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船と道具と建物と [ロッテルダム 2018 春]

ピンク小花
足元を飾る植物。

・・・傷つけてしまいそうで、ロープが外せないよね。

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4月中旬、Rotterdam ロッテルダムに旅したお話の続き。
Markthal マルクトハルでお昼を食べた後、チェックインまでまだ少し時間があったので、遠回り。

白い蓋を置いたようなものは、係船柱。 船を係留するためのロープを繋ぎとめておくもの。
様々な形があるので、旅先で見かけると、撮っておく、私のコレクションの一つ。

ちなみに、咲いてるピンクの花はフウロソウの一種で、Geranium molle ゲラニウム・モレ
日本語ではヤワゲフウロ(柔毛風露)。

オランダ語では、Zachte ooievaarsbek ザハテ・オーイエファールスベク
意味は、柔らかいフウロソウ

ちなみにフウロソウを指すOoievaarsbek オーイエファールスベクの直訳は、
シュバシコウのくちばし。  ※ シュバシコウはクチバシの赤いコウノトリ


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大きな橋を渡って近くまで来たのは、Wijnhaven ヴァインハーフェンワイン港)の東の端。

手前の、水に浮いた逆V字型のような鉄のプレートは、なんて言うんだろうね。
船の形に合わせて作ってあって、人が乗って、船の周りで作業できるようになってるみたい。


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岸には錆び付いた機械が。 今はもう使われてない感じ。 これって電動ウィンチかな。


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次の曲がり角には小さな煉瓦造りの建物が。 カーブがいい感じ。

壁のプレートは、赤・青・黄色の三色だ。 
BK(Brand kraan ブラントクラーン)消火栓水道管の止水栓黄色ガスの位置。

例えば消火栓(地下式)は、後ろに25.7m下がって、9mの所にある。・・・と、マニアックな話題。


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窓から煉瓦造りの建物の中を覗いたところ。 壁はタイル貼りだ。 操作パネルみたいなのがあった。 
これは跳ね橋の開閉をする管理小屋。 今でも使われているのかな。


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その小屋の横からワイン港をみる。 右に見えるビルで二股に分かれてて、ワイン港は右端の方に続いてる。

煉瓦の塔の向こうに渡ってきた大きな橋。 今は車道だけど、昔はあそこを鉄道が走っていたよう。


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色褪せた風景。 古そうな建物。 そして、何やら文が書かれていた。

Spring op de tere schouders van het verhaal en laat je glijden naar waar het begon
・・・お話の優しい両肩に飛び乗って、始まるところへ滑り落ちるままに・・・と、なるのかな?
    ※ 私の訳は、とてつもなくあやしい・・・。

チェコ生まれでオランダに逃れてきた詩人Jana Beranová ヤナ・ベラノヴァ(1932-  )作。


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その風景はOudehaven アウデハーフェン古港)のこんなモニュメントにあった。 
右横についてる円いところ。

肖像は、Tomáš Garrigue Masaryk トマーシュ・ガリッグ・マサリク(1850-1937) 。
チェコの社会学者、哲学者、政治家で、チェコスロヴァキア共和国初代大統領

1914年、第一次世界大戦勃発直後、トマーシュ・ガリッグ・マサリクは、
とある英国の歴史家で時事評論家でもある人物と秘密裏に会うためにオランダのロッテルダムを訪れた。

当時はまだチェコスロヴァキアではなく、オーストリア=ハンガリー帝国だった頃。

トーマシュ・ガリッグ・マサリクは、その帝国の敗北を見据えた中央ヨーロッパのビジョン、
新しい国家チェコスロヴァキアの輪郭を彼に話した。

その英国人の名が、Robert W. Seton-Watson ロバート・ウィリアム・シートン・ワトソン

この時の彼の備忘録により、当時の同盟関係にあった国、英国、フランス、ロシアなどに知られ、
第一次世界大戦中に、新国家チェコスロヴァキアに対する国際的支援を動員できたらしい。

2人が会ったのが、さっきの円の中にあった古い建物、Hoterl Weimar ホテル・ワイマール
ちょうどモニュメント対岸に建ってたよう・・・1940年にドイツの爆撃で失われるまでは。


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古港帆船をペイント中のおばさま。 モノクロの写真では分からなかったけど、赤い服だったのだ。


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お城のような建物は、Witte Huis ヴィッテ・ハウス。 白い家・・・英語で言うホワイトハウス

でも、大統領とか偉い人が住んでる訳でなく。 地上階はカフェだったかな。

1897年から1898年にかけてアールヌーヴォー様式で造られ、高さは43m。
ロッテルダム最初の高層ビル、そして一時期、欧州でも最初の高層ビルだったらしい。
しかも当時としては珍しくエレベーター付きだったよう。

1940年のナチス・ドイツの爆撃から免れた建物の一つ。


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古港の岸壁にもウィンチが。 ハンドルが付いてる手動だ。 
船を係留する際に、船からのロープをかけ、船体を引き寄せるのに使ったらしい。


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古港係船柱は、こんなの。 ワイン港よりも、ちょっぴりモダンだな。


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波打つようなデザインの窓周りの建物の右に、四角い箱が連なったような建物。 

黄色い面の下に、ちょっとしたテラスのような部分があって・・・

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・・・そこから古港を見下ろせた。 曇天。 

奥の赤いのは、Willemsbrug ウィレムスブルフと言う名の斜張橋の塔。
ケーブルを使ってる点では同じだけど、吊り橋とはまた違った構造のようで、
と橋のを直接つないであるんだそう。



旅先では、気になるものを片っ端から撮っていく。
そして、後で、何だろうな?とネットで検索。

写真を眺めながら旅の余韻を楽しみつつ、そうだったのか、と新たな発見^^。

nice!(49)  コメント(15) 
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そら

いろんな風景が見られて旅はいいですねぇ♪
その時々で違った顔を見られたり(^^)
by そら (2018-05-04 18:40) 

kabu

雰囲気のある街ですね^^
錆萌えしてしまう(*´ω`*)
by kabu (2018-05-04 19:53) 

KOME

斜めの家、キューブ・ハウスのようですね。
建築好きな人の間では、有名なものかも。
by KOME (2018-05-04 20:44) 

mitu

1枚目のロープをつなぎとめておくもの、大きなキノコみたい^^
by mitu (2018-05-04 23:30) 

よしころん

ロッテルダムの風景、いちいちへぇー!と頷きながら拝見。
私も普段行かない(例えば先日の佐渡)宿泊を伴う山旅のときは街景色もちゃんと撮るようにしなきゃ…
今更思っています。
by よしころん (2018-05-05 01:17) 

めぎ

船のある風景、楽しいですね♪
私もこの週末、ちょっとお出かけしてきます。
by めぎ (2018-05-05 07:26) 

sheri

とりあえず撮っておいて後から調べる、いいですね。
調べるときに旅の思い出が蘇ってきそうで、それもいいなと思いました。
by sheri (2018-05-05 10:37) 

(。・_・。)2k

どれもデザインされていて
素敵な街並みですねぇ

by (。・_・。)2k (2018-05-05 11:20) 

テリー

先日、テレビで、オランダの話が出ていました。
東インド会社で、巨大な富を得て、英国もしのいだそうです。
富をチューリップに、投資し、バブルとなって、崩壊したそうです。その当時の面影は、残っているのでしょうね。
by テリー (2018-05-05 11:22) 

DON

うん 外せないね
こういうスナップ撮りたいなぁ(^^ゞ
by DON (2018-05-05 15:39) 

suzu*

ふふふ(*´∇`*)
撮るモノが似てる〜
嬉しっ!
フウロソウ、庭に咲いてるよ。
ってか、咲かせてまする。
薄いピンクの小さな花♪
茎が伸び放題で…でもまだまだ花付けてるし抜けずにいてます。
by suzu* (2018-05-05 16:52) 

oko

フウロソウ、可愛いですよね〜
うちにも似た様なのが・・・
by oko (2018-05-06 08:58) 

moz

ウィンチ、薄い青のも錆萌えなのも良い風情。 ^^
横浜港にももちろんあります。公園の日本丸のは確か黒でした。
そうそう、気になるものを撮ってきて、後で調べるってたくさんあります。花もそうだし、建物やお店なんかも ^^v
by moz (2018-05-06 11:45) 

miffy

面白そうな物がたくさんありますね~
一つ一つ見ていたら全然前に進めないかも^^;
カラーよりもモノクロが似合っている街ですね。
by miffy (2018-05-07 21:31) 

Inatimy

→皆さま「船と道具と建物と」のお話にnice!やコメントをありがとうございました。古港はガイドブックで紹介されてないし、地味なところかもしれないけれど、私には気になるものがいっぱいでした^^。四角い箱の建物は観光ポイントなんだけどね。

→そらさま
段々と散歩をするような旅が楽ちんに^^。実際はかなり歩いてるんですけど、気持ち的にはのんびりできるというのか。いつもとは違うけど、何げない風景にホッとします。

→kabuさま
ワイン港や古港はロッテルダムといえばここ、という観光ポイントではないんですが、それでも雰囲気がいいんですよねぇ^^。普段見かけないもの、いっぱいあるから私としてはいい散歩ができました。

→KOMEさま
よくご存知ですね〜、ロッテルダム観光の目玉の一つです^^。ここも行ってきましたよ♪ 古港から見るこの建物もなかなか良かったです、存在感たっぷり。

→mituさま
キノコのような係船柱、ベニテングタケ風にペイントしても可愛いかもしれない^^。白だとマッシュルームかなぁ。

→よしころんさま
何気ないものでも、私が知らないものとか、気になるものがあれこれ。子供の散歩のようにいちいち立ち止まっては観察してしまうので、なかなか進みません^^;。いつもと違う都会な風景も新鮮でした♪

→めぎさま
アムステルダムにも港はあるのに、また雰囲気が異なりますね^^。意外なところでチェコが出てきたり。プラハに住んでたのでどんな関係があるのか、気になって。めぎさんのお出かけ話も楽しみにしてます♪

→sheriさま
気の向くままにふらりと歩いてるので、ガイドブックにないものが多いんですよ^^;。なので後で写真を見つつ検索。ブログが我が家のメモ代わり。

→ (。・_・。)2kさま
コスト面だけじゃなく、どんな街にしたいか、どんな風景を残していきたいか、そこもまた考慮して街づくりをしてるんだなぁと感じます^^。

→テリーさま
そうなんですよね、昔々は、はるばる船で日本までやってきたオランダですものね。その後もチューリップの球根一つで家が買えた時期もあったそうだし^^;。

→DONさま
とにかく気になるもの、残しておきたい風景、撮ってます^^;。我が家二人で撮るから、写真の数がすごいことになるけれど、いい旅の思い出♪

→suzu*さま
日常とは違う街って、何気ないところにも見所がありますよね。フウロソウ、我が家でもたまに鳥の置き土産から芽が出て咲いてることが^^。毎年、種蒔いたり植えたりした覚えがないものが育ってきて、ワクワクしながら観察です♪ 

→okoさま
フウロソウ、愛らしいですよね^^。道路脇や公園の片隅にも咲いてたり。

→mozさま
ウィンチ、横浜港ともなるとかなり立派なものが置いてありそう^^。花も後で調べるために撮ること多いですよね〜。この時期続々と咲き出すので、知らない植物の写真がたまってます^^;。

→miffyさま
気になるものを後で調べるの、語学学習も兼ねてていい感じです^^。5月に入った今頃だと緑が綺麗で、明るい雰囲気になってるかもしれないなぁ。旅した時、すごく曇天で薄暗くって^^;。
by Inatimy (2018-05-08 17:38) 

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