聖母大聖堂で見たもの [アントウェルペン 2023 春]
シンプルで、縁が波々としたガラスのランプシェード、いいなぁ。
3月中旬、お隣の国、ベルギーへ日帰りで出かけて、国境を超えてすぐの街、
Antwerpen アントウェルペン(英語だとAntwerp アントワープ)を訪れた日の話、4話目。
Antwerpen アントウェルペン(英語だとAntwerp アントワープ)を訪れた日の話、4話目。
最低9℃、最高16℃くらいの日。 今いるところは、聖母大聖堂の中。
Onze-Lieve-Vrouwekathedraal オンゼ・リーフェ・フラウウェカテドラール。
Onze-Lieve-Vrouwekathedraal オンゼ・リーフェ・フラウウェカテドラール。
※ 前回の、聖母大聖堂の塔、正面の装飾や、中のパイプオルガン、天使、主祭壇を見た3話目は、こちら。
このステンドグラスは"Albrecht en Isabella in aanbidding voor het kruis"、
「アルブレヒト、イザベラ大公夫妻の十字架礼拝」。 17世紀のものらしい。
「アルブレヒト、イザベラ大公夫妻の十字架礼拝」。 17世紀のものらしい。
アルブレヒト大公は、当時の南部ネーデルランド(今のベルギーの大部分およびルクセンブルク周辺)の総督。
ルーベンスは1609年に、この大公夫妻の宮廷画家になったそうな。
ルーベンスは1609年に、この大公夫妻の宮廷画家になったそうな。
翼廊から見上げた写真。
写真左がエントランス側、右のチラッと十字架が見えてるのが主祭壇側。
写真左がエントランス側、右のチラッと十字架が見えてるのが主祭壇側。
これを撮ってる私のそばに・・・
・・・三連祭壇画。 オランダ語ではdrieluik ドゥリーラウク、フランス語はtriptyque トリプティーク。
フランドル画家のPeter Paul Rubens ペーター・パウル・ルーベンス(1577-1640)が描いた絵。
日本語表記は、ピーテル・パウル・ルーベンスが多かった。
日本語表記は、ピーテル・パウル・ルーベンスが多かった。
タイトルは、"De kruisafneming"「キリストの降架」1611〜1614。
第2次世界大戦後まで、カーテンがかけられ、お金を払わないと見せてもらえなかったそうな。
第2次世界大戦後まで、カーテンがかけられ、お金を払わないと見せてもらえなかったそうな。
「フランダースの犬」の主人公ネロは、「キリストの昇架」を見た後、この「キリストの降架」を見、
この絵の前で凍えて亡くなって、パトラッシュと共に天使に導かれて天に昇っていくのだった。
この絵の前で凍えて亡くなって、パトラッシュと共に天使に導かれて天に昇っていくのだった。
ステンドグラスも大きくて、ものすごく細やかに表現されてて。ブルーが美しく。
“The Holy Norbert the ceremony of the Holy Sacrament in Antwerp”
Google翻訳をすると「聖ノルベルト、アントワープの聖餐式」と出てくる。
Google翻訳をすると「聖ノルベルト、アントワープの聖餐式」と出てくる。
聖ノルベルト(1080-1134)はローマ・カトリックの司教だった人のよう。
Maerten de Vos マールテン・デ・フォス(1532-1603)の"Bruiloft te Kana"「カナの婚礼」1597年。
Altaarstuk voor ambacht van de Wijntavernier ワイン商人ギルドのための祭壇画。
Altaarstuk voor ambacht van de Wijntavernier ワイン商人ギルドのための祭壇画。
小さく見えるけれど、268cm x 235cm と、実際は大きな絵。
キリストが公衆の前で行った最初の奇跡で、キリストが水がめに水を入れるように言うと、
水が葡萄酒に変わった、というものらしい。
水が葡萄酒に変わった、というものらしい。
「カナの婚礼」というとパッと思い浮かぶのが、パリのルーヴル美術館の(「モナ・リザ」の向かい)にある
Paolo Veronese パオロ・ヴェロネーゼの巨大な絵(6.77 m × 9.94 m)。
Paolo Veronese パオロ・ヴェロネーゼの巨大な絵(6.77 m × 9.94 m)。
いつも絵画の中の人が、一体何をしてるのか、何を食べてるのか、とそこばかり気にしてたけど、
そんな奇跡を描いてたとは。
そんな奇跡を描いてたとは。
聖母大聖堂の地下には石棺の跡があったり、側廊に小部屋があったり。
そんな小部屋にあった、私の興味を引いたもの。
壺みたいな部分にたくさん水を溜めて、蛇口を捻って水を出す、洗面台みたいなものかな。
壺みたいな部分にたくさん水を溜めて、蛇口を捻って水を出す、洗面台みたいなものかな。
その蛇口がたまらなく可愛かった。 尾の長い魚に人が乗ってるのかな。
ふと思い出したのが「イルカに乗ったアリオン」。 アリオンは、古代ギリシアの音楽家。
逸話によると、音楽コンクールで優勝した帰りの船で、賞品を狙った船員に命を狙われる。
逸話によると、音楽コンクールで優勝した帰りの船で、賞品を狙った船員に命を狙われる。
キタラと言う竪琴に合わせて最後の歌を歌うと、それに惹きつけられたイルカが集まってきて、
海に身を投げたアリオンを背に乗せて故郷まで無事にに連れ帰ってくれた・・・云々と、Wikipediaに。
海に身を投げたアリオンを背に乗せて故郷まで無事にに連れ帰ってくれた・・・云々と、Wikipediaに。
天井にも見所が。 綺麗な装飾。 子羊を抱っこしてるキリストかな。
ぶら下がった十字架、その奥に主祭壇。 大聖堂の中を時計回りに見てきた。
Cornelis de Smet コルネリウス・デ・スメット(1742-1815)の
"Heilige Johannes"「福音記者 聖ヨハネ」1780年頃。
"Heilige Johannes"「福音記者 聖ヨハネ」1780年頃。
クロッシング部分の天井の高いところも美しく。
ズームしてみる。 何やら絵が。
Cornelis Schut コルネリス・スフット(1597-1655)の
"Tenhemelopneming van Maria"「聖母被昇天」 1647
"Tenhemelopneming van Maria"「聖母被昇天」 1647
中央に、青衣をまとった聖母マリアがいる。
後方から主祭壇の方を見て。
主祭壇の絵も"Tenhemelopneming van Maria"「聖母被昇天」だけど、
こっちは前回述べた通り、ルーベンスが描いた1625-1626年のもの。
こっちは前回述べた通り、ルーベンスが描いた1625-1626年のもの。
ぶら下がった十字架と主祭壇の間に聖歌隊席がある。 黒っぽい木材で作られたところ。
側廊の柱と天井のヴォールトも綺麗なんだな。
この日の話まだまだ続く。
(現在、更新が不定期になってます。)
天気予報によると、日曜日、最高気温が32℃まで上がるらしい。
平年なら最高21℃なのに、6月中旬からずっと高めな日々・・・。
もう、いい加減、暑さにうんざりしてるというのに。
もう、いい加減、暑さにうんざりしてるというのに。
エアコン無いから、氷柱(水を入れて凍らせたペットボトル)で
なんとか乗り切らないとなぁ^^;。
なんとか乗り切らないとなぁ^^;。
教会内のどれもが、手抜きのない仕上がりで素晴らしいですね。
信仰の力の良い面が出ているように感じます。
...平年より10℃上ですか、で32℃...きびしいですねえ。
この時期、東京でも32℃となるとうんざりしますもの、ご自愛ください。
by ナツパパ (2023-06-24 17:46)
これほどの素晴らしい教会だというのに、現地の人が「フランダースの犬」の物語をあまり知らないというのがずっと不思議です。
この絵の前でネロは亡くなったんですね。
大きな絵って、描かれている人物の数も多く、その一枚の中でドラマが描かれていたりするみたいですね。
私も大きな美術館でいくつも巨大絵画を観ましたが、そういうのには一切気づかず、芸術のわからない男です。
by YAP (2023-06-24 18:00)
教会のステンドグラスは宗教的なもので、厳かな感じですね!
天井絵なんかもあるのですね。
by ma2ma2 (2023-06-24 19:00)
天井の美しさもありますが
蛇口の愛らしさもあります。
こんなに凝って作られてて どの位の期間がかかったんでしょう。
何もかも 丁寧なデザインと技巧です
by ゆうみ (2023-06-24 23:35)
西洋の教会は綺麗ですよねぇ!
どうしたらこんなに綺麗に作れるのか不思議です
それもうんと昔にね(^^)
by そら (2023-06-25 06:25)
昔、イタリアへ1週間あまりツアー旅行したとき、毎日毎日教会めぐり。
2、3日は辟易しましたが、だんだんステンドグラスとイコンが好きになりました。
ファサードもそれぞれ違っていて面白かった。
by 斗夢 (2023-06-25 06:50)
アントワープの大聖堂、
その荘厳な外観もインパクトありますが、
内装のステンドグラスやドーム天井、
さらには各所の施された装飾なども
見ごたえじゅうぶんですね(*'▽')
とくに色鮮やかで繊細なステンドグラスが素晴らしくて
これはホントに首が痛くなっちゃうくらい
ずっと見上げてしまいそう(´ー`)
by あおたけ (2023-06-25 07:07)
聖母大聖堂、厳かな雰囲気ですね。
そちらの最高気温が平年より10℃高く32℃となるのは、大変ですね。
北京では、40℃を超えたそうで、世界各地、暑そうです。
by テリー (2023-06-25 07:54)
凄いですねぇ 何もかもが見事な作り
これは撮りたくなるなぁ
by (。・_・。)2k (2023-06-25 10:21)
釣鐘状の花のような形のランプシェード(・∀・)イイネ!!
ステンドグラスの色合いは美しく涼しげで(・∀・)イイネ!!
エアコンなしで32℃は危険な暑さですね
何とか乗り切れますように!
by mitu (2023-06-25 12:49)
教会の意匠は阿藤されますね。特にステンドグラスは素晴らしいです。
by JUNKO (2023-06-25 13:30)
翼廊から見上げた写真を見ていると天井に吸い込まれていくような気分に!
クロッシング部の美しさや昇天する青衣のマリアの絵を見ていると
教会の醍醐味は天井だなと改めて思いました。
天国は間違いなくあるって思わせる重要な役割ですよね^^
いきなりの32℃!
せめて夜には気温が下がって熱帯夜ではないことを願ってます。
by ちぃ (2023-06-25 15:51)
そうそう、この絵でした。ネロはお金がなくてずっと見たくても見れなかったんですよね?確か。
写真で見ただけでも迫力ある絵ですね。
by sheri (2023-06-25 16:06)
大聖堂の中って見どころが満載で上見たり下見たりしてると首が痛くなっちゃいますよね。
洗面台の蛇口、私も写真撮ってました。
可愛いですよね^^
by miffy (2023-06-25 16:27)
こんにちは^^
教会のステンドグラス、本当に見事ですね♪
いつまでも見ていたいです^^
洗面台のようなもの、珍しいですね。遊び心があって素敵!
ぶら下がった十字架も初めて見るような気がします。
天井が美しく、その絵を見るのも楽しみの一つですね。
by いろは (2023-06-25 18:19)
聖母大聖堂が何と素晴らしですね、ステンドガラス等も見事なものですが何もかもが見事にまで残されているんですね、
by kousaku (2023-06-25 19:36)
ステンドグラスも何もかもが見事ですね。
「ルーベンス 」フランダースの犬…切なくなります。
by ヤッペママ (2023-06-25 21:07)
ランプのお写真、とても素敵ですね!
アントワープと言えば私にとってもやっぱりフランダースの犬ですけど、そのお話は現地でも知られていないと言われますが、ドイツの人も誰も知らなくてねぇ…
この大聖堂の中には何度か入って、その度にこれがネロのあの絵か~と私はしみじみしますが、うちのドイツ人も友人たちも、ふーんです。この絵を見てもふーんで…たしかに、よくあるテーマですからねぇ…
by めぎ (2023-06-26 00:19)
この目で実際に見てみたいなぁと思います。
1枚目のお写真、とっても素敵♪
ステンドグラス、素晴らしいですね^^
by おと (2023-06-26 05:08)
ステンドグラスの美しさ♪
ルーベンスの絵画は天使が舞い飛ぶ感じのが多い印象。
あんな高い天井にはめ込むのも大変な作業だろうなぁと・・・
蛇口の魚の口から出ているのは何だろう?なんて( ̄▽ ̄;)
小魚を飲み込もうとしている所?
by marimo (2023-06-26 06:28)
イルカに乗ったアリオンなんですね w
じぶんだと手塚先生のトリトンかな? って、トリトンってきっとアリオンが題材なのかも??
キリストの降架、パトラッシュ・・・涙涙
思い出すと悲しくなっちゃいますが、でもでも、この絵、教会で見てみたいです。Inatimyさんは見られたんですよね。・・・・・・いいな。
by moz (2023-06-26 18:14)
→皆さま「聖母大聖堂で見たもの」のお話にnice!やコメントをありがとうございました。おでかけ記事、久々にアップ。忘れないうちに続きも書いてしまわないとなぁ^^;。その前の夏休みの旅の話もあるし・・・。
→ナツパパさま
アムステルダムあたりは教会はあるものの多くがプロテスタントの教会。なので、南へ行くほどにカトリックの荘厳な雰囲気の教会に圧倒されます^^。32℃予想でしたが、実際は31℃あるかないかでした。翌日月曜は、急に下がって20℃前後・・・気温差が激しく^^;。
→YAPさま
「フランダースの犬」の原作者はベルギー人ではなく、英国人ですから、知名度が低いのはそれもあるのでしょうね^^;。私も絵画は自分の好きなように観てますよ。美味しそう、可愛い、が一番気になる部分で、あとその時代の生活用具とかかな、珍しくて。
→ma2ma2さま
教会のステンドグラスですからね、宗教的です^^。天井にも絵画が潜んでいて見どころの一つです。
→ゆうみさま
昔の人のデザイン、発想力というのは、また驚かされますよね^^。見たい所がたくさんあって、キョロキョロと挙動不審になります。
→そらさま
西洋の教会といってもプロテスタント、カトリック、いろんな宗派によっても中の雰囲気が異なるし、建築様式もさまざまで訪問するのが楽しく^^。
→斗夢さま
いいですね、イタリアに1週間余りも♪ 私は一度もまだ行ったことがないんですよ^^;。教会や大聖堂が多いから見応えありそうですね。
→あおたけさま
ステンドグラスの詳細はわからないけれど見た目の美しさだけでも十分楽しめますね^^。これだけの大きな窓をつけても大丈夫なゴシック建築、すごい技術だなと感じます。見どころが多いので、見学有料でも満足。
→テリーさま
エアコンがないので30℃越えはきついです^^;。でも翌日には20℃前後と低くなり、気温差が激しかったです。
→ (。・_・。)2kさま
いいレンズの一眼レフだと、もっともっと元の美しいままに撮れるんだろうなぁ・・・と思います^^。
→mituさま
釣鐘型の花のようなランプシェード、いいですよね^^。欲しくなります。エアコン無しで30℃超えの日はキツイですが、窓もカーテンも閉め切って室温は26.5℃と何とか抑えることができました。
→JUNKOさま
教会や大聖堂の中の装飾、デザイン、とても魅力的です^^。ステンドグラスは大きいので、隅々まで見るのも面白く。
→ちぃさま
ゴシック建築は天井の高さも見どころの一つですよね^^。装飾が凝ってたり、天井ががあったり。天空って言葉を思わせるほどの空間が広がって。32℃予想でしたが実際は31℃あるかないかって感じで、夜には24℃に下がり、翌日の昼間は20℃前後までになりましたよ。
→sheriさま
ルーベンスの絵、昔は有料だったんですよね。って、現在は、ルーベンスの絵画だけではなく、この教会の見学自体が有料になってしまってるけど^^;。でも、長くいい状態で保存してもらいたいし、見どころ満載なので、満足のいく見学でした。
→miffyさま
洗面台の蛇口、こういうところまで凝った装飾にしてしまう所が遊び心が感じられていいですよね^^。見どころ満載な大聖堂の中、満喫しました。
→いろはさま
日本の神社仏閣とはまた違った荘厳さ、美しさがあって、見どころがたくさん^^。巨大な十字架がぶら下がるのも、圧倒される迫力でした。アムステルダムあたりはプロテスタントの教会が多いので、カトリックのはとっても凝った装飾で新鮮。
→kousakuさま
何もかもが見事なままに保存維持されてます^^。見学が有料でも納得いく見どころの多さでした。
→ヤッペママさま
フランダースの犬、最後はやりきれない感じですよね、もっと早くに村人が・・・と思ってしまう^^;。
→めぎさま
好みのランプシェードだったので、背後にステンドグラスの図柄を気に入った位置に入れて撮ってみました^^。フランダースの犬、原作者は英国の人みたいですね、きっとオランダ人もその話知らないと思いますよ。最後の終わり方、子供向けのアニメとしては、かなりヘヴィでしたよね・・・救いようがなく、そして悲しすぎて。
→おとさま
いつかアントウェルペンに行く際には、ぜひ聖母大聖堂にお立ち寄りを。大聖堂の前にある、ネロの像にはすごくがっかり感がありますが^^;。煉瓦畳の道を布団にして寝てる感じで・・・。
→marimomさま
ルーベンスだけでなく、他の画家さんの絵も見応えありました。細々とした装飾、カトリックの教会は内装が凝ってて面白く。蛇口の魚の口から出てるの、私は舌だと思ってましたよ^^;。
→mozさま
昔の彫刻などにあるイルカって、ほんと、魚っぽいんですよね。だから、え、これイルカ?って^^;。子供の頃にTVで観たアニメの「フランダースの犬」に登場した大聖堂で、大人になってからネロのみたルーベンスの絵画を見る・・・なんだかジーンとくるものがあります。この大聖堂に来たのは2回目なんですけどね。16年ぶりでした^^。
by Inatimy (2023-06-28 16:19)
聖母大聖堂、Inatimyさんの記事を拝見していると見ていなかったものがたくさんあってもう一度じっくりと訪れたいですが、そのためには個人旅行か、アントワープで自由時間がたっぷりとあるツアーを探さないと^^
by kuwachan (2023-07-02 15:30)
→kuwachanさま
行くたびに違う箇所が気になったりして、有料になったけど、十分見応えある場所でした^^。私はもう体力的に移動の多いツアーはダメかも・・・大きめな街だと1都市滞在、小さめだと2都市くらいがせいぜい・・・^^;。のんびり、ゆったりが心地よく。
by Inatimy (2023-07-05 16:50)