細やかなデザインを見る [ウィーン 2014 冬]
タイルの貼り間違いは
とても気になる。
左下の方、一見、合ってるようで、向きが違うんだもの。
2014年12月に行ったオーストリア旅のお話。 ウィーンでの5日目の続き。
小路の端っこにあったレストランで空腹を満たし、隣の聖三位一体ギリシア正教会に寄って、
ドナウ運河に架かる橋、ルプレヒト教会、ユダヤ人広場、
フライウング広場のクリスマスマーケット、パッサージュを渡り歩いてきた後。
パッサージュから出てきた前の道を右へと、どんどん進んでいくと・・・
・・・二つの尖塔を持つ教会が見えてくる。 名前は、Votivkirche ヴォティーフ教会。
午前中に行ったシュテファン大聖堂の北塔の上からも見えていた双塔。
この教会は、Kamoさんが来たがっていたところ。
ドナウ運河から教会に行くって言った時、
私はウィーン最古のルプレヒト教会のことを言ってたのだけれど、
Kamoさんはこのヴォティーフ教会だと思ったらしい。
なので、ここを目指しつつ、途中、道草も楽しんできたという訳で。
ネオ・ゴシック様式の建物で、中は、ものすごく天井が高い。 中央奥に主祭壇。
身廊の高い天井部分をズーム。 描かれているのは、天使と聖人が、そしてブドウの木。
ブドウの葉っぱや実、枝や蔓が、聖人を取り囲んでいる。
繊細なタッチの壁の装飾にも惹かれた。 中央の絵の下に書いてあるのは、ラテン語。
<venite ad me omnes qui laboratis et onerati estis>
(すべて重荷を負うて苦労している者は、私のもとへ来なさい。)
そばに書かれてた文字から、マタイによる福音書の11章28節と判明。
そして<et ego reficiam vo.>(あなたがたを休ませてあげよう。)と続く・・・と、後で調べた。
ステンドグラスもキレイなのだけれど、夕方だったので、ちょっと暗め。
でも、青が印象的なステンドグラス。
第二次世界大戦で破壊されたので、今のはそれほど古いものではないんだそうな。
ライトアップされた主祭壇。 尖塔のついたガゼボのような構造で、天蓋付きみたいな祭壇画。
その上部を覆う部分も美しく。 4つの寓話が描かれてるらしい。
青い服をまとった聖母マリアの姿の両側に天使。
キラキラしてると思ったら、これはガラスのモザイク画だった。
インレー(象嵌)っていうのかな。
凝ったデザインの装飾扉が、タイル張りの床に影を落としていた。
床のタイルも、オシャレだな。 3種類のタイルの組み合わせで、こんなのができるなんて。
記事の最初の写真も、この教会の床タイル。
エントランス入ったところあたりの頭上にあった天使の天井画。 カラフル。
この天使は翼が3対6枚。 熾天使(してんし)と呼ばれる、位の最も高い天使らしい。
エントランスの上部。 半円のティンパヌムを、シンプルめなアーキボルト(飾り迫縁)が囲む。
よく見ると、楽器を持った天使がいた。 弾いてるのはハープみたい。
1856〜1879年に建設されたヴォティーフ教会。 今から約140〜160年も前。
旅で訪れた時は、外観が一部修復中で作業幕がかかっていた。 直すの、大変だろうな。
教会を出ると真正面に見えるのが、塔のある建物。
あれは、ウィーン市庁舎。 時計塔の一番高いところに、旗を持った騎士の像がある。
エントランス前で販売していたモミの木、私よりも背が高くて・・・。
ヴォティーフ教会を離れて、ウィーン市庁舎に向かって歩き出した。
そう、まだ歩くのだった^^;。
次の日は、もうオランダに帰る日。
めいっぱい、街歩きを楽しもう。
昔の建築物って、凝った装飾がたっぷりだなぁ。
こういうのを見た後って・・・
家の玄関入ったところに柄入りのテラコッタタイル貼って、
バスルームの床はモザイク画・・・
と、妄想遊び^^。
芸術、全てが美しいですね。
細かなタイルの貼り間違いを見つけられて凄いです。
by ami (2016-01-26 20:45)
「熾天使(してんし)」 初めて知りました
エントランスのアーチも凝った造りで素晴らしいですね。
by マリー (2016-01-26 23:25)
とても緻密な文様に目を奪われます
間違いは見つけると気になってしまいますね
貼りなおしたりしないのかな
by luces (2016-01-27 08:01)
タイルの貼り間違い、どこだろう?って気になってずいぶん探しました^^;。
で、ようやくv。
赤い円の一部が欠けてるところですね♪。
Inatimyさんはホント、細かなところにも気づく観察眼をお持ちですね。
こんなふうに写真で言われればわかるけど、
その空間の中でなら私にはきっと見つけられないなぁ・・・・^^;。
by ハリネズミ (2016-01-27 09:01)
わーー;ホント、向きがなぜか1枚だけ違う・・・・。
職人が飽きてきて遊んでみた・・とか。
疲れてたとか・・急かされてゲシュタルト崩壊したとか・・
なぜそうなったかの背景ついつい考えちゃいますね♪
by momo (2016-01-27 09:14)
手間の十分掛かった装飾が素晴らしいです。
おそらく、納期とかそういうこと言われない仕事だったのでしょうねえ。
ホントに良いものって、そうやってしかできないのかも。
by ナツパパ (2016-01-27 09:54)
随分と昔に作ったものなのに
凄いですよねぇ
どれだけ費用がかかったのか知りたいもんですね
by (。・_・。)2k (2016-01-27 11:01)
熾天使 初めて知りました
見たのもかな、気づかないだけかしら?
こうして説明していただけるのは、本当に嬉しい、感謝 ♪
装飾が凝って素晴らしい、歳月を感じますね
修復しながら、後世につなげていきたいです
by engrid (2016-01-27 17:43)
荘厳な感じの教会ですね。
1歩足を踏み入れただけで心洗われそうです(*´ω`*)
by だいず (2016-01-27 21:38)
一枚目の写真のタイル、どれが違ってるのか
気合入れて探しましたが全然わかりませんでした・・・(T_T)
と思ってたら、急に目に飛び込んできました!!!
ちょっと得した気分です♪
建物自体がもう芸術の塊ですね。
天井も壁も窓も全て、美しい・・・
ツマ。
by kaname (2016-01-28 06:32)
あら、ほんと。気になっちゃいますねえ。
この床のタイル、ずいぶん新しく見えるけど、最近張り替えたものかしら。
19世紀のということは、まあ教会としては新しいですものね。その所為かしら。
いつからそのままなのでしょうね。19世紀からずっとそのまま・・・?
by めぎ (2016-01-28 07:35)
完璧なものにしちゃうと壊れるからとわざと間違えることもありますけど、
これはどうなんでしょうね~
天井の高い身廊、素敵ですね。
じっと見ていると異次元にワープしちゃいそう(笑)
by miffy (2016-01-28 21:28)
こんばんは。
タイルがほんとに美しいですね。こういうの、家のインテリアに使えたらなって思います。
by coco030705 (2016-01-28 22:51)
熾天使(してんし)、知りませんでした。
3対6枚の羽があると、すごい速度で、飛べるのかしら。
by テリー (2016-01-29 15:18)
わ!
間違えてますね~
こういうの見つけるとなんだか得した気分^^
by shino* (2016-01-30 09:07)
→皆さま「細やかなデザインを見る」のお話にnice!やコメントをありがとうございました。2月に入って、道路脇に水仙の花がちらほら・・・なのに、我が家の水仙、まだ土から目を少し出しただけ・・・ヒヤシンスは、いい感じに花開いてきたのに、数日間続いた強風で斜めになってしまいました^^;。ベランダの風景のデザインは思うようには行かず^^;。
→amiさま
教会の中はアートなものがいっぱいありますね^^。さらに宝物館まであるし。タイル、せっかく貼るなら模様が綺麗に見えるようにしたいです・・・。なめらかなラインが途切れてしまいますよねぇ。
→マリーさま
天使にも様々な階級があるようで。絵画でも顔に羽しかない姿で描かれてたり。聖人も手に持ってるものが人によってそれぞれだから、それも何か知るのも面白く^^。
→lucesさま
一部、床のタイルが剥がされてあったりしたので、これから修理したりするのかも・・・向きを変えて貼り直して欲しいですね〜^^;。
→ハリネズミさま
そうなんです、赤い円の一部が欠けてるところ〜。細やかなところにも気づく・・・というわけではなく、普通見てるだろうというところは見えてなかったり^^;。妙なところに気を取られて、足元にある犬の落し物に気がつかないこともあるので、隣を歩いてるKamoさんが腕をひいいて教えてくれることが多々ありますよ・・・。
→momoさま
一枚だけ向きが異なるのはスッキリしないですよねぇ。どうせ貼るならきちんと模様が繋がるように張ってくれればいいものを・・・^^;。気になって、気になって。何年もこのままだったらどうしよう。間違って貼ってあっても大きな影響はないんだろうけれど、イヤだな〜。
→ナツパパさま
昔は、納期よりも完成度だったんでしょうね。特に教会なんかは、ふさわしいものじゃないといけなかっただろうし。立派な教会は、その地の誇りですものね^^。だから、タイルも向きを直して貼り直して欲しいです^^;。
→(。・_・。)2kさま
建築技術がさらに発達した今、同じものを作ろうとしたら、どのくらいの工期で、どれだけの費用がかかるのか、興味ありますよね^^。装飾の像も3Dプリンターで楽々なのかしら。
→engridさま
天使にもいろんな位があるようです^^。顔に羽だけの姿、きっとどこかで目にされてるかも。絵画でも案外多いんですよ。大事に修復しつつ後世に残していきたいものですね^^。
→だいずさま
入った瞬間に、その天井の高さにびっくりでした。大きな空間♪ 幅がそんなに広くないから余計にそう感じますね^^。雑踏を歩いてきたので、教会の中の静けさにホッとしました。
→kanameさまのツマさま
間違い探しのようでしょ^^。合ってそうで違うんですよねぇ、この部分だけ。端の四角い模様を重ねたのは鍋敷きにいいな、と密かに思っていたのでした。教会の中にあるデザインも面白いです♪
→めぎさま
19世紀の教会だから、新しめですよね。20世紀には世界大戦もあったし、その時に損傷してタイルをはえり変えた可能性もあるかな^^。その時からずっと間違ったまま貼られてるのかしら・・・なんて、また気になってきますねぇ・・・。
→miffyさま
わざと間違えるにしても、もう少し目立たないところだったらいいのになぁ^^;。そんなに横幅がないからなのか、天井がすごく高く感じました。扉一つで外の賑やかな街とすごく世界が違いますよね。 すごく静かでした〜。
→coco030705さま
今でも使えそうなモダンなデザインも含まれてて興味津々♪ 家の中の内装に、取り入れたいと思うことしばしばです^^。
→テリーさま
3対6枚の羽、全部を使って飛ぶんじゃないみたいですよ。1対は飛ぶためのものですが、後の2対は頭や体を隠すものなんですって^^。不思議。
→shino*さま
タイル、間違えてるところ、ついつい気になってしまって^^;。赤茶っぽいラインを目で追ってたら、あ!と、なったという次第・・・。貼るタイルは間違ってないのに、惜しいっ。
by Inatimy (2016-02-03 17:32)