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新しいのと古いの [街並み]

ブクブクブク・・・・

・・・泡みたい。

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9月の初め頃、Kamoさんに誘われ、お出かけ。
列車に揺られて20分余りで到着した街。 近いのに5年ぶり。 すっかり駅舎も駅前も姿を変えていた。


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泡々な屋根があったのは駅舎とそばのショッピングモールの間。 モールを通り抜けて、街の中心の方へ。


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ここはオランダ中部の街 Utrecht ユトレヒト。 運河沿いに歩いていこう。

途中、ふと気になるものが目につく。

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街灯の柱の下に、石を彫刻したレリーフが。

これはLantaarnconsole ランターンコンソールと言って、直訳は、街灯持ち送り
持ち送りとは、梁、庇、棚など張り出した部分を支えるための補強材

ユトレヒトの街の中心部の運河沿いにある街灯には、
こんなレリーフ持ち送りがかなりの種類あるらしい。 

デザイン様々で、探しつつ撮り集めて歩くのも楽しそうだ。


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人物像の柱のあるカフェ。 日当たり良く。 1837年〜1839年に建てられたもの。
昔はWinkel van Sinkel ヴィンケル・ファン・シンケルというデパートだったらしい。

創設者のAnton Sinkel アントン・シンケル(1785-1848)はドイツ北西部、ニーダーザクセン州の
Cloppenburg クロッペンブルク生まれ。

最初はオランダのアムステルダムで店を始め、各地に支店を設けたよう。

このカフェの前を通るとすぐに、この街のシンボルが見える。
進むにつれ姿が消えたかと思うと・・・

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・・・左へと入る道に再び、どんっ!と現れる。 これが街の目玉の一つ、Domtoren ドム塔

残念ながら、の上部は修復中らしい。 仕方がない、の見学は、また次の機会に。
 ※ 5年前にの上まで行った話は、こちら


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向かいにあるDomkerk ドム教会の扉。 何かの行事の最中だったので中へは入らず。

今はドム塔ドム教会と道を隔てて離れているけれど、元は一つにつながっていたらしい。
1674年の竜巻で崩壊し、長い間そのままに放置されたんだそうな。


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ドム教会の壁。 外壁に残った煉瓦の積んだ形や跡から、ここにあった部分も崩壊したんだろうなと想像。


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見上げていた場所には、大きな。 そして向こう側にエントランスが。

この石は、デンマークイェリング墳墓群にあるハーラルの石碑のコピー。
1936年、ユトレヒト大学設立300周年の際にデンマークから贈られたよう。

石に刻まれたルーン文字が、すっかり薄くなってきてる。


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エントランスの上の装飾。 馬に乗っているのは、Sint Maarten シント・マールテン
日本語では聖マルティヌス。 ユトレヒトの街の守護聖人でもある。 

聖マルティヌスが自分のマントを裂いて、その半分を半裸の物乞いに与えているシーン。
物乞いの正体はイエス・キリストだったらしい。


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エントランスを入ると回廊が。 
ここには中庭Pandhof パントホフがあり、こんな回廊に囲まれている。


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中庭からは、ドム塔ドム教会が見える。 ドム塔が工事中なのが残念。


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回廊の屋根からは中庭に向かって、いくつものガーゴイルがある。 
いわゆる雨樋の機能を備えた怪物の彫像。 だいたい口から水を吐く。

一つ一つ、像が異なるのも見ごたえあり。


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中央にある噴水ブロンズ像は割と新しく1913年のもので、
14世紀の司教座聖堂参事会員 Hugo Wstincという人物らしい。 ヒューゴ・・・なんて読むんだろうね。

ちなみに、背景の回廊の装飾の三角形の部分には、
聖マルティヌス(さっきエントランスの上にいた聖人)の生涯を示したレリーフがある。

そのレリーフの下、アーチの上部に施された装飾は、ゴシック建築でよく見かける。
英語ではTracery トレーサリー。 オランダ語ではMaaswerk マースヴェルクで直訳は網の目作品

中庭に面したものは、3枚の葉っぱ、4枚の葉っぱ、ハードなど、モチーフが微妙にそれぞれ違ってた。
なんとなく、駅を出た時に見た泡々な透明屋根にイメージがつながる。


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噴水ブロンズ像より、その下の翼のついた生き物が、私としてはすごく気になる。
コウモリなのかな・・・いや、長い尻尾がある・・・。 この口からも水が出そうだ。

中庭の四角く区切られた花壇には、ハーブなどのいろんな植物が。


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これはルリジサ(瑠璃苣)。 英語名からボリジとも言われる。 ムラサキ科 ルリジサ属。

タチアオイも咲いていたけど、この時期はやっぱり・・・

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・・・秋桜。 遠くに咲いていたピンクの。

中庭には誰もいなさそうに見えるけど、実はかなりの観光客。 なかなか人が途切れない。


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この日、朝、最低8℃と低かった気温がぐんぐん上がり、最高23℃。 9月にしては高め。
天気も良く、白い秋桜が眩しいほどだった。



ふと気づいたけど、もう1ヶ月も前のことになるんだな。
早っ。

ユトレヒトの街歩きは、まだまだ続く^^。

タグ:ユトレヒト
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コメント 17

ma2ma2

ユトレヒトってミッフィーの古里だったような?
by ma2ma2 (2018-10-05 16:25) 

そら

Inatimyさんのブログ読んでいるとオランダに行きたくなりますねぇ
いろんな街を歩いてみたいなぁ(^^)
by そら (2018-10-05 18:51) 

DON

ショッピングモールの屋根?
オブジェになるのかな
アートですね~(^^ゞ

by DON (2018-10-05 20:08) 

riverwalk

石の彫刻がいっぱいあるんですね。
古い建物を背景にした秋桜が素敵です(^^)
by riverwalk (2018-10-05 22:35) 

snow

コスモスの花びらが透ける感じ好きなんだな(^^)/
by snow (2018-10-06 00:03) 

めぎ

コスモス、綺麗ですね~
9月上旬はホント暖かかったですよね。
あっという間に月日が過ぎていきますよね~
by めぎ (2018-10-06 03:02) 

mitu

オランダに咲いたコスモスも可愛いですね
白いコスモスの花、清々しく
秋桜、秋を感じさせてくれる花ですね^^

by mitu (2018-10-06 08:20) 

(。・_・。)2k

ドム塔 素敵ですねぇ
こういうところに20分で行けるなんて羨ましいです

by (。・_・。)2k (2018-10-06 11:04) 

斗夢

いつも行く小さなハーブガーデンで今年もポリジを見ました。
by 斗夢 (2018-10-06 13:19) 

テリー

オランダに行く機会がなかったので、多分これからもいけないと思いますので、Inatimy さんのオランダのブログは、興味深く、
読んでいます。ユトレヒト、歴史のある町のようですね。
最近、スエーデンやデンマークの話が出てくるテレビドアラマ、Bridge や、Below the surface (深層の8日間、デンマークで発生した地下鉄、人質テロ事件)を見ましたが、アメリカのテレビドラマとは、かなり違うテーストですね。

by テリー (2018-10-06 14:08) 

oko

運河の船、ガラス張りでお洒落ですね〜
雨でも安心ですねっっ
by oko (2018-10-06 14:42) 

miffy

ヨーロッパって新しい街並みと古い街並みが共存していて良いですね~
ドム塔、やっぱり本物はレンガの欠け具合も味がありますね。
台風のせいで昨日から27℃前後と蒸し暑くなりました。
by miffy (2018-10-06 17:33) 

JUNKO

面白い意匠ですね。オランダも行ってみたいところですね。ヨーロッパの石の文化は日本にない繊細さがありますね。
by JUNKO (2018-10-06 19:11) 

ネム

見ごたえのある建物ばかりですね。
細かいところにもこだわっていて、今、これを作ったらどれほどの時間とお金がかかることか。
ボリジの青がとても綺麗。風に揺れているようなコスモスも。
ああ、外で咲いているお花が見たいなあ・・・!
by ネム (2018-10-07 00:52) 

moz

ガーゴイル、ルーン文字、レリーフの持ち送り etc etc…。
興味津々なものがいっぱいのユトレヒトなんですね。
写真撮りたいものがいっぱいで、散歩も困ってしまうのではなんて思ってしまいました。 ^^;
ブクブク泡の屋根。フライパンがいっぱい並んでいるのかと? ^^; 笑
by moz (2018-10-07 09:24) 

みち

ただのレリーフかと思えば、ちゃんと機能があって面白いです。
日本でも、そんな遊び心があればいいのにって思います。
by みち (2018-10-09 18:49) 

Inatimy

→皆さま「新しいのと古いのと」のお話にnice!やコメントをありがとうございました。ついこのあいだ行ったと思ってたのに、5年も経ってたのに驚き・・・^^;。街、変わりますねぇ。便利な方へ。変わらないものもあるけれど、それはモニュメントに指定されてたり。今の時代の建物でもいつかはモニュメントになれるものが出てくるのかしらね。

→ma2ma2さま
ユトレヒト、ミッフィーの作者のディック・ブルーナーさんの生まれた街です^^。この街で活動されて、2017年にこの街で亡くなったんですよね。ミッフィー、子供の頃によく見た絵本でした。

→そらさま
オランダの魅力、少しでも伝わればいいなぁ^^。チューリップ・風車・木靴・牛・チーズ以外にもいいものがたくさんあるんですよ。

→DONさま
最初の写真は、ショッピングモールと駅舎の間をつなぐ屋根になってます^^。雨でも傘をささなくていいように。って、オランダ人、あまり雨でも傘さしてないけど。

→riverwalkさま
山のないオランダ、石は貴重なもの。教会の財力や寄付がすごかったんでしょうね^^。コスモス、意外なところで見られて良かったです♪

→snowさま
白いコスモスって、陽の光に当たるとあまりに眩しくって。それで裏から撮りました^^;。

→めぎさま
コスモス、近所で見られなかったので、今年は諦めていたら、意外なところで遭遇。夏が終わると脱兎のごとく季節が移り変わっていきますよね。あと2ヶ月で12月だなんて。

→mituさま
本当は野で咲いてる秋桜を探していたのだけれど、泣くって諦めてたんですよ。そうしたら教会の中庭で^^。ピンクのもたくさん咲いてたんですが、なんせ人が多くって。

→ (。・_・。)2kさま
ドム塔、修復が終わるのを待って、また行けたらいいなぁと思ってます^^。オランダ、九州サイズの小さな国なので、2〜3時間もあれば端まで行けたり・・・^^;。

→斗夢さま
ボリジ、星型の綺麗な花ですよね^^。ツボミにいっぱいうぶ毛があるのも愛らしく。ハーブとして使われてたの、初めて知りました。

→テリーさま
オランダ、少しでも面白さや良さが伝わればいいなと思ってます^^。たいてい春のチューリップしか注目されなくって。他にもいいところいっぱいなのに。北欧ドラマ、面白そうですね。オランダでも放送されないかなぁ。海外ドラマ、米国や英国のが多いです。たまにドイツの。

→okoさま
ガラス張りの運河クルーズの船、見た目もお洒落ですね。別の街でそのタイプのに乗ったことがあるんですが、雨の日は大丈夫だけど、晴れた日の夏や20℃超える日には思ったより暑くなって・・・逆に冬は最適かも^^。

→miffyさま
古い建物ってたいていモニュメントに指定されてるから、ちゃんと保存されてますね^^。開発のエリアはどんどん新しくなっていって、その雰囲気の差には驚き。ハウステンボスのドム塔も美しく迫力ありますよね〜。オランダは、今週末(13日か14日)に25℃まで上がる予想が出てます・・・秋なのに。

→JUNKOさま
オランダは山がないので、石より煉瓦造りの建物が多いんですよ。道路も煉瓦畳だったり。だから石の文化というより煉瓦の文化で、欧州の中でもちょっと面白さが違うかもしれませんね^^。

→ネムさま
回廊の天井なんかも凝ってて好きなんですよ。見応えありますよね、あっちこっち。時間とレゴブロックが山ほどあったら再現してみたい^^。我が家のベランダ、今、咲いてるのって青いデルフィニウムくらいなので、出かけた際に見る花がとっても新鮮♪

→mozさま
来るたびに違う発見があったり、散歩してると気になるものがいろいろでなかなか進みませんね^^。いくポイントだけ決めてるので、その道中は気の向くままに。アワアワな天井、実用性のある巨大なアートですよね〜。

→みちさま
ちょっとした所にもこだわりがある、面白いオランダ^^。街灯の持ち送りのレリーフを見ても、昔からその気質って受け継がれてるんでしょうね。ドム教会の扉も、昔来た時と、変わってました。昔のもいいデザインでしたけどね。遊び心、大事ですよね。
by Inatimy (2018-10-09 21:18) 

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