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運河に向かって扉を開けて [街並み]

数日前、車窓からふと気になった。

・・・この風景、いいなぁ。

それが始まり。

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5月初旬、Westerkerk 西教会からPrinsengracht プリンセン運河沿いをに歩いた日のこと。
 ※ その時の話は、こちら

まだ、話してないことがある。

実は、オレンジ色の観光船が通っていたLekkeresluis レッケレスラウスの橋の運河の十字路から、
さらに寄り道していたのだ。

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十字路から西へと運河を進むと、そこに建ち並ぶのは昔のPakhuis パクハウス。 いわゆる倉庫

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船から荷揚げされたり、船へ荷下ろししたり、それが日常の風景だったエリア。

両側へと開け放たれた大小の木扉が、とても印象的だった。

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十字路から一つ目の跳ね橋の上で。 奥に見えるのが、十字路の方。

運河の両岸には、ハウスボートが係留されている。 日光浴しつつ、新聞を広げて読む人も。

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ハウスボートに鉢植えやプランターをたくさん並べてガーデニングまで堪能していたり。

昔に倉庫だった建物は、運河北岸、南に向かってずらりと並んで建っている。 
今歩いてる南岸には倉庫は建っていない。 交通上の理由か何かなのかしら。

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ここの通りは、Brouwersgracht ブラウワースフラハト。 直訳は、醸造者運河

16〜17世紀、この界隈にはビール醸造所が多かったみたいで、そこから名付けられたそう。

ちなみに、この建物は元・燃料屋さん。
1729の年号の入ったgevelsteen へーフェルステーン(家の目印プレート)は、穀物測定役人。 
正しい取引が行われてるかの監視係みたいなものらしい。

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二つ目の跳ね橋に来たところで、北岸に渡った。

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建物正面には、大きな窓と小さな窓。 

おでこのあたりには、フックのあるバーが出っ張っている。
オランダ語では、Hijsbalk ハイスバルクというらしい。

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あの出っ張りのフック滑車をひっかけて、ロープを設置して垂らし、荷物の上げ下ろしに使うのだ。

そして、搬入・搬出は、あの大きな窓から。

倉庫の建物だけなく、フック付きのバーは昔の普通の住居にも付いていて、
引っ越しの時や、家具を買って運び入れる時など使われている。 階段、すごく狭いもの。

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元・倉庫だった建物の多くは、現在、住居として使われている。

中もカッコイイだろうな・・・なんて想像したり。

でもね、倉庫だった建物のほとんどが、普通の住居より天井が低いのだ。
住居用建物4階分が、倉庫だと5階分になってたりする。 

安全に積み上げられる高さにも限りがあるし、
狭い土地にたくさんの物品を保存するためには床面積を増やさないといけなかったんだろうな。

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ペイントされた煉瓦の建物。 青い雨樋、窓枠がいいアクセント。

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ここの家の目印プレートは、De Blauwe Burcht 青い城砦。 

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白、深緑、葡萄色の木扉の続く通りは圧巻。 

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アーチ型じゃない四角いタイプの扉も、また素敵なのだった。

ちょうど花の見頃だったが壁を伝って、それもまた美しく。
6月になった今は、もっと街路樹の緑が茂って濃くなってるかも。


観光ポイントからは少し離れているけれど、
アムステルダムには、こんな通りもあるということで^^。

異国の建物は、デザインが新鮮だよね。

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竹口要

ご無沙汰しておりましたのに、一番ノリノリノリカで恐縮です♪
(日本ではあれやこれやがあり「ノリノリノリカ」が3~4月頃、また流行ってました(笑))
何ですかこの建物、めちゃくちゃ惹かれますっ!!
そしてフック付きのバー・・・なるほど~。
木扉も何て可愛いのでしょう。
アムステルダム。
次はここに住むしかないな♪
ツマ。
by 竹口要 (2016-06-07 20:21) 

めぎ

船のおうち、欲しくなりますねえ・・・
その船で移動もできちゃうのかな。
おうちのまま休暇へ移動、なんてこともできちゃったりして。
綺麗な青空と綺麗な光、気持ちのいい写真が撮れましたね。
by めぎ (2016-06-08 03:11) 

ハリネズミ

ずら~っと並んだヴォレーの数々、すてきですね~^^。
ちゃんと機能してるのがいいなぁ。
最近、ちょっとかわいい系の日本のお家は「なんちゃってヴォレー」付きのも
多いですけど、あくまで飾りで開閉はできないことがが多いです。
思うに建物の外壁の厚さによる限界じゃないかと・・・・。
外壁に伝う藤は憧れで藤を植えてみたこともありましたけど、
とあるブロガーさんに外壁への負担を考えると構造確認が必要とうかがい、
2年めに抜いてしまったのでした。でもやっぱりいいなぁ♪。
by ハリネズミ (2016-06-08 08:06) 

engrid

開け放たれた、木の扉
見上げてしまいますね、ずらり壮観な眺め
ハウスボート、、新聞読んで日常があってガーデニングとか
青空のもと、気持ちいいでしょうね、、ゆれるのかな?
by engrid (2016-06-08 08:34) 

ナツパパ

こういう建物をリノベーションして住むのは素敵です。
ただ、それにはそれなりの苦労もあるのですね。
なにが大切かは、それぞれの価値観なのでしょうね。
低い天井は落ち着くけれどなあ...などと個人的には思います。
by ナツパパ (2016-06-08 09:13) 

ぴーすけ君

町並み、かわいい~なぁ~♪
こういうところ 歩きたい(*´∀`*)
by ぴーすけ君 (2016-06-08 12:24) 

アールグレイ

美しい家々のお写真。
窓の両扉が、おしゃれで色の統一感もあっていいですね。
散策も、気分が上がりそう^^
by アールグレイ (2016-06-08 18:14) 

luces

倉庫がかわいらしく生まれ変わっていますね
住んでみたいです。
by luces (2016-06-08 21:26) 

miffy

ずらーっと並んだパクハウス可愛い♪
パッと見は同じように見えるけど、よく見ると少しずつ違ってるんですね。
天井が低くてもこんなオシャレな建物なら住んでみたいな~
窓が大きくて気持ちが良いでしょうね。
by miffy (2016-06-08 21:49) 

moz

可愛い素敵な街並み風景ですね。
とてもオランダらしい? 運河とカラフルな建物、ハウスボートetc etc ・・・。パクハウス、のこぎりの歯みたいな形。
今は住居なんですね。少し天井は低いのかもしれませんが、日本人にはちょうどいいのかなぁ~(笑)
おしゃれな家になりますね ^^
by moz (2016-06-09 09:48) 

shino*

窓の扉
なんだか愛嬌があって可愛いな
赤の色が絶妙です
by shino* (2016-06-09 21:07) 

MIKUKO.

あ~ 荷物の上げ下ろしするやつ、知ってる知ってる~^^
日本の住宅事情と全然違うし、建物の密集具合も凄いもんね。
そして色の使い方が日本には無い感覚。
何を見てもどれを見てもやっぱり「異国」って感じ~♪
by MIKUKO. (2016-06-09 22:09) 

akko

運河のある風景っていいなぁ^^
見てるだけで癒されます♪
階段が狭いとか、日本の住宅事情と少し似てるのかな。
中がどんなふうなのか見てみたいなぁ^^
by akko (2016-06-10 11:17) 

けん

気持ちの良い青空ですね(^^
観光ポイントから離れているからこそ日常が垣間見られるから。
いーんダナ♪

by けん (2016-06-12 15:17) 

Inatimy

→皆さま「運河に向かって扉を開けて」のお話にnice!やコメントをありがとうございました。この青空が懐かしいような気がするほど、ここのところ曇天。そして雨。予報が外れることもしばしば・・・雨が降るって言ったから水遣りしなかったのになぁ、と水をあげたら雨が降ったり^^;。今日は最高気温が17℃。またちょっぴり肌寒くなった。
あ、そうそう、旧倉庫の建物、間口が狭くて小さく見えますが、奥までずーっと細長く建ってます^^。

→竹口要さまのツマさま
多忙な日々の中、お元気そうで何よりです^^。「ノリノリノリカ」・・・不思議な言葉が流行ってるんですねぇ。旧倉庫の建物に引っ越された際には、ぜひご連絡ください。お祝い持って駆けつけます。欧州進出拠点は、アムステルダムで決まりですね〜♪

→めぎさま
住んでる家のまま、バカンスに出かけるの、便利そう♪ 留守宅の心配も不要だし。船で丸ごと引っ越しも楽チンでいいだろうな〜^^。この日、いや、5月の前半は珍しくすっきり晴れて、まっすぐ帰るのがもったいなくて。滅多にないですものね。今日は、雨・・・しかも寒い。

→ハリネズミさま
そうか<ヴォレー>っていうんですね、これはかっこいい呼び名。いっつもなんだっけ、あれ、って調べたはずなのに出てこなくって、適当に木扉だの窓扉だの呼んでました^^;。日本の建物はだいたいが壁が薄いですよね。気候や風土、生活様式に合わせた建築の流れでそうなったのかもしれないけれど、オランダの家の分厚い壁は冬は暖かいし、夏も熱が伝わらなくていい感じ。藤につるバラ、外壁に這わせたいものはいろいろあるのに、建物の構造もそれなりに工夫がいるんですねぇ^^;。

→engridさま
幅の狭い運河だから、多少風が吹いたりしたくらいではそんなに揺れないでしょうけれど、地面に建ってる家よりは波を感じるんでしょうね〜^^。ちゃんと郵便受けも設置されてるのもありましたよ。

→ナツパパさま
住宅の数が少なくて、船まで住むところにしてしまうオランダだから、使わなくなった倉庫は住居になるのが自然な流れだったのかも。大柄なオランダ国民には天井が低いのは大変だけど、日本人、しかも床に座る生活だと気にならないと思います^^。

→ぴーすけ君さま
幅の狭い家がずらりと並んで建ってるところ、統一感もあり、可愛いです♪ ただただ、ぶらりと散歩するにはうってつけ^^。

→アールグレイさま
それでなくても街の中心には様々なデザインの愛らしい家が並んでるのに、さらに少し離れると窓の両側に木扉がある旧倉庫街まで楽しめるという、散歩が楽しいアムステルダムです^^。色が落ち着いてるのもいいですよね。

→lucesさま
いいですよね、建物ごとに扉の色まで揃ってて。旧倉庫、外観、かっこいいです♪ いっぱい撮ってしまいました。

→miffyさま
似てるようで少し違う、っていうのもオシャレなポイント♪ 大きな窓だけに木扉がついてるのもあれば、小さな窓にまでついてる建物も。南向きだから、部屋の中まで明るいでしょうね〜^^。

→momさま
いい街並みでしょう?旧倉庫外の建物♪ 間口が狭い上に切妻屋根だから、空との境がギザギザ^^。オランダの住居にしては天井が低くても、日本人だと気にならない高さかもしれませんね、畳に座って暮らす様式だとなおさら。かっこいいですよね、外観♪

→shino*さま
窓に扉があるのって、いいなぁって思います^^。冬の夜は閉めると寒さが防げる気がするし・・・って、日本の雨戸みたいですね〜。木扉の色、シブくてカコイイのでした。モノクロにして赤だけ残してモノクロで撮ってもヨカッタかも♪

→MIKUKO.さま
別の場所ですが、荷物の上げ下ろしの現場に何度か通りかかった事も。撮ってたら、上からおじさんが手を振ってくれたりして^^。その地、その地で建物の特徴も違ってきますね〜。引っ越し多いから大変だけど、こんな文化の違いを楽しんでます♪

→akkoさま
階段、狭くて急ですよ〜。しかも微妙に歪んでたり^^;。でも、日本だと路地を作って奥の敷地まで建物を建てようとするけれど、オランダは裏庭あるところが多いです^^。

→けんさま
現地の人がどんな風に暮らしているのか、気になりますよね^^。こんな晴れた日、オランダ人は庭やベランダ、バルコニーへ出て、水着で日光浴してる人が多いです。最初はびっくりでしたが、今はだいぶ慣れました。あ・・・でも自分自身では真似っこできません^^;。
by Inatimy (2016-06-14 19:56) 

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