ホールンへ帰ろう [ホールン 2022年 夏]
見たことがあるような花・・・何だったっけな、これ。
ウスベニアオイ(薄紅葵)だったかな。 アオイ科 ゼニアオイ属。
7月中旬、Hoorn ホールンの旅、2日目の続き。 20話目。
ホールンはアムステルダムの北、約35kmあたりにある街。 ここで我が家は3泊4日の夏休み。
ホールンはアムステルダムの北、約35kmあたりにある街。 ここで我が家は3泊4日の夏休み。
この日は、ホールンから蒸気トラムに乗って、Medemblik メーデンブリックを訪れていた。
メーデンブリックは、ホールンの北、15kmくらいのところにある街。
メーデンブリックは、ホールンの北、15kmくらいのところにある街。
※ 前回の、ラドバウト城での庭で猛禽をチラッと見たり、植物を眺めたりした19話目は、こちら。
お城の外観を撮った後、そのそばの駐車場の向こうに・・・
・・・防波堤のようなものがあって、道が続いていた。
ずんずんと進んで、先っぽの方まで。
これ以上は進めず、行き止まり。 風があって、波も打ち寄せてきて。 でも実はこれ、海ではない。
ホールンもメーデンブリックも海に面した街ではないのだ。
ホールンもメーデンブリックも海に面した街ではないのだ。
いや、昔は海に面していたのだけれどね。
オランダ北部にはかつて大きく口を開けた湾があり、その内海はZuiderzee ザウダーゼーと呼ばれていた。
オランダ北部にはかつて大きく口を開けた湾があり、その内海はZuiderzee ザウダーゼーと呼ばれていた。
でも、嵐のたびに街が洪水で浸水したり、水害がひどく、湾の入り口を長い堤防で塞いでしまった。
(閘門や水門を設けているので、船は出入りできる。)
(閘門や水門を設けているので、船は出入りできる。)
その堤防が1932年に完成したAfsluitdijk アフスラウトダイク(締め切り大堤防)。
全長32km。 道路でもあり、対岸を繋ぐ。
全長32km。 道路でもあり、対岸を繋ぐ。
閉じられた内側は、現在、湖になっている。
その後、さらに南側にHoutribdijk ハウトリブダイクという堤防が作られて湖を横切る道もできた。
その後、さらに南側にHoutribdijk ハウトリブダイクという堤防が作られて湖を横切る道もできた。
その堤防から北側をIJsselmeer アイセル湖、南側をMarkermeer マーカー湖(マルケル湖)。
さらに南のアムステルダム寄りをIJmeer アイ湖。 名前が3つになった。
さらに南のアムステルダム寄りをIJmeer アイ湖。 名前が3つになった。
アイセル湖が約1,100km2、マーカー湖(マルケル湖)700km2、アイ湖80km2で、計1,880km2。
締切大堤防の内側は、香川県(1,877km2)とほぼ同じくらいの大きさになるよう。
ちなみに、日本最大面積を誇る琵琶湖の大きさは、670.4km2。
締切大堤防の内側は、香川県(1,877km2)とほぼ同じくらいの大きさになるよう。
ちなみに、日本最大面積を誇る琵琶湖の大きさは、670.4km2。
というわけで、ホールンはMarkermeer マーカー湖(マルケル湖)に面した街で、
メーデンブリックはIJsselmeer アイセル湖に面した街なのだった。
メーデンブリックはIJsselmeer アイセル湖に面した街なのだった。
ここでの釣りは禁止されているよう。
ちなみに、オランダで釣りをするには許可証が必要。 釣具屋さんやオンラインで手続きができる。
ちなみに、オランダで釣りをするには許可証が必要。 釣具屋さんやオンラインで手続きができる。
内陸の水路へと続いていく。 何度か入ってきた船に手を振った。
木製の大きな杭に打ち寄せた波が砕かれ、敷石部分へと及ぶのが面白く、じーっと見てたり。
防波堤に生えてた植物。 これは木苺かな。
たぶん、これはベニカノコソウ(紅鹿の子草)。 オミナエシ科 ベニカノコソウ属。
以前、パリの植物園でも見た覚えがある。
以前、パリの植物園でも見た覚えがある。
学名:Centranthus ruber セントランサス・ルベル。
オランダ語:Spoorbloem スポールブルーム。
オランダ語:Spoorbloem スポールブルーム。
さて、来た道を引き返そう。
Pekelharinghaven ペーケルハーリングハーフェンという港の周りを歩いていた時に見た多肉植物。
なだらかな坂になった石垣の隙間から、あちこち生えていた。
なだらかな坂になった石垣の隙間から、あちこち生えていた。
跳ね橋がかかっていた水路。 ずーっと奥の方に、さっきの防波堤の先っぽがある。
※ その跳ね橋が上る写真がある記事は、こちら。
※ その跳ね橋が上る写真がある記事は、こちら。
赤茶色の屋根をズームすると・・・
・・・煉瓦造りの建物。 その前で若者たちが日光浴したり、水に飛び込んだり。
お店が並ぶメイン通りを歩いて・・・
・・・蒸気トラムの駅まで戻ってきた。 右側の緑の土手の向こう側にはIJsselmeer アイセル湖。
我が家が旅した時期は、蒸気トラムの運行は1日に1往復だけだから、静かなもの。
※ 蒸気トラムでメーデンブリック駅に到着した時のお話は、こちら。
※ 蒸気トラムでメーデンブリック駅に到着した時のお話は、こちら。
メーデンブリックからホールンへは、駅の横から出るバスで帰る。 普通の路線バスで139番。
旅に出る前に、ネットで検索して帰り道を調べられるのは安心。 便利な世の中。
旅に出る前に、ネットで検索して帰り道を調べられるのは安心。 便利な世の中。
バス停から、蒸気トラムのプラットホームの向こうを見る。
土手をあがったところにあるベンチ。
土手をあがったところにあるベンチ。
日向ぼっこしながら、湖を眺め、おしゃべりに最適な場所みたい。
バスの車窓からの一枚。 風力タービンが回る。
終点のホールンの鉄道駅まで、バスの停留所は15ヶ所。
終点のホールンの鉄道駅まで、バスの停留所は15ヶ所。
途中、高速道路A7も通って快調に飛ばし、30分ほどでホールンへ戻れた。
往路の蒸気トラムでは1時間25分かけてメーデンブリックに来たから、それを思うと余計に早く感じられ。
往路の蒸気トラムでは1時間25分かけてメーデンブリックに来たから、それを思うと余計に早く感じられ。
この日の話、まだ続く。
ちなみに、この時乗ったバス、ICカード読み取り機が故障してたみたいで、
無料で乗せてくれた・・・いいのかな、と申し訳ない気分^^;。
無料で乗せてくれた・・・いいのかな、と申し訳ない気分^^;。
乗客は、我が家含めて5人くらいだったけどね。
ICカードの読み取り装置が故障したら、日本ではバスは運休になっちゃいますね。
無料で乗せてくれるのはおおらかですね。
by ma2ma2 (2023-04-25 20:26)
この湖の水質は海水なのかな?
改良工事で 被害が少なくなったことは良かったですね
by ゆうみ (2023-04-25 20:37)
水と闘い克服してきた国なんですよね。
by 斗夢 (2023-04-25 20:44)
こんにちは。
防波堤の先端、言われなければ海と錯覚する風景ですが・・・
それでも波を見ると湖風な柔らかな波ですね。
人工的に閉じた労力・パワーに驚きます。また、面積を聞いて再びビックリです。
行きは蒸気トラムで帰りはバス、違う風景に遭遇出来るので楽しそうです。
それにしても高速バスで「30分ほどでホールン」は、あっという間ですね。
また「無料で乗せてくれた」は、日本ではない事かな!?(=^・ェ・^=)
by Boss365 (2023-04-25 21:30)
いいところですね。こんなところ歩いてみたいです。
by JUNKO (2023-04-25 21:49)
どんな地形だろうかと気になって地図で確認しちゃいました^^
長い道路の防波堤すごいな~。お天気が良ければ、この大堤防を車で走るのも気持ちよさそうですね。ICカード読み取りの故障、私の良く乗るバスの運転手さんも、無料で良いよ~って言うと思います。こちらも、かなりゆるいです♪
by おと (2023-04-26 04:41)
一枚目の写真のお花、いつも行くマルクト市場への道端にいつも夏に咲いているのと同じような…これを見ると、ああもう夏なんだなあって思います。
ICカードの読み取り故障なんて、毎日の通勤バスで日常茶飯事です。でもたまにキセルチェックが入ってます。そこでチケット持っていなかったら、罰金、今は60ユーロのようです。
by めぎ (2023-04-26 05:04)
歩くだけで気持ちがズンズン晴れていきそう
by suzu* (2023-04-26 05:37)
まるで海辺に立っているかのような
対岸が見えないほど大きな湖、
もともとは海に面していたのに
災害を防ぐために長い堤防で湾を塞いじゃったなんて
おもしろい歴史があるのですね(・∀・)
ここでの釣りは禁止とのことですが、
生息しているのは海水魚なのかな?
それとも淡水魚?
蒸気トラムのホーム、列車の姿はなくとも、
緩やかにカーブする線路がいい雰囲気ですね(´ー`)
by あおたけ (2023-04-26 07:03)
オランダも許可書がないと釣りダメなんですね
堰き止めてると言うことはしょっぱいのかな?
どんな魚が釣れるのか気になるな
by (。・_・。)2k (2023-04-26 07:25)
のどかな水辺の景色を眺めてのんびり
いい夏休みのひとときですねぇ^^
by mitu (2023-04-26 07:56)
湖の大きさがピンとこなかったのですが、琵琶湖と比べていただき、やっとこその広さが想像できました。
ほぼ海辺の景色ですね。
by YAP (2023-04-26 08:05)
Inatimyさんのお写真には、どれも電線が映り込んでいないですね。
日本と違って、電線は地中に埋めてあるのかしら?
絵画のような美しい風景♪
広大な平原、水路も美しい景色に溶け込んでます。
by marimo (2023-04-26 08:11)
運河を、湖を進む船に手を振る風情が絵になります。
IC読み取り機故障で無料も、その機転が絵になります。
のどかであることが重要です。
by tommy88 (2023-04-26 08:21)
全長32kmの大堤防兼道路、
かなりの日数と労力と予算が必要だったと思いますが
それだけ投資しても防ぎたい水害だったんだろうなと想像です。
ネットが普及して旅に出る前の下調べは本当に簡単になりましたよね!
そしてそれらの情報がないと全然動けない。
ネット普及前は一体どうやって旅行していたんだろうと
我が事ながら不思議に思ったりします(^▽^;)
by ちぃ (2023-04-26 14:54)
こんにちは^^
ゼニアオイ、花が沢山咲きますね。抜いても抜いても生えて来ます(ご近所の駐車場)^^
ベニカノコソウはこちらではあまり見かけないようです。
街灯の下にお花を飾るのって素敵ですね♪
by いろは (2023-04-26 15:52)
時間はゆっくりと流れ 長閑な感じのするこの場所。
素敵だなぁ~。
by ヤッペママ (2023-04-26 20:24)
僕も地図で確認しちゃいました。香川県と同じくらいだなんて、オランダのどこにそんな大きな「湖」が・・・って、かなり拡大を上げないと堤防が表示されないんですね。表示されても只の”線”なので、今回の記事で説明受けてなかったら、これが堤防、道路だとはまるで思わないでしょうね。ぱっと見、地図では今だって湾そのもの、内海なので、どこだ?どこだ?、でした(^^;。水害との闘いは大変ですよね。1932年完成かぁ、90年も前に、さぞや大工事だったんだろうなぁ、
by yk2 (2023-04-27 08:22)
世界は神様が作ったけれど、オランダはオランダ人が作った、と知人のオランダ人が自慢してましたっけ。この写真を拝見すると、自慢するのも頷けます。
by ナツパパ (2023-04-27 09:48)
いや~、これどう見ても海に見えますって~(^▽^;)
釣り禁止とのこと、かなりでかいのが釣れそうなんですけどね~。
トラムの駅も含めた風景、ほんと素敵です~!
by よーちゃん (2023-04-27 17:53)
お写真だけ見たら海にしか見えないですが、正確にいうと湖なんですね。
湾をふさぐ長い堤防の工事は大変だったでしょうが、
それ以上に被害が大きかったということですね。
ネットでバスや列車の時間を調べられるようになって本当に便利になりましたよね。
つくづくそう思います。
by kuwachan (2023-04-28 21:13)
大堤防で閉め切られて湖になっても寄せてくる波を見ると初めて見る人はこれが海か~って思うでしょうね。
心地よい風を受けながらのお散歩、気持ちいいでしょうね^^
by miffy (2023-04-29 17:17)
→皆さま「ホールンへ帰ろう」のお話にnice!やコメントをありがとうございました。春になったのにまだ夏休みの話してますが、どうかお付き合いくださいね^^;。オランダ、海だったところが湖になったり、湖だったところが陸地になったり、自在に国土を変えていくのが、スケールが大きすぎて驚きです。
→ma2ma2さま
故障したけど無料で載せてくれるの、ほんと日本ならありえないですよね^^;。 おおらかです。
→ゆうみさま
大堤防で仕切られた直後は塩湖だったようですが、ここに流れ込む川や水路の水で今は淡水になったと聞いてます^^。
→斗夢さま
水と戦って、工夫して、国民を守ってきたオランダ、治水技術がすごいですよね^^。
→Boss365さま
締切大堤防はかなりの規模の工事だったみたいで、作業中の様子を画家が描いて残していたり。でも地球の温暖化で海面上昇してきてるので、追加工事が必要だとか話も聞いたことが。ホールんへ帰るバス、普通の路線バスなんですが、高速道路を走るところがまた面白くて^^。オランダの高速道路、無料だし。
→JUNKOさま
いいところでした。のんびりとして、夏休み、過ごしました。
→おとさま
対岸とを結ぶ長い道路にもなってる大堤防、工事の規模が大きいですよね。この道、オランダのF1レーサーが走って時速326kmに達したようです^^。
→めぎさま
ウスベニアオイとかアオイ科の植物を見ると夏だなって感じがしますよね。タチアオイとかは特に^^。ICカードの読み取り機の故障はよくありますが、運転手が自ら無料でいいと言って乗せているので公認です。オランダの場合、普通のキセル乗車の場合は、確か、運賃+罰金50ユーロだったかな。
→suzu*さま
散歩するだけでも気分転換できますね^^。家から近い街だしお気楽です。
→あおたけさま
オランダの歴史は水との戦いの歴史と言っても過言ではないようです。干拓して大地を作り上げたり、運河を掘ったり、自然保護しつつ、暮らしのために国土を変えてきたみたい。大堤防ができた直後は塩湖だったようですが、流れ込む川や水路の水で変化し、今は淡水湖となってます^^。獲れるれる魚で有名なのは、ウナギかな。蒲焼で食べたいけれど、売ってるのは燻製だったり。駅のホーム、低くてあまり段差がないのも雰囲気いいですよね^^。
→(。・_・。)2kさま
オランダも釣りには許可証が必要です。堰き止めた直後は塩湖でしたが、流れ込む川の水や水路の水で今では淡水湖。獲れる魚で一番有名なのはウナギです。あと、調べてみたらワカサギみたいなニシキュウリウオ、ヨーロピアンパーチって出てきました^^。
→mituさま
マスク不要になって、あまり月日も経ってなかったので、国内のごく近場で過ごした夏休みでしたが、いつもと違う街を散歩するだけで、楽しく^^。
→YAPさま
私もどのくらいの広さかピンと来なかったので、日本で一番大きな琵琶湖の広さを調べてなるほどでした^^。海みたいですよね。
→marimoさま
オランダは電線は地中化されてます^^。蒸気トラム機関車の駅の周りは電柱がありましたよ。雰囲気を醸し出すように。
→tommy88さま
手を振ると振替してくれたり、嬉しいですよね。蒸気トラムに乗ってる時も、踏切待ちの人が手を振ってくれました^^。普段バスに乗っててもたまに読み取り機の故障があって無料になってます。いいのかな・・・って申し訳なく^^;。
→ちぃさま
ネット普及前の旅行、思い出すと懐かしいなぁ。海外行くのに大使館の観光課とかに資料請求すると大量のパンフが送られてきて。現地のホテル予約も、行ってから観光案内所を通して予約してもらったり、初日の分だけは確保しようと手紙書いて国際郵便為替を同封して予約したり^^;。今はなんて便利なんだろう。欧州にいると換金せずユーロで行けるところも多いし。
→いろはさま
ゼニアオイ属の植物もかなりの種類がありますよね。似てるけど違うというのが多くて調べるのも大変。街灯の下に花いっぱい寄せ植えのプランターを下げるの、すごくウキウキした気分になれますよね^^。
→ヤッペママさま
ものすごく近場で過ごす夏休みでしたが、街が違うと散歩してても気分が変わりますね。日常とは違うのどかさを味わえて^^。
→yk2さま
今Googleマップで見ることができるオランダのこれら3つの湖、大堤防で締め切られた当時まだもっと大きかったんですよ。干拓でフレヴォラント州ができて、その分狭くなりました^^。Urkって街があるんですが、そこは元々は陸から離れた島だったし。オランダ人、国土改造の規模が大きい・・・。大堤防の他にも治水のための堰など、種類も多く、オランダを水害から守ってます。
→ナツパパさま
オランダはオランダ人が作った、本当にそうですね^^。湖だったところが干拓で陸地になったり。運河や水路を掘ったり、森を作ったり。
→よーちゃんさま
この湖で獲れる魚、ウナギが一番有名かも。売られてるのは燻製ですけどね^^。レストランではバター焼きも食べたことがありますが、コテコテ。
→kuwachanさま
今は湖になってます^^。大堤防ができるまで、かなりの水害の被害があったようなので、人や家畜の命を守るための大きな決断だったと思います。ネットでなんでも調べられるようになったので、旅がものすごく楽になりましたよね。以前はホテル予約を手紙でしたことがあります・・・国際郵便為替を同封して。
→miffyさま
海といってもおかしくないほどの風景ですよね^^。この日は快適な気温でした。散歩も楽々。ホールンへ戻ってもまだ歩けたし。
by Inatimy (2023-05-09 00:02)