ハチと花と赤い実と・・・ [森・野]
どこに住んでいても、特別なことはそんなに多くなく、
ありふれた日常の連続。
それでも、一日を穏やかに、健やかに、暮らせることは、なんてありがたいんだろう。
・・・なんて、おひさまの光の下で感じた。
7月下旬に差しかかった頃。 オランダの夏としては珍しく32℃まで上がった晴れた日のお話。
家にはエアコンはもちろん、扇風機すらないので・・・
・・・どこか涼しいところへ・・・と、自転車で出かけた。
行き先は、森のような広大な公園Amsterdamse Bos アムステルダムス・ボス。
ちょうどその近くの水路の跳ね橋が上がるところに遭遇。
待っていた船がどんどん通り過ぎていった。
とても暑い日だったから、ボート遊びも盛んだったよう。
ポルダー1周した日からそんなに経ってなかったので、まだ私の中で跳ね橋がテーマだった。
夏休みの自由研究みたいに。
南からアムステルダムス・ボスの森へ入って北上。
途中、何かサーカスか移動遊園地っぽいテント小屋。 まだまだ組み立て作業中だったよう。
木々の生い茂る道を自転車で走り、水路からの風に涼む。
さっき跳ね橋があったところに続く同じ水路。 あの船も跳ね橋を抜けていくんだろうな。
パンケーキの店の横を抜けて出てきたRoeibaan 漕艇場のそばにも小さな跳ね橋。
さらに横道へ入り、Nieuwe Meer ニューゥ・メーァ(直訳:新湖) の近く水路で。
魚いるかな・・・なんて水をのぞきこむ。
向こうの船があるところが湖。 これを撮っていたのは・・・
・・・あの跳ね橋の上。
と、こんな風に、今夏、山ほど跳ね橋を見て、やっと満足。
気が済むまで興味あることに熱中できるのは大人になってからだな。
子供の頃は学校で覚える物事が多すぎて、
気になることがあっても、仕方なく素通りしてきた気がする。
あれもこれもと一気にこなせるほど器用じゃなかったから。
忙しい中でも、ふと立ち止まる瞬間を見つけるのが、少しは上手くなったのかもしれない。
自転車を止めて、森の中の並木で涼んだ休日。
森の木陰は街中より1~2℃低く感じる。
その1か月ほど経った後・・・8月中旬には気温はすっかり落ち着いて最高気温23℃。
赤い実があちこちに見え始め、なんだか秋の近付く気配がし出した薄曇りの日。
アムステルダムス・ボスの南西部にあるDe Poel デ・プール(直訳:みずたまり)という池のそばへ。
背の高い植物にマルハナバチがたくさん。 次々と袋状の花に頭を突っ込んでいた。
オニツリフネソウ(鬼釣舟草)かな?
池の南にある散歩道。 細い流れに、しゃがみこんで浮草があるのをじーっと見たり・・・
・・・白い密集花にハナバチが止まってるのを見たり。
この植物は、セリ科のハナウド(花独活)の一種かな?
2mはありそうなほどのすごく背の高いタイプもあり、Kamoさんはそれを見上げて撮っていた。
そっちはオオハナウドの仲間かしら。
一緒に歩きながらも、それぞれが、それぞれの気になるものを追いかける。
この先は池に続いてそう。 今、立ってる背後には、ちょうど教会がある。
名前は、Sint-Urbanuskerk シント=ウルバヌスケルク。
Bovenkerk ボーフェンケルクという町にある。 でもちょうど外装工事中・・・。
森の茂みの中には、野生のベリーも豊富。 ブラックベリー?
何の実か分からないけれど・・・
・・・赤い実って、すごく美味しそうだ。
緑の中の赤い色を探しながら、ちょいと道を引き返し、池の東側を北上。 花を撮りながら。
この植物は花がアザミのようでも、葉っぱがアザミじゃない。 気になるのであれこれ調べてみた。
どうやらArctium tomentosum アルクティウム・トメントスム・・・っぽい。
ゴボウの仲間のよう。 キク科ゴボウ属。
ということは、あの野菜のゴボウの花もこんな感じなんだなぁ・・・。
あの茶色い姿から、白や黄色の花を勝手にイメージしていたので、意外。
向こう岸に、シント=ウルバヌスケルクの教会の尖塔が見えてきた。
さっきベリーの写真を撮っていたあたり。 塔は組まれた足場でトゲトゲ風。
桟橋近くから、おじさまが大きな声で歌を歌いながら、楽しそうにボートを漕いで離れていった。
曇り空もなんのその・・・って感じで。 音楽には色があるみたいな錯覚におちいる。
見つけたハート。 さっき登場した白い密集花、ハナウド(花独活)の実なのか、種なのか。
アブラナっぽい黄色の花。 春みたいだ。 マルハナバチがブンブン。
白い花のオドリコソウ(踊子草)が群生したあたりにも、たくさんいた。
帰りに通った家の前には、淡い紫色の花がぶら下がっていた。
フジ(藤)の一種かな。 日本だと4~5月の花だろうけど。
さっきもアブラナが咲いていたし、欧州の花の時期は、日本とは、また違うみたい。
身近にある植物・・・と、ひとことでまとめて言うと簡単だけど、
注意して見てみると、なんて種類が多いんだろう。
雑草という草はない・・・その通りだなと実感。
・・・と、たわいない2つの休日のお話でした。
《オマケの1枚》 オランダの押しボタン式信号。
歩行者用の他に、自転車用も立っている。
さらにアムステルダムス・ボスの近くには、自転車用のボタンの上に乗馬用まである。
ついつい子供のように、無理して手を伸ばし、乗馬用のボタンを押す。
・・・心の中にじわっと広がる満足感。
※ 写真はSONY。 最後のオマケだけCASIO。
近くに水辺がある生活良いですね~。
コンクリートの地よりもそこの空気が少しヒンヤリしてたりして。
by ぴーすけ君 (2013-10-25 20:34)
私が一生懸命背伸びして手を伸ばすと、いつもうちのドイツ人が「なんで届かないの?簡単だよ」と横から手を出してからかいます・・・
by めぎ (2013-10-26 06:29)
跳ね橋、私も一度は生で見てみたいです。
写真でさえもInatimyさんの前ブログのほうで初めて見たわけで、
それまでは『フランダースの犬』の中の跳ね橋しか知らなかった^^;。
藤のお花、日本での仕立て方は藤棚が典型的だけど、
お家の外壁を縁どるような仕立て方、外国のお庭のポストカードで
見てからずっと憧れてます♪。
by ハリネズミ (2013-10-26 07:19)
いやぁ、私も馬乗り用のボタン押すだろうな。笑
赤い実は、みどりのなかにいたら映えるよね。魅力的だわよ。ぷりっとしていてかわいい。
ゴボウの花、私も黄色を想像したわ。
なんだろうね。ぷぷぷ。
by カエル (2013-10-26 08:30)
匁の頭の中も跳ね橋に引っかかっています。
どちらかと言うと、小さな跳ね橋が好きです。
自分の力でで上げ下ろしできそうで!?
by 匁 (2013-10-26 09:43)
晴天に恵まれたオランダですね^^。
by krause (2013-10-26 15:31)
うん、赤い実っておいしそうー♪
写真見ていたら食べたくなってきました^^
跳ね橋、いつか実際に見てみたいなぁ♪
by hatsu (2013-10-26 15:33)
しばらくご無沙汰していました^^;
また再開しましたのでよろしくお願いします^^
そうそう、私も道端に咲いている名も知らぬ花に心奪われ、雑草とひとくくりにされているのが可哀想に思ったりもするのですが、庭に生えてくる恐ろしく繁殖力の強い奴らには辟易したりもします^^;
赤い実って本当に可愛いですよね~♪ちょっと前まで庭に姫リンゴが生っていたのですが、台風で全部落ちてしまいました・・・。日本の気候は最近かなり過酷です。
by MOCOMOCO (2013-10-26 16:26)
写真が美し過ぎて惹きこまれます♪
小さな草花や木の実に生命力を感じて健気に咲いてる姿が大好きです✿
こちらで素敵な景色見てるだけで癒されます~♪♪
by あげぱん (2013-10-26 23:06)
乗馬用のボタンはどの辺りの高さなんでしょう。多分私は無理かな~(^^)
by 母ちゃん (2013-10-27 08:34)
自然が豊かで素晴らしいです。
こういうところを散歩してみたい...いつかは。
by ナツパパ (2013-10-27 16:08)
水路と跳ね橋のある風景良いですね~
1日じゅう跳ね橋のそばから離れずに開いたり閉じたりするのを見ていたいです。
赤い実って魅力的ですよね。
食べれないとわかっているものでも美味しそうだと思ってしまいます^^;
by miffy (2013-10-28 21:43)
→皆さま
『ハチと花と赤い実と・・・』のお話に、nice! & コメントありがとうございます。 月曜日はスゴイ嵐で、台風のような強風。 黄色く色づいてた木々も一気に葉っぱが吹き飛ばされ、そして、我が家のアイビーも一株、飛んで行ってしまった・・・。 枝が広がってるフクシアだけはあらかじめ室内へ避難。 木苺もワイルドストロベリーの実もダメになっちゃったのが残念。 運河脇の街路樹が倒れたり、外壁が飛んで行ったり、凄まじい街の様子にもビックリでした。
→ぴーすけ君さま
水辺があり、森があると気温が違いますね。 遠くまで行かなくても避暑地の代わりになりそう♪ 昼間30℃あっても、夜にはちゃんと20℃ほどまで下がるのも嬉しいところ。 日本はずーっとそのままですものねぇ・・・眠れないのはツライかも。
→ めぎさま
ふふ、めぎさんところのドイツ人さんに私も取ってもらいたいなぁ・・・。 ドアののぞき穴に届かず誰が来たのかわからないのも不便で。 背が高いって、うらやましいけど、背が低いと逆に下にあるものが見やすいからいいや、と自分に言い聞かせてます(笑)。 商品棚の下の段とかね。
→ハリネズミさま
『フランダースの犬』懐かしい~。 子供の頃、牛乳缶とかかっこよく見えたなぁ。 跳ね橋を意識したのは、私はゴッホの絵でかな。 美術の教科書の表紙だったから。 この藤、玄関の両脇に植えられたのが、ぐんと伸びて窓の上のひさしみたいになってました♪ ツルバラを這わしたり、玄関の横に扉や窓枠と同じ色のタチアオイを育てたり、真似したいお家がいろいろありますね~。 実践できる場があるハリネズミさんが羨ましいです♪
→カエルさま
やった~仲間がいた~。 乗馬用のボタン、押したくなるよね~。 緑の中の赤って目立つし、色が生えるからキレイに見えて美味しそう。 あ、でも、ベニテングタケとか毒キノコは危ない・・・。 こんなに可愛い花なら、ゴボウ育ててみたいわ♪
→匁さま
私も自分で上げ下げできる小さな跳ね橋、気になってます。 ポルダー一周の時におじさまが船を通すところを見てたんですが、羨ましかったなぁ(笑)。 一度は自分でしてみたいですよね。
→krauseさま
晴天に恵まれた夏の日、暑かったです~。 まさかオランダで30℃越えの日が多くなるとは・・・。 いつか扇風機必須になるのかしら・・・今はあっという間に秋になるけれど。
→hatsuさま
苺、サクランボ、プラム・・・と赤い実は好物ばかり♪ 茹でた海老やカニの赤いのも、明太子も、キムチの赤も・・・と美味しいものが頭をぐるぐる~。 オランダの跳ね橋、いつか是非どうぞ♪
→MOCOMOCOさま
また遊びに寄ってくださって嬉しいです。 本当にお元気そうでなにより。 雑草とまとめてしまうのは本当に申し訳ないと思うけれど、庭での繁殖力を考えると、むむむ・・・となりますねぇ。 庭のある家に住んでいた時に、草ではないけれど、ニレの種に悩まされました。 どこからか飛んで来ては、すぐにあちこちで芽が出ちゃって育ってるし。 こちらも台風のような嵐で、ベランダの扉のサッシが壊れるかと思うほどゆらゆらして怖かったです。 そんな中、どんなに暴風でもしっかり根付いて耐えていたヒメコスモスが凄かったです。 アイビーは飛んで行ったのに(涙)。
→あげぱんさま
ありがとうございます。 シャッター押すだけで、ちゃんといい仕事してくれるカメラは本当にありがたいです♪ 散歩しながら撮った知らない植物を後で家で検索するのも、謎解きのようで、それも楽しく。 よかったらまたブログにお立ち寄りくださいね~。
→母ちゃんさま
身長155cmの私でも自転車に乗ったままうんと手を伸ばせば届くくらいです~。
→ナツパパさま
木々がわんさか生えてる森のような公園、ありがたいです。 自然の森じゃなく、干拓して作り上げたとは思えないようなワイルドさがあって。 空港が隣にあるので、低空飛行の飛行機が頭上を通り過ぎたりするのもワクワクですよ~。
→miffyさま
跳ね橋が上がる・・・その状況についつい反射的にカメラを構えてしまいます(笑)。 日本で跳ね橋じゃないけれど、回転して船を通す橋をどこかで見て、その時も、同じようにドキドキわくわくしたなぁ・・・・。 赤い実、イブが林檎を食べたのも赤かったからかもしれませんねぇ。 美味しそうだもの、赤いの。
by Inatimy (2013-10-31 08:14)
湖と川の多いところなんですね、オランダ。
自由課題の跳ね橋研究発表、楽しく見させていただきました 笑
夏の暑い日でもこんなに素敵な自然の中、木陰でちょっと休みながらのお散歩は気持ちよいでしょうね。ちょっとうらやましいです。
そうですね、時間もだけれど、大人にならないとわからないものもあるような気も? お日様の下のほっこり気分なんかもその一つかもしれません。
ps.初音です。この匂い好きですよ。http://www.kogado.co.jp/kaorimiyabi/stick/3.html
by moz (2013-11-01 07:00)
→mozさま
お返事がとても遅くなり恐縮です。 緑が多かった自然も、次第に黄色く変わり、嵐のような暴風で、葉が一気に飛んでいってしまいました~。 桟橋のある池、大きい池なんですが冬には凍ったりするんですよ。 で、皆、スケートに繰り出すという(笑)。 氷の厚さがお決まりの話題なオランダの冬です♪
by Inatimy (2013-11-13 19:59)