あれから1年は経った [ミュージアム]
6月はバラに忙しく、7月は夏休みの旅、
8月は鉄道工事や事故による運休に阻まれて・・・
8月は鉄道工事や事故による運休に阻まれて・・・
9月下旬に差し掛かった頃、やっと来ることができた。
アムステルダムの南西にある街、Leiden ライデン。
アムステルダムの南西にある街、Leiden ライデン。
中央駅から伸びる道を歩いてくると、最初に渡る運河で風車が見える。
その風車の名は、ハヤブサという意味のDe Valk デ・ファルク。
その風車の名は、ハヤブサという意味のDe Valk デ・ファルク。
そのまま真っ直ぐ行って、左に曲がると・・・
・・・広場に出る。 午前の早めの時間帯なので、まだカフェのテラス席にもお客さんがいない。
その脇の建物の壁には、こんなレリーフが。 大きなブドウを運ぶ二人の姿。
モーゼが二人の男にカナンの地を見に行かせた時に、彼らがザクロとイチジクとともに
ブドウの房を棒にかけて持って帰ってきたという旧約聖書の話からのよう。
ブドウの房を棒にかけて持って帰ってきたという旧約聖書の話からのよう。
広場の端から伸びる道の先には、さっきの風車も別の角度から見ることができたり。
あの風車は、現在はMolenmuseum 風車博物館。
粉を挽く製粉用の風車で、1743年に建てられたもの。
粉を挽く製粉用の風車で、1743年に建てられたもの。
風を受けやすいように背が高く、上にテラスのような回廊を持つ。
風車の羽は、直径は27m。
風車の羽は、直径は27m。
この日は、写真左の方へと進む。 道標がちゃんとあるので楽ちん。
やがて見えてきたのが・・・
・・・Museum De Lakenhal ミュージアム・デ・ラーケンハル。
2016年10月から修復&拡張工事で3年近く一般公開されてなくて、2019年6月に再オープン。
昨年、2018年6月にここを通りがかった時には、まだ大きなクレーンが立ってて、
ずっと再開を心待ちにしていた。 なのに、なかなか来られなくて9月にやっと、という訳で。
ずっと再開を心待ちにしていた。 なのに、なかなか来られなくて9月にやっと、という訳で。
門の上には布のかぶった本と風車の彫刻。
屋根の三角部分には羊の頭と、三つの各角のあたりに羊の像。
屋根の三角部分には羊の頭と、三つの各角のあたりに羊の像。
その前の道には、画家レンブラントの像が立っている。 ライデン生まれだからね。
ラーケンハルとは直訳すると毛織物ホール。
織物産業・織物取引のセンターで、日本語で言う織物会館。
織物産業・織物取引のセンターで、日本語で言う織物会館。
1823年まで使われ、その後は商工会議所やコレラ病院として使用されたとか。
ミュージアムとしてオープンしたのは1874年と案外古い。
ミュージアムとしてオープンしたのは1874年と案外古い。
門を入ってすぐの前庭には、煉瓦の壁に様々なレリーフが。
本館は1640年にオランダの古典主義様式で建てられたものらしい。
写真右にエントランス。 視線を左へずらしていくと・・・
・・・さっき入ってきた門がある。
対面の煉瓦の壁にもレリーフ。 カフェのテラス席になってる。
中に入ると右に受付、左にショップ。 まずはショップ脇の奥のロッカーに荷物を預けて身軽に。
その横にあった廊下の壁のタイル。 トイレの前だったりする。
その横にあった廊下の壁のタイル。 トイレの前だったりする。
Susanna van Steenwijck-Gaspoel (1580頃-1653)
スザンナ・ファン・ステーンワイク=ハスプールの作品。 建築画家の夫から学んで描き始めたらしい。
スザンナ・ファン・ステーンワイク=ハスプールの作品。 建築画家の夫から学んで描き始めたらしい。
"Gezicht op de Lakenhal te Leiden"「ライデンにあるラーケンハルの景色」1642年
昔は門がなくて、前庭がオープンになっていたんだな。 今は向かって右隣に煉瓦の建物もあるし。
昔は門がなくて、前庭がオープンになっていたんだな。 今は向かって右隣に煉瓦の建物もあるし。
ライデン生まれのCornelis Engebrechtsz. コルネーリス・エンゲブレヒツ(1462頃-1527)の作品。
"Drieluik met de Kruisiging van Christus" 「キリストの磔の三連祭壇画」1515-1517頃
"Drieluik met de Kruisiging van Christus" 「キリストの磔の三連祭壇画」1515-1517頃
観音開きになってて、両側の扉が閉じるようになってるので・・・
・・・扉部分の裏にも絵がある。 祭壇画の裏側から見たところ。
近くで見ると、衣服の模様や装飾が見事に描き込まれているのがよくわかる。
これは正面向かって右の扉。
これは正面向かって右の扉。
正面中央、聖母マリアの隣に座ってる女性。 細やかな模様・・・根気あるなぁ。
同じ部屋にあったのが・・・
ライデン生まれのRembrandt Harmensz. van Rijn(1606-1669)
レンブラント・ハーメンスゾーン・ファン・ラインの作品。 ミュージアムの前に像があった画家。
レンブラント・ハーメンスゾーン・ファン・ラインの作品。 ミュージアムの前に像があった画家。
"Historiestuk met zelfportret van de schilder" 1626年
タイトル訳すと「画家の自画像付きの歴史的作品」かな。
タイトル訳すと「画家の自画像付きの歴史的作品」かな。
二十歳の時の作品。 のちの絵画に比べて、妙にカラフル。
どこにレンブラントがいるのかというと、ブルーの服の王様の向こう側。
手に持った笏(しゃく。棒みたいなの)で隠れてるけど。
手に持った笏(しゃく。棒みたいなの)で隠れてるけど。
ライデン生まれのJan Lievens ヤン・リーフェンス(1607-1674)の作品で、
"Kop van een Oude man"「ある老人の頭部」1630年頃
"Kop van een Oude man"「ある老人の頭部」1630年頃
パッとこの絵が目に入った瞬間、あの画家だ、と分かった。
ウィーンの美術史博物館で初めて知ったオランダの画家。
ウィーンの美術史博物館で初めて知ったオランダの画家。
※ 2014年の、その時のお話は、こちら。
絵画が展示されてるホール、大きな天窓の模様がキレイ。
自然光の中で見るのは心地よい。 この日は良いお天気だったし、明るくて。
ライデン生まれのJan Steen ヤン・ステーン(1626-1679)の作品。
"Bijbellezend paar(Zelfportret van de schilder en zijn echtgenote)" 1650年頃
「聖書を読むカップル(画家とその妻の自画像)」。
「聖書を読むカップル(画家とその妻の自画像)」。
なぜこの絵が気になったかというと、女性の膝の上にあるもの、こんな使い方もあるんだ、と。
これはオランダ語では Voetenstoof フッテンストーフと言うもの。 訳すと、足ストーブ。
これはオランダ語では Voetenstoof フッテンストーフと言うもの。 訳すと、足ストーブ。
木箱は1つの側面がオープンになってて、上部にはまるい穴がいくつか空いてる。
中に入ってる取っ手のついた陶器には木炭や石炭を入れてあって、ミニ火鉢のようなもの。
中に入ってる取っ手のついた陶器には木炭や石炭を入れてあって、ミニ火鉢のようなもの。
普通は床に置いてあって、足をのっけて温まるものなのだけれど、
この絵では、膝の上に置いて手を温めてるのだ。 水仕事をした後なのかもしれないなぁ。
この絵では、膝の上に置いて手を温めてるのだ。 水仕事をした後なのかもしれないなぁ。
※ そんな足ストーブがよく描かれてるヤン・ステーンの絵画のある話は、こちら。
このミュージアムの話、あと2回ほどあるので、
旅の話の合間に挟んでく予定^^。
旅の話の合間に挟んでく予定^^。
オランダも最高気温が17℃と、ちょっと肌寒い。
来週は最高で13℃の日もあるらしい。
来週は最高で13℃の日もあるらしい。
2019-09-27 16:00
nice!(53)
コメント(11)
このミュージアム、とても素敵♪♪i
by ぴーすけ君 (2019-09-27 18:12)
オランダって風車を家にしている所もあるみたいですね!
気温が一気に秋になってきましたね。
by ma2ma2 (2019-09-27 18:12)
ウィーンの美術史美術館は、すごい美術館だったですね。
by テリー (2019-09-27 21:07)
羽 27mですか
メッチャデカイですね
by (。・_・。)2k (2019-09-27 22:11)
廊下のタイル、アールヌーヴォーチックで素敵です。
自然光の美術館いいですね。
by みち (2019-09-27 22:36)
博物館の展示だけでなく、建物自体も見どころですね。
by YAP (2019-09-28 07:10)
こんにちは。
良い天気、散歩日和の感じです。
「上にテラスのような回廊」は初めて見た感じです。
風車のレストランに良さそうです。
「キリストの磔の三連祭壇画」閉じても絵が見える感じ?
ヤン・ステーンの絵画・・・
当時の生活事情を残す記録としても貴重ですね!?(=^・ェ・^=)
by Boss365 (2019-09-28 11:36)
自然光を取り入れた展示室、素敵ですね~
絵の隅々までハッキリクッキリ見えそうです。
細かい模様の衣装、当時の流行がわかって良いですね。
一時少し涼しくなりましたが台風が通り過ぎた後また夏に逆戻りしました。
by miffy (2019-09-28 14:35)
美術館って、時間もそうだけど心のゆとりが無いとじっくり楽しめないですものね。最近ずっとご無沙汰です。
秋分過ぎて、いよいよ秋ですね。気温もだけど、朝暗くって。
by めぎ (2019-09-28 15:16)
そちらの美術館はどこも立派ですね。それに無料でしょう。そこんところが日本とはお違いです。
by JUNKO (2019-09-28 17:15)
→皆さま「あれから1年は経った」のお話にnice!やコメントをありがとうございました。月日が経つのはあっという間。この1年間で自分自身、何が変わったかなぁと思い返してみても、あまり浮かばない^^;。
→ぴーすけ君さま
建物もこのメインのホール以外に奥に、横にといくつか繋がっていて、すごく面白いところでしたよ。まだまだ続きます。
→ma2ma2さま
風車を家にしてるところ、あります^^。たまに散歩に行く道の途中に、羽根がついてない昔の風車のボディだけを住居に改造してるところも。気温、ますます下がってきてます。
→テリーさま
ウィーンの美術史美術館はすごい美術館でしたよ。全部見るのも大変でしたから、お目当のところだけ^^。
→ (。・_・。)2kさま
風車の羽根、もっと大きなものもあるかもしれませんね^^。最近増えてる風力発電のウィンドタービンは、あれは何メートルあるんだろうなぁ。
→みちさま
オランダのタイルもオシャレですよね。アムステルダム派とか、ハーグ派とか、その頃のスタイルって凝ってるし。オランダには自然光のミュージアムが多いです。雨の日にはミュージアムっって思ってると、薄暗いところで見ることになったり^^;。
→YAPさまこのメインの建物の他、横にも奥にも別の建物と繋がってて、面白いです^^。トイレもオシャレでしたよ。
→Boss365さま
オランダの風車、パターンがいろいろあって、城壁の上にあったものも。粉引きよう、製材用、水の汲み上げ、用途も様々^^。三連祭壇画、閉じても扉の表に絵があるんですよ。ヤン・ステーンの絵、細かいところまで見て楽しめるので、私は割と好きなんですが、オランダというとすぐにフェルメールやレンブラントが主役になってしまうんですよね・・・^^;。
→miffyさま
実際にこの色使いの服装が流行ってたのかなぁ・・・なんて思って見てました^^。赤いタイツにスリッパ、インパクトありますね。こちらはどんどん気温が下がってます・・・。
→めぎさま
もう心の余裕がなんて言ってられなくて、とにかく出かけてみる、行ったら気持ちにゆとりができるかも、って感じの我が家です^^;。日常から出ないと気分転換できなくて。朝、くらいですよね・・・しかも雨続きで、余計に薄暗くって。
→JUNKOさま
オランダは国土の小ささの割にはミュージアムの数はものすごく多くて、かなり力入れてますね。無料ではないんですよ、ちゃんと入館料は要るんですが、我が家はミュージアムカード(年間パスポート的なもの)を買ってるので、4つくらい入ると軽く元は取れます♪
by Inatimy (2019-10-05 07:06)