駅前ミュージアム [フローニンゲン 2016 春]
ないね・・・
見つからないよね・・・
・・・で、入ったミュージアムなのだった。
"Dans om de vrijheidsboom,
Het oprichten van de vrijheidsboom op de Grote Markt", 1795 の一部分。
「自由の木の周りでの踊り、フローテマルクトでの自由の木の立ち上げ」・・・って感じかな。
描かれているのは、フローニンゲンの広場。 左端あるのが自由の木。
フランス革命軍がオランダに侵攻した後のことらしい。
描いたのは、Johann Ludwig Hauck ヨハン・ルートヴィヒ・ハウク(1759-1797)。
画家については、それ以上、詳しいことは分からなかった。
4月中旬に行ったフローニンゲンの旅話の続き。
列車で到着した後、駅舎を撮り、運河を渡ってすぐにある、
Groninger Museum フローニンゲル・ミュージアムに入った。
何枚もの肖像画や風景画が所狭しと飾られた展示室の隣には、
ガラスのショーケースの中に銀細工がびっしり。 その中で気になったものは・・・
・・・Koffiekan 珈琲ポット。 アカンサスの葉の模様が施されている。
写真では見えづらいけど、ボディーの左下部分に珈琲を出す蛇口部分。
18世紀に珈琲を飲むことが流行。 珈琲ポットは、食卓を飾る一品となったそうな。
そして、Brandewijnkom ブランデーボウル。 ブランデーに漬けたレーズンを入れるもの。
解説プレートによると、祝祭の際にゲストに回されて、皆、スプーンでひと口食べたんだとか。
17世紀後半にフローニンゲンの銀細工師によって作られた銀製品。
両側についた取っ手の先は、ドラゴンの頭になっている。
もし我が家にあったら、カレーを入れてそう。
フローニンゲン生まれの画家 Otto Eerelman オットー・エーレルマン(1839-1926)の
"St.Bernardpup" 「セントバーナードの子犬」1924
馬や犬の緻密なスケッチや絵画で有名になった画家で、
宮廷画家として、のち女王となるウィルへルミナ王女の肖像画も描いていたそうな。
Barend Cornelis Koekkoek バレント・コルネリス・クッククック(1803-1862)
"Winterlandschap" 「冬の風景画」1839
クッククックは、オランダのロマン主義風景画家。
意外なところで出会った。 ここのミュージアムが持ってたんだ。 この絵を見るのは2回目。
前回は2009年夏、アムステルダムの西の街Haarlem ハールレムであった展覧会で。
"Groots en meeslepend Sublieme landschappen uit de Naderlandse romantiek"
「壮大で魅了する オランダのロマン主義からの抜群の風景画」展、と長い名前だった。
オランダの画家 Vincent van Gogh フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)
"Lentetuin, de Pastorietuin te Nuenen in het voorjaar, mei 1884"
「春の庭、春、ヌエネンの牧師館の庭、1884年5月」
ヌエネンは、オランダ南部、アイントホーフェンの近くにある村。
牧師だったゴッホの父親は1882年からその街で仕事していて、ゴッホは、
翌1883年から2年間ほどその地で過ごしたらしい。
絵の中央奥に見えるのが教会で、現在は、Van Goghkerkje という名だそう。
訳すとファン・ゴッホ小教会って感じかな。
フランドル画家 Peter Paul Rubens ピーテル・パウル・ルーベンス(1577-1640)
"Aanbidding der Koningen" 「東方の三博士の礼拝」1609
これは油絵のスケッチ、習作。
本番の作品の大きな絵は、スペインのプラド美術館にある。
英語名タイトルは、"The Adoration of the Magi"。 (サイズは、355.5cm x 493cm)
フローニンゲル・ミュージアムにあるこの習作は、オランダ人美術史家であり収集家だった
Cornelis Hofstede de Groot コルネリス・ホフステーデ・デ・フロート(1863-1930)による遺贈で、
彼が遺贈した中でもっとも重要な作品という位置付けらしい。
De Ploeg デ・プルーフのコーナー。 写真の絵は、Johan Dijkstra ヨハン・ダイクストラ 作。
デ・プルーフは、1918年にフローニンゲンで創設されたアーティスト集団。
デ・プルーフのメンバーだったEkke Abel Kleima エッケ・アベル・クライマ(1899-1958)の
"Hogelandster boerderij" 「ホーヘラントの農家」1939頃
ホーヘラントは、フローニンゲン州の海に面した北部にあるエリア。
同じく、エッケ・アベル・クライマの "Kerkje te Breede"「ブレーデの小教会」1939年頃。
ブレーデも、さっきのホーヘラントにある。
我が家がフローニンゲンに到着した日も、この画家の2枚の絵画のような空だった。
こういう天気、多いんだな。
先駆者だったJan Wiegels ヤン・ヴィーヘルス(1893-1959)の
"Music Hall" 「ミュージック・ホール」1921-50年代
Jan Wiegers ヤン・ヴィーヘルス(1893-1959)は、オランダ表現主義の画家。
健康状態が良くなかったので、1920年、デ・プルーフの仲間から経済支援を受け、
スイスのダヴォスに療養のため滞在していた。
その間にドイツ表現主義画家のキルヒナーと出会い、友人となったのもあり、
デ・プルーフはその影響を強く受けたんだそうな。
これがそのErnst Ludwig Kirchner エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナー(1880-1938)の作品。
"Stilleven met plastieken" ・・・「人物像を伴う静物画」かな? 1912
同じくキルヒナーの"Meisje met kind" 「子供といる少女」1919
・・・と、濃い、強烈な色使い。
あれこれ検索してて、なるほどと思ったのがWikipediaの解説。
表現主義(Expressionism)と印象派(Impressionism)、これらは対極に位置するものらしい。
日本語だと分からなかった。
コーナーの最初で登場した農作業風景の画家 Johan Dijkstra ヨハン・ダイクストラ(1896-1978)の
"Groninger Meikermis" 「フローニンゲンの5月のケルミス」1928頃
ケルミスというのは、移動遊園地みたいなもの。
メリーゴーラウンドや、観覧車、現代だと激しい乗り物のアトラクションがあったりも。
このくらいまでの抑えめな色だと、まだ見やすいかな^^;。
長くなったので、ミュージアムのお話は後半に続く・・。
冒頭、何がなかったのか・・・それは、トイレ。
駅のトイレが修理中か何かで使えなくて、張り紙にあった指示に従って
構内に入ってたスタバの店舗あたりを探したのだけれど見つからず・・・。
それで、すぐ駅前にミュージアムがあるからと、そこへ向かったという。
ミュージアムカールトを持ってるのが役に立った^^。
↑ オランダ国内のミュージアムのほとんどに入れる年間パスポート的存在。
子犬の絵がかわいいです
今なら愛犬家に大人気になるでしょう
by luces (2016-05-03 23:07)
移動遊園地、子供たちはどんなにか楽しみにしていたことでしょうね
ネジを巻いて演奏する移動オルゴールみたいなのも楽しそうですよね
大道芸人とか・・・♪
by mitu (2016-05-04 08:17)
海外に行くとトイレ、本当に困っちゃいます^^;。
ふだんはけっこう水分を摂るほうだけど、極力控えめに。
セントバーナード犬、額の丸い模様がなんとも愛らしいですね。
ピカピカでまばゆいほどの銀製品。お手入れ、タイヘンそう!
by ハリネズミ (2016-05-04 08:59)
銀食器が素晴らしいです。
ブランデー漬けレーズンが贅沢品だったのだと解ります。
現代は洋菓子やパンに使われますが、スプーン一杯でも酔いそう。
by ami (2016-05-04 11:44)
銀製品の こまかーい細工
凄いですね。
さぞかし 優雅なティータイムだったのだろな…。
by だいず (2016-05-04 12:48)
勉強になります
画なんて特に(^^)
by (。・_・。)2k (2016-05-04 12:50)
わたしでも知っている画家さんのお名前がたくさん。
その皆さんの絵を見られるなんて...良いなあ。
美術館を巡るとき、人が多いと閉口するたちなので、
...あ、皆さんそうですよね...
ゆっくりと見られる美術館大好き!
by ナツパパ (2016-05-04 15:32)
銀食器、憧れます~!美しい~!
でもすぐくすんで行くのだろうなぁー。
誰か手入れしてくれたらなぁー(笑)
お手洗いが見付からないのは大変でしたね。
まさか年間パスポート的存在がそこで役立つとは・・・(^_^)
ツマ。
by 竹口要 (2016-05-04 18:16)
画の良し悪しが良くわからないのですが、銀食器は見事ですね。
これって、使ってたんですよね?飾りじゃなくて。
なんて豪華なんだろー!
あ。やっぱりカレーですよね(^^;
by けん (2016-05-04 21:05)
そろそろまた移動遊園地の季節ですね。
今でも大人気なのだから、イベントの少なかった昔は大盛況だったんでしょうねえ。
レーズンを食べるのは、聖餐の儀式を思わせますね。ブランデー漬けで、美味しそう♪
by めぎ (2016-05-05 04:23)
ミュージアムが目的かと思ったらトイレ探しだったんですね(笑)
知らない土地でのトイレ探しって大変ですよね。
コーヒーポットにアカンサス模様、オシャレですね~
印象派の絵は淡い色使い、表現主義の絵はハッキリクッキリした色使いと
私の中では大雑把に分けてます^^;
by miffy (2016-05-05 17:00)
銀製品、すばらしいですね
憧れがあるのです、、でもスプーンとフォークぐらいしかね、、
by engrid (2016-05-06 20:12)
→皆さま「駅前ミュージアム」のお話にnice!やコメントをありがとうございました。時間があったら行ってみようかと思ってたところだったので、着いていきなり観ることになるとは^^;。お昼時で空腹だったのもあり、軽く流す程度に楽しみました。
→lucesさま
セントバーナードの子犬の絵、可愛いですよね〜。毛並みの柔らかそうな感じ、藁のフワフワ感がなんとも言えない魅力でした^^。
→mituさま
今の時代のようにTVもラジオもネットも普及してない頃だから、子供達にとっても大人にとっても楽しみだったでしょうね〜^^。今でも春と秋に移動遊園地が来ます。スリルのあるアトラクションが多いので私は見てるだけですが^^;。
→ハリネズミさま
トイレ、困りますよねぇ・・・出入り口のお皿にトイレ銭を置くのが必要だったりするところもあるし、扉に小銭いれて回すとトイレに入れる仕組みもあったり・・・。幸い、ミュージアムのはフリーでした^^。銀製品、お手入れが大変ですよね・・・磨かないといけないし。我が家は楽ちんなIKEA製品^^。
→amiさま
ブランデー漬けのレーズン、リッチですよね〜^^。ラム酒漬けでも美味しいけど。パウンドケーキに入ってるのとか、好きです♪ アイスにかけるのも。確かに、スプーン一杯でも酔いが回りそう・・・。
→だいずさま
いろんな銀製品が所狭しと陳列されてました^^。使った後のお手入れも大変だったことでしょうねぇ。優雅だけど、自分で手入れするのはねぇ・・・と庶民的なことを考えつつ、ガラスの向こうを眺めていたのでした^^;。
→(。・_・。)2kさま
私も気になる絵だけ撮って、後で調べて、なるほど〜と感心してる程度なもので^^;。ブログはメモ代わりです♪
→ナツパパさま
1時間列車のデッキで立ちっぱなしで空腹でもあり結構駆け足気味に見学したんですが、それでも気に入った絵は見たいだけ眺められました^^。空いてる美術館、いいですよね。
→竹口要さまのツマさま
私も銀のスプーンを持っていたんですが、すぐにくすんで行きました^^;。年間パスポート的存在、ありがたいです。オランダは九州サイズだけど1000以上のミュージアムがあるんですよ♪
→けんさま
私も絵の良し悪しはさっぱり・・・。でも気に入った絵、気になる絵だけは撮ってます^^。フラッシュ無しだと撮影OKなミュージアムが多いのがありがたいです。実際に使われてた銀食器類、ゴージャスですよね。ソース入れの注ぎ口のデザインじゃないけど、カレー、いれたくなりますよね^^。賛同してもらって嬉しいです♪
→めぎさま
そうそう、来てましたよ、移動遊園地♪ 観覧車ならまだいいんですが、激しいアトラクション物が多くって、見るだけでもスリルあり^^;。一口ずつ食べて回したブランデー漬けレーズン、きっと高価なものだったんでしょうね〜。ラム酒漬けもいいけどブランデー漬けもいいな。アイスにかけるように、作っておこうかなぁ^^。
→miffyさま
そうなんですよ、トイレが第一目的で^^;。旅の行きたいところ、見たいところの候補の中で割と下のランクだったんですが、着いて早々、見学でした。いろいろおもしろいものがいろいろあって楽ましたよ♪ 美術にはいろんな派や主義がありますよね・・・いまいち私、ピンとこなくって。微妙な位置の画家もたくさんいるし・・・。
→engridさま
銀のスプーン、持ってましたが、すぐにくすんでしまいました^^;。お手入れは大変ですよねぇ。銅鍋も憧れるんですが、私には向いてないかも・・・と、ステンレス製。でもそれでも大変ですね、丁寧に使うのは^^;。
by Inatimy (2016-05-09 20:21)