玉ネギ、マンホールのち砦 [コペンハーゲン 2013 冬]
エントランスから中庭に続く小路。
行ってみたいような、入っちゃいけないような・・・
その一歩に葛藤が続く場所。
少し間が空いてしまったけれど再び12月のデンマークの旅のお話。
コペンハーゲンでの3日目の朝、
Amalienborg Slot アメリエンボー宮殿で衛兵さんの交替式を見て、
Frederikskirke フレデリクス教会の外観を眺めた後、北上し・・・
・・・すぐに見えてきたのがこの建物。
Aleksander Nevskij Kirke アレクサンドル・ネフスキー教会。
コペンハーゲンで唯一のロシア正教の教会・・・とwikipediaに。
1881-1883年に建てられたものらしい。
てっぺんには金色まばゆい3個の玉ネギ。 十字架と装飾付き。
このかたが、守護聖人のアレクサンドル・ネフスキー(1220-1263)。
ウラジミール大公国の大公だった人らしい。
SONYくんでのズームは、これが目一杯。
聖人像の下には・・・
・・・大小、鐘も付いてる。 どんな音がするんだろうね。
細やかに刻まれた十字架も、
その後ろの赤とグレイの煉瓦の積み方で出来た模様もキレイだった。
編み物を思い出すな。 色を変えず、裏編みと表編みでもいいかもしれない。
必要な目数の中で、どう模様を組み込むか・・・なんて考えが飛ぶ。
先に進むと・・・
・・・また教会が。 今度は、すこしモダンな感じがする建物。
でも1840年に建設開始とあったので、先のロシア正教のものより古い。
Sct. Ansgars Church 聖アンス教会。
守護聖人の聖アンス(聖アンスガル)(801-865)は、フランスのアミアン生れで、
ハンブルク=ブレーメンの大司教だった人のよう。
エントランスの上のティンパヌムにある聖母子と天使の像もキレイだった。
ちょうど時期的にクリスマス前だし、自然と目がいく。
さらに歩き続けると・・・
・・・足元にゾウさん。 マンホールの蓋が可愛い。
ゾウさんの隣にあるマンホール、中央にはアンデルセンの横顔。
魚に、ネズミらしき姿も。
そして、白く光って見える兵隊さん。
これは、アンデルセンの童話『しっかり者のスズの兵隊』に登場するみたい。
そう、「~みたい」と伝聞調でしか言えないのが辛いところ。 ちゃんと読んだことがないのだ。
童話を読んで知っていたら、それぞれ、すぐにどのお話か結び付くんだろうなぁ・・・。
で、私のお目当てだった場所は、このマンホールがある前の建物なのだけれど、
まだ閉まってる時間だったので、その辺をブラブラしてから戻って来ることに。
さらに北上すると、緑の多いところへ出た。 Churchillparken チャーチル公園。
遊歩道を歩いて見つけた青銅像は、"The Valkyrie" 「ワルキューレ」。
ワルキューレとは、北欧神話に登場する複数の半神(神様と人間の間に生まれたもの)。
戦死した勇士を選定して天上の宮殿に迎え入れる役割を担うらしい。 女性だそうな。
やがて目の前に現れたのが、Sankt Albans Kirke 聖アルバニ教会。
伝統的な英国教会として1885-1887年に建てられたもの。
守護聖人はSaint Alban 聖アルバン(聖オルバン)。
英国で最初のキリスト教の殉教者だそう。
英国式教会、チャーチル、ワルキューレの像・・・他に、兵士の記念碑もあった。
こうして見ると英国と戦いにまつわるものが多い。
はて、どうしてだろう?と思ったら・・・
このチャーチル公園は、英国の元首相ウィンストン・チャーチル(1874-1965)と
第二次世界大戦中、ドイツに占領されていたデンマークの解放を支援した英国を祝して
名前がついたそうな。
このチャーチル公園があるのはKastellet カステレット要塞のすぐそば。
橋を渡ると、星型の要塞だった地へ。
上から見ると、函館にある五稜郭みたいな形なんだとか。
要塞側から、橋の方を見たところ。 左の建物は衛兵さんの詰所になっていた。
門の上に緑が見える。 土塁の上を歩けるみたい。
建物脇に坂道が見えたので、行ってみる。
途中、大砲もあった。 小道がぐねぐね。
カーブで、星の形の尖った部分に向かったり、内へ戻ったりしてるのが分かる。
このまま歩いて一周すると、かなりかかりそう。 で、途中で引き返す。
要塞の土塁から東を見ると、対岸の方にデンマークの国旗が立つ建物。
その向こうに長い煙突。 船も見えた。
デンマーク海軍の基地や造船所だったところらしい。
造船所は閉鎖になったとか。 今はどんな位置づけなんだろう。
橋に向かう途中、門の手前の壁にカステレット要塞のブロンズプレートがあった。
実はオランダにもたくさんの星型要塞がある。
私が行ったことがあるのは、Naarden ナールデン。 ← アムステルダムから東のあたり。
でも、そこのは1つ角が多くて六稜郭だった気がする。
さて・・・アンデルセンのマンホールがあった辺りまで戻ろう。
チャーチル公園で見かけた鳥。 英語ではHooded Crow というらしい。
日本語では、ハイイロガラス、ズキンガラス(頭巾ガラス)。
オランダではあまり見ないタイプ。
後頭部あたりだけが灰色のニシコクマルガラスとはまた違う配色。
鳥を見ても、異国の街に来たんだな、なんて感じる。
観光ポイントを次々追うように見るわけでもなく、
ただ、ぶらりと散歩が多い我が家の旅。
ひょっとして飽きた?なんてドキドキ。
あの要塞の北には人魚の像があったけど、ま、いいか、またいつか。
ロシアっぽいと思ったら、正ロシア教会でした。
レンガの模様を編み物に例えるなんて、さすがだわ。
カステレット要塞、本当に五稜郭みたいな形なんだ。
ハイイロガラスは、カチガラスとも違った配色なのね。
なんだか賢そうに見える。
by ねこの手 (2014-03-28 23:37)
かわいいマンホール、いいなぁ。
長く使うものだから、こういうところにもこだわるのってすてき。
いろいろバリエーションもあったりしたら、散歩のお楽しみにもなりそう。
ツートンカラーのカラス、配色がマレーバクと同じでかわいいな。
たしかに鳥を見て異国を感じるってありますね。
ドイツで夏の未明に、「ピーポ、ピーポ、ピーーーーッ」とやたら大声で
毎朝鳴いてた鳥のこと、思い出しました^^;。
湖畔の教会のお写真、クロスステッチのチャートしたいくらいステキです♪。
by ハリネズミ (2014-03-29 08:52)
観光地を巡る旅もいいですが、何気ない街並も素敵ですよ~。私にはおとぎの国に見えてます♪
by 母ちゃん (2014-03-29 09:15)
ちょっとカササギに似てるけど(カラスの仲間だし)、毛の色が灰色がかってますね。
ワルキューレと言えば私はすぐにワーグナーが浮かびます。楽劇のワルキューレはものすごく甲高い声で、すごい迫力です。
by めぎ (2014-03-29 17:08)
コペンハーゲンにロシア正教会があるのは知りませんでした。独特のデザインですね^^。
by krause (2014-03-29 18:48)
観光地じゃないところで、ぶらりと散歩コースでもしっかりおとぎの国です☆.。.:*・
玉ねぎ3個の教会も~まるでアラビア・・アラジンが出てきそう~(^。^)
おしゃれなで素敵な画像にいつもうっとり~。♥。・゚♡゚・。♥。・゚♡゚・。♥。
カラスもいろんな種類がいるんですね~
日本で出てきたら、ん?何鳥?って感じですかね。
鳥も前回の桜も、異国を感じられますね~世界は広いです☆.。.:*・
桜の花木すごく綺麗でおしゃれでしたぁ~❀❀
by あげぱん (2014-03-29 21:10)
ご無沙汰しました~
Inatimyさんは異国でも自分のお気に入りを見つけるのが
とっても上手ですね。
アレクサンドル・ネフスキーはロシアに行ったとき何度も
目にした名前です。
なんか懐かしかったです。
しっかり者のスズの兵隊は昔は鉛の兵隊って言ってました。
アンデルセンの物語はなぜか最後がちょっと悲しい終わり方なんですよね。
by miffy (2014-03-29 21:51)
足の向くまま歩きながらのいろんなものとの出会いって楽しいですよね。
ガイドブックや人任せではなくて、自分の感性で楽しいものが見つけられると、ちょっと幸せです。Inatimy さんの見つけ方素敵ですよ。
飽きるなんてことないです。 ^^
3つの金色玉ねぎも、マンホールの蓋も、五稜郭のお城のプレートも、カラスくんもそうですよね。歩くの大好きです。
そして、自分なりに見つけることができると、心の中でうっしっしっ 笑
by moz (2014-03-30 07:11)
楽しすぎて飽きません(*^_^*)
まばゆい玉ねぎ、ゾウさんのマンホールもいいなぁ。
水辺の教会も、素敵ですね。
by hatsu (2014-03-30 07:47)
タマネギは独特ですよねぇ。何か意味があるんでしょうねぇ。
デンマークって確か、国民が幸せに感じている率が世界一の国ですよね?
行っただけで何か幸せになれそうな気がしますね♪
真っ黒以外のカラス、初めてみました!(@@)
by のの (2014-03-30 08:31)
黄金のタマネギの乗った建物の意匠。
見れば見るほど不思議ですが。
迫力ありますね。
by ameya (2014-03-30 14:29)
童話の国らしい可愛らしいマンホールですね。
クラシカルな大砲も魅力的です。
デンマークいいなー。
by luces (2014-03-30 21:29)
ぶらり散歩の旅って、時間の使い方がとっても贅沢ですね♪
私なんてついついガイドブックの観光ポイント制覇したくなっちゃうような旅の仕方していました。最近は疲れるので、本当に見たいとこだけじっくり派になりましたけどね^^;
建物の所々に赤が使われていて可愛いなーと思いました。
大砲でさえ、赤と金だとお洒落で武器とは思えないわ^^
by MOCOMOCO (2014-04-02 13:05)
→皆さま「玉ネギ、マンホールのち砦」のお話にnice!やコメントをありがとうございました。 お返事が遅くなって申し訳ないです。 デンマークの旅からもう3ヶ月あまり経ち、季節も春へ。 陽の光も増えただろうコペンハーゲンはどんなふうなんだろうな。
→ねこの手さま
玉ネギがちらっと見えたのでこれは見に行かないとと磁石のように。 建築物好きなのでレンガ積みですら趣味の手作業に取り込みたくなるほど。 飛行機で本の数時間離れた国なのに、街で見かける鳥が異なるのは面白いですよね〜。
→ハリネズミさま
マンホールも観光に一役買ってるのがすごいですよね。 こんなことならちゃんとアンデルセン読んでおくんだった。 マレーバクのようなツートンカラー、牛でもあるんですよ♩ オランダで何度か見かけました。 きっと好きそう。 ドイツも鳥が多いですよね。 それに街の中でもラウンドアバウトにウサギがいたり。 公園には普通にリスがいるし。 水辺の教会、カッコいいから何枚も撮っちゃって ^^;。
→母ちゃんさま
何気ない街並みもいいって言ってくださってうれしいです。 一日に何カ所も観光ポイントを見ちゃうと、もう脳がついていかなくって(笑)。 散歩の合間に観光がちょうどいい感じとなってます。
→めぎさま
鳥、案外人懐っこい感じで、エサをやってるおじさんのそばで待ってましたよ。 ワーグナーのワルキューレ、楽劇全体はよくはわからないけど、ワルキューレの騎行は有名ですよね。 勇敢な兵士を選んで連れて行くという役割だから勝手に低く渋い声だと思ってたけど、甲高い声だったとは。
→krauseさま
コペンハーゲンでは唯一ここだけのようですよ。 たまたま玉ネギ屋根を見つけたので前を通ったんですが、とてもキレイでした♩
→あげぱんさま
散歩しながらたまに観光ポイントのペースが我が家にはぴったりのようです。 あまり次から次へだと覚えられなくて(笑)。 持ってるガイドブックもずいぶん昔のものだから、載ってなくても楽しめるポイント、案外あったりします ^^。 前の記事の桜も見てくださってありがとうございます。 異国の地で桜が見られるのも、ちゃんと管理してくださってる方々のおかげですね〜。来年もきれいに咲くといいいな。
→miffyさま
ロシアに旅されたからmiffyさんの方がお詳しいですね〜。 アレクサンドル・ネフスキーのこと調べてても、う〜ん難しい、と端折ったのでした。 そうそう、私も鉛の兵隊じゃなかったっけなと思ってたんですよ。 アンデルセン物語って番組の歌にそう登場してたので。 悲しい終わり方のアンデルセン童話、機会があれば読んでみようっと。
→mozさま
日本の本を取り扱う本屋さんがなくなってしまって、ガイドブックも手に入らず。 手元にある古い古いガイドブックだから参考程度にして、適当に散歩しました。 どうしても行きたいところだけチェックして。 古い建築物好きなので、街並だけでも満足です♩ スローな生活テンポなので旅もすっかりのんびり派です^^。
→hatsuさま
飽きたなんて言われず、ヨカッタです。 コパンハーゲンにまで行ってこんなのしか見てないの?なんて思われちゃってるかなぁと心配したりね。 水辺の教会、いろんな角度から撮っちゃいました。
→ののさま
北欧は税金が高いと言われてるから、この旅でも心配でしたが、案外納得な価格でした。 暮らすとまた別なのかもしれませんけどね。 オランダも子供が幸せに感じてる国の上位国なので、何か近いものを感じました♩ カラスも様々な種類がいますね〜。
→ameya さま
黄金の玉ネギ、最初にデザインした人の発想力、すばらしいですよね。 そばに寄って見たくなる魅力も備えてて ^^。
→lucesさま
なにげないところにもこだわりのデザイン。 クラシカルな大砲も、雰囲気抜群で。 ちなみに、オランダのナールデンの要塞博物館の要塞では、大砲を発射するデモンストレーションまであります♩ と、さりげなくアピール ^^。
→MOCOMOCOさま
いくつも回るとどこに行ったかわからなくなるので、どうしても行きたいところに絞って、散歩しながらちょこっと見るタイプの旅が我が家には合ってるようです ^^。 赤はデンマークの国旗にもある色だから、あちこちのアクセントになってるみたいで可愛いですね〜。 ふふ、大砲もおしゃれに見えますよね。
by Inatimy (2014-04-07 19:08)
マンホールの絵が可愛くて!ぼーっとしててらアンデルセンさんの顔踏みつけられちゃうね?ぞうさん好き好き!
ロシア聖教の教会、絵が飾られてるタイプ珍しくない?彫刻とか銅像とかならわかるけど、それがロシア風なのかしらね?
アルバニアの教会が可愛い。先っぽ指先で確かめたいわ。
by カエル (2014-04-11 07:17)
→カエルさま
ここ以外にも、ストロイエのショッピング街にもアンデルセンのマンホールがあるみたいなんだけど、そっちのほうは気づいてない・・・踏んじゃったかも。 教会の外観はそれぞれ異なってて味わい深いよね。 アルバニ教会、白黒でも撮ったけどカッコ良かったよ〜♪
by Inatimy (2014-04-14 07:53)