴは、子供の頃、校庭や公園によくあったんですよ。美味しそうに見えたけど、名前からして怖くてね。

→coco030705さま
気になる花や植物を片っ端から撮って調べるのが楽しくて＾＾。メモ代わりにブログに記してます。ヤブヘビイチゴ、副萼片の大きさなど、見分けるポイントも知って満足でした。

→miffyさま
私としては、20℃か、それ以下が過ごしやすく＾＾；。初夏の日差しは、じりじりとくるので、木陰や森の中を歩くのがここちいいです。これからまだまだ暑い日があるかと思うと、基礎体力つけておかないとダメだなぁ・・・と＾＾；。

→ふにゃいのさま
水たまりで反射を撮っていたら、怪しく見えたのか、散歩中の犬に吠えられました＾＾；。犬には何もしてないのになぁ・・・。

→みちさま
いえいえ、知識が増えてるかどうかは・・・＾＾；。なんだろう？ってことが散歩途中に多いので、とりあえず撮って、後で図鑑やネットで調べてます。それでスッキリ大満足。

→TaekoLovesParisさま
春からずっと何かしら咲いてるので、気になる花や植物を撮っていたら、思ったより集まりました＾＾。図鑑が大活躍です。オランダは今年、全体的に雨が少なめで。局地的には降ってるんですが、我が家のあたりはそれほど降らず、芝生が枯れ色に・・・。ベランダ小庭の水やりも大変です＾＾；。日本は梅雨明け、まだもうちょっと先ですね。過ごしやすい日が早く来ますように。
by Inatimy (2018-06-20 22:54) 

私はこの道をいつか歩いてみたいと思っています。
by カエル (2018-06-25 10:25) 

→カエルさま
アムステルダムの森、すごく広いので歩き甲斐があるかも＾＾。私もまだ通ったことがない道がたくさん。
by Inatimy (2018-06-27 17:41)