暮れるのは早いけど散歩はゆったり

ゴデ、タク、ファヴェル。 　今回の旅の言葉は、この3語。

God dag. 　こんにちは。　
Tak. 　　　　ありがとう。　
Farvel.　　　さようなら。 

どこに行っても、できるだけ現地の言葉を使う努力をするのが私の中の決まりごと。　

日本で観光客に英語で話しかけられて、英語分からないの？という顔をされたのが嫌だったから。
己の欲せざる所は人に施す勿れ。

デンマークは赤が似合う。　国旗の色もそうだし、郵便ポストも赤かった。　

ふたつ並んでいるのは何故かしら。　
どちらも同じ文言が書いてあり、違いがあるように見えなかったけど。　
片方が満杯になってももう一つ余裕があるように？　

ちなみにオランダのポストはオレンジ色で横長のシンプルでモダンなもの。　
２つ投函口があって、郵便番号で分けられている。　 

話は、12月のデンマーク旅の続き。　

コペンハーゲンの街散策開始で、ロブスターのスープで腹ごしらえして、
ホテルのあるニューハウンから王様の新広場まで出てきたところ。

工事現場の見学展望台から階段を下りて、元の道へ戻ると・・・

・・・目の前に暖かそうな灯りが見えてきた。　何かしら・・・小さなお店のよう。　暗いけど16：10 頃。

キオスクだ。　Wikipedia によると、1913年からあり、ネオバロック様式の建築。　
コペンハーゲンで最初の公衆電話ボックスでもあったそうな。

ちょうど背後に見える建物が、デンマークの電気通信事業を営む会社である、　
The Great Northern Telegraph Company 大北電信会社の本社があった建物。
1893年に建てられ、2003年に建物は売却されたそう。

キオスクは現在はカフェスタンドっぽい。　窓に瓶が並ぶのも見えたから珈琲以外にもあれこれ飲めそう。
テラス席のみで、普通のテーブルとイスの他に・・・ 

・・・鉄の大きな盃（さかずき）形のものに、赤くなった熾き火があり、それを囲むように椅子が。

外でも暖を取りながら話ができて楽しそうだ。
椅子もリラックスチェアのような斜めの背もたれ。

そこからすぐに目を奪われるのが・・・ 

・・・光のカーテンのようなイルミネーション。　建物の正面が巨大な展示のよう。

中央には赤い肘掛椅子の男性が目の前に座り込む少女に絵本を読み聞かせてるようなシーン。
その両側、向かって左に人間の兵隊さん、右にネズミの兵隊さん、 
階段の最上部分踊り場には、彼らの一騎討ちシーンが。

ということは、くるみ割り人形のお話かな。　

ここは、元１８世紀の貴族の館だったホテル。　デンマーク最高級らしい。
Hotel D'Angleterre　ホテル・ダングレテール。

ゴージャス過ぎる雰囲気で落ち着けないかもな、とホテルの選定から除外したところ。
検索して内部の写真を見ると部屋は明るく天井が高い。　
リッチなタイプ以外にサッパリ系もあるけど、インテリア雑誌でよく見るオシャレなリビングの雰囲気。
私にはやっぱり貴族の館より海運倉庫のほうが似合う。　

このホテルの左側あたりから歩行者天国の通りが始まる。　この日の散歩のお目当て。　

ショッピングストリートのStrøget ストロイエ。　まずは一番の目抜き通りから、と。

通りの上には、ハートと星のデコレーション。　高級そうなブランド品のお店も並ぶ。　 

・・・が、我が家は素通り。　

途中、気になって寄り道したのが、パッサージュのようなところ。　
Bernikow Gården と書かれた青い看板が入口にあった。

ワインバー、お土産屋さん、お茶屋さんなどがあったように思う。

一回りして出てきた後、通りを渡るため信号待ち。　
辺りには甘い匂いが漂う。　すぐそばでナッツの砂糖がけみたいなのを売っていた。

まっすぐストロイエを進むと・・・ 

・・・ピンク色のライトアップ。　お目当ての場所はここ。　

怪しげなお店ではなく、ILLUM イルムという名のデパート。　 
デンマークのデパートと言えばここらしい。

ショーウィンドーのデコレーションを見るのも楽しい。　 

中に入ると、さすが12月のクリスマス前の時期。　たくさんの買い物客でにぎわっていた。
にもかかわらず、大声で話す人もおらず静かなのも、不思議。
エスカレーターで上階へ。　

そのそばにある高い吹き抜けにはクリスマスのデコレーション。　吊り下げられた多くの星。
ベージュ色を基調とした淡いピンクやオレンジ、グリーンなどの組み合わせで、
それがとてもシックで上品な雰囲気を醸し出している。　

さらに気付いたのが星の形。　尖った部分が５つでなく７つだった。　
クリスマスのオーナメントには９つの星もあるのだ。　
派手な色使いにしなくても、シャープなキラキラを表現してるような。　

キッチン用品や生活雑貨の売り場でも、
雑誌の北欧デザインの特集を見てるような、洗練されたものがたくさんあった。
手にとって眺めてるだけでもウキウキしてくる。

あと、このILLUM イルムというデパートの地下には、スーパーマーケットがあるのだ。
Irma と書いて、イヤマと読むらしい。　
買い物かごにふんわりスカートの女の子のキャラクター。

そこで水を買いがてら様々なものをカゴへ。
我が家ふたりにとって、異国の街のスーパーはミュージアムに匹敵する。
その国の食文化を知るにはとってもいい場所。　 

顔はカエルだけど、体は昔図工で使ったような針金にふさふさのついたモールのようだった。

スーパーの商品棚をウキウキしながら順に眺め、ふたりで何を買おうか慎重に選ぶ。　
機内持ち込みの荷物だけという条件で航空チケットを安く抑えてるので、
液体ものは持ち込めず買って帰れないのだ・・・。　

ちなみにふたりで持ち込みサイズのスーツケース1個。　中は楽々スペース。　近場だからね。
そして、帰りにはこのスーツケース3/4がほぼ自分たちへのお土産で満杯に。

デパートILLUM イルム のそばにはAmagertorv アマー広場があり・・・ 

・・・小規模ながらクリスマスマーケットが。　まさにそのままの看板。　時間は18:30。

そうだった、旅の発端は、どこのクリスマスマーケットを見るかだった。
私にとっては初めて訪れる北欧、デンマークで、すっかり普通の観光気分で忘れてしまってた・・・。

これは寄っていくしかない。 　

山小屋風なお店が並び、飾りのついたクリスマスツリーもあちこち。
飲食系の店、クリスマス飾り販売のお店、防寒具のお店、いろいろ。　

その中央には、子供向けのミニ列車が走るレールが。　ほのぼの。
トナカイが引くサンタクロースのソリ。　子供の頃デパートの屋上で見たミニ遊園地みたいだな。　

でも・・・過去に見たドイツのクリスマスマーケットが凄過ぎてね・・・。
それと比べちゃいけないんだけれど。

広場からはモミの木の生木の販売の向こうに、窓から青い光を放つ建物が見えた。　

あれがRoyal Copenhagen ロイヤルコペンハーゲンの本店らしい。
ブルーが印象的なデンマークの陶磁器メーカー。　　

見るだけ、とKamoさんが誘うので、ロイヤルコペンハーゲンのお店へ。 
閉店間近だったから、さっと流すように店内を一周。　

人魚姫の像に船の2013年のイヤープレートや、
クリスマスのテーブルコーディネイトの展示、オーナメントの販売も。

白地に青のブルーフルーテッドのプレイン柄は可愛いんだけれど、
そのハーフレースやフルレースとなると、どうもウロコっぽい部分が好みでなく・・・。

ロイヤルコペンハーゲンの本店の隣にはディズニーショップ。　

さらにその左隣に、壁面に雪の結晶のイルミネーションのキレイな建物が。　 

ここは、ILLUMS BOLIGHUS イルムス・ボーリフース。　王室御用達のインテリア専門デパート。

この日は、もう閉店時間だったので、後日。　

何か食べないとね・・・と店を探しながら歩いたが、暗いし、あまりピンと来るところがなく、
結局、ニューハウンのホテルの近辺まで戻っていった。　

ちょうど旅が決まった後に2週間ほど頭痛に悩まされていたため、
最低限の家事などで目いっぱいで、事前に詳しく調べることもできなかったのだ。　
ただ、見に行きたいところだけはリストアップしていた。　 

首都だもの、観光地だもの、食べるところなら、山ほどある。

これは、当初、宿泊予定していたCopenhagen Admiral Hotel コペンハーゲン・アドミラルホテル。
1787年に建てられた穀物倉庫を改造したホテル。　

でも口コミ情報によると、
その頃はすぐ近くで大規模工事があって音がうるさいとのことだったのでやめた。

で、同じく元・倉庫だったニューハウンの運河沿いのこぢんまりしたホテルに決めたのだった。　
客室数が少ないほうが私としても好き。　　

この日は、20:00頃に宿泊したホテルに戻って地下のレストランで夕食。
人気のようで満席。　でも運良く20～30分ほど待っただけで通された。

Kamoさんは鱈で、私はダック・・・鴨肉。　かなり美味だった。
クリスマスビールも飲んで、久々の旅に心地よい気分。　 

写真を撮ることもせず、ただ、ただ味わうのに専念。
自分で作らずとも料理を食べらるのは、なんて楽ちんなんだろう。　

 

こうして、旅の一日目が終わった。

※ 写真はSONY。 

タグ：コペンハーゲン

コメント 12

^^！拙宅では、このデンマーク製の緑色のポストを設置しています。
by krause (2014-01-28 21:44) 

クリスマス全開!!華やかですね。
＞異国の街のスーパーはミュージアムに匹敵する。
まさにそうですね。食文化はその国を知るのに必要ですね。
日々実感しています。
by ねこの手 (2014-01-28 22:04) 

カエルくん！かわいいいい！
建物もプロジェクションマッピングでデコされてるのね！なんだか素敵よ！1月も終わりだけどクリスマスが懐かしい！というか待ち遠しいわ！
by カエル (2014-01-28 23:53) 

デンマーク、お隣なのに、まだ行ったことがないのですよ・・・すぐ近くまで入ったことがあるんですが。でも、コペンハーゲンは島を渡らないと行けませんねえ。近くて遠いなあ。
機内持ち込み手荷物だけの場合、本当に安いですよね～うちは二人で一つだけお金を払ってスーツケースを預けて、現地のお酒を購入してきてます♪
行きは空き空きですが、20キロまでOKとビネガー買ったりもして、帰りはいつもいっぱい♪
by めぎ (2014-01-29 03:39) 

デンマークのクリスマス ♪　
優しいオレンジ色の街の灯り、落ち着いていて大人のクリスマスって感じですね。スーツケース3/4のおみやげが気になります。きっと可愛いものでいっぱいなのでしょうね　^^
鱈と鴨のお写真も見たかったなぁ～　笑
by moz (2014-01-29 05:21) 

幻想的な建物から、ライトアップやデコレーションされた建物まで・・
様々に素敵ないっぱいで、歩いているだけでワクワクしちゃいますね＾＾
デンマークのクリスマスはこういう雰囲気に包まれているのですね♪
素適だなぁ～*✿*
私は特に、壁に雪の結晶の建物のイルミネーションが素適だなぁ。
と思いました＾＾
クリスマス、あっという間に過ぎちゃったけど、来年はお家であったかい
手料理をつくって迎えたいと今から張り切っています♪笑
by baby_pink (2014-01-29 06:02) 

ショーウィンドウの白くまくん、リアルにかわいいなぁ。
建物のライトアップもとてもすてき♪。
「どこに行ってもできるだけ現地の言葉で・・・・」という
Inatimyさんの決まりごと、ステキだと思います。
やっぱり私も日本でいきなり英語で話しかけられると、
いい気はしないですもん。
せめてとっかかりくらいは日本語でお願いしたいなぁと
思うわけで＾＾；。
by ハリネズミ (2014-01-29 07:52) 

クリスマスのデコレーションで飾られた建物ステキですね～
オレンジ色の柔らかい光の方が温かみがあって良いですね。
ストロイエ辺りはいつも人がいっぱいで歩くの大変でした。
コペンハーゲンに行ったのは20代の頃だったので、ロイヤルコペンハーゲンでは2級品を買って別送しました。
初めての別送品だったので届くまではドキドキでした。
by miffy (2014-01-29 19:31) 

夜のコペンハーゲン、素敵です。
カメラ片手に街歩き．．．忘れられない夜になりそうです。
良いなあ、行きたいなあ．．．と、隣でカミさんが呟きます。
by ナツパパ (2014-01-29 20:53) 

デンマークではあちこちで国旗が飾られていますね
赤が似合う街です
ロイヤルコペンハーゲンではアウトレットで食器を少々買いました。
夕食はチボリ公園で食べました。
クリスマスマーケットが楽しそうですね。行ってみたいです。
by luces (2014-01-29 22:43) 

Ｘｍａｓシーズンの夢の時間ですね～
どこもかしこもキラキラして素敵です☆.。.:*・
クリスマスマーケット～サンタさんが歩いてそう♥
岡山にチボリ公園ていうテーマパークあって子供達連れて行ってました。
でも今はもうないですよ。
本物のデンマーク～夢とおとぎの世界ですね～☆.。.:*・
by あげぱん (2014-01-31 01:18) 

→皆さま　
『暮れるのは早いけど散歩はゆったり』のお話に、nice! ＆ コメントありがとうございます。　2月に入って立春。　次第に朝明るくなる時間が早くなってきたのを実感。　やっと日の出が8時17分。　冬至に比べると30分ほどの違いだけど、大きいな。　デンマークも少し日が長くなったかしら。

→krauseさま　
あら、デンマーク製の緑色のポストとはオシャレ～♪　毎日何か届いてないかのぞくのも楽しそう。　私もポストにはこだわりたいと思いつつも、ずーっと転々・・・。

→ねこの手さま　
スーパーによっても取扱商品が微妙に違ったり、自社製品もあるから魅力はそれぞれで。　引っ越し後数週間はいつも私は徒歩30分圏内のスーパーをチェックして楽しんでます♪　そちらにも珍しいものオシャレなものがたくさんありそうで、いいなぁ。

→カエルさま　
あちこちでカエルくんを見かけた旅でした。　そのたびに思い出してたのよ～。　イルミネーションがなかなか素敵で、暗くなってからの散歩もロマンチック気分アップでした。　もう12分の1が終わったから、きっとクリスマスもあっという間だろうね。　何食べようかな～・・・ってすぐ思っちゃう。

→めぎさま　
ドイツだとデンマークと地続きですものね。　コペンハーゲンは船に乗らなきゃいけないけど。　めぎさん家のように、今度は我が家もひとつだけスーツケース預けられるようにしようかな。　液体もの、空港では買えるけど案外限られてるし。　ジャム、缶詰、瓶詰、調味料・・・と魅力的なものが多くて（笑）。

→mozさま　
機内持ち込みサイズのスーツケースだから、小さいんですよ～。　あれこれ目に入るものが珍しくて可愛くて魅力的で・・・と迷いに迷って買えなかったものも多々。　鱈と鴨、少し交換してお互いのを味見しましたが、すっごく美味♪　今度行った時には撮ってこようと。

→baby_pinkさま　
ツリーのオーナメントも可愛いものがいっぱいで。　国のカラーなのか、赤がたくさん使われていて、それが緑のツリーにピッタリでした♪　クリスマス時期の街、特にデパートの中はプレゼントを買う人たちですごく混雑した感じですが、それでも見てみる価値はありますね。　ワクワクした気持ち、いっぱいになりました。　次に来るクリスマス、私も今度こそはクリスマスリース作りに挑戦したいなぁ・・・。　いつもコースの申し込み忘れちゃう。

→ハリネズミさま　
ふふ、どこに行っても英語で通すのはちょっと困りますよねぇ。　国際化＝英語が話せる、みたいな図式になってますが、その国その国の言葉を大事にしたいと思います。　・・・と、英語が苦手な私も、もっと話せるようになりたいなぁという気持ちは山ほどあって（笑）。　海外に住んでる＝英語が話せる、っていう図式にも困ってます・・・^^;。　

→miffyさま　
我が家はロイヤルコペンハーゲン、まだ持ってないですねぇ。　ふふ、ほぼ全部IKEAだもの。　同じ北欧なら、我が家にはイッタラのほうが似合うなぁ。　割れものを送るのはドキドキしますよね。　私も修学旅行で宅急便をこそっと使って家にガラス食器を送付（笑）。　

→ナツパパさま　
コペンハーゲン、歩きやすい街でした♪　奥さまとふたりで、いつかぜひ♪　デニッシュとか甘いもの系も美味しそうでしたよ～。　きっと夏はいつまでも暮れない日が続くでしょうから、イルミネーションを楽しむならクリスマス時期が最適です ^^。

→lucesさま　
デンマークの赤は可愛いですね～。　国旗もシンプルでおしゃれ。　ロイヤルコペンハーゲンは見るだけに・・・ちょうど店に入った閉店前は品薄で。　たくさん売れてるんですね～。　もう本来のクリスマスマーケットというテーマが薄れて、すっかりデパートで遊んじゃいました。　

→あげぱんさま　
どういえば日本にチボリ公園、聞いたことがあるかも。　もうなくなっちゃったんですか・・・。　今、そこはどんなふうになってるんだろうなぁ。　日本はテーマパークがたくさんありましたね。　長崎オランダ村やハウステンボス、昔々に行った時は夢のような場所でした♪　まさかねぇ・・・本物の国に来ちゃうとは。　
by Inatimy (2014-02-04 20:19)