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見たことあるような、ないような(植物園に咲く花) [花図鑑]

しゃがみ込んで花をじーっと覗きこむ。

ついつい夢中になって引き込まれてしまっても、

急かさず、他の花を撮りながらも見守ってくれてるのが、とても心地よく。

駆け寄って、つないだ手がまた優しい。

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7月Hortus Botanicus Amsterdam アムステルダム植物園に行った日。

まだ続きがあった。 

コウホネっぽい黄色い花の水生植物があった園内の大池から、
木々の生い茂る道へ進むと・・・

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・・・シダ類の庭へ。 下から覗きこんで葉の裏を見る。 

シダの葉の模様は、いいなと思う。 どこが?と聞かれても答えにくく、ただ何となく。
透ける葉っぱに黒く見えるのは胞子。 葉の隙間から、かすかに光が漏れる。

Dryopteris filix-mas ドリオプテリス・フィリックス・マス
ウラボシ目オシダ科ドリプテリス属。

オランダ語では、Mannetjesvaren 雄シダ・・・と、そのまんま。 
日本語だと、セイヨウオシダ

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若い葉っぱの先が、くるりと巻く姿が愛おしい。 

先ほどのとは、また別のシダ植物。 
同じように見えても分類が異なるのが複雑・・・。

Pteridium aquilinum プテリディウム アキリヌム
シダ目コバノイシカグマ科。

難しい名前だけれど、日本語で言うと、ワラビ(蕨)

ネームプレートには「若い芽は韓国や日本ではご飯とともに食される野菜」とあった。
ここまで育った姿は知らないから妙な感じ。

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赤茶色の樹皮のセコイアの横を抜け、先に進んで見上げると、枝に赤い輪が見えた。 だ。

Diospyros lotus ディオスピロス・ロトゥス
カキノキ科カキノキ属。 

オランダ語では、Goddenpeer ・・・直訳すると、神々の梨
日本語では、マメガキ(豆柿)

中国、日本、ヒマラヤなどアジア原産で、欧州で栽培されたのは17世紀から。
木は硬く、家具に使われる。

雄株と雌株があって、撮ったのは雄株だったよう。 その樹齢は約60年ほどだった。

果実はとっても小さく、プチトマトのようなサイズらしい。
神々の梨と言う名前ゆえ極上の味ではなかろうかと想像するも、美味しくないんだって・・・。 

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Oenothera perennis オエノテラ・ペレンニス 
マツヨイグサ属。

日本語では、ヒナマツヨイグサ(雛待宵草)。 ヒメツキミソウ(姫月見草)

でも、和名で画像検索したものと、微妙に花びらが異なるなぁ・・・。
こんなギザギザじゃなかったもの。

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Calycanthus occidentalis カリカントゥス・オクシデンタリス
ロウバイ科 クロバナロウバイ属。

オランダ語では、Californische specerijstruik 
・・・直訳は、カリフォルニアの香辛料低木

ちょうど花が咲いていた。

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Malvaceae Sida Indef. Uruguay ・・・と手書きの札がついていた植物。
アオイ科 キンゴジカ属 未特定 ウルグアイ産

淡いオレンジ色が美しい花だった。

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Baptisia australis バプティシアオーストラリス
マメ科

オランダ語では、Valse Indigo ・・・直訳は偽インディゴ
日本語では、ムラサキセンダイハギ(紫千代萩)

日陰に咲いていた。 でも鮮やかなブルーに魅かれて撮った。

その後、再び三気候温室の亜熱帯に入って・・・

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・・・Ochna serrulata オクナ・セルラタ。 
オクナ科。 南アフリカ原産。

これは、花の散った後の姿。 赤いガクに、熟した黒い実。
は2月~7月に咲き、黄色らしい。 

日本では、ミッキーマウスの木・・・っていうのだそうな。 確かに、そんなイメージ。 

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Aristea macrocarpa アリステア・マクロカルパ
アヤメ科 アリステア属。

アヤメ科だけど、アイリスやハナショウブ、カキツバタなどのアヤメ属じゃない、アリステア属

南アフリカの植物。 葉っぱを煎じたものは、胃の不調に効く薬になるそうな。

ちなみに、ちょっぴり焦げたような焼き目の部分には、短い「ヒゲ」が。 チクチクしそうな感じの。
アイリス「ちろふさ」のような可愛いものじゃなく・・・。 

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温室の外に出て、出口の方へ向かう。 眩しい光を受けていたのは白い花。
パッと見で、カモミール?と思ったけど、細い葉でなく、もっと菊っぽい葉っぱだった。

Tanacetum parthenium タナセタム・パルテニウム
キク科 キク亜科 ヨモギギク属。

オランダ語では、Moederkruid ムダークラウト。 直訳は、母の薬草
ネームプレートによると、片頭痛に効果があるとか。

日本での名は、ナツシロギク(夏白菊)。 

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Elecampane (Inula helenium) エレカンペーン(イヌラ・ヘレニウム)
キク科 オグルマ属。  

日本では、オオグルマ(大車)。 これも薬草なんだそうな。

青い空に黄色い花が映える。 
今では、すっかり遠い昔のような気がする。

この週末は、最高気温が10℃までに下がるそう。 からへ駆け足で。 

 

これで、アムステルダム植物園のお話は、お終い。

 

でも、植物の話は、尽きることはないのだった・・・。
手元に次のの写真が。

 

※ 写真はSONY。


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コメント 10

ぴーすけ君

いろんな珍しい植物がありますね~。
ワラビって育っちゃうとただの「シダ」なのね。

ぴーは病院に行っても鳴きませんw
注射されても鳴きませんっていうか、周りがどうなってるのか
毎回気になってキョロキョロしているうちに、注射が終わってます。
お外に出たいときに「にゃっ」って鳴くのと、高いところから降りて
着地すると「ん。」って声が漏れます。
ぴーの前のにゃんこが朝から寝るまでず~~っと語るタイプだったので
ギャップがありすぎてありすぎて(笑)
とにかく目で語る猫「ぴー」です。
by ぴーすけ君 (2013-10-08 18:45) 

luces

うちの近所を走る線路脇にはワラビが生えていて春先には収穫できます。
夏になるとどれがワラビだかわからなくなってしまいます。

by luces (2013-10-08 19:41) 

ハリネズミ

馴染みのないお花がいっぱい♪。
ミッキーマウスの木と、好きでお庭で育ててるナツシロギク以外は
見たことないですよ^^;。
紫千代萩のブルーのお花、きれいですね。
日本でも入手できるのなら、ぜひ育ててみたいなぁ。
by ハリネズミ (2013-10-09 08:28) 

moz

もう10度なんですね、横浜は今日は最高気温29度でした ^^;
あっちい 笑
日本では食べちゃうと説明されているんですね、プテリディウム アキリヌム。この名前だと、ちょっと食べられそうにありません・・・ ^^;
ミッキーマウスの木はオクナ・セルラタなんですね。
by moz (2013-10-09 20:14) 

母ちゃん

どんどん気温が下がると、お花には厳しいですね~。こちらは10月だというのに、まだまだ夏のような気温。ずいぶん違いますね。
by 母ちゃん (2013-10-10 06:16) 

Inatimy

→皆さま 
『見たことあるような、ないような(植物園に咲く花)』のお話に、nice! & コメントありがとうございます。 我が家のベランダ小庭もだんだん寂しくなってきたので、そろそろガーデニングセンターへ球根を買いに行って春の準備をしようかなぁ・・・。 

→ぴーすけ君さま 
難しい名前が付いてるけど、ワラビで済んじゃうところが日本っていいな~♪ 分類まで気にしてなかったけど、ワラビはシダだったんだ・・・と、私もふと気付きました。 
ぴーちゃん、獣医さんに行っても鳴かないとは・・・「にゃっ」と「ん。」は貴重な声ですねぇ。 トラチは獣医さんでは鳴かないし、エサにも釣られないけど、ケージに入れて家の外に連れ出すと「帰る~!!」と言わんばかりに大声で鳴いてました・・・そのうち疲れて諦めて(笑)。

→lucesさま 
あの芽生え始めの姿でないと、分からないですよねぇ・・・て、でも、私にはさらにワラビとゼンマイの区別も怪しい・・・。 食べ比べしてみたいなぁ・・・。 

→ハリネズミさま 
ガーデニング初心者の域を抜け出れない私には、植物園の花は新鮮で、写真を撮りまくりでした。 ガーデニングセンターに行っても一日中遊べるほど、知らない植物だらけなんですよ・・・。 花の国オランダで学ぶこと山ほどです♪ 紫千代萩の青は本当に吸い込まれるほど美しい青でした。 日本でも見つかって入手できますように♪ 旧ブログ{異国小路}のリンクがトップページのサイドバーにありますので、よかったら覗いてみてください。 カテゴリーの「花・植物」には、パリの植物園の珍しい植物もあります♪ 

→mozさま 
日本はまだまだ暑いんですねぇ・・・最近は夏が長くて紅葉は12月入ってからだとかいう話も聞いたことがあります。 ワラビも学名だと硬そう~。 ミッキーマウスの木があるなら、ドナルド・ダックもないかしら(笑)。 

→母ちゃんさま 
そうなんですよ、寒くて元気なのは我が家では球根とビオラくらい。 氷点下の冬に備え、いくつかの鉢植えは室内へ取り込まないといけないかしら・・・と考え中です。 冬長いしなぁ・・・寒さに強い花の植物、なにか調達してこようかな。 あ、でも鳥に餌もあげたいし・・・と狭いスペース利用に迷うところ。 
by Inatimy (2013-10-11 23:26) 

miffy

最高気温が10℃・・・
もうそんなに寒いのですね。
こちらはまだまだ昼間は暑い日が続きそうです。
馴染みのある植物も学名だけでは?ですね(笑)
ムラサキセンダイハギとっても綺麗な色ですね。
by miffy (2013-10-13 21:30) 

Inatimy

→miffyさま 
珍しく30℃越えが何日も続い夏でしたが、9月入る頃にはあっという間に気温が下がり、10月にはもう10℃前後になる日もちらほら。 平均的な10月中旬の最高気温が14℃ほどらしいです。 ワラビがあんなに難しい学名を持っていたとは驚きでした・・・。 畏れ多くて、今度食べる時は一瞬ためらいそう~。
by Inatimy (2013-10-15 17:52) 

カエル

一枚目かわいいね。
タナセタム、かわいいなぁ。束でがっつり飾ったらかわいいだろうなぁ。
by カエル (2013-10-17 00:05) 

Inatimy

→カエルさま 
一枚目の写真は、亜熱帯温室の中を流れる小川をミニチュアで撮ったもの♪ 
タナセタムの花の束、それいいかも。 愛らしさと爽やかな感じで。 
夏の白は冬の白とは違った透明感がありそう。  
今、外は曇天。 街路樹が黄色で、すっかり夏が遠い昔・・・。 
by Inatimy (2013-10-18 22:56) 

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