SSブログ

目の前の壁に何がある? [コペンハーゲン 2014 夏]

オレンジ色の屋根には異国の風情。


小さな頃からずっと黒い瓦屋根の家だったから、

初めて欧州の街を見下ろした時、とてもまぶしく見えた。


おとぎ話に出てきそうな家。 

あの屋根の下には、どんな暮らしがあるんだろうな。

dmkjl2d15.jpg
話は7月に行ったデンマーク旅コペンハーゲン2日目の続き。

ホテルを出て、街歩き。 
ストロイエのショッピング通りから角を曲がって
クリスチャンスボー城のお堀で、観光船の華麗なるカーブ攻めを見た後のこと。

dmkjl2d11.jpg
小雨降る中やって来たのは、Nationalmuseet 国立博物館。 

実は、ここで私のお目当ての企画展があった。
コペンハーゲン国立博物館は、ありがたいことに、なんと入場無料
 
順に展示を全部見てると日が暮れても終わりそうにないので、
とりあえず当初の狙いの企画展に的を絞って、
インフォメーションで展示室の位置を聞いてから向かう。


 さて、雨で濡れてる折り畳み傘。 見てるとエントランスを入った脇に置いていく人も。
 でも戻ってきた時になくなってたりしたら・・・と心配よね。

 と、こんなときのために、ジッパー付きのプラスティック袋を持ってきている。
 傘自体がミニサイズなので、袋の口を閉じて、ショルダーバッグの中へ。

dmkjl2d12.jpg
展示室に入ってまず目に止まったのが、アール・ヌーボー調。 約1900年頃のもの。 

花はヤグルマギクみたい。

これは何かというと壁紙。 壁紙のサンプル帳。

企画展は、2014年6月14日〜9月14日でまだ開催中。
"Wallpaper of its Time   Danish Artists' Wallpapers 1930~1965"
「その時代の壁紙 デンマーク・アーティストの壁紙 1930~1965年」
・・・ってところかな。

実生活では、壁は白やオフホワイトのシンプルなのが好き。 
今まで住んできたところが、たいてい白くペイントされていたというのもある。

でも壁紙は夢があるのだ。 

見てると次第にイメージがふくらんでいって、その世界に入り込み、しばし思いと戯れる。
子供の頃、壁紙の模様を見ながら眠りについていたせいかな。
シンプルで白地に唐草のような細い金色の曲線だった。 淡いグリーンも入ってた気がする。

dmkjl2d13.jpg
Eyebright アイブライト 1940年代のもの。

Euphrasia エウフラシア(Eyebright) とは、セイヨウコゴメグサ(西洋小米草)のことのよう。
シソ目ハマウツボ科コゴメグサ属。
そんな植物があるとは全く知らなかった。  いろんな種類があるんだそうな。

なんとなく和紙っぽいデザインだな。 

dmkjl2d14.jpg
Cocktail カクテル 1949年

よく見れば、様々なカクテルのレシピ。
ジンやラムなど、どのくらい何を入れるのか、その配分が。

マ・シェリ、ローズは女の子っぽいイメージけど、
アレクサンダーはクリーム・ド・カカオ入りだから、チョコみたいに甘そうでいいかな。
でも、バンブーも気になるところ。

dmkjl2d16.jpg
Fishbone フィッシュボーン 1950年代のもの。

葉っぱの葉脈のようで植物っぽいのに、魚の骨だったとは意外。
見てたら、カリカリの骨せんべいが頭に浮かんできた・・・。

dmkjl2d17.jpg
Japanese Feather ジャパニーズ・フェザー 1951年

これはきっと日本矢絣(矢羽根文様)からだろうな。

矢絣は、大学生の卒業式で女性が袴と合わせて着ている着物姿で見覚えがある方も多いはず。

dmkjl2d18.jpg
Water Lilies ウォーター・リリーズ 1952年 

淡いブルーの葉っぱにピンクの睡蓮の花。 その間にある黄色い花は、コウホネかな。

実物の展示以外にも、タッチパネルのスクリーンでたくさん見ることが出来た。

dmkjl2d19.jpg
1950年代、1960年代は、バスルーム、キッチン用の壁紙も作られていたそうな。

左の野菜や果物の壁紙、いいなぁ。
今の時代ならロールスクリーンにこんなデザインがあってもいいのにな。

テーマのある壁紙作りは、もちろん子供部屋用も。

dmkjl2d20.jpg
右のはアンデルセン童話をモチーフにしたもの。

左の壁紙の中には、シャムっぽい可愛い

これは、"Mis med de blå øjne"という絵本からのもの。
日本では「あおい目のこねこ」というタイトルで翻訳されてる。
デンマークの絵本作家さんだったんだな。

dmkjl2d21.jpg
1960年代のキッチン用壁紙のコーナーもあった。

食材や道具、楽器や生き物、棚にあれこれ並んでるよう。

dmkjl2d22.jpg
こっちは、カラフルなシーフード、お肉、お酒、お皿、フルーツ盛りなど。

異国の街並、ゴンドラ、テラス、レストランなど
旅先の風景のスケッチを背景に浮かび上がる。

台所の壁全体がこうだと派手すぎるけど、部分使いならいいかな。
こんなふうに額に入れても可愛い。

dmkjl2d23.jpg
紫檀の木目調、葦簀(よしず)風、モザイクタイル、い草の畳っぽいの・・・と、いろいろ。

ん〜・・・壁に畳の柄が来るっていうのも、なんだかなぁ。

dmkjl2d24.jpg
Pressed Plants プレスド・プランツ 1943年頃

すっごくリアル。 まるで図鑑のよう。

dmkjl2d25.jpg
・・・と思ったら、本物だった。 タイトルそのままで、押し花ならぬ、押し植物

標本のような壁紙。 大量生産は無理だろうなぁ。 1部屋分でもかなり必要だし。

受注生産?・・・納品まで何ヶ月だろう・・・
春、夏、秋、冬で四季の植物に分けるのもいいかも・・・

もし好きな植物の希望を聞いてくれるなら何にしようかな・・・
あ、ラベンダーにして香り付きとか・・・よく眠れそうだ〜

・・・なんて、ひとりワクワク想像がふくらむのだった。


今の時代、ウォールステッカーのほうが人気なのかしら。
貼ってもキレイにはがせるものもあるみたいだし。



皆さんの壁紙の好みはどんな感じ?

nice!(41)  コメント(17) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 41

コメント 17

アールグレイ

本当に日本の黒い瓦の家で育ったので
オレンジの西洋の瓦は、白い壁にはえ、とてもまぶしい素敵な光景に思えます。
壁紙、どれも素敵。
壁紙で、お部屋の雰囲気は変わりますよね。
植物採集のような壁紙もおもしろいです^^
by アールグレイ (2014-08-29 21:11) 

nicolas

一枚目のすごくかわいい!
でも、大きな面積を貼るとなると、どうかなぁ。
最近はDIY女子というのが増えてるらしく、建売住宅もそういう方用の
物件の一部を未完成にして壁紙を取り寄せて貼ったりできるのがあるそう。
貼っていいとしたら、どれに?!悩むなぁーでも、楽しそうー
by nicolas (2014-08-30 01:33) 

ハリネズミ

うっとりするような壁紙コレクションの数々。
やっぱり最後の1枚、「押し植物」のを使ってみたい^^。
手間がかかってる分お値段もかなりしそうだけど、いい雰囲気♪。
私んちには壁紙ってまったくないんです。すべて漆喰の塗り壁。
温かみのある風合と年月を経て汚れてきてもその汚れさえ「生活の味」って
ことで許容できるかなという理由で。
でもこんなすてきな壁紙なら、使ってみたかったなぁ♪。
by ハリネズミ (2014-08-30 05:54) 

ameya

わー、どれもかわいい柄ですね。
こんなにあったら見入ってしまいます!!
by ameya (2014-08-30 07:17) 

ナツパパ

壁紙一つで部屋の雰囲気ってがらりと違ってきますものねえ。
レトロ、というか落ち着いた柄で、部屋も落ち着きそうですよ。
by ナツパパ (2014-08-30 12:40) 

母ちゃん

どれも素敵ですね~。ちょっとしっとりした雰囲気のものが多いですね。私は睡蓮が一番好きです♪
by 母ちゃん (2014-08-30 14:08) 

TaekoLovesParis

壁紙の展覧会があるんですねー!
昔の日本は、ふすま紙にいろんなのがあったわね。
私は、アールヌーボーふうの一枚目がいいな。
私の部屋の壁紙は?って、改めて見たら、地模様の無地ベージュでした。これを花柄に替えたら、、て考えてみたけど、、、合わない。
by TaekoLovesParis (2014-08-30 22:20) 

めぎ

楽しい壁紙がいっぱいですね♪
気分で壁紙を取り替えたりできるような生活ができたら面白いだろうなあ。
私の部屋はなんの変哲もない白い壁紙です。
ドイツの人は普通自分で好きな色を塗るんですけど、すると出るとき白に塗り直さなきゃいけないから白のまま使っているんですが、10年も住むとそれなりに汚れ、いつか出るときはやっぱり白く塗り直さなきゃならないようです。
by めぎ (2014-08-31 03:56) 

miffy

丁度いま台所の改装をしているので壁紙、興味深く拝見しました。
カラフルなシーフードの壁紙、台所にピッタリですね~
ベッドルームに使うならアイブライトかな~
最近の壁紙は簡単に張替えが出来るからいろんな壁紙を
試してみると楽しいでしょうね♪
by miffy (2014-08-31 20:40) 

テリー

どう言う壁紙にするか、考えただけでも、夢が膨らみますね。
by テリー (2014-08-31 23:11) 

ami

とてもカラフルな壁紙があるのですね。
キッチンなら柄物ですと楽しく調理できそう。
写真の壁紙は額装して飾るのが素敵かなと拝見していました。
by ami (2014-09-01 07:35) 

のの

壁紙の企画展?面白いですね~。
壁紙は・・・あまりいろんな柄とか模様が入ってると
その一つ一つに見入っていろんな妄想が膨らんでしまうので(笑)
壁は無地が好きです。
雑貨を飾るのが好きなので、無地のほうが引き立つしね。
もしくは壁紙ではなく珪藻土や板壁・・・がいいな~♪
見て楽しい壁紙は、額に入れて飾りたいですね。
by のの (2014-09-01 09:55) 

カエル

私はね、やっぱり無地が好き。オフホワイトがいいな。ホテルみたいなのがいい。
でもね、実家で壁紙張り替える機会があったとき、メキシコの家に興味があった頃だったから、結構な黄色地に濃淡の黄色が、ペンキ塗りの様に弧を描いた様にぎざぎざの凸凹が残った柄の壁紙にしたの。本当はさ実際にペンキで塗ったくった感じにしたかったんだ。でも天井と、ブラインドは白にしたんだ〜。病んでるかしら?笑
by カエル (2014-09-01 11:58) 

ふゆん

フィッシュボーンとウォーターリリーのいいな♪
童話の図柄や配置具合はどやって決めるんだろねー
不思議なテンポで童話のストーリーの盛り上がりみたいだ☆(・∀・`)
by ふゆん (2014-09-02 11:01) 

yuka★

うわー。壁紙コレクション、いいですねー。
一人暮らししてからずっと賃貸なので壁はいつも真っ白です^^;
最近はレ●パレスとかで壁紙を選べたりするお部屋もあったりするようですが、まだまだ賃貸では厳しいです。。。^^;
花柄の壁紙とか憧れますね~d(≧▽≦*d)
国立美術館が無料ってすごい!
1日中入り浸ってもいいし、見たい箇所だけピンポイントでまわる、
そんな楽しみ方もできそう~。

by yuka★ (2014-09-02 21:14) 

ねこの手

壁はシンプルな方が好きで、アクセントにボーダーで上か下かに入れるくらいがいいですね。
先日壁紙買っちゃいました。一巻きですが^^;壁に貼るようじゃなく、小さな紙バッグを作ろうかと。ちょうどクリアランスセールで一巻き50P(日本円で80円位)だったので、ダメもとで買っても安い値段(^^♪
by ねこの手 (2014-09-02 22:58) 

Inatimy

→皆さま「 目の前の壁に何がある?」のお話にnice!やコメントをありがとうございました。壁紙ではなくペイントだけど、オランダの部屋の壁の色にはたまに驚くものが。
一面だけを赤や紫や黒にぬってあったり・・・。かなりのインパクトでもあり、圧迫感でもあり。白い方がスッキリしてて広く感じるのになぁ、と私は思うのだけれど^^;。

→アールグレイさま
今なら黒い屋根瓦以外にも色の選択肢も広がって、自由に選べるんでしょうね〜。木造住宅で漆喰の壁の黒・焦げ茶・白のシブい日本の古い街並も好きなんですけど、欧州のオレンジ色の屋根の鮮やかさは印象的でした^^。植物採集のような壁紙、年月が経つと植物が」パラパラとはがれ落ちてこないかしらと心配にもなりますねぇ。

→nicolasさま
そうそう、いいなと思ってもこれが部屋中となるとねぇ^^;。一部使いならアクセントになってピッタリかな。日本って、なんとか女子、なんとかガールとか多いですね〜。流行の言葉が多くて、いつも検索してます・・・。DIY女子、覚えとこ。こっちで家探しのときも紹介された賃貸でありましたよ、部屋の中未完成で、壁も床も照明もシステムキッチンも好みでっていうの・・・。工事待ってたらいつ引っ越しできるやら、ですよねぇ^^;。

→ハリネズミさま
漆喰の塗り壁、いいですね〜♪ ハリネズミさんところは、ニッチもたくさんあるし、それも素敵^^。壁紙もそうだけれど、カーテンもしめた時に部屋のかなりの割合を占めるので重要ポイントですよね。今まで欧州で引っ越した賃貸では、まったくなかったり、ついてても好みじゃなかったり。しかたなくそれに合わせるようにソファーやクッションにカバーして。でも引っ越すとまたそれも一からやり直し・・・^^;。布類、溜まりました〜。

→ameyaさま
紹介したのは私が気になった壁紙のごく一部で、これ以外にもポップなのとか、幾何学模様っぽいのとか、かなりありました♪ どれにしようか迷いますね〜。

→ナツパパさま
壁紙の他に、カーテンでも部屋の雰囲気が変わってきますよね。 あとソファーのような大きな家具とか。展示を見てると、いいなと思うものが色々ですが、実生活で照らし合わせてみると難しいですね〜。 壁紙一部使いにして、基本はやっぱり白がいいかな。合わせやすそう^^;。

→母ちゃんさま
睡蓮の壁紙、可愛いですよね。 床に近い部分にちょこっと使うにはいいかも、なんて見てたんですよ^^。カエルの雑貨も置いてみたりして。

→TaekoLovesParis さま
面白いですよね〜、壁紙の展覧会とは。お隣のドイツには壁紙美術館っていうのがあるみたいですよ。こだわりありますよね。日本のふすま絵もスゴいですよね、壁として仕切りになったり、取り外すと大広間としても使える畳の間。国によって発展する部分が異なるのも面白いです。私も、いいなって思う壁紙は実生活で我が家が持ってるIKEA家具とは考えて見ると合わなかったです・・・^^;。睡蓮などの植物は季節もあるから、使い方もよく考えないと活けませんよね・・・なんども貼り変えるのも大変^^:。

→めぎさま
引越先を探す時、ネットで検索して見てるんですが、すっごい強烈な色の壁、ありますよねぇ。退去時に白にするんだろうけど、でもペンキの臭いも気になるだろうし、なるべく避けたいところ。我が家もずーっと白い壁の部屋の家。でも備品としてついてるカーテンの色が気に入らないことが多々あり・・・^^;。住むのは短期間なので、壁の汚れは大丈夫かな。大抵どこに引っ越しても入居時より退去時のほうが室内キレイになってるかも。すっごい汚れようなんですよ、どこも。引っ越し初日はいつも大掃除・・・。

→miffyさま
台所の改装、その言葉を聞いただけでもワクワク。 好みの使い勝手になるのっていいですよね。最近の壁紙は自分で貼るのも簡単に出来るみたいですね。白い壁でも、アクセントにウォールステッカーなるものまであるみたいだし♪ でも面倒臭がり屋の私なので、何でも合わせやすい白い壁がピッタリなのかも^^;。

→テリーさま
部屋の中を変えるのって気分転換になりますよね。壁紙でなくても、家具の配置とか、いつも何もないところだけど切り花を飾ってみるとか。少しの変化でもワクワク^^。

→amiさま
面白いデザインの壁紙がたくさんありました。 魚の骨のもシンプルで、ぱっと見、枝垂れる柳の葉っぱにも見えて。でも実際取り入れるのは、おっしゃる通り、額装が一番かな^^。

→ののさま
壁紙で妄想・・・分かります、それ^^。我が家も雑貨小物が多いので、それを考えると白い方がスッキリかも。これ以上雑多に見えないように^^;。珪藻土っていうのもいいですよね、自分で塗ってみたいな。日本の賃貸に住んだ時、ビニールクロスだったので、カビに泣きました・・・。気候にあったものを使いたいなぁ。ふふ、額装は手軽に楽しめそうですよね。ホームセンターで気に入った壁紙あったら試してみようかしら。

→カエルさま
私もオフホワイトがいいな、そして出来れば木組みが見えてたりするの^^。で、ホテルもそんな感じなところを選ぶことが多いな。コペンハーゲンもそうだったし♪メキシコの家と聞いて思い浮かんだのが原色使ったラグ。黄色い壁、インパクトありそう〜。でもメキシコの中の地で「サンタフェ風」なら、響きが違って来るよね^^。

→ふゆんさま
フィッシュボーン、枝垂れ柳の葉っぱのようにも見えてオシャレだし、ウォーターリリーの色使いが好き♪ アンデルセン童話の中のたくさんのお話の見どころを集めたような壁紙は名作ダイジェスト版のよう^^。全部読んでなくても、知ってる気がしてきたり・・・。

→yuka★さま
実家は壁紙だったけど、実家を出てからは私も賃貸でずーっと白い壁。 でもビニールクロスだったところはカビに悩まされました〜。いくら窓開けて換気してても恐るべき力で^^;。国立美術館が無料って太っ腹な国ですよね。雨の日だったから昼過ぎには続々と人が^^。見るもの多くてあっという間に1日が終わりそう♪

→ねこの手さま
何でも手作りされるねこの手さん、材料も目の付け所が違いますね〜。壁紙がどんな風に変身するのか楽しみです♪ 出来上がった紙バッグは、ハンドメイドのブースに並ぶのかしら^^。 
by Inatimy (2014-09-03 18:19) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。