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教会でルーベンスを見る [アントウェルペン 2023 春]

あまりにも人が多くて、下の部分がまた撮れなかった・・・。

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16年前アントウェルペンを訪れた時にも入った、
Sint-Carolus Borromeuskerk 聖カロルス・ボロメウス教会。 また来た。
 
市庁舎があったGrote Markt フローテ・マルクトという広場から伸びる同名の通りを、
途中で通りの名前が変わっても、ただただ真っ直ぐに歩き続けると、見えてくる教会
 
 
3月中旬、お隣の国、ベルギー日帰りで出かけて、国境を超えてすぐの街、
Antwerpen アントウェルペン(英語だとAntwerp アントワープ)を訪れた日の話、7話目
 
最低9℃、最高16℃くらいの日。
 ※ 前回の、天使のアイスを食べて、家並みや街角の聖母マリア像を楽しんだ6話目は、こちら
 
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聖カロルス・ボロメウス教会は、バロック様式。 入ったところから主祭壇を見る。
1615年から1621年にかけて建てられた、元はイエズス会の教会。 でも1773年に閉鎖。
 
1779年にミラノ大司教区のCarolus Borromeus カロルス・ボロメウスに奉献されて、
1803年から教会として再び使われるように。
 
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主祭壇。 その上のドームのレリーフも、手の込んだ細工が施されて。
 
年に3回主祭壇交換される。 舞台装置みたいな仕組みになってるよう。
交換の時だけ、教会への入場料(さっき見たら1人5ユーロ)を徴収だとか。
 
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訪れた時は、アントウェルペン生まれの画家、Gerard Seghers ヘラルト・セーヘルス(1591-1651)の
"De kruisoprichting"「キリストの昇架」
 
16年前の・・・
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(コンデジCASIO EX-Z120で撮影)
・・・8月上旬に、この教会を訪れた時は、青衣をまとった聖母マリア祭壇画だった。
 
アントウェルペン生まれの画家、Cornelis Schut コルネリス・スフット(1597-1955)の
"De Kroning van Maria"「マリアの戴冠式」
 
コルネリス・スフットは、聖母大聖堂クロッシング部分の一番高いところにある天井画も描いた人。
あれも聖母マリアだったな。  ※ その絵の写真のある記事は、こちら
 
 
祭壇画3枚のうち、あと1枚だけ見ていない・・・気になる。
で、動画を探してみた。
 
 
解説はオランダ語だけど、映像だけで3枚の祭壇画と、祭壇画の交換の様子までもがわかると思う。
 
 
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昔はこの天井にルーベンスの描いた天井画39点があったけれど、1718年の落雷後の火事で失われたそう。
左には説教壇。 奥にはエントランスの上にパイプオルガンがある。 床の模様も綺麗。
 
ルーベンスとは、フランドル画家のPeter Paul Rubens ペーター・パウル・ルーベンス(1577-1640)。
アントウェルペン聖母大聖堂にある「キリストの昇架」「キリストの降架」を描いた画家。
  「フランダースの犬」の主人公ネロが見たかったという、あの絵。
 
この右側にある・・・
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・・・側廊は、斜めの市松模様の床。
 
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教会にあるを撮るのは好き。 背景に何を入れたいか、考慮しながら。
 
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主祭壇の向かって左側にある礼拝堂
その祭壇画も、Gerard Seghers ヘラルト・セーヘルスによって描かれたもの。
 
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「どう? 一枚食べてみる?」なんて、お煎餅でも勧めてそうな。 背景は主祭壇
このお方が教会の名前にもなっている、カロルス・ボロメウスという聖人。
 
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側廊から見るアーチは美しく。 柱の左側に立つ像が、さっきのお煎餅の聖人像。
 
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主祭壇の向かって右側にある礼拝堂には、ルーベンスの絵。
"Terugkeer van de Heilige Familie"「聖家族の帰還」
 
絵の縁の上には、Altare Privilegiatumと書かれていた。 ラテン語で意味は、特権的な祭壇
なんか特別っぽい・・・とだけ分かる。
 
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側廊から、脇の部屋に入る。 出入り口には、幼子イエスを腕に、聖母マリアの像。
 
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中の礼拝堂祭壇画が美しく。
 
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反対側の側廊脇の礼拝堂は祈りを捧げる人のための静かな場所だったので、
その入り口のだけを撮らせてもらった。
 
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教会から外に出ると、向かいには、古そうな図書館。 起源は1481年にまで遡るそうな。
Erfgoedbibliotheek Hendrik Conscience・・・直訳は、遺産図書館 ヘンドリック・コンシエンス
 
遺産図書館は、また保存図書館とも言われてるようで「保存機能に重点を置いた図書館」のことらしい。
そして、ヘンドリック・コンシエンス(1812-1883)は、アントウェルペン生まれの作家。
 
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教会の周りは、この日、バタバタと慌ただしく。 時代物のTVドラマ映画撮影がなされていた。
 
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ちなみに、教会正面、ファサードの中央部分にあるイエズス会の紋章とその周りにいる天使のデザイン、
これらもルーベンスによるものらしい。(写真は冒頭に使ったもののトリミング)
 
・・・と、アントウェルペンには、聖母大聖堂の他にも、ルーベンスを満喫できる教会があるのだった。
 
この日の話、あと少し続く。



カトリックやプロテスタントなどキリスト教のことは詳しくはわからないけど、
教会内のの表情によって、この角度がいいな、とか、あるよね^^。

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angie17

教会の内部、重厚で素敵ですね。
天井のドーム型の部分もキレイ~~!
まるで映画の世界に居るようです。
by angie17 (2023-09-15 17:29) 

おと

美しいですね~♪
つけてくださった動画、見ました!祭壇画を交換する時の仕組み、とっても面白い!絵の後ろにこんなスペースがあるとは、びっくりです。
by おと (2023-09-15 19:49) 

みち

バロック様式の教会は重厚な雰囲気ですね。
主祭壇の絵が年に3回交換されるのは何か意味があるのでしょうか?
日本なら季節に合わせて年に4回になりそうです。
by みち (2023-09-15 20:48) 

八犬伝

アントワープですか
一度は訪れたいと思っていたのですが
結局、ベルギーも行かず仕舞いに終わってしまいそうです。
by 八犬伝 (2023-09-15 21:20) 

ma2ma2

バロック調の教会は長く残っていますね。
普段から使われているから残るのですね。
by ma2ma2 (2023-09-15 23:18) 

Boss365

こんにちは。
聖カロルス・ボロメウス教会、美しい教会ですね。
天井・ドームのレリーフも深く大きく立体感あり見事です。
祭壇画の交換の様子、大変大きな祭壇画で交換の様子は大変興味深いです。
また、終了後に拍手が起きるのも納得の作業ですね。
あと1枚の祭壇画、リアルに鑑賞・リベンジを願ってます!!
ところで、ルーベンスが描いた「聖家族の帰還」ですが・・・
紆余曲折を経て教会に戻って来たみたいですね!?(=^・ェ・^=)
by Boss365 (2023-09-16 00:48) 

kuwachan

バロック様式の聖カロルス・ボロメウス教会、内部が真っ白でとても美しいですね。
主祭壇の天井のドームのレリーフも手が込んでいて見事。
祭壇画の交換の様子にはびっくりしました。公開でやることにも驚きです。
しっかりと料金を取ってることにも^^
by kuwachan (2023-09-16 05:59) 

(。・_・。)2k

床の柄が面白いですね
市松模様も映えますね
by (。・_・。)2k (2023-09-16 08:03) 

marimo

教会内の重厚な造りがさすがですね。
ルーベンスの絵はとても大きい!
動画も拝見しました。レリーフの美しさが際立ちますね♪
by marimo (2023-09-16 09:34) 

ぼんぼちぼちぼち

ルーベンスをはじめとして、当時の画家の作品は、西洋美術史を学んだ時に教科書で観て知っていやしたが、絵だけが切り取られた写真だったので、こんな豪華絢爛な聖堂に設置されていたとは、驚きやした。
by ぼんぼちぼちぼち (2023-09-16 10:11) 

ナツパパ

豪華な教会ですねえ、すばらしい。
これほどの建物と内装を建てられるのは、街がとても豊かだったからでしょう。
そうか、アントウェルペンはベルギーでしたね。
だから教会が豪華なんだな。

by ナツパパ (2023-09-16 10:31) 

あおたけ

各所に施された装飾が繊細で
荘厳さを感じるアントワープの教会。
主祭壇に掲げられたキリストの絵画は
作品内容よりその大きさに驚きですΣ(・ω・ノ)ノ!
そしてその上のドームまた凝っていて
見ごたえありますね(*'▽')
私は絵画や芸術に疎いですが、
ルーベンスというとやっぱり
フランダースの犬の最終回(?)が
思い浮かびます(´ー`)
ネロが見たかった絵って実在するのかな?
by あおたけ (2023-09-16 11:18) 

YAP

ベルギーは自分にはなかなか接点がない国です。
ANA がブリュッセル路線ありますが、なかなか出張で使うにはお高いですし(承認が下りない)。
以前、ドイツ4か月の長期出張に行っていた期間に3連休があり、一緒に行っていた同僚がブリュッセルまで遊びに行ってました。
私はそのとき、チューリッヒを行先に選択。
そのときがチャンスだったんだろうなあ。

今朝、無事に帰国しました。
相変わらず飛行機の中では眠れないので、今かなり眠いですが、もう少し頑張ってその勢いで寝れば、たぶん今回も一夜で時差ボケ解消しそうです。
by YAP (2023-09-16 18:29) 

いろは

こんにちは^^
アントワープの教会、主祭壇のドームのレリーフ、素晴らしいですね♪
「聖母マリアの戴冠式」は初めて目にします。
床の模様も色々あって凝っていますね。市松模様も素敵。
幼子イエスを腕に聖母マリア像、紫のガウンのような物を羽織った姿も珍しいですね。
ルーベンスの絵画をスペインで観た記憶があります。
確かに大きかったと思います^^

by いろは (2023-09-16 18:33) 

JUNKO

協会が権威の象徴としてその華麗な内部装飾や絵画彫刻などの1級品を集めたのでしょうね。そんな中に身を置くと身体が震えるような感動を覚えます。
by JUNKO (2023-09-16 20:35) 

めぎ

絵の取り換えってこうやってするんですね~映像、面白かったです。
絵の後ろや下にこんなにスペースがあるとは。
祭壇って、機能的にできているんですね。
by めぎ (2023-09-17 00:48) 

TaekoLovesParis

動画、見ました。こうやって祭壇画を取り替えるんですね。ジャッキを使って上げ下げする、なるほどねと思いました。
by TaekoLovesParis (2023-09-17 16:27) 

Jetstream

アントワープは二度ほど訪れましたが、この教会は訪れていません。
素晴らしい、まるで美術館のようです。
by Jetstream (2023-09-18 14:20) 

トモミ

私もここはン十年前(笑)と数年前と計2回訪れました!

by トモミ (2023-09-19 13:37) 

ちぃ

お煎餅の聖人(笑)
親しみやすい雰囲気でとっても素敵!(≧∇≦) 
見どころばかりで教会というより美術館のようです^^
by ちぃ (2023-09-19 14:42) 

Inatimy

→皆さま「教会でルーベンスを見る」のお話にnice!やコメントをありがとうございました。お返事が遅くなりすみません。季節の変わり目、特に夏から秋にかけての頃にいつも体調を崩しやすくて。気をつけててもダメですね^^;。

→angie17さま
まさにバロック様式って感じの重厚さと装飾コテコテ^^。ルーベンスが装飾やデザインに協力していたみたいで、その画家の絵画が観られるのもいいところ。

→おとさま
祭壇画の背後にこんなカラクリがあろなんて、と驚きました^^。昔の人の発想と知恵、素晴らしい。

→みちさま
祭壇画は最初4枚あったそうです。そのうちの2枚は今ウィーンの美術館にあるんだったかな。その後、一枚の祭壇画が追加され3枚になったようですよ^^。

→八犬伝さま
アントワープ、オランダからは近いので^^;。コロナ禍はずっとオランダ国内に籠っていたので、このアントワープがコロナの後の初めての海外。と言っても日帰りですけどね。

→ma2ma2さま
バロック様式の装飾はコテコテですよね^^。宗教色が強いので、まだまだ現役の教会。 アムステルダムあたりは宗教色が薄いので、教会もイベント会場として使われてたりします。

→Boss365さま
祭壇画の交換、すごい仕掛けが背後にあるのにびっくりでした。人力で、クルクルとハンドルを回して作業する様子、意外で。残りの一枚もいつか観に行けたらなぁ。

→kuwachanさま
この教会、ルーベンスが装飾デザインに協力していたそうなので、なかなか見どころ多く^^。祭壇画の交換、この時だけ入場料っていうのも、ふふふですが、やっぱりカラクリの維持にもお金がかかるということなんでしょうね。

→(。・_・。)2kさま
床の模様、いいですよね。きっと上の階から眺めたらもっともっとその良さがわかるのかも^^。

→marimoさま
バロック様式って、重厚で装飾がコテコテで見どころいろいろ^^。ルーベンスの天井がが残っていたら、もっと迫力があったかも。

→ぼんぼちぼちぼちさま
絵画とその周りの様子、調和、絵画がより生き生きとしたものに見えてきますよね^^。美術の教科書でしか知らなかった画家やその絵画、欧州に来てからいい出会いがたくさんありました。

→ナツパパさま
アントウェルペン、ベルギーです。しかもカトリックが主流だから、プロテスタントの多いオランダ北部とは教会の内部が全然違います^^。アントウェルペンの街を歩いていても聖母マリア像があっちにもこっちにも。

→あおたけさま
フランダースの犬のネロが最後に見た絵画2枚、実在しますよ。ちょっと前に紹介したアントウェルペンの聖母大聖堂の記事にも載せてます^^。

→YAPさま
オランダに住み始めて私が選ぶ旅先はもちろん行ってみたいところというのがありますが、それとともに、絶対日本からだったら行かないだろうな、という国や街も対象に^^。特にオランダの小さな街は日本からだったら旅先に選びそうに無いので、今のうちにと、オランダ国内旅行です。飛行機、私は長距離が苦手で、狭い空間の中でゴーっという音を常に聞いてるのが苦痛ゆえ、すぐに寝てしまいます^^;。

→いろはさま
聖カロルス・ボロメウス教会、さすがバロック様式という感じで、装飾も凝ったものばかり。かなりの見所がありました^^。スペインでルーベンスの絵画というと、プラド美術館かな。あそこはかなり広いですよね。

→JUNKOさま
聖カロルス・ボロメウス教会、ここは権威の象徴として絵画や装飾を集めたのではなく、元からルーベンスが装飾デザインなどに協力をしていたのでした^^。

→めぎさま
聖カロルス・ボロメウス教、祭壇画の交換ができるように工夫された裏のカラクリがすごいですよね^^。ほんと、舞台装置みたいで驚きでした。

→TaekoLovesParisさま
ジャッキなのか、何か手動でクルクルと回してましたよね^^。こんなカラクリが祭壇画の背後に隠されていたなんて、びっくりでした。

→Jetstreamさま
ルーベンスが装飾デザインに協力してるので、バロック様式に加え、なかなかゴージャスな感じです^^。16年前ほどにアントウェルペンを訪れた時、散歩しててたまたま見つけた教会。当時は暗いところに強いコンデジではなかったので手ブレが多く、今回再訪し撮り直したかったのでした。

→トモミさま
聖カロルス・ボロメウス教会、いいところですよね^^。

→ちぃさま
お煎餅の聖人、ほんわかしてますよね^^。見所が多くて、キョロキョロとあちこち見まわし、挙動不審でした。教会内部、上の階から眺めてみたかったなぁ・・・。
by Inatimy (2023-10-11 17:26) 

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