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schoolの意味 [ミュージアム]

スクールじゃなく、スホール

オランダ語って、発音が難しいけど面白い。

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5月中旬、Stedelijk Museum Amsterdam アムステルダム市立ミュージアムに出かけた日の続き。

前篇からすっかり間が空いてしまったけど、やっと後篇
 ↑ クリックすると、その時の記事へ。

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おやつを食べに寄った館内のカフェ

地上階(日本でいう1階)にレストランがあるのは知っていたけど、上の階にカフェがあったとは。

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私はカプチーノ(クッキーも付いてる)に、ポピーシードの入ったレモンのマフィン

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一方、Kamoさんは、マンゴスムージーに、Tatsuta Chicken 鶏肉の竜田揚げ。 チリソース付き。

なぜか、アムステルダム市立ミュージアムカフェ竜田揚げがあるのだった。

こんなおやつの時間を楽しみながら話をしていたのは、さっきまで見てた展覧会のこと。

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栗まんじゅうみたいな置き時計が特に良かった。

このミュージアムに来ていたのは、
"Wonen in de Amsterdamse School"を見るため。
英語だと、"Living in the Amsterdam School"

直訳すると、アムステルダムの学校での暮らし・・・ではなく、アムステルダム派での暮らし
schoolには「学派、派」という意味もあったのだ。

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この企画展では、アムステルダム派1910-1930年のインテリアのためのデザインが見られる。

アムステルダム派は、建築やデザインの分野でのオランダ独自の、表現主義スタイル
アール・ヌーボーの後に起こって、アール・デコに相関しているらしい。

アムステルダムの街を歩いてると、昔のちょいとモダンでおしゃれな建物や、彫刻のついた橋を目にする。
建築以外にも、家具、時計、ランプ、焼き物、装飾品、テキスタイル、グラフィックデザイン
アムステルダム派は幅広いのだそう。

 ※ アムステルダム派建物がチラッとある記事は、こちら

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Michel de Klerk ミシェル・デ・クレーク(1884-1923)の顔写真と作品。

アムステルダム派の中心人物の一人。 オランダ建築家でもあり、家具もデザインした人。

14歳でドラフトマン(図面を引く仕事のよう)として、
Eduard Cuypers エドゥアルト・カウパース(1859-1927)の建築事務所で働きだしたんだそう。

 ちなみにエドゥアルト・カウパースは、
 アムステルダム国立ミュージアムアムステルダム中央駅デ・ハール城などを設計した
 Pierre Cuypers ピエール・カウパース(1827-1921)のにあたる。

8年後には、コンペのためにデザインをし始め、
さらにはスカンジナビアに研究の旅に出て、それが作品にも影響してるんだとか。

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Pieter Lodewijk Kramer ピーター・ローデヴァイク・クラーマー(1881-1961)の作品。
"Dressoir" サイドボード、1920年頃

そばにあった解説によると、伝統的な日本建築影響が見てとれる、とあった。
特に上面の、上向きにカーブしてる先端がそうらしい。

その発想もとは、神社やお寺の反り屋根かなぁ。
全体的な形としては、横長のフクロウっぽく見えるけど。

この方もオランダ建築家で、アムステルダム派の中心人物。
先のミシェル・デ・クレークと同じく、エドゥアルト・カウパースの建築事務所で働いていた。

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シブく、オシャレな家具が並ぶ。 大胆な模様の壁。

展示された部屋の壁の模様も、おそらく壁紙用のデザインであろうもの拡大して使ってある。
Lambertus Zwiers ランベルトゥス・ズウィアース(1871-1953)の1917年頃のデザイン。
建築家、装飾芸術家、デザイナー。

父親も建築家だったようで、その元で修行。
1895〜1899年の間、インドネシアジャワ島に住み、仕事してたよう。

1915年から壁紙、ファブリック、カーペットなどのデザインを始め、
モチーフはインドネシア植物動物などから発想を得たらしい。

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ここでの、お気に入りはこの椅子。 オランダの建築家 C.J.Blaauw C.J.ブラーウ(1885-1947)作。

"Vergaderstoel" 会議椅子、1918-1919。
生地の手触りも良さそう。 こんな椅子に座って会議してたら、心地よすぎて眠くなりそうだ・・・。

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オランダの建築家 Joseph Crouwel ヨーセフ・クラウウェル(1885-1962) の作品。

"Slaapkamerameublement" ベッドルーム家具一式、1918年頃。

父親が家具職人だったそうな。

ヨーセフ・クラウウェルの手がけた代表的な建築物は、ユトレヒト中央郵便局
天井の高いホールの放射線状のアーチが美しいらしい。

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グラフィックデザインもキレイだな。 カッコイイし。 左のはリトグラフで、1921年のポスター。

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このコーナーのお気に入りは、サボテン本の表紙。 

Jo Daemen ジョー・ダーメン(1891-1944)の作品、"Cactussen", 1927。
本名は、Johanna Maria Hendrika Daemen ヨハンナ・マリア・ヘンドリカ・ダーメン
オランダのグラフィックデザイナー、イラストレーター。 女性も活躍。

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なんとなく水屋箪笥ちゃぶ台

ちゃぶ台っぽいの方は、Harry Dreesen ハリー・ドレーセン(1884-1948) の作品で
"Salon Table" サロン・テーブル, 1925頃。 マホガニーと黒檀で作られてるそうな。

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先に登場したサイドボードの製作者、ピーター・ローデヴァイク・クラーマーの作品。

"Twee Wandlanpen" 2つの壁面ランプ,  1924-1926 。 2個展示されてた。
昔、デン・ハーグにあるデパートBijenkorf バイエンコルフの中央ホールに設置されていたらしい。

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おや、藤娘を思わせる色合いにデザイン。

J. van Zeeland J.ファン・ゼーラント(生没年不明)の作品、"Parapulbak" 傘立て

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こっちは、ミシュランマンみたいだ。

Willem Rozendaal ウィレム・ローゼンダール(1899-1971)
"Koffie- en theeserviece Serail" 珈琲&ティーセット セーライ、1925年頃。

の他に、黄色バージョンもあるみたい。

手元の辞書によると、Serail セーライトルコ君主の(後宮付き)宮殿[王宮]、後宮

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オレンジ色が印象的だったJaap Gidding ヤープ・ヒディング(1887-1955)の作品。 

花瓶2つと、インテリアファブリック、またはカーテン生地

左上のだけは、Willem van Norden ヴィレム・ファン・ノーデン(1883-1978)の作品で、
Vase model 201  花瓶モデル201

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Willem Bogtman ウィレム・ボフトゥマン(1882-1955)のステンドグラス。 1913年。

Stoomzagerij ストームザーヘライは、蒸気式製材所

調べていたら、以前もこのガラス作家の作品を見ていたことに気づいた。
Leiden ライデンPieterskerk ピータース教会ステンドグラス。 ← クリックでその時の記事へ。

その時は、話が長くなるからと制作者については端折ったんだった・・・。

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ボフトゥマンの他の作品のを一部撮り。 があまりにも可愛かったので。

何のか、いつも気になる。 
フランスでものモチーフはよく見かけた。 しかも、ホウボウみたいな魚。
Pont Alexandre III アレクサンドル3世橋でもね。

このステンドグラスにあるのもホウボウなのかな。

ボフトゥマンは、ランプも作っていて・・・

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・・・一番左のがそう。 1920年頃。 中央右寄りの3段ケーキを逆さにしたようなのも。 1918年頃。

中央の帽子みたいな形のは、De Nieuwe Honsel デ・ニーウェ・ホンセルので、1926年頃。
ステンドグラスのランプや窓を作っていたガラス工房

右端のは、Frits Woltjes フリッツ・ヴォルチェス(1903-1934)。
この方も上記のガラス工房にデザイナーとして働いていた。

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Joan Collette ヨアン・コレッテ(1889-1958)のリトグラフ。

"Omslag Programaboekje Stadsschouwburg Amsterdam", 1922年。
アムステルダム市立劇場のプログラム冊子の表紙・背表紙

1907年〜1970年代までアムステルダムにあった家具会社 't Woonhuys宣伝広告付き。

ヨアン・コレッテは、画家Jan Toorop ヤン・トーロップ(1858-1928)の元で学んだいたらしい。

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アムステルダム市立ミュージアム、なかなか面白い展覧会をするので、注目。

お隣がゴッホ美術館だから、存在が薄くなってしまいがちだけどね。

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それら2つのミュージアムが面している広場、ミュージアムプレインから。

左に音楽ホールのConcertgebouw コンセルトヘバウ、それから青と白のトラム
右に今回の展覧会の宣伝ポスター。

ちなみに、芝生の斜面はスーパーの建物だったりする。

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買ったもの。 しおりガイド図録(重いから、買おうかどうしようか迷ったけど、Kamoさんが持ってくれた。)


"Wonen in de Amsterdamse School" ← ヴォーネン・イン・デ・アムステルダムス・スホール
この展覧会は、8月28日まで開催。


・・・発音って苦手だ。 

最近、気になった英単語の発音は、father(父)と further(さらに)、
そして ear(耳)と year(年)。


似てるけど違うんだね・・・。
パッとその単語聞いただけでは分からない^^;。

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コメント 13

coco030705

こんばんは。
上の時計、本当に栗まんじゅうみたいで美味しそうです。(^^)
色々素敵なものがいっぱいですね。ボフトゥマンのお魚のステンドグラスが可愛くていいデザインだと思います。
by coco030705 (2016-07-15 22:45) 

engrid

水屋とちゃぶ台に、早々って相槌うちました
日本建築の影響、というかお盆を連想、、繰り抜き盆ね
サボテンの表紙、素敵
いろいろデザインを見るのって楽しいです
ランプ、どれもすばらしいわ 美しい灯りね
by engrid (2016-07-15 23:55) 

(。・_・。)2k

竜田揚げ気になります
味は日本と同じなんですか?

by (。・_・。)2k (2016-07-16 00:19) 

めぎ

素敵な雰囲気のカフェに、竜田揚げ!
日本風のお味なのかしら~?
蒸気式製材所のステンドグラス、カッコイイな~
あら、ミシュランマン、緑色でお洒落して♪
by めぎ (2016-07-16 05:13) 

ハリネズミ

栗饅頭似の時計、文字盤の数字の書体もなんだかおいしそうw。
読み進めて魚と判明したステンドグラスの図柄、
絵心のない私はパッと見でモグラかスカンクに見えてしまった^^;。
サボテンの本の装丁、とってもすてきですね♪。
by ハリネズミ (2016-07-16 08:35) 

akko

小さい網かごに入ってる唐揚げがかわいい♪
なぜかこれ好きだな(笑)
ランプがきれいですね^^
これだけで部屋の雰囲気がガラッと変わりそう。
栗饅頭みたいな時計、いい味ですね♪
by akko (2016-07-16 08:58) 

mitu

竜田揚げの籠はステンレス製?そのまま揚げてテーブルに出せるデザインなのかな?便利そうですね
「栗饅頭」という懐かしいような単語、おもわず笑っちゃいました^^
by mitu (2016-07-16 14:29) 

テリー

しゃれた家具、内装ですね。
by テリー (2016-07-16 17:21) 

luces

家具もランプも存在感があります。
座りやすそうな椅子がひとつ欲しいです。
by luces (2016-07-17 07:41) 

shino*

カフェで竜田揚げ面白い~
でもオシャレですね
味はどんなだろう?
by shino* (2016-07-17 18:47) 

Inatimy

→皆さま「schoolの意味」のお話にnice!やコメントをありがとうございました。アムステルダム派、気になってたので知るきっかけができてよかったです。建築物は街の中でも見かけるけれど、内装や家具はそうないので、興味津々。買った図録もチビチビと気になるところから拾い読み^^;。

→coco030705さま
時計もかなりの数が展示されていたんですが、その中でもこれが一番^^。とっても馴染みやすい栗饅頭ぽい見た目。ステンドグラスの小さなほんの一部に魚が使われてて、蛸の足みたいな装飾もあったんですよ。

→engridさま
ですよね、水屋とちゃぶ台。同じ意見、嬉しいです^^。日本建築の影響を受けたサイドボードの作者、クラーマーさん、家でも着物愛用してたらしいです♪ デザイン、今見ると古いのに新鮮ですよね〜。

→(。・_・。)2kさま
目の付け所がいいですね〜^^。竜田揚げ、私もKamoさんから分けてもらって一つ味見しましたが、日本と同じ味でした♪ おいしかったな〜。チリソースつけても案外いけるかも。

→めぎさま
竜田揚げ、日本の味でしたよ、KFCとは全然違う、和風♪ 蒸気式製材所のステンドグラスの隣に風車のステンドグラスもあり、並んでるとますます魅力アップでした^^。緑の輪っかの重なり、ミシュランマンですよね〜。後で見たら、さらに真っ白のもあるんですって。それだとまさにミシュランマン♪

→ハリネズミさま
栗饅頭っぽい時計、これ、いいですよね^^。作った人が日本の栗饅頭を見たら、びっくりするだろうな、あまりの激似に。ステンドグラスの魚、私もヒレみたいなのがあるのに気づいて、それが分かったという^^;。ちょっぴりあひる口っぽいですよね〜。サボテンのほんの装丁、これ、本屋さんに会ったら絶対買ってるかも♪

→akkoさま
網かご、オランダ、結構使ってますね^^。以前、別の街のカフェで、これにポテトフライが入ってるのを見かけましたよ〜。盛り付けにインパクトありますよね。ランプも吊り下げてある他に、下にそのデザイン画もあったりして、平面から立体になってるのがすごく面白かったです♪ 栗饅頭時計も、いい味です^^。

→mituさま
下に引いてある紙ナプキンに油がしみてないのを見ると、他ので揚げてから、この網かごに盛り付けたみたいですね〜。こういう盛り付け、楽しいですよね^^。私も「栗饅頭」って言葉、ずいぶん久しぶりに使いました。好きだったんですよ、栗饅頭♪ あぁ、食べたいっ。

→テリーさま
おしゃれな家具にランプ、とっても懐かしいような、それでいて新鮮なデザインでした♪

→lucesさま
もらえるとしたら、栗饅頭の時計か、会議椅子か、って思ってました^^。他のは大きすぎて我が家には置けない・・・^^;。

→shino*さま
竜田揚げ、意外なところに意外なメニュー^^。盛り付けもオシャレなスタイルで。味は、日本と同じ、まさに竜田揚げの風味でしたよ。美味しくて、懐かしく♪  チリソース付けるのもアリかなと意外な美味しさも発見。
by Inatimy (2016-07-18 17:13) 

miffy

竜田揚げとマンゴースムージーって合うのかな?
サイドボード、いい感じですね~
会議椅子も良いけど、その隣にある紫の椅子も気になるな~
オシャレなランプ、どれも素敵ですね。
by miffy (2016-07-21 20:31) 

Inatimy

→miffyさま
どうなんでしょ、竜田揚げとマンゴスムージー。竜田揚げにチリソースもついていたし、南国風でいいのかも^^。ビロードの椅子、いい感じすよね。紫のもシブい。ランプも、デザイン画と一緒に展示されてたり、鬼みたいなモチーフだったり、面白かったです♪
by Inatimy (2016-07-22 18:43) 

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