気になる食卓、それなあに? [ミュージアム]
中央、左のタイルに目が止める。
ひょっとしたら、Kievitsbloem キーフィッツブルーム?
ひょっとしたら、Kievitsbloem キーフィッツブルーム?
学名:Fritillaria meleagris フリティラリア・メレアグリス。
和名はコバンユリ。 ユリ科 バイモ属。
和名はコバンユリ。 ユリ科 バイモ属。
5月中旬、Kamoさんに誘われランチしに来たHaarlem ハールレムの街の続き。
散歩しつつやってきたのが、Frans Hals Museum フランス・ハルス美術館。
散歩しつつやってきたのが、Frans Hals Museum フランス・ハルス美術館。
フランドルの画家 Jan Brueghel de Jonge ヤン・ブリューゲル (子)(1601-1678)の
"Satire op de Tulpengekte"「チューリップマニアに対する風刺」1640年頃。
小さい絵(31cm x 49cm)なのに額も立派。 1637年がチューリップ・バブルの最盛期らしい。
おサルさんたちが、球根を量ったり、交渉したり、お金を数えたり、価格表を見たり。
かと思ったら、大事な品のはずのチューリップをぞんざいに扱ったり、泣いたり、喧嘩したり。
かと思ったら、大事な品のはずのチューリップをぞんざいに扱ったり、泣いたり、喧嘩したり。
チューリップの国、オランダでは有名な絵画だけど、それよりも気になるのが・・・
・・・食卓の上に並ぶもの。 林檎か、桃か・・・何やら果物に、杯。
フランドル生まれのドイツ人画家 Karel van Mander カレル・ヴァン・マンデル(1548-1606)の
"Dans om het gouden kalf"「金の子牛の周りでの踊り」1602
さっきのは一部撮りで、全体の絵はこれ。
中央奥、群衆が取り囲む中、台座の上に、ちょんと乗ったのが金の子牛・・・って見えないよね。
中央奥、群衆が取り囲む中、台座の上に、ちょんと乗ったのが金の子牛・・・って見えないよね。
旧約聖書の「出エジプト記」の中に出てくるらしい。
モーセがシナイ山で神から十戒の石板を受け取り戻ってくるのが待ちきれず、
民衆は集めた貴金属から金の子牛を作って崇め、モーゼの失望と怒りをかった、という。
民衆は集めた貴金属から金の子牛を作って崇め、モーゼの失望と怒りをかった、という。
Frans Hals フランス・ハルス(1582頃-1666)の
"Feestmaal van Officieren van de Cluveniersschutterij" 1627
「クルフェニエ市警団の士官の祝宴」・・・と訳すのかな。
襞襟(ひだえり)ファッション。
集合写真と違って、みんな好き勝手な方を向いて、ワイワイしてるのがいい。
集合写真と違って、みんな好き勝手な方を向いて、ワイワイしてるのがいい。
集団肖像画を見ても・・・
・・・食卓のお皿に目が。 ナイフを使って、何のお肉を食べてるんだろう。 肉の横の銀容器には塩。
同じくフランス・ハルスの"Feestmaal van Officieren van de St.Jorisschutterij"
「聖ゲオルギウス市警団の士官の祝宴」」1616
フランス・ハルスが描いた最初の市警団の絵。 1612〜1615年に仕えた士官の送別会。
テーブルの中央には、焼いた肉の塊。
テーブルの中央には、焼いた肉の塊。
食べてるものは、パンのスライス、オリーブ、そしてお肉の断片。
テーブルクロスが豪華。 これからもリッチなのがよくわかる。
座ってる椅子にあるクッションも金糸が使われていて煌びやか。
座ってる椅子にあるクッションも金糸が使われていて煌びやか。
11年後に書かれた同じタイトルの絵があって・・・
フランス・ハルスの"Feestmaal van Officieren van de St.Jorisschutterij" 1627
「聖ゲオルギウス市警団の士官の祝宴」
どうも市警団の任期は3年のようで、最後に送別会をするみたい。
テーブルクロスは質素になったようだけど、食卓には肉ではなくシーフード。 茹でたカニに牡蠣だ。
カニは、ヨーロッパイチョウガニ。
牡蠣は日本のような長いタイプではなく、丸っこいヨーロッパヒラガキ。 生食や焼き牡蠣にしたよう。
牡蠣は日本のような長いタイプではなく、丸っこいヨーロッパヒラガキ。 生食や焼き牡蠣にしたよう。
ハールレム生まれの画家 Willem Claesz. Heda ウィレム・クラースゾーン・ヘダ(1594-1680)の
"Stilleven met aangebroken pastei"「切り分けられたペーストリーのある風景」 1633
Pastei パスタイは富裕層のお祝い料理。
パイと訳されることが多いけど、サクサクではなく、ハードタイプのパイ。
パイと訳されることが多いけど、サクサクではなく、ハードタイプのパイ。
この絵にあるのは、中に黒い粒がいっぱい見えるので、
ブラックカラント(黒スグリ、カシス)のパイかも。
ブラックカラント(黒スグリ、カシス)のパイかも。
"Het Poppenhuis van Sara Rothé"「サーラー・ローテーのドールハウス」
サーラー(1699-1751)はアムステルダム生まれの美術品収集家だったよう。
このドールハウスは、1:10のスケール。 中でも、気になるのが左下の・・・
・・・キッチンだったり。 作業台の中央にはコランダー(水切り用ボウル)。
左側に調理用ストーブ。 右側に流し台。 猫がいるのもポイント高い。
行った時は、現代アートの絵画や作品と併せて展示されてて、
私の好きなチーズの絵が大きな広間の壁の高いところに追いやられてた・・・。
私の好きなチーズの絵が大きな広間の壁の高いところに追いやられてた・・・。
遠いし、天井の明かりが反射して、見えづらいのが難点。
本当は右のチーズの絵で66.6cm x 95cmのサイズなのに。
本当は右のチーズの絵で66.6cm x 95cmのサイズなのに。
Floris Gerritsz van Schooten フロリス・ヘリッツゾーン・ファン・スホーテン(1585頃-1656)の
"Stilleven"「静物画」 1625
新たに気になったのがこの絵。
パン、グラスにワイン、牡蠣(ヨーロッパヒラガキ)と紙筒には胡椒、燻製ニシン。
左の束になったのはワラで、火をつけるものとして使われてるよう。
中央奥に見えるのは、火打箱。 中には火打石と火種になる材料が入ってるそうな。
パン、グラスにワイン、牡蠣(ヨーロッパヒラガキ)と紙筒には胡椒、燻製ニシン。
左の束になったのはワラで、火をつけるものとして使われてるよう。
中央奥に見えるのは、火打箱。 中には火打石と火種になる材料が入ってるそうな。
右端の素焼きっぽい器に白い長いものは・・・
・・・こちらが実物。 白いのは煙草をふかすパイプ。 細かい植物模様の装飾が施されたものも。
器の方は、オランダ語で Vuurtest フュールテスト。 なんていうのか、オランダ版の火鉢?
木炭や石炭を入れるもので、卓上に置いて煙草に火をつけたり、
特殊な木箱(1つの側面がオープンになってて、上部にはまるい穴がいくつか空いてる)に
その器を入れて足元の暖房にしたり使っていたよう。
特殊な木箱(1つの側面がオープンになってて、上部にはまるい穴がいくつか空いてる)に
その器を入れて足元の暖房にしたり使っていたよう。
※ Voetenstoof フッテンストーフ(足ストーブ)の絵のある記事は、こちら。
この実物は、この後行った別のミュージアムで見つけた。
元は肉市場だった建物の地下にあるArcheologisch Museum Haarlem ハーレム考古学博物館。
元は肉市場だった建物の地下にあるArcheologisch Museum Haarlem ハーレム考古学博物館。
果物模様に、中央のウサギさんが愛らしい。 どんな料理が似合うかな。
・・・と、食べることが好きなので、ミュージアムに来てもそんな視点で見てしまう。
※ フランス・ハルス美術館、もちろん、食べ物絡み以外の作品もたくさん^^;。
一通り観たあと、中庭に出てみる。 来た時は曇っていたのに、青空が見えていた。
壁際にあったポンプ。 まだ水が出て使えるのかな・・・怖いので遠くから見るだけ。
アリウム・ギガンティウムの花がキレイだった。
いいなぁ・・・我が家のベランダ小庭では、どうもアリウム系の植物がうまく育たず。
青い花が咲くアリウム・アズレウムの球根を植えつけたけれど、この春に咲いたのは半分。
咲いた分も強風になぎ倒されてしまったり、アブラムシにたかられたり・・・。
咲いた分も強風になぎ倒されてしまったり、アブラムシにたかられたり・・・。
ハールレム散歩、話はあと1回2回続く。
☆ ☆ ☆
1週間のズレでエリア別に順に南部・中部・北部と学校が休みに入ったオランダ、
すっかり夏休みモード。
すっかり夏休みモード。
バスなどの交通機関もそれに合わせて本数が減り、街でも店先にバカンス中の貼り紙が目立つように。
そして、ホームドクターも2週間余りの夏休み。 長い。
その間は、姓の頭文字で、他の幾つかのホームドクターに振り分けて対応してるよう。
サイトにドクター名と電話番号が明記され、案内が出てた。
サイトにドクター名と電話番号が明記され、案内が出てた。
なかなかいい方法だと思う。 お医者さんもしっかりと休んで充電しないとね。
月曜はまた30℃近くまで上がったけれど、火曜は23℃くらいの予想。
ちょっと過ごしやすい^^。
ちょっと過ごしやすい^^。
絵画からその時代の食べ物を見るって面白いですね。
ドールハウスって憧れです。以前作りたいなぁと思っていました^^
by みち (2018-07-31 19:38)
どんなの食べてるのかな~ってつい絵を見ながら
いえ 見るっていうよりのぞき込む感じでじ^っと見ちゃいますねw
by ぴーすけ君 (2018-07-31 20:34)
土が酸性気味なんでしょうか。。
by KOME (2018-07-31 21:06)
牡蠣の生を食べるのは日本人だけではないんですね。
カニも食べるんですね。
知らない事が多いです(^^)
by riverwalk (2018-07-31 22:23)
ポンプ・・・面白い形です・・・
by oko (2018-08-01 07:21)
ウサギのお皿には、ニンジンのグラッセを添えたハンバーグはどうかな
(^^)/
by mitu (2018-08-01 07:51)
なんだか画の中の人達
太っちょが多くないですか?
by (。・_・。)2k (2018-08-01 10:42)
バイモユリのクラッシックなタイル、かわいいですねー
by nicolas (2018-08-01 16:46)
兎の絵皿、いいなあ。
高校生の頃、旧約聖書を夢中で読んだはずなのに、内容を全く覚えていないことに気づきました。金の子牛、、、そんなのあったんだ。
ヨーロッパの牡蠣、丸いんですね。種類が違うのかー。
つい先日、テレビで牡蠣剥き職人(?)のドキュメンタリーを見て、なんか形が違うなあ、と思ってたところです。
by ネム (2018-08-02 12:39)
こんにちは。
おかげさまで山旅より無事戻ってまいりました^^
やはり下界は暑い…(><)
1~2週間のバカンスが当たり前の国ってやはり羨ましいな…
我が家は4日間でしたToT
by よしころん (2018-08-02 16:29)
絵の中の食べ物って主役ではないのについつい見入っちゃいますよね。
こんな物を食べてたんだ~
どんな味なのかな?って気になりますよね。
以前絵の中の食卓を再現している番組がありましたがとっても美味しそうでした~
by miffy (2018-08-02 23:11)
絵のなかの食べ物、こうやってじっくり観察すると面白いですね。
生の牡蠣、この時代でも食べたんでしょうかね。
茹でるのが多かったのかな。
by kyon (2018-08-03 01:57)
絵画から、その時代のお料理を、楽しいな
視点が、新鮮で、、一緒に考えて、想像
お味はとかね、、
by engrid (2018-08-04 00:13)
→皆さま「気になる食卓、それなあに?」のお話にnice!やコメントをありがとうございました。昔の人が何を食べていたのか、気になりますよね^^。宴会料理に定番はあったのかなぁ、何飲んでるんだろう、どんなパンを焼いて食べてたの・・・とかね。たまにその食材が何かの象徴として絵画に登場してたりもするので、見逃せませんね。
→みちさま
やっぱり絵画を見るときでも衣食住なんですよね。当時のファッション、食卓、家の構造や室内の装飾、それらから雰囲気がじんわりと伝わってきて^^。みちさんが作られるドールハウス、細かいところまでこだわりの作りになりそうですね〜。ミニチュアの食器も手作りだろうなぁ。
→ぴーすけ君さま
テーブルがあると何がのってるか見ちゃいますよね^^。人の向こう側に見えそうで見えないのがあると首を伸ばしたり・・・。飲み物のグラスの形も、いろいろだし♪
→KOMEさま
土はアルカリ性気味だと思うんですけどね。日当たりの問題もあるのかなぁ。
→riverwalkさま
牡蠣を生で食べるオイスターバーなるものもありますよ^^。私としては、牡蠣フライが好きなんですけどね。レモン汁かけて♪ 一時帰国した際に、牡蠣堪能しまたよ。焼き牡蠣と牡蠣フライ。
→okoさま
ポンプ、面白いですよね、形^^。教会のそばに共同のポンプがあったり、この形、多いです。
→mituさま
人参のグラッセ、ハンバーグ、いいなぁ^^。食べ終えたら、うさぎが見えるんですね。人参サラダもいいかな。キャロットケーキとかも♪
→(。・_・。)2kさま
ぽってりふくよかなのはきっと裕福の象徴だったのかも^^。写真じゃないから、多少、描かれる人からの要望も入ってるんでしょうね。もう少し背を高くとか。画家さん、大変。
→nicolasさま
多分、花びらの外のチェックがくっきり目だし、バイモユリじゃなくて、コバンユリの方かも^^。タイルから植物名を当てるのも面白く♪
→ネムさま
宗教画には金の牛とか金の子羊とかいろいろ出てくるからなかなか覚えられませんよね^^;。ヨーロッパの花器にもいろいろあるみたいなんですが、この絵に出てくるのはまるっこいヨーロッパヒラガキ。ブロンとも呼ばれてるものみたいです。我が家にも牡蠣ナイフがあるんですが、生牡蠣買ったことがなく・・・。ナイフ新品のまま〜。
→よしころんさま
お帰りなさい、と言ってるうちにもまた山に出かけられてたりして・・・^^;。山の上は涼しげでしょうね〜。山がなく、海抜がマイナス5mほどのところゆえ、35℃は堪えます・・・。オランダの人たちは2週間くらい休んじゃうんでしょうけれど我が家は日本人・・・土日含めて1週間かな。過去旅先でも夜PCで仕事ってこともあったし^^;。しかもオランダ、日本よりはるかに祝祭日がなく、6月の初め終わったらクリスマスまで無いです。
→miffyさま
単に肉を焼いた料理っぽくても、当時は貴重だった胡椒なんかのスパイスが効いてるのかなとか想像^^。食器なんかも微妙に違うし、コーヒーサーバーなんかも蛇口ひねって出すタイプでレトロっぽくって。昔の料理の再現番組、面白そうですね〜。試食してみたい。
→kyonさま
多分生で食べたんじゃないかしら。描かれてる牡蠣、ゆでてない時の艶やかさがあったから^^。生で、レモン絞ったり塩で、クイッと。
→engridさま
生物が出なくとも、割と食べ物が描かれて絵画って多いんですよ^^。食べるの好きだから、ついついそこに目が。食器類の形とか、グラスのデザイン、フォークも使わずナイフで切ってそのまま口へ運んでたりと食べ方までも興味津々です。
by Inatimy (2018-08-07 19:54)